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コロラド便り(その4)

2003年2月1日
萩原 正喜
註:このコロラド便り(その4)には、前回に引き続き郷 勝哉氏より氏が撮影されたコロラド州での写真ならびにコメントをご寄稿いただきましたので、萩原さんの便りとのコラボレーションで編集させていただきました。


一年で最も寒い時期を迎えているコロラドですが、日本も同様と思います。
日本へ居た時に比べてコロラドへ移住して良かった、と思う事の一つに家のセントラル・ヒーテイングがあります。 冬の厳寒期には明け方には華氏で零度(摂氏零下18度)以下となる日が続く土地柄ですので何か暖房が無いと生きて行けませんし、犬や猫などを屋外に放置しないようにとの警告がTVの二ユースで流される近況です。 デンバーのダウンタウンにはホームレスの人達をこうした時期に収容するシェルターが設けられており、何でこんな寒いところでホームレスしているのだろう、広いアメリカなのでもっと暖かい南部へ行かないのか?、と言う疑問に答えています。


コロラド州の目玉の一つである航空士官学校のシンボルになっているチャペル。
米空軍パイロットが主人公の映画にも良く出て来ますが、こんな超モダンな礼拝堂は他では見られそうにありません。
萩さんの車で走ったときも遠くからこのチャペルが見え、士官学校の広大な敷地には飛行場までありましたが、予想に反して練習機が周囲をぶんぶん飛び回っているような事はなく、萩さんの話では生徒の訓練には別の飛行場が使われているとのことでした。


自動温度調節になっていますし、時間的なプログラム設定も可能で、現在私の家は建造されてから37年になり、入居してからは12年になりますが、そのガス・バーナーと温度調節器とを新しいものと2年前に取り替えましたが、結構正確に温度や時間管理をしてくれています。 また、家の各窓は2重ガラスとなっています。 日本も北海道へ行けばこうなっているのかもしれませんが、天然ガスを燃料としており、家全体を暖めるわけですからかなりの炭酸ガスの排出と費用を伴っているわけですが、私にとっては大変気に入っているシステムです。

一方、日本へ居た頃の方が良かった、と思われるのは肩までドップリ浸かれる風呂の浴槽で、こちらでは身体を横たえて入るバスタブですから今一つ湯上がりの心地は良くありません。 ジャグジーバスと言った大きくて深い浴槽で泡が内部に吹き出すものもDo it yourselfの店やスーパーマーケットで売っていますが、大きすぎて毎日入るには抵抗が有ります。 やはり、日本式の出来れば桧の湯船でユッタリと、といった心地良さは日本ならではだと思います。
そんな事を最近感じているコロラドから「コロラド便り」の第4信をお送りします。

対イラク攻撃に備えてコロラドからも多くの兵士の出陣が始まった:

アメリカ各地での陸、海、空、海兵隊と中近東への出陣の準備が進んでいる中にあって、コロラドではコロラドスプリングスの町の南に広大な演習地を有する陸軍の基地Fort Carson からは総勢750名の兵士が第1陣として主として迎撃ミサイルのパトリオットの配備及び運用のためにサウジアラビア、クーウエイト、エジプトのシナイ半島の各地へと1月22日に出発しました。
これらの兵士は言わば予備役( reserve)の兵士達で殆どがいわゆる州兵(National Guard)に属している兵士たちで日常は普通の人達の働く一般の職場で主として技術者として働いている人達です。
本格的なプロの兵士達( Active Duty )は海軍、空軍を始めとして既にその先発隊はペルシャ湾や地中海に展開しており、何時でも攻撃開始可能といった状態となっていて、本隊の方も着々と出陣の準備が進んでいるといったあわただしい状態となってきています。

日本にとっては北朝鮮が最も至近距離にあり、拉致被害者の事も懸案となったままで特に心配な状態ですが、一方イラクの方も中東からの石油の確保にリンクする事から大きな心配の種には違いありません。 何とか政治的な解決が一時的でなく恒久的にもたらされて戦闘回避が実現すると良いと願うばかりですが、ここ1、2ヶ月が特にその先を決める重要な時期となりそうです。
対イラク戦争に備えるコロラドからの出陣兵力としては、コロラド州の各地区に展開している基地で兵役に着いている兵士、National Guard の兵士、そして予備役の兵士達がその対象となります。

コロラドには陸軍の基地が一個所(Fort Carson)、空軍の基地が2個所、そしてNational Guardの航空基地が一個所(Buckley,私の家から近くにある)、更に全米の宇宙航空監視機構の基地であるNORADとが在ってそれぞれに常時従事している軍人たち総勢28000名が配属されています。 また、予備役の軍人達は通常は普通の人と同じ仕事をしていて、毎月一回週末にその所属している部隊で訓練を受ける義務がありますが、召集がかかるとその任務別に配属が決められていて従軍する兵士達です。 コロラドには陸軍、海軍、空軍、海兵隊とそれぞれ26個所の部隊に所属されていて合計約4800名です。 この中には医療部隊の医師や看護婦の人達も含まれており、コロラドの医療部隊に属する人達250名にも招集準備命令が1月23日に出されました。
また、National Guard に属する兵士達は州内の40の部隊に配属されていて、コロラド内の22の町村に配置されています。 これはいわゆる州兵と呼ばれる組織で警察で手におえない事態に対応する為の軍隊組織で、合計4900名が従事しています。
今回のイラク攻撃に関しては先の湾岸戦争時に従軍した兵士たちが多く、イラクとの戦争では初めてでは無いものの総計37000名以上の兵士達に招集がいろいろな任務でまもなくかかるものと予測されている事からコロラドでは落着かない状態に入っている近況です。

一方、パトリオット・ミサイルに関して、Lockheed Martin 社がアメリカ陸軍の防空ミサイル司令部から88発分とその周辺システムの受注に成功したと言う二ユースが伝えられており、パトリオット・ミサイルと言えばRaytheon社の独自商品とばかり今まで思っていたが、Lockheed Martin社も乗出すと言う事で動きが本格的となってきているのを感じます。
イスラエルに於いてはその地理的条件から先の湾岸戦争の折にもイラクからのスカッド・ミサイルに対してArrow2と言うアメリカの指導により開発されたより高性能なものが大変威力を発揮した実績が有り、 日本の防空システム用としてはそのイスラエルに於けるArrow2の様なより高性能なものが三菱製で準備されていてロドンやテポドンが万一発射されても日本海へ打ち落とす様になっていて欲しいと願っています。 先守防衛!「備え有れば憂い無し」


その昔、Pikes Peak (前回参照)の登山用に使われたSL。
急傾斜を登るとき、ボイラーの中の水があまり偏っては困るので、レール(写真では右下がりに見えている車輪の接地面)に対しボデーが傾いている面白い構造のミニSLです。鉄道ファンなら、スイスやオーストリアで同型のものが今でも現役で走っているのをご存知でしょう。


アメリカヘ旅行される方へご注意/空港のセキュリテイ・チェックのルールが変更:

成田空港を出発される時は従来と変わっていませんが、アメリカの主要84空港に於ける安全上のチェックのルールが今年に入ってから変わっていますのでこちらへ来られてから戸惑うと思われますので御参考までにお知らせしたいと思います。 我々に直接関係の有るのは次の2項目です。

* チェックイン・カウンターで預ける荷物はその施錠をしてはいけなくなった。
荷物に爆発物が入れられるのを防ぐ為に従来よりX線透視装置によるチェックと荷物を預けた人の搭乗の確認照合とが行われて来ましたが、各主要空港に新鋭機の爆発物検知装置が導入され運用が始まっています。
もしこの装置で疑わしい荷物が発見された時は係官が直ちにその荷物を開いて内容物の確認を行なえる様にとの処置ですが、バッグの形態によっては施錠をしないと運搬中に開いてしまう構造のバッグが多く有ります。 従って予め自分のバッグを確認して鍵をかけなくても開かないか、 開きそうな時には容易に手ではずせるベルトで縛る様にする、といった対応をしておく事が重要です。
検知装置の検出スレシホールド・レベルを厳しくセットすると内部に爆発物が入っていなくても検知されてしまうバッグが多くなり、飛行機の出発時間に支障を来たす事が増えます。
また一方、検知レベルを上げすぎると肝心な爆発物の入ったバッグの検知レベルも下がってしまう、といった事で、その妥協案として取られている処置です。
チェックイン・カウンターで施錠してない事がチェックされ施錠されていると預かってくれませんので要注意です。

* Boarding Pass(搭乗券)無しではセキュリテイ検査の通過不可:
機内持ち込み荷物のみでカウンターで搭乗券を得ないでゲートへ直接向かう乗客はチケットまたはE-Ticket のタブとパスポートまたは自動車運転免許証を見せて今までセキュリテイ検査を受けら れたが、これからは搭乗券が無いと検査場が通過出来なくなっています。 各航空会社では、そうした乗客の為に搭乗券発行専用のカウンターを設けたり、ATMマシンの様に自動の発券機を設けたりして対応に当たっているが、徐々にアメリカでの空港の警備体制が強化されつつあり、今までの簡便さが安全確保の為に損なわれて来るが仕方ない事と言えそうです。

参考までに関連のもう一件

* ユナイテット航空の会社更生法適用に依って「Mileage Plus」のマイルの扱いはどうなってしまうのだろうか?
ユナイテット航空が売り物としてきたFrequent−Flierプログラムの飛行マイル加算サービスシステムについては特に頻繁に利用するビジネス客がこのMileage Plus の恩恵に浴している事から、もしこのシステムを会社更正法の適用を機会に解消してしまうとユナイテット航空としては一時に多くの優良顧客を失ってしまう事となる可能性が高く更正計画にも支障を来してしまう事となりかねないので、会社更正法の適用申請時にも特にこのシステムは全く変更しない、との同社からの発表が行われています。
昨年12月9日に会社更生法の申請( Chapter 11)が行われてから急速にこのマイル数を利用しての乗客数が増加したが、その後、ユナイテット航空が完全に破産・閉鎖( Chapter 12)となるにしても時間がかなりそれまでにかかる事、またそれまではMileage Plus のシステムに変更が無い事、などがハッキリして来たので1月に入ってから以前の状態に戻って来ていると、しています。


コロラド州ではないのですが、観光案内書などで良く紹介される名所の一つ。
場所はコロラドの北東のサウスダコタ州で、マウント ラッシュモア と呼ばれる国定公園です。岩山に彫られている顔は4人の大統領で 左からワシントン、ジェファーソン、テオドア ルーズベルト (日本と戦争したルーズベルトは別人)、リンカーン。顔の高さは18m、1927年に着工し全部の像が完成したのは1941年とのこと。


アルコールを飲む量ではコロラドは全米で7位:

「景気が悪くなるとビール会社が儲かる」と言う事でBudweiserでお馴染みの最大手ビール会社Anheuser Buschの昨年の第4四半期の売り上げは7%伸びてこれで通算16四半期の黒字計上といった景気の良い決算報告が報じられています。
最近2000年に全米の人々が飲酒した量をその州の総人口で割った州別のランキングが発表されて、コロラド州は総人口の一人当たり年間3ガロン(11.4リットル)の酒類を飲んでいると言う事で総合ではアラスカに次いで全米7位の飲みっぷりである、としています。 そして、その内訳ではビールが一人当たり34.35ガロン/年間で18位で、ワインが3.59ガロンで14位、その他の酒類が2.49ガロンで8位となっており、特に最近30才以下の若者にウイスキーを含むカクテルの飲酒が流行となって増えてきており、コロラドの全米でのランクを押し上げていると言っています。
この順位は酒類を飲まない人や赤ん坊までを含んだ人数で割っている事や州外からの観光客やビジネス客の飲む量も入っている、と言う事で正確さと言う事では少し問題ですが、州全体の酒類の消費量を州人口で割ったランキングと言う事です。
ちなみにビールではネバダ州が首位、ワインはアイダホ州、ウイスキーやカクテル等その他の酒類ではニユーハンプシャー州となっています。 全米で総合的に見ると寒い州程多く酒類を飲んでいる、と言う結果となっていると言う報告です。
更にコロラド州での醸造所の数は93個所在って全米でも2位の多さであり、ビールの生産量では全米でトップとなっています。 Coors の本工場があり、Budweiser のAnheuser Busch社もデンバーの北に巨大な製造工場を持ってCoors社と張り合っています。
こうした全米7位の飲酒量を受けて雑誌Men's Fitness Magazine による「全米フィットネス都市」のランク付けでデンバーは2001年には2位であったのが2002年は7位に落ちてしまっている、と言う結果となっています。 こちらのランキングは全米の各都市の人々の健康度、体力適合度、飲食習慣などからの点数を毎年採点して決めるもので、特にコロラドは2002年ではアルコールの摂取量が多いと言う事で「F」の採点となっています。 また、併せて同雑誌では町中にバーやパブが多く在って手軽に入って一杯となり易い環境である、と指摘しています。

先にコロラド州は全米で最も肥満と糖尿病の人の少ない比率の州とのお墨付きをCDC(Center of Disease Control and Prevention)からもらったばかりなのに、これは州の景気低迷がなせる業と言えるか? まあ、それでも「全米で良い方から7番目」、と言う事であるから良しとしなくてはならないかもしれない、と言う事かもしれません。
ロッキー山脈への降雪量が少なくて水不足になってもビールを飲んでいれば良い、といった論理が成り立つわけではないが、景気低迷、大型解雇のコロラドにあって現在元気の良い企業はビール会社と金鉱山会社だけの様です。
最近のアメリカの研究機関の調査結果で適当な酒類の日常飲酒は心臓発作の可能性を低下させる、と言っており、「酒は百薬の長」あまりやりすぎないで適量楽しんで自らの健康維持と不景気風を吹き飛ばしたいと思います。

[ 以上]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2003, Vic Goh)
 
   
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