初代ステレオ事業部長 鈴木健の 「私の体験よりの随想」


第7章:想い出に残るエピソードの数々

1):会社が臨戦態勢を敷いたときである。全員を集めての私の説明に対し、労組よりのクレームが本社に持ち込まれる。これが常務会で大論議となる。 私に対する批判の声も強くあったが、私は自己の信念に基づき社の臨戦態勢にもっとも適切な言動をしたまでとして一歩も引かず。黙って聞いておられたトップが 「鈴木お前の思ったとおりにやれ」と決断して下された。単なる多数決ではなく決定された事にはただただ頭の下がる思いでした。     (詳細はこちら)


2):事業計画検討会は全事業部長が集まる事業部長会で行われたが、ステレオ事業部長は社長専務の真前。各事業部は自分の市場の 予測をベースに計画をし、承認をされるのに反し、ステレオだけはそれは全く許されず。「市場はお前が創っておると考えよ」(占有率トップを任務とする考え)。  自らステレオ市場規模を来年度は、かくしますとする説明を常に要求されたものである。即ち先に尺度となる業界があるのでなく常にマーケットを創造してゆく 覚悟でいたものでした。


3):一般に売り上げ成果は前年比で云々され勝ち。私は常務会で「単に前年比だけではまずいのではないか、あるべき目標を尺度にせぬと体質が悪化する恐れあり」 と言い、レコードの例を挙げ説明した。 当時月商約20億円となり、前年を20%上回ったとする報告がレコード部長よりあり。結構な成果として片付けられた。
私はそのとき単なる意見として次のことを申し上げる。
「ビクターのレコード演奏器だけで月4万台、年間約50万台7年で更新(ハードの買い替え)するとして、ビクター演奏器の保有は350万台。  仮に月2枚のLPを買ってくれても月商140億円になります(ビクター装置だけ対象にしても)。 月20億円ではレコードを聴くのに何万円もの装置を購入したはずなのに、 月一枚すら買ってない姿であり、これは問題ありとして取り組むべきと思います。 これにはハードを担当する私にも一大責任があると思います、一緒に検討する心算です」と。  結論として自己の歩んだ前年比だけでなく本来どのくらい売れるか売るべきかを今後ベースにして目標、そして実績を眺めることになる。  僭越な私の言にもかかわらず意見を聞いていただけたことに今感謝している。


次の4)、5)の内容については、別途申し上げここでは省略し、項目のみ記します。


4):・音研設立時の問題・・・・所属はどうするか、運営のあり方、考え方
・毎日の事業報告の在り方・・・・運営への筋道如何、チェックの鋭さ、逆にほめられる条件
・新工場設立にあたり・・・・何十回といわずいささかの疑問も許されぬ。完成時の自らのチェックの姿。建設業者の表彰に関する迄筋を通される。

5):デミング賞獲得のための活動の在り方

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