コロラド便り(その8)
註:このコロラド便り(その8)には、引き続き郷 勝哉氏より氏が撮影されたコロラド州周辺の州の写真ならびにコメントをご寄稿いただきましたので、萩原さんの便りとのコラボレーションで編集させていただきました。 |
快適な五月晴れの日本でも多分報じられたと思いますが、少し以前の5月4日から5日にかけてアメリカ中部の平原地帯の各州に複数の大型な竜巻が発生し、運悪く各都市部を通過した事から大惨事が各地で発生しました。
私の住んでいるデンバー地区では5月8日の午後には天気が急変して暫らく振りに竜巻警報のサイレンが何度か鳴りました。、この時デンバー空港の北東の平原地帯では報告されただけでも5個の竜巻が発生していましたが幸い大事にはならなかった様です。
一方、同時期にコロラド州の南東に接しているオクラホマ州の首府のオクラホマ・シテイを大型竜巻が通過して9名の人が亡くなると言う惨事となりました。
前回はコロラド州の隣のワイオミング州にある、グランドティトン国立公園をご紹介しましたが、今回はその直ぐ北にある、アメリカで最初(1872年)に国立公園に制定されたイエローストンをご案内します。 |
竜巻の事はピッチャーの野茂のTornado投法のトーネードですが、最近では映画「Twister」でポピュラーとなったツイスターと言う言い方が多くなっています。
フラットな牧草地帯で牧畜業が盛んなオクラホマ州は実はアメリカでも竜巻銀座の地域でもあるわけです。 コロラド州では圧倒的にデンバーより東寄りの平野部とオクラホマ州に接している州の南東の端部で多く発生していますが、こうした地域には大きな町や市が無い事からコロラドでは田畑の農作物や牛・馬などの牧畜の被害が発生するだけで済んでいます。
アメリカでの一年を通じての巨大竜巻の平均発生件数を見ると、オクラホマ州やテキサス州の北西部、そしてシカゴの南のインデイアナ州などが多く発生する地域となっている。
今年の春の嵐に伴う竜巻による死亡者はこれで各州合計53名に上り、昨年一年間の竜巻による死亡者数が55名であったのに早くも迫る惨状となっています。
現在ではこうした竜巻の発生に付いては各地の測候所がレーザー・ドプラーを使って絶えず観測しており、発見次第に対象地区へ警報を流す様になっていますので、人々は「来るぞ」と言う事は察知出来る様になっています。しかしながら、事前に察知しても何も為す術が無くただ家の地下室へ入って天に祈りながら通過するのを待つだけです。
竜巻の発生メカニズムとしては2種類あって、大きな気団どうしがぶつかり合った時に生ずるのが一つですが、この方が規模も勢力も大型のものになり易くアメリカ中部の平原地帯で発生するものの殆どがこのタイプです。
一方、コロラドでは州の中央をロッキー山脈の4000mクラスの山々が南北に縦断している事からその山麓地帯での気流の乱れから生ずるもので、このタイプのものが発生し易くなっています。
しかしながら、このタイプは通常その勢力も弱く、また長時間継続移動すると言う事も無いので幸い大きな事故を伴うと言う事が少なくて済んでいます。
また、我々の感覚では竜巻と言うと何か大きな空気の渦巻きによって地上の物が空中へ吸い上げられてしまうように思っていますが、実は竜巻の渦は冷たい上層の気流の急速な下降が形成しているもので、その地表へ吹き付ける風の空気圧力に依って地上で破壊・損壊が発生するのだ、と言う事です。
一方渦の外周辺の空気は上昇してはいるが、重量物を吹き上げるほどのエネルギーは無く、中心の下降気流の圧力によって重量物が吹き飛ばされるので、あたかも空中へ吸い上げられたかのように感じられるのだ、という事になっています。
アメリカ中西部の大平原地帯では全体の70%の竜巻発生が毎年4月、5月、6月の3ヶ月間に集中しており、運悪く都市部を襲うと建物の崩壊や人命被害の発生が甚大となってしまっています。
アメリカ政府も被害発生後の救援援助活動だけでなく、戦力的に弱い国々を攻撃ばかりしていないで、こうした竜巻の被害を食い止める作戦の実効を果たしてはどうかと思う次第です。
誘導ミサイルで竜巻を攻撃して、例え、消滅は出来なくても、その通過方向だけは少なくともコントロール誘導して都市部の直撃を避けると言うような技法の開発が待たれるところです。
それでも、私個人にとってはコロラドのオローラ市は時々竜巻警報のサイレンは鳴りますが比較的こうした天変地異が少なくコロラド・レージー・ライフをエンジョイして居られるので満足しています。
イエローストンは、お湯を吹き上げる噴泉(ガイザー)がいろいろあることで有名ですが、中でもこの
Old Faithful Geyser (オールド フェイスフル ガイザー) は時々お湯を吹き上げる間欠泉で、名前の通り昔から忠実に!決まった周期で数十メートルのお湯を吹き上げ、1870年の発見以来世界中から来る観光客を楽しませています。 |
開通30周年を迎えたアイゼンハウワー・トンネル:
コロラド州を東西に横切っている幹線道路の国道70号線は、デンバーから西へロッキー山脈を越えてその4000m級の峰峰の分水嶺(Continenntal
Devide)を越えるのにアイゼンハウワー・トンネルが設けられています。
このトンネルは1968年3月に最初の発破掘削が始まってから1973年3月8日に開通するまで5年の歳月を要して建設されたもので、丁度今年で開通30周年を迎えました。
このトンネルが開通するまでは、国道はトンネルの寸前で大きく南へ迂回してうねった山道をLoveLand峠(標高3600m)を越えなくてはならず交通輸送の最大難所となっていました。
こうした問題を解決するために建設されたもので、このトンネルの標高は3347mの地点に長さ2720mで当初は対面交通上下一車線ずつのトンネル一本だけであったが、その後交通量の増加に伴って更に平行してもう一本が1979年に開通して現在では上下2車線ずつの独立トンネルとなっています。
このトンネルが開通したお陰で国道70号線がデンバーから西のユタ州や更に西海岸への陸路輸送の大動脈となり、現在では冬季の降雪時にも大型トレーラーが多数渋滞することなく高速交通が可能となっています。
「何でも統計」のアメリカらしく、このアイゼンハウワー・トンネルの歴史とその基礎数字が最近の地元新聞に紹介されましたが、この工事現場では9人の人が亡くなっており、当時としては大変難工事であった事が伺えます。
トンネル内には口径3mの送風ファンが28基設置されて常時換気を行なっており、100器以上のビデオカメラからの情報が45台のの監視モニタースクリーンで24時間体制で監視が行なわれています。
そして、このトンネルだけで消費する電力料金は年間約100万ドルかかっている、としています。
スキー場の真下を通過しているトンネルは世界でここだけだ、と記していますが、日本では上越自動車道の谷川岳をえぐる清水トンネルがたしか10km以上の長さで出来ていたと思いますが、こうした標高の高いところでの自動車道トンネルはここだけかもしれないと思います。
現在ではデンバーからアスペンやグレンウッド・スプリングス等の保養地へ向うのに車で数分で通過してしまうだけですが、30年前の当時の人達の苦労の恩恵と言えると思います。
温泉の堆積物がお城の形をしているところから キャッスルガイザー と呼ばれる噴泉。 |
デンバーの環状道路の東半分が開通:
デンバー地区の環状道路の建設計画は大変古く1938年に州のハイウエイ交通局が提案したのに始まっています。
その後計画は二転三転して、現在のルートで先ず南北に走っている国道25号線の西南半分の片側3車線C470号線が1990年に開通し、更には東側のデンバー空港を経由して76号線までのE470号線が1998年に開通しました。
その後E470の国道25号線までの47マイル区間の建設が行なわれ、今年の1月に開通し、E470と国道25号線のインターチェンジの工事が行なわれていたが、この4月末からオープンし、これでデンバー環状の3/4が完成した事になります。
更に25号線からボールダーの町への36号線との間を接ぐ部分の工事は現在進行中なので来年の秋には開通の予定となっています。 しかしながら、残った部分は大変問題含みで、かってのプルトニユーム処理工場の跡地が有り、現在でも多量のプルトニユームの残さが保管されている施設が在ったり、
また、ビールのCoors工場の在るGoldenの町では便利さよりも静かな方が良いとする住民運動が起きており、環状道路の全線開通は何時の事になるのか現在では見通しが立っていない状況に在ります。
また、E470は現在その全線が有料道路となっており、デンバーを通過している25号線や225号線の混雑緩和に殆ど寄与していないのが現状です。
それでも徐々に解決策を見出して長年かけて完成させるのが如何にもコロラドらしい、と言えると思います。
コロラドでのアメリカン・イーグルの生態:
アメリカ政府の紋章や紙幣へ印刷されていてお馴染みのアメリカ鷲はその生息数も少なく保護鳥となっています。 特にコロラドでは1974年には州内全体でタッタの一つがいのみの生息が観測されただけで、絶滅の危機に瀕しましたが、その後コロラド野生保護局が継続的に観察・保護を行って来ています。
今日ではこうした地道な保護活動が実を結んで全体で50羽以上にまで増えて来ています。
毎年春先にはその雛が生れるので、木の上の巣へ上ってその雛たちを下へ降ろし、体重測定や健康診断を行なったあと足にアルミの記録バンドを付けて、又巣へと戻す作業が毎年繰り返されています。
今年も4月末にこの作業が行なわれましたが、これらの雛達は6月になると巣立ちを行って一人で飛び立つ様になります。
これらの作業はボランテイアの人達に依って行われており、既に120羽以上の雛を巣から降ろす作業をこの10年間で行なっており、約50羽にアルミバンドが付けられている、と言う事です。
巣立ちしてからの数ヶ月が無事成鳥となるかどうかの際どい時期であり、日本でのオジロ鷲の保護と同様に猛禽類に属するこうした鷲たちもその生息はなかなか厳しい物が有るようです。
温泉に含まれる固形成分が積もってできた丘で、白い雪のように見えるのはカルシューム。 |
人種の坩堝のアメリカ:
アメリカでは主要人口を占める白人がそのルーツの国に限らずマジョリテイと為っていて、従来から少数民族の「マイノリテイ」の主体はアフリカをルーツとする黒人(African
American)が主体で代表となってきました。 しかしながら昨年でアメリカのマイノリテイを人口の上ではメキシコ・中南米・カリブ海の島々からのラテン系の人達、いわゆる「ラチノ(Latino)」人口が黒人を追い抜いて代表する人種となって来ています。
9・11の同時多発テロの時は安全確保の上から一部のゲームが中止されたものの、イラク攻撃での戦闘が盛んに行われている中にあっても予定通り各ゲームが行われたアメリカのプロ・スポーツですが、アメリカのプロ野球のメジャーリーグに於ける選手の内に黒人の占める比率の年代別の推移を見てみると、
古くはジャッキー・ロビンソンに代表されるスタープレーヤーが多く出て黒人プレーヤーの比率も上がったが、最近では低下してきています。
また、メジャーリーグの開幕時に登録された選手の人種別の比率に付いて年代別の変化を見てみると黒人が低下してきてラテン系のプレーヤーが増加してきているのが最近の傾向です。
野茂やイチロー、松井等のアジア系のプレーヤーはまだほんの一握りなのだと言う事で、白人プレーヤーの比率は圧倒的に多いものの徐々に低下してきている事も示しています。
また、プロ・バスケットボールとプロ・アメリカン・フットボールそしてプロ野球のメジャーリーグのそれぞれに於ける白人プレヤーと黒人プレヤーの比率を見てみると、プロ野球では白人が主体を占めているがプロ・バスケットボールでは黒人が主体となっていて、アメフトではやや拮抗しているものの黒人の方が多く徐々に増加しています。
もう一つの統計としてこれらのプロスポーツの各選手の温床となっている大学一部リーグの白人と黒人選手の比率を見てみると、野球では圧倒的に白人選手の比率が高く、フットボールではかなり拮抗しており、バスケットボールでは黒人選手の比率が約1.8倍位いとなっています。
プロスポーツの世界は今までビジネスなどの世界では人種差別等に依って社会的に認められない人達の社会的な認知を世の中から得て、併せて富も得る最も効果的な実力の世界としてアメリカ社会では古くから受け入れられてきています。
しかしながら、時代の経過と世代の移り変わりに依って、マイノリテイの主体であった黒人も社会に融け込んで来ており、こうしたプロスポーツの選手構成からも最近のアメリカ社会に於ける人種毎の取り組みが変りつつ有るのが読み取れます。
ちなみにコロラド州では二ユーメキシコ州を隔ててメキシコへは距離的に近い事からメキシコ系の人達の人口が多く、スポーツの世界では今まで見向きもされなかったサッカーが最近では小学校から大学迄を含めて各学校でのサッカーを行なう人口が増えつつあります。
デンバーにはプロサッカー・チームのコロラド・ラピッツ(Rapids)が2年前に出来てリーグで活躍しており、オリンピック等には多くの選手を出している様になっています。
これも時代の変化といえますが基本的にはラテン系人口比率が高く為ってきているのが原因していると思えます。
テラスマウンテン。 毎分 2,000 リットルもの温泉水が絶え間なく流れ落ちていて、その中に溶けている炭酸カルシュームが炭酸ガスを放出して固まることで作られる自然の階段ですが、地下から運ばれる毎日2トンもの固形成分が固まる結果、1週間でテラスの形が変わるとか。 |
一口メモ:
* アメリカに於けるヒスパニック系の総人口は現在約3530万人で全体の13%を占めている。
* アメリカのヒスパニック系の総購買消費力は年間約6000億ドルに及ぶ。
* コロラド州に於けるヒスパニック系の総人口は現在735601人で全体の17%を占めている。
アメリカのヒスパニック系の人達とインターネット:
*アメリカに於けるWeb情報の3%はヒスパニック系の人達を対象としたスペイン語となっている。
*ヒスパニック系の全家庭の40%がインターネットへアクセスしている。 それに引き換えヒスパニック以外の全家庭の70%がインターネットへアクセスを行っている。
今やアメリカに於けるマイノリテイの中では人口的に黒人を抜いて首位になっているヒスパニック系の人達ですが、所得収入となるとまだまだ貧しく、パソコンを所有していない家庭が多くなっています。
従ってインターネットへのアクセスも少ない訳ですが、人口の増加にしたがってその消費能力は急上昇しておりオンライン・セールスの企業にとってはこれからの市場と言えそうです。
こうしたヒスパニック系の人達の購買力はここ10年間で120.1%と大幅に上昇しており,それを支える人口の増加率がここ10年間で57.9%の増加となっています。
テラスの一つで、平らな部分に温泉水が溜まっているのが解ります。 |
アメリカ移住の認可の近況:
アメリカはその生い立ちから移民の国であり先住民族のアメリカン・インデイアンは今やマイノリテイの中でも更にマイノリテイな存在となっています。
継続的に移民によって若い血を取り入れてきているのでアメリカ全体の人口構成も高齢化と言う問題はあまり生ずる事なく社会の活性化が絶えず計られて来ているのが実体です。
アメリカへの移民の手続として、先ずは永住権の確保の認可証明の「Green Card」の取得があって、 その次のステップとして市民権の確保「国籍をアメリカとする」認可証明の確保と言う手順となっています。
両方の手続き無しでアメリカで働いて収入を得ることを認可証明されるためのいわゆる「就労VISA」の仕組みもあって有する技能等に依って各クラスのVISAの発給を受けて働いている外国人も大勢います。
アメリカ政府としてはこれらの受入を人口動態の調整機能として国別・人種別などで活用して来ていると言えます。
一方、こうした正式な認可証明を受けずにアメリカへ入国して不法就労している人口も増加しており,2000年の1月で700万人にも上っており、これを取り締るINS(移民局)の計上予算もここのところ年々増加の一途をたどっています。
特にコロラドではメキシコからの密入国者や不法滞在者が地理的な関係から多く、最近では偽造された社会保険証( Social Security)を所有しているケースが多く摘発されて問題となっています。
正式に各認可証明を得ての就労者や不法就労者等が本国メキシコへの送金する総額が昨年一年で8億ドルに上ったとしており、そしてラテン系のヒスパニックの人達でアメリカ生れで無い人達の約40%は定期的に本国へ送金を行っており、それらの人の59%は高校を卒業しておらず、47%は10年以内にアメリカへ入国した人達で、45%は何れ本国へ帰る積もりでおり、43%は銀行へ自分の口座を持っていない、と言う内訳となっているとしています。
Grand Canyon of the Yellowstone (イエローストンのグランドキャニオン)
峡谷の奥に見えるのは落差 94m の Lower Fall (上流と下流の2カ所の イエローストーン滝の中の低い方の滝)
この赤っぽい岩肌がイエローストーンの名のいわれだそうですが、当時のインディアンや探検家には赤より黄色に見えたのかもしれません。 |
どうなる?アメリカ経済:
5月5日の週に米連邦準備銀行のグリーンスパン議長が「The probability of an unwelcome substantial
fall in inflation exceeds the likelihood of rising prices」と発言の中で警告した事から業界筋ではデフレの心配が高まっています。
殆どの経済専門家はこの発言をデフレ誘導をグリーンスパン議長が匂わせた、と受け取っており、金融関係者が頭を傷める状態になるのではないかとの推測をしています。
一方「コロラドでのトラック及び乗用車の新車の登録台数は今年の第1四半期には総計で41534台で昨年同期に比して17%の減少」となっていて、そうした中にあってもトヨタやホンダの日本車は売り上げ台数を伸ばしており、めっきり周りを走っている車にトヨタ・カムリやホンダ・アコードが増えて来ています。
長期にわたるガソリンの高値安定と経済不調を感じての消費者の低燃費と故障・サービス率の低い日本車の賢い選択となっているものと考えられます。
特記事項として次のような項目を挙げています:
* 大手デパートチェーンのJC Penny,Wal-Mart,Searsの何れもが4月に付いて期待していた売上げを下 回った、と報告している。(
しかしながら、5月には3%程回復を見た。)
* デンバー市内に於ける家屋の差押えは2002年末で6574件で10年振りの高い水準であり、今年に入ってから3月までは1974件と昨年のペースを上回っている。
* コロラドの2002年の個人所得の総額を総人口で割った数値は全米で最低の伸び率となっており、実質の個人の所得は一年前の33455ドル/年から33276ドル/年と減少している。
* コロラドの3月に於ける農業畜産業を除いた季節変動指数を織込んだ就業数は216.55万件で 一年前と比べて16000件少なく、 2年前と比べると80300件少なくなっている。
* 多くの企業は支出資金について今までのダメージから回復するのにやっとで余裕が無くなっている、など、としています。
計測機器メーカーのアジレント社が大型解雇発表:
極く最近の二ユースで、HPから計測器や医療用の機器の部門だけが先に分社化したアジレェント社はコロラドにその事業主体が在りますが、800名の解雇を発表しています。
アジレェントの電子機器はコロラド州のハイテク主要産品の中でも主要な外国輸出品を占めて来ていますが、優良顧客を抱えている日本を始めアジア・ヨーロッパなどでも長期の景気低迷が続いていることから、苦戦を強いられているようです。
同社は全世界に35000名の従業員を擁していますが先にその内4000名の解雇計画を発表しており、その一環で今回コロラド州では総勢3800名の従業員の中から州の北のFort
CollinsとLovelandの事業所から500名、そしてデンバーから南のColorado SpringsとDouglas郡の事業所からは300名、合計で800名の解雇が近々行なわれる事になったもので、治まったかに見えたコロラドでの今年に入ってからの初の大型解雇の二ユースとなりました。
以上、いろいろと取り混ぜての6月の「コロラド便り」となりましたが、いよいよ夏の観光シーズンを迎えるコロラドです。 梅雨期が無くて乾燥しており日中は陽射しは厳しく最近では早くも摂氏30度を超える日が多く為っているものの朝晩は冷気に包まれて心地よい毎日が続きます。
我が家の屋根の上に設置してある、コロラドでは一般的なスワンプ・クーラー (空気吸い込み口の大きなフィルターに水をポンプでかけてそこを通過してくる湿った冷えた空気を家の中に引き込む、といった乾燥したコロラドならではの冷房システムです。)冬の間覆っていたカバーをはずして水の循環をチェックし日中での運転を我が家でも始めました。
[以上]
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