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Vic Gohのフォトアルバム Vol-12
2004年9月1日
郷 勝哉

グランドキャニオンとデスヴァレー

<まえがき> 前回はモニュメントヴァレーでしたが、引き続き畑尾さん達が観光予定のグランドキャニオン及び、予定には入っていませんが更に西のデスヴァレー国立公園の風景をご紹介します。


グランドキャニオンは、海抜2000 m 以上の台地をコロラド川が流れて浸食した結果生じた渓谷です。写真の中央に白く見えるのがそのコロラド川で、谷の深さは平均1.2 km、海抜560 mの所を流れています。コロラド川は文字通りコロラド州から発し、ユタ、アリゾナ各州を通り南下して隣国のメキシコに入り、最後はカリフォルニア湾にそそぐ全長2,334 km の長大な川ですが、その中流でアリゾナ州の西北部の流れ約400 km を含む地域がグランドキャニオン国立公園として保護されています。


グランドキャニオンは北岸で海抜 2700 m, 写真の南岸でも海抜2300 mの高地ですが、渓谷の中は盆地と同じで気温が高いため、雪が降るとまず地表に近い所だけ積もります。夏の谷底は大変な暑さで摂氏 50 度にもなるため、毎年250人ぐらいのハイカーが脱水症でヘリコプターで救出されるとか。


グランドキャニオンの観光拠点であるGrand Canyon Village 近くの South Rimからの風景で、対岸まで約20 kmあります。山があれば登りたくなり、谷底に川が見えれば降りてみたくなるのがハイカーですが、ここの谷底までの高度差はたった 1 km と(神奈川県の大山くらい)見くびって歩くと、ベテランといえども後悔することになります。山の場合は登るにつれて視界が開け、涼しくもなって頂上で360度の眺望に歓声を上げ、爽快な気分で後は下るだけですが、グランドキャニオンの場合は下るにつれてどんどん暑くなる一方、見上げる空がだんだん狭くなり、着いた谷底は焦熱地獄、戻るには景色も同じ元来た道を、一般観光客のロバの隊列に追い越されながら、暑さに耐えてあえぎあえぎ登らねばならず、下手をすると前述のようにヘリコプターの助けを呼ぶ羽目になります。


台地が浸食された結果、地層がむき出しになった様子が良く解ります。



ほぼ平らな台地にえぐられた渓谷という特殊な地形は、訪れるものの意表をつきます。それは、ごく近くまで来てもそれらしい景色がさっぱり見えず、写真の様な崖っぷちまで来て突然目の前に巨大な渓谷が現れるからです。特に日本で渓谷といえば、昇仙峡のように山と山の間に挟まれた地形に決まっているので、私の場合も無意識にそれらしい地形が見えてくることを予想しながら車を走らせたのですが、行けども行けども平らな森の中の一本道で、直前まで「グランドキャニオンは一体どこだ?」という感じでした。


<デスヴァレー>北は北極圏 (アラスカ) から南は亜熱帯 (フロリダ) と、東西だけでなく南北にも大きなアメリカ大陸には氷河から砂漠まで「何でもあり」ですが、グランドキャニオンから更に西のネバダ州とカリフォルニア州の境に、海面より86mも低い盆地のデスヴァレー(死の谷)という国立公園があります。



英語の desert (砂漠と訳される) は普通「緑が無い荒れ地」という意味で、そういう意味での desert は西部では至る所にありますが、砂丘 (sand dune) のある砂漠はここだけで、カジノで有名なラスベガスの直ぐ西側にあります。



この辺には雨が降ると出現し、乾期には干上がって消滅するドライレイクが多くありますが、その繰り返しの結果、写真のように湖底に塩の結晶の固まりが出来て平原になった所があり、 「悪魔のゴルフコース」という名前が付けられています。タイガー ウッズ といえどもここでは悪戦苦闘すること請け合いです。
私が行った当時のデスヴァレーは、まだ国定公園で管理が厳しくなかったのか、写真に写っているように自由に歩き回れましたが、その後環境破壊が進み、現在はその回復を計るため閉鎖されているそうです。



公園の一角にこんな怪物が展示されていました。採掘した硼砂を運ぶためのトレーラートラックで、石炭焚きのスチームエンジン三輪トラクターが引張ります。 1894年にそれまで使っていたロバ20頭立てのワゴンに代わり導入されたと説明されています。大口径で頑丈そうな車輪が重い鉱石を積んで凸凹道を走っていたことを物語っていますが、タイヤは元々無く、運転する者にとって乗り心地は極めて悪かったに違いありません。


あとがき

私がグランドキャニオンへ行ったのは1975年11月末のことで、駐在していたロスアンゼルスから当時小学生と中学生の子供達を含めた家族を連れ車で出発、まずグランドキャニオンの手前のWilliams という町のモーテルに泊まったのですが、朝起きたら車が雪で真っ白に覆われていてびっくり。高地ということで雪用にシャベルやタイヤチェーンなど積んであったのと、それまでのニュヨーク駐在で雪には慣れていたので、早速全員で雪かきをし、駐車場にあった車を道路に出られるようにしました。

ところが同じモーテルに泊まっていたご婦人は全く雪の用意がなく、「向かい側のガソリンスタンドでチェーンを買いたいが、そこまで車を運転して運んでくれないか」と頼まれ、そこは雪のニューヨーカーの腕の見せ所というわけで、雪道運転のノウハウ?を最大限発揮し、フルサイズの2トンはある車を一気にガソリンスタンドまで走らせましたが、(4駆など無かった当時、普通タイヤでは一度止まったり、のろのろ走るとスリップして動けなくなる事が多い)頼んだご婦人にはかなり荒っぽい運転に見えたかもしれません。これも今では愉快な思い出です。

フォトアルバム 撮影データ

撮影時期: 1975年11月末(グランドキャニオン)及び1976年2月(デスバレー)
場所:米国 アリゾナ、ネバダ、カリフォルニア州
カメラ: ハネウエルペンタックス SP (レンズ:スーパータクマー 55 mm)

以上
 
 
Photographs copyrighted (2003〜2004, Vic Goh)
 
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