註:このコロラド便り(その48)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。 |
日本では一年でも最も過ごし易い快適な天候に恵まれた季節に入っている事と思いますが、コロラドではロッキー山脈中で9月下旬にかなりの降雪があって、その山麓のデンバーや私の住むオローラの町でも朝晩はメッキリ冷え込むようになって、朝起きてみると庭の芝生に一面朝露が凍っているのが見られるようになりました。
今回の私からの「コロラド便り」はいろいろと我が家で有って原稿の作成が遅れてしまい、何時もの月初めよりかなり遅れての送信となってしまいましたので山田さんにお願いして後から追加して頂く事となりました。
何時もの皆さんに見て頂けるか心配ですがご容赦の程をお願いします。
実は8月後半より我が家では今まで飼っているジャーマンシェパード犬4才半に加えて前回のレポートで紹介しました生後2ヶ月半のドーバーマンが加わりましたのでその面倒を家内と交代交代で看ていますが、育ち盛りと言うかチョット目を離すと何を仕出かすか判らない状態で家内ともども振り回されっぱなしの毎日と言う状況です。
それだけでしたら何とかなったのですが、飼い始めて直ぐに風邪を引いて肺炎を引き起こした、と言う事で専門の動物病院へ通院する事となってしまいました。
現在では完全に治って元気いっぱいに駆け回ったりシェパード犬の方へ体当たりしたり噛み付いたり、とまだベビー犬にもかかわらずドバーマン犬の本性と言うか挑戦をするようになっています。
そんな訳で何時もより遅れた「コロラド便り」となってしまいましたが、(その48)号をお送りします。
My New Family Member Maggie
新たに家族に加わったドーバーマン犬マギー:
我が家では以前から現在4才半になる雌のジャーマン・シェパード(ジンジャー)を飼っています。
前回のレポートで新たに生後2ヶ月半の雌のドーバーマン(マギー)が加わった事をお伝えしましたが、5月30日が誕生日なので現在生後4ヶ月と1週間となったところです。
ドーバーマンには黒と赤の2種類が有りますが、マギーは赤のドーバーマンです。 |
コロラドのスキー場のオープン日程:
コロラドのスキー場の今シーズンの開場期日が早くも発表されています。
Aspen Mountain |
11月23日 |
Aspen Highland |
12月 9日 |
Beaver Creek |
11月22日 |
Breckenridge |
11月10日 |
Buttermilk |
12月 9日 |
Keystone |
11月10日 |
Snowmass |
11月23日 |
Telluride |
11月23日 |
Vail |
11月17日 |
などとなっています。
今シーズンは9月下旬に降った雪が既に各スキー場を覆っていますが、今後気温が多少上がっても最近ではスノーガン(人工降雪機)を使ってゲレンデ造りを行うので上記の開場日程はかなり正確になっています。
コロラドでの最もポピュラーなスキー場は何と言ってもVailですが、国道70号線沿いに在ってデンバーからも交通至便であり、宿泊設備も整っていてゲレンデやリフトの数も他のスキー場に比べて倍以上となっていますので、コロラド内のスキーヤー達にも人気が有ります。
いよいよ11月の後半にはコロラドもこの冬のスキーシーズンの始まりを告げます。
Maggie in Backyard
裏庭でたたずむマギー:
我が家へ来てから軽い肺炎にかかって体重が減りましたが、その後回復して食欲旺盛で日を追うごとに体重が増えています。
家の中では人間の幼児を入れて遊ばせておくPlaypen(ベビー籠)を不要になった家庭からもらってきて入れておきましたが、最初は両腕で抱えて出し入れしていたのですが、現在では重くなって大変となってきています。
更に脚が伸びてきて背が高くなってきたので一人で籠の外へ飛び出すようになってきていますので目が離せません。 |
CEDIA Expo 2006ショー開催:
9月13日(水)から17日(日)にかけてデンバーのダウンタウンに在るコロラド・コンベンシヨン・センターでCEDIA(Custom Electronic
Design & Installation Association)Expo(Exposition)という名称のショーの第一回目が開催されました。
現在ラスベガスで毎年開催されているCE Showは皆さんにはお馴染みですが、このCEDIA Expoは
そのCESの中でも特に現在ホームシアターに代表される専門の家庭への設置工事を伴うシステムに特化したコンスーマー商品の展示会で、今回は大画面デイスプレー(HDTV)と高級ハイファイ・オーデイオシステムが主体となっているトレードショーです。
今回が初めての開催ですが、来年も9月5日から9日の間同じデンバーのコロラド・コンベンシヨン・センターを舞台に第2回が開かれる予定となっています。
このショーにはJVCからもコンベンシヨン・センターの比較的良い場所にブースを構えてHD-ILAリアプロ・デイスプレーを中心としての展示を行っており、業務用商品を扱うJVC
Professional Products Companyはコンベンシヨン・センターに隣接しているPerforming Art複合ビルの地階にある映画館に会場を設けて展示しており、更にJVCのHD-ILAプロジェクト・チームは近くの3ブロック程歩いた所にある
高級ホテルのAdams Mark Hotelの催事用の広い部屋を使ってフロント・プロジェクシヨン・システムによる大画面・超高精細度のデモを他社商品との一対比較で行っており、こちらは全米の顧客業者に予め招待状を出して呼び込みで観てもらう展開を行っていました。
今回のショーの規模としてはコロラド・コンベンシヨン・センターとしては開所以来の最も大きな業者対象であって一般の人には公開しないビジネスショーとなった、としていますが、かってのラスベガスでのCESやCOMDEXなどのショーと比べると規模的には約半分と言った感じでした。
しかしながら、現在最も業界で注目されているカテゴリーのシステム商品に関するショーで言う事で会場が活気に溢れている事はハッキリ認められました。
今回はロサンゼルスの南東のCypressに在るJVC AmericaのR&D Centerの方よりご案内を頂きExhibitorとしての入場バッジも準備して頂いての参加となりましたが、私は2日目(木)と4日目(土)の2日間にわたって会場を観てまわりましたが、久し振りの見学と言う事で後になってドッと疲れが出たのを感じた程でしたがしばらく現役から離れている私ですが大変強い刺激を受けました。
いずれにしてもコロラドでのこうした大規模なショーでJVCの活躍を目の当たりにするのは大変嬉しいものです。
JVCとしてはHD-ILAの大型画面のHDTVデイスプレーの方はモデルも性能も充実しており大変結構ですが、オーデイオ関係ではいわゆる高級オーデイオのレシーバーやスピーカーといったシステムの展示が見られず大変残念に感じました。
時同じくしてデンバー市のコンベンシヨン誘致局よりこれからの会合やショーと言ったコンベンシヨンについて既に842件の予約を獲得しており、その合計収入額は22億ドルにのぼる、との発表が行われています。
現在こうしたコンベンシヨンで米国最大の規模の会合と言われている民主党の全国大会の2008年版
の会合都市を何処にするか、という競り合いでデンバーとニューヨークとが最終候補都市として残っており、激しい民主党議員達への説得・売り込み合戦が展開されていますが、今までデンバーはホテルの総収容人員がこの会合には不足していると言う事で外されてきていますが、いよいよデンバーの出番となる勢いです。
今回のショーへの見学参加者数は事前登録された人達だけでも28000名に上ると言う事でデンバー市としては今までにそれ以上の参加者数の会合としてはライオンズクラブの国際大会で3万名、そして世界の若者達の集会World
Youth Dayの催しでそれ以上の人数を扱っていますが、専門業者だけ対象のビジネスショーでは過去最大の規模となった、としています。
ちなみに、Exhibitor社数は600社を越えたと言う事ですが、このショーの主催者側で言っている展示商品のカテゴリーとしては下記の様になっています。
Home Theater
Home Integration
Home Automation
Environmental Control
Home Entertainment
Multi-Room Audio/Video
Information System
Lighting Control
Home Security
等としています。
また、それぞれの出展社名はオーデイオ・ビデオ業界では広く知られている会社ばかりですが、かって音質が良いスピーカー接続ワイヤーとして有名だったベルデン・ワイヤーのBelden社が広いスペースのブースを構えていただけでなく、JVCと同様にAdams
Mark ホテルに部屋を設けて特別試聴が出来るようにしていたのには驚かされるとともにその健在さを確認しました。
また、来年も同時期にデンバーで開催されるとのことですので、今から楽しみにしています。
Maggie & Ginger
裏庭で遊ぶマギーとジンジャー:
我が家の裏庭は比較的広い芝生になっていて、ヒマラヤ杉の板のフェンスで囲まれておりフェンスと地面との間にはプラスチック製の1mほどの幅の杭板が埋め込んで有りますので犬が地面を掘って外へ逃げ出すと言う心配がありません。
シェパードのジンジャーはマギーを子供のように扱っていますが、マギーの方はドバーマンの本性からかジンジャーに飛び掛かって挑戦を繰り返すので、最初は遊び相手になっていても最後には本気で対抗するようになります。
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デンバー美術館の別館が完成:
以前にこのレポートに写真入りで紹介したデンバーのCivic Center Park に面して在るデンバー美術館の新築工事中だった別館がいよいよ完成してこの10月7日(土)、8日(日)の2日間一般に公開されるのを切っ掛けに完成します。
別館はDaniel Lobeskind 氏のデザインによるもので、先のレポートで紹介した様に非常にユニークな形状でモダーンアートの展示場として相応しいビルとなっており、この建設工事を担当した業者は大変実現するのに苦労したのではないか、と感じさせられる物となっています。
この新築別館の内部壁面には日本からの東京国立芸大の修士課程卒業の芸術家である宮島辰男さんのLEDを使ったデジタル・デイスプレー合計80基が取り付けられています。
これらの取り付け工事は宮島さんとそのアシスタントの坂口千晶さんとが自ら行っており、デンバー市民のボランテイアから選抜された80名の人達が手伝って完成させています。
宮島さんのこれらの作品は「Floating Time & Engi」と銘々されており、「Engi」は「縁起」を意味していて80基を80人の人達で完成させるのも縁起の良い80を選んでいる、としています。
デンバーの中心のCivic Center Parkを囲んでこのデンバー美術館を始めデンバー市庁舎のWebbビルの入り口に在る造形アートやデンバー図書館の裏面に在る大きな馬と椅子の造形物、そしてコロラド・コンベンシヨン・センターの入り口のガラス窓面にもたれかかって中を覗いている大きな熊の像などモダンアート作品が多く見かけますが、何かこうした造形物で市としての特長を視覚に訴える、と言った方針が有るように感じます。
デンバーに又一つ新しい見物場所が増えました。
PEACEJAM 2006開催:
世界から著名な宗教家達を招いて毎年行われている講演討論会「PEACEJAM」が今年も9月18日(土)にデンバーの北西のボールダーに在るコロラド大学のキャンパス内のRitchie
Centerに満員の聴衆を集めて開催されました。
コロラド州内に自らリーダーとなって建立した寺院Rocky Mountain Shambhala Centerが在り、また娘さんがボールダーに住んでいる、というチベットの宗教リーダーのDalai
Lamaを始めノーベル賞の受賞者でもある大司教のDesmond Tutu氏などを含む世界から宗教家達を集めて講演がそれぞれから行われ、あとパネル討論会の形式で進行しました。
また、翌日の9月19日(日)にはプロアイスホッケイのコロラド・アバランチェとプロバスケットの
デンバー・ナゲッツのホームグラウンドである屋内競技場に満員の聴衆を集めてDalai Lamaの講演が行われました。 主題は「The Science
of a Compassionate Life」と言うタイトルでの講演でしたが入場券が事前に売り切れると言う聴衆が彼の講話に聞き入りました。
デンバー市長のJohn Hickenlooper 氏も聴衆の一人として参加し、講演の始まる前に挨拶をしましたが、Dalai Lamaから純白の長いスカーフを首に巻いて掛けられ照れている場面が有りました。
この様にコロラドでは、キリスト教のプロテスタントやカソリックの人達が殆どを占めている事には他の州と変わりありませんが、イスラム教はともかくとして仏教などを含む外国の異なる宗教や文化に対して特に若い年代の人達にそれらの主張を素直に聞く、と言った習慣が有るように感じます。
特にDalai Lamaはアメリカの中でもこうしたコロラドの環境が気に入っている様です。
Mother in low and Wife with Maggie / Ginger
家内と家内の母親そしてマギーとジンジャー:
家内の母親は今年の5月で満97才となりましたが元気で我が家の近くに独りで住んでいます。 ときどき古いBuickのフルサイズの車を自分で運転して我が家へやってきます。
マギーとジンジャーは家内の母親の良い遊び相手となっています。 |
DIAとデンバー・ダウンタウンを結ぶ鉄道建設:
デンバー国際空港とデンバー市のダウンタウンに在るユニオン・ステーシヨン間を結ぶ鉄道建設については前回のレポートでお伝えしましたが、懸案となっている運転車両をデイーゼルにするか、電車にするかの選択に付いて最近調査委員会が検討結果に付いてデンバー市のFasTrack委員会で公表し、電車で行くことに決めた事を発表しています。
デイーゼルに比べて給電架線の費用が余分に必要となるものの、排気ガスを出さない事や運転速度が速く車両自体の価格も安くなると言う事で、延長23.6マイル(38km)の区間を建設するのにデイーゼルの場合に比べて3900万ドル余分にかかるものの長い目で見れば安価となる、としています。
ほぼ今回で最終決定されたこととなるので、いよいよ工事に着工することとなります。
電車は座席が80人分ですが、一台当たり100名平均での乗車率を見込んでおり1列車は4両編成で当初合計31車両を所有して常時区間中を4列車が走行していると言うタイミングで運行に当ることになります。
又混雑する時間帯には更に走行列車数を増加させる事が出来るようになっています。
デンバー空港では既に最も利用客数が増加する今年のサンクスギビングデイ休暇期間に付いての対応の検討に入っており、出来ることならば来年のThanksgivinng
Day前までに完成して欲しいとの意向です。
DIAでは昨年2005年には総計4330万人の乗降客を扱っており、今年2006年では年間それを約10%上回るものと予測されている事から早い鉄道の運行が期待されている訳です。
肝心なレール建設のルートは既に決定しており、DIAよりはPena Boulvard沿いに走って、途中より国道70号線沿いに走るためその殆どがデンバー市の所有する空き地を利用する事となるため、用地買収の心配がほとんど無い事から直ちに着工出来ると言う日本の場合などに比べると大変うらやましい話しです。
一方、Light Rail(路面電車)の方は現在運行中のラインを国道25号線沿いに南にParkmedows ショッピングセンター迄の延長と途中の25号線と225号線の合流点から分岐してオローラ市の南に現在バスターミナルとなっているところまでの延長19マイル(30.6km)の工事がいよいよ完成して9月30日(土)に市の工事関係者や地元メデイアの取材記者達を乗せて試運転が行われました。
この工事は1700名の工事担当者と約500名の技術者がかかって2001年に開始されたのですが、当初当局としては8億8000万ドルの総予算で2008年の運行開始を目標として始まりました。
現在試運転を続行中で11月7日から本格的な商用運行に入りますので予定の期日よりも2年も前倒しで完成した事となります。
Light Railの次の工事の予定は、オローラ市のバスターミナル迄伸びた線路をそこから国道225線沿いに北上して国道70号線迄、DIAとユニオン・ステーシヨンをつなぐ電車のラインの途中に在るPioria
/ Smith駅までを結ぶ線に取り掛かります。
これが完成しますとデンバー空港から私の家の近くに在るAurora Mall迄が電車から路面電車に乗り継いで来ることが出来るようになります。
こうした電車や路面電車のラインが運行する事に依って国道25号線や70号線そして225号線と言った動脈の道路交通に変ってその混雑を解消出来る事を目的としていますので、今後車での通勤を止めて電車を利用するよう一般の市民への働きかけが重要となる、としています。
かって除雪車がフル回転で除雪しても間に合わない程の大雪でDIAへ行くハイウエイのPena Boulevardが閉鎖された事が有りましたが、電車による交通手段が確保される事となりますので当時のような混乱は生じなく為るものと期待されています。
月日の経つのは早いもので、皆さんへ「杉の会」ホームページ通じて毎月お送りしている「コロラド便り」も今回の(その48)で丸々4年が経過した事になります。
その間「杉の会」メンバーの皆さんにはいろいろとご感想や励ましのご連絡を頂きそれを頼りに文才の無い私が何とか続けて来ることが出来ました。
今後も皆さんに興味をもって読んで頂けるようなレポートを目指して元気を出して継続して行こうと思っておりますので相変わらずのご高覧の程をお願い申し上げます。