初代ステレオ事業部長 鈴木健の 「私の体験よりの随想」


第1章:企業活性化の基本

1):自社独自の企業ポリシーは明確か?
日常の実管理に徹底的に生かされているか?

2):ポリシーを実現するのは社員という人間そのもの。
従って人事のあり方は企業の存亡を決める。
採用条件、日常の評価基準に至るまで、 自社のポリシー実現に最適の、他社に見られぬ独特のものになっているか?且つ実際に日常管理面に実行されているか?

3):経営陣は必ず「生みの苦しみ」を体験した者でなければならぬ。
この「生みの苦しみ」を企業運営の骨格とし生かされ続けているや?
この動的姿こそが所謂「伝統」なのである。

4):トップは激動する世の中で常に企業ポリシーの実現を決定指示する責任を持つ。
従ってあらゆる角度からの正しい情報を迅速に把握せねばならない。
このためには自社組織ルートの情報だけでは駄目で、必ず市場直の別ルートを持ち、決定に生かす義務を持つことを怠ってはならぬ。


(註:以下補足説明)

◎自社の昔にヒット商品があったことを我が社に「伝統有」と誇らしげに言うものは「伝統」なるものを全く知らぬ者なり。 「伝統」とはすばらしかった歴史を持つことではない。あらゆる逆境苦難を乗り越え実現するまでの“生き抜きざまを日常活動の 骨格指針”とし、強力に生かし通す、たくましい動的姿であることを知るべし。

◎独創的ヒット商品とは、逆境の中幾多の生みの苦しみを踏破し初めて生まれたもの。独創商品とは

イ):リスクを伴うものだけに取り巻く環境は否定論ばかり、自力で実現する以外に実るはずはないのである。

ロ):今までにないものだけに、自ら信念を持ってその効果価値をたゆまず訴求し続けぬ限り、大衆は知る由もない。

ハ):たとえ大衆は知らされても一過性では、と不安が先で直ちに購買には結びつかぬ。

ニ):新部品も多く生産量も少ないため所詮コストは高くなる。

ホ):他社はかならずけなすであろう。

ヘ):ディーラーも先行き不明故積極的協力は初めからは望めない。

 

 以上のどれを見ても売れぬという条件ばかり、独創商品の初めは皆同じ過程を踏むもの。 是をヒットに導くのは自分自身でしかないことを知らねばならぬ。
この段階を乗り越え、峠までこぎつければ後は勢いづいてすごい力で走り出すもの、この峠までの苦労は正に 執念的情熱を持ち、自己の生命を懸けるものでない限りできぬもの。
この力を組織として発揮できる企業は、必ず世に支えられ伸びる企業であろう。 いかに人事の在り方が大事かを物語っている。
特に長たるものは自ら情熱的ビジョンを持ち実行力を必要とするかを知るべし。

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