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Vic Gohのフォトアルバム Vol-11
2004年8月2日
郷 勝哉

モニュメントヴァレー

<まえがき> 9月に畑尾さん始め杉の会のメンバー数人が、コロラド便りでお馴染みの萩原さん訪問を兼ねて、グランドキャニオンやモニュメントヴァレーなどの観光旅行をするそうなので、今回はそのプリビューとしてモニュメントヴァレーをご紹介する事にしました。これらは私がロスアンジェルス駐在中の撮影で、夏のものと冬のもの(11月末)が混じっていますがご容赦下さい。


モニュメントヴァレーは、コロラド州から西へロッキー山脈を越えた隣の州、アリゾナとユタに跨っている区域で、ご覧のように晴れていれば、地平線まで 100 kmは見渡せると言われるほど広大な砂漠地帯です。その内観光地としてよく紹介されているのは、東西、南北それぞれ約16 kmの地域で、別掲の絵図のタイトルに "Monument Valley Navajo Tribal Park" とあるように、国立公園ではなく、ナバホ族(アメリカインディアンの一種族)の居留地(保護区) として国が指定した区域で、ナバホの人達が公園の管理をしています。写真に赤シャツの後ろ姿で写っていますが、この時大型ジープで我々を案内してくれたガイドも、ナバホインディアンの青年でした。


アリゾナ州のグランドキャニオンから、モニュメントヴァレーに向かって北東に約200 km 走ると、まず目に入るのがこの エル キャプテン と呼ばれる岩山で、火山の中心に溜まった溶岩が固まり、その後の風化で周囲が無くなった結果出来た山だそうです。


道路を隔てて エル キャプテン の向かい側にある文字通り梟の形をした オウル ロック(冬)。エル キャプテン と対で モニュメントヴァレー入口の門衛の役をしています。


テレビでもよく紹介される風景ですが、左の駱駝の様な形の岩は ライトミトン(右手袋)右は メリック ビュート* (冬)。当時9才だった息子の命名は ハンバーグ!
*辞書によると ビュート(Butte) は メサ(上が平らの台地)が浸食されて周囲が絶壁になり、頂上が平坦で残った孤立丘とのこと。メリックは多分人名



右手袋だけでは文字通り片手落ちなので、左手袋 レフトミトン もちゃんとあります(冬)。 驚くべき事に、モニュメントヴァレーは太古海底だったそうで、その証拠に今でも貝殻が見つかるそうです。



モニュメントヴァレーには浸食で生じた奇岩、奇景が多くあり、 それぞれ特徴的な名前が付いていますが、写真は スリー シスターズ (3人姉妹) という岩峯です。(冬)



右の塔状の岩は キャッスル (城) ビュート



モニュメントヴァレーには, 奇岩の他、砂岩が浸食で削られ洞窟やアーチになった所も多くあり、これは天井に穴が空いている サンズ アイ (太陽の目) 右下の車と比べると洞窟の規模が解ります。



左は トーテムポール、その右は インディアン語で Yei Bi Chai



天井の穴から日が射し込んでいるビッグホーガン。ホーガンはお椀を伏せた様な形のインディアンの住居のことですが、洞窟の形が似ているところからこんな名前がつけられました。


夏のレフト ミトン


Ear of the Winds(風が通り抜ける耳?)、そう思って見ると穴の右側に耳たぶもあるようです。


左の尖った岩は 玉座に坐った王(The King on His Throne)、その右は 駅馬車(Stage Coach)、続いて 熊と兎(The Bear and Rabbit)と キャッスルビュート


モカシンアーチ (Moccasin Arch) モカシンは、アメリカインディアンの「かかと無しの靴」
だそうですが、一寸靴の形には見えません。


モニュメントヴァレーの絵図、モニター画面に収まるよう縮小したので、見分けが難しく
なりましたが、左下の道路沿いに エルキャプテン(36)、真ん中よりやや上にメリック、左ミトン、右ミトンの三つのビュートが何とか解ると思います。 
*上のMapをクリックしますと、やや大きい画像でご覧いただけます。


空から見た茫漠たるモニュメントヴァレー、西北(絵図の左上)から東南方面(絵図の右下)を見たところで、かっては海底だったという事実が何となくうなずけるでしょう。真ん中あたり、点々とした雲のつながりの先に前述の三つのビュートと、右の端に黒い影として エル キャプテン が認められます。この写真はロスからニューヨークに出張したときの飛行機からの撮影です。


あとがき
<モニュメントヴァレーと西部劇映画> モニュメントヴァレー は、ご覧のように太古の地球がそのまま残っているような広漠たる荒れ地で、そこには冠雪した高山も、エメラルド色の水を湛えた湖水も、緑の森林もないのですが、私にとっては「アメリカ大西部を見たければ、グランドキャニオンよりこっち」と言いたいほどのスケールと、自然が刻んだ造形美に秀でた魅力的なところで、駐在していたロスから2回も行きました。
それには、多分学生時代に見たジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の映画「駅馬車」の影響もあったような気がします。手許に1991年11月17日付朝日新聞日曜版の映画紹介記事がありますが、この記事によると、初めてモニュメントヴァレーを撮影地として選んだ映画が「駅馬車」で、駅馬車の大ヒットがモニュメントヴァレーとジョン・ウェインを有名にし、すたれかけていた西部劇が息を吹き返したとあります。以来フォードが「荒野の決闘」、「黄色いリボン」など名作を撮影している他、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」やクリントイーストウッドの「アイガーサンクション」など他の映画監督にも使われ、更にはNHKのハイビジョン放送にも何回か登場するようになりました。
ところで私が駅馬車を最初に見た当時は戦後 (1945以降) の作品とばかり思い込んでいましたが、実際は意外に古く1939年(私は9才)の作品でした。

フォトアルバム 撮影データ

撮影時期:1975年11月末及び1976年9月初旬
場所:米国アリゾナ州及びユタ州、モニュメントヴァレー
カメラ: ハネウエルペンタックス SP (レンズ:スーパータクマー 55 mm)

以上
 
 
Photographs copyrighted (2003〜2004, Vic Goh)
 
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