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コロラド便り(その46)
2006年8月1日(火)
萩原 正喜/コロラド
註:このコロラド便り(その46)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。

今年の夏はアメリカ全体が例年に比べて暑い夏となっており特に南部や東部の各都市では異常気象と言われているほどの高温気象が続いています。 またカリホルニア州の山岳周辺では乾燥した高温の環境下で山火事が多く発生しており、その焼失面積も記録的な広さとなっています。
コロラド州内の乾燥状態は、ロッキー山岳地帯は先の冬シーズンの降雪が多かった事から平年並みの状態となっていて山林火災もそれほど多くは発生していません。 また、ロッキー東山麓に在るデンバーやボールダーそしてコロラドスプリングスと言った主要都市では一年の水道水はロッキー山中の冬の積雪に依存しているので今年の夏は山中の各貯水池ともに満水となっており安心ですが、それでも夏の間に使い切ってしまって今度の冬に降雪が少ないと来年は厳しい事となりますので、今年も特に芝生への散水の規制を各市当局では敷いています。

一方、州の東側の平野部では降雨が殆どなく極端な乾燥状態で5月、6月には野火が多発してその焼失面積も広範囲にわたりました。 この広大な地域は主として牧場と農場が行われていますが、余りにも乾燥している今年の天候で仕事にならないと言ったところです。
また、州の北西部に在るGlenwood SpringsやGrand Junctionの町を中心としてワインの醸造が盛んに行われていますが、やはり異常な高温乾燥状態で良質の葡萄の収穫が今年は期待出来ない事から今年のワインは良くないものとなりそうだと言っています。

Cherry Creek State Park
州立公園になっているCherry Creek 貯水池:


今回の写真は我が家から近くにあるデンバー市の大水瓶チェリークリ―ク貯水池の紹介です。
下流がデンバーの町の中心を流れているチェリークリーク川が大雨があって氾濫したことから大きなダムを上流に造って塞き止めた貯水池です。 第2次大戦終戦直後の1948年に完工しています。
洪水防止だけでなくデンバー市民に供給する水道水の水源地ともなっています。
この看板の後ろが貯水池です。 貯水池周辺は州立公園となっていて自動車で入るのに夏は7.50ドル入場料が必要です。

アメリカで最も住むのに良い場所:

雑誌「Money」がアメリカの各都市について「Best Place to Live in America」と言う事で、経済面及び「Quality of Life」の観点から調査した結果からランキングを発表しています。 10位以内のランク付けは次の様になっています。

1位 コロラド州 Fort Collins
2位 イリノイ州 Naperville
3位 テキサス州 Sugar Land
4位 メリーランド州 Columbia / Ellicott City
5位 ノースカロライナ州 Cary
6位 カンサス州 Overland Park
7位 アリゾナ州 Scottsdale
8位 アイダホ州 Boise
9位 コネチカット州 Fairfield
10位 ミネソタ州 Eden Prairie

コロラド州内のその他の町のランクでは、
24位 コロラド州 Westminster
61位 コロラド州 Longmont となっています。

1位となったフォートコリンズの町は北のワイオミング州との州境に近いコロラドでは最も北に位置する町でコロラド州立大学のキャンパス町となっており、Hewlett Packard社のPC事業部門が町の主力企業となっています。 また、アメリカの農業・畜産をつかさどる役所や研究所が在って日本への牛肉の輸出問題での日米両政府間の協議もここで行われました。
Money 誌では、大きな学校が幾つも在って、犯罪発生率が低く、ハイテク経済環境で良い仕事に恵まれており、素晴らしい野外環境が整っていると言う事からホートコリンズの町が「アメリカで最も住むのに良い町」に選ばれた、としています。

また、24位となったウエストミンスターの町はデンバーの北に接しており宇宙衛星や宇宙探査で有名なBall Aerospace Technologies社に代表されるハイテクベンチャー企業が多く活動している町で、デンバーへの通勤している人達の住宅街の町にもなっています。
61位のロングモントの町はフォートコリンズとボールダーの中間に位置している町で、ハードデイスク・ドライブの各主力メーカーの開発部隊が沢山操業していることで知られているハイテク町です。

デンバー国際空港の5月の乗降客数が新記録:

DIA(デンバー国際空港)の5月の乗降客数が発表されて、410万人となり昨年5月の乗降客数に比べて12.9%の増加となったとしています。 これで13ヶ月連続して前年同月の記録を塗り替える増加で、今年1月から5月までの総数では昨年同時期に比べて11.8%の増加となっています。
このままの調子で行くと今年は昨年2005年の総乗降客数4340万人の記録を簡単に塗り替えそうです。
通常5月は冬のスキー客シーズンと夏の避暑・登山シーズンの合間で乗降客数は減少するのですが、今年はむしろ増加しています。 この調子では6月、7月は更に増加の傾向を示す事となりそうだ、と空港当局は話しています。

DIAの離発着便数は昨年5月の時に比べて6.4%増加しており特にデンバーをハブとしているユナイテット航空とフロンテイア航空の2社ではカナダ及びメキシコ間の国際便数を14%増加しています。
更に今年の1月初からDIAからの運行を始めた格安運賃のサウスウエスト航空は5月には約50万人の乗降客を扱ったとしています。
こうした発着便数の増加よりも乗降客数の増加比率の方が大きいと言う事は各便の乗客搭載率が上がっていると言う事でDIAに乗り入れている各航空界社の運航にプラスしていると言えます。

Cherry Creek Reservoir
Cherry Creek 貯水池:


貯水池のダムと反対岸からダムを眺めたところです。 水面の向こうに水平に長く土手の様なものが見えるのがダムです。 ダムの頂上は対向2車線の道路になっていて自動車が走りますが、ダムの上を黒い小さな点が離れて2個所見えるでしょうか? これがダムの上の道を走っている通常の自動車2台です。 比較して如何に大きなダムなのか推定出来ると思います。

ホンダ技研がLongmontに11エーカーの土地を購入:

自動車メーカーではホンダとGMが現在デンバーに自動車の各種テストを行うラボを持っています。
主としてPikes Peak(14110フィート/4301m)やMount Evans(14264フィート/4348m)といった標高の高山の頂上まで自動車で行ける道路があるので、こうした希薄な空気の高地での実用テストと排気ガス規制値の関係などをテストするための研究所となっています。 ホンダのラボには日本からの技術者が数名アメリカ人に混ざって活動しています。

昨年11月よりLongmont Area Economic Council (ロングモント地区経済開発委員会)と交渉して来た結果今回契約がまとまり、ロングモントの町とボールダーの町を結ぶ119号線(Diagonal Highway)の北端で国道287号線と交差する場所に在るボールダー郡ビジネスセンター企業誘致地区150エーカーの一部11エーカーをホンダ技研が購入する事となりました。
この誘致地区には既に商用衛星を使った高性能地上探査システムで有名なDigitalGlobe社やハイテク・カンパニーのIntrado社が操業しています。
ホンダ技研はこの場所に先ず15名から20名で運用するData Centerを建設し、タイミングを見て自然災害バックアップセンターを追加するとしており、総勢100名の規模となるとしています。 これらの建設費用として総額2000万ドルの投資となる見込です。

暫らく前に報告しましたが、ホンダ技研ではビジネス用の小型ジェット機の試作検討に入っていて航空機事業に参入します。 「空飛ぶホンダ・シビックを実現したい。」とかねてより創業者の本多宗一郎氏が言っていた夢がいよいよ実現する事となりますが、今回のロングモントの土地購入は関係するのか、しないのか、などと思ってしまいます。

デンバーから60km程北に在るロングモントの町は古くは当時大ヒット商品となったIBM社のパソコンIBM−XTに組み込まれたハードデイスク・ドライブの納入メーカーとして有名となったMiniscribe社が在った事で知られていますが、現在ではSeagateを始め富士通、Western DigitalのHDD開発部門、1インチドライブのCornice社、そして最近Seagate社に買収されその傘下となったMaxtor社などの各社が軒を連ねていますが、5月にこのMaxtor社の従業員650名が解雇される事となってロングモントの町に大きなショックを与えましたが、その後のSeagate社の発表では現在ロングモントに在る同社の建物にその2倍以上の広さの建物を追加新築してMaxtorで解雇された従業員の内200名余の再雇用を行うとしています。

カリフォルニア州Thousand Oaksに本社を持つ現在世界一のバイオテクノロジー会社Amgen社がロングモントに232エーカーの敷地に本社管理機構を移すとこの6月に発表しています。
また、Bermudaに本社を置く半導体会社のMarvell Technology Group 社は現在のロングモントの建屋を最近拡張しましたが、現在の従業員50名を2009年迄に150名に増員するとしています。
街を外れると周囲一面畑の農業地帯の中にあるハイテクタウンのロングモントですが、今後もハイテク企業の進出が盛んで発展して行く見込です。

DIA・デンバー・ボールダー・ロングモントを結ぶ鉄道建設、電車? デイーゼル?:

現在深刻となって来ているデンバー地区での自動車道の交通渋滞の打開策として昨年11月のElectionDayに住民投票が行われて現在のデンバー市のダウンタウンを走っている路面電車(LightRail)を南端のLoneTreeの街まで延長し、更に途中から分岐して私の住んでいるオローラ市迄のルートも建設する、と言う事で投票結果では承認されて、現在その工事が進行してほぼ完成する段階となって来ています。

また、投票時に併せて承認されたデンバーのダウンタウンに在る幹線鉄道の駅「ユニオン・ステーシヨン」からデンバー国際空港までのライン、北のボールダーの町を抜けてロングモントの町までのライン、そして、北に隣接しているCommerce Cityを抜けてデンバーのベッドタウンであるThorntonの町まで、の3つのラインの工事がFasTrackと言う名称で承認されており、南部地区の路面電車延長工事が完成に近ずいた事からいよいよ第2ステップのデンバー・ボールダー・ロングモント路線とデンバー・DIA路線の工事に入る事となって来ています。
ここで走らせる車両を電車にするか、デイーゼル車両にするかの選択の提案が工事及び運営を担当している当局であるRTD(Regional Transportation District)より出されて各地域の公聴会が開催されています。

もともとの総予算47億ドルで高速鉄道建設するFasTrack計画では給電用の架線を必要としないことからデイーゼル車両で行く事となっていましたが、ここのところのデイーゼル燃料の高騰でデンバー地区に多くの公共バスを運用しているRTDとしては参っている事から新たな検討を提案しているものです。
RTDの試算によると、デイーゼルの場合1マイル走行するのに67セントから2ドル燃料費としてかかるのに対して、電車の場合は55セントから80セントで済み、排気ガスを撒き散らさないだけでなく車両の個別コストも安く、加速が良いので運転区間の時間短縮が可能となるとしています。
例えば、ユニオン・ステーシヨンとデンバー空港間23.6マイル(38km)を走るのに電車であれば途中の駅での停車時間も含めて29分で行けるのに、デイーゼルの場合は34分かかるとしています。
日本であれば迷わず電車にするところですが、鉄道といえばデイーゼルと言う環境ながら州内で豊富な石炭と天然ガスを産出するコロラド州では全発電量の殆どをそれに頼っていますので、ガソリンやデイーゼル燃料が高騰している最近ならではの地元の話題となっています。

Yacht Cruising
ヨット帆走:


チェリークリーク貯水池はヨットやモーターボートが走るのに十分な広さなのでヨットクラブが在ってヨットやモーターボートを係留するヨットハーバーが造られています。
夏はヨットで楽しむ人が大勢繰り出します。

Adam Aircraft 社のA500型機が映画に出演:

デンバーの南に在るCentennial空港を本拠地として活動しているAdam Aircraft社はその胴体の前後にプロペラエンジンを積んでいるユニークな小型飛行機A500型で知られていますが、今回同機が映画「マイアミ・バイス」に登場する事となって撮影飛行に参加している事が報じられています。
「Miami Vice」は1980年代に大ヒットしたTVのシリーズ映画で2人の刑事主演者がフロリダ州のマイアミを背景に悪と立ち向かう、と言った活劇映画で、その後時々映画化されていますが、今回はマイアミだけでなくカリブ海を越えてドミニカ共和国への飛行も含まれており、Adams Aircraft社のパイロット2名の操縦により同社として初めての国際フライトを行ないました。
映画では通常の飛行の他にいろいろと高度な飛行が要求されますが、映画製作会社のMichael Mannプロダクシヨンの要求に応える高性能ブリを発揮しているとしています。
映画自体も気になりますが、この飛行機が映画の主役となって活躍するので同社としては格好の宣伝になると大喜びしています。

A500型は価格としては内装などの仕様により1機70万ドルから120万ドルの飛行機でレシプロエンジンの飛行機としては航空業界最後のモデルとなると言われています。
ちなみにAdam Aircraft社ではこの他に胴体後部の両サイドにジェットエンジンを積んだモデルA700型も製造に入っており、こちらの方がコストは高いのですが、飛行スピードとエンジンのメインテナンスの容易さからビジネス用としては人気があり、今ひとつパッとしないA500型の人気に今回の映画出演は火を付ける事になるのではないかと期待されています。

今年のFortune 500 から:

毎年恒例の雑誌フォーチューンがランク付けする「 Fortune Global 500」の2006年版が発表されています。
今回は原油価格高騰の折りからガソリンなどの最終商品の価格上昇の恩恵で石油メジャー各社がトップのExxonMobil社を始めとして高順位に付けています。

1位 Exxon Mobil 石油・ガス
2位 WalMart スーパーチェーン
3位 Royal Dutch / Shell 石油・ガス
4位 BP 石油・ガス
5位 General Motors 自動車
6位 Chevron 石油・ガス
7位 DaimlerChrysler 自動車
8位 トヨタ 自動車
9位 Ford 自動車
10位 ConocoPhillips 石油・ガス

上記の売り上げ金額でのトップ10各社を見てみると石油メジャー5社がしっかりと入っています。
昨年首位であったスーパーマーケット・チェ―ンのWalMartが2位で頑張っていますが、残り4ポジシヨンは自動車会社で占められています。 ガソリンを供給する会社とそれを消費する自動車会社がトップ10を占めているという事になっています。
こうした中コロラドの企業では電話会社のQwest 社1社のみが494位でギリギリ500社の仲間入りをしています。

Cherry Creek Yacht Club
チェリークリーク・ヨットクラブハウス:


貯水池の西の岸に造られているチェリークリーク・ヨットクラブのクラブハウス正面です。
地元の多くの会員で構成されているクラブで特に夏が季節のクラブですが、真冬には湖面が凍結してスケートリンクやわかさぎ釣り場で楽しむ事が出来ます。

デンバーの大水瓶チェリークリーク貯水池のダムが危ない:

昨年の夏にメキシコ湾岸の各州を襲ったハリケーン・カタリーナに依る大被害を踏まえて現在アメリカ全土で異常気象による大水によって各水利施設は大丈夫か見直しが行われています。
アメリカ陸軍の技術部隊が中心となって全米各地の調査が行われていますが、今回デンバー市の水瓶として使用されている巨大なCherry Creek貯水池を塞き止めているダムが決壊の危険性が有るとの報告書が出されています。

デンバー市の水道水はロッキー山中の国道70号線の分水嶺に造られたアイゼンハウワー・トンネルを過ぎた所に在るLake Dillon貯水池を最高度の起点として途中いくつかの貯水池を経由して最後にこのチェリークリーク貯水池へ溜められる言わば冬季に山中に降る降雪の雪解け水に頼っています。
このチェリークリーク・ダムは第2次対戦直後の1948年に完工したロックフィル型の大きなダムでどうやってこの大きな物を建設したのだろうか? と思わせるほどの大きな堰堤が構築されています。
堰堤の上部には対向2車線の道路が造られており、私も時々車でここを通過しますが特に冬の地面が凍結していて横風が強い時などは危険を感じるほどの高さのダムとなっています。

もともとこのダムが造られた目的は1940年代初にあった大雨でCherry Creek 川が氾濫してデンバー中心地が洪水に見舞われた為にそうした洪水を防ぐために建設されました。
今回のレポートによる指摘は1940年代初に有ったような異常気象で上流に多量の降雨があった場合に貯水池が満水となりますが、放水路として造られているTollgate Creekへの取水口の高度迄水位が達した時にダムの上部に強い風により発生する波が越えるように成り、やがてダム頂上を押し流して決壊につながる、と言うものです。

詳細な調査検討は今後更に継続されますが、来年3月までに対策を完了する事となっています。
このダムが満水時に万一決壊すると一大事でデンバーの町の中心を流れているCherry Creek 川が増水するだけでなく、ダムの近くを通っている国道225号線が破壊され、最近建設されたばかりの路面電車線(Light Rail)も壊されてしまうだけでなく、ダム直下に広がっているデンバー市、オローラ市の町並みが水没してしまう事となります。

National Weather Service局の記録によると、ダムが出来てから過去3回大雨で貯水池の水位が異常に高くなった事が生じており、1973年にはダムの頂上迄24m、1965年には25m、1983年には26.4mのところまで水位が迫った記録が残っています。
近年の異常気象でそれらの3回の時よりひどかったと推定される1940年代始めに有った以上の大雨が降る事が今後生じないとは言い切れませんので慎重な調査と完全な対策が希望されています。


Yacht Harbor
ヨットハーバー:


ヨットやモーターボートを係留するチェリークリーク・ヨットクラブのヨットハーバーです。
沢山のヨットが停泊しています。

石油と天然ガスの本拠テキサス州が全米一の風力発電州:

テキサス州は石油と天然ガスの産出では全米一の州である事で知られていますが、American Wind Energy Association の最近の発表によると、テキサス州での風力発電は総計で2370M ワットで全米で首位の発電能力を有している、としています。
その発電量は通常の家庭60万世帯を一年間賄うのに十分な発電量であるとしています。
一方、同レポートではコロラド州については、州の北東隅のネブラスカ州境に近いSpring Canyon エネルギーセンターでの60Mワットだけだとしています。
同じ石油・天然ガスの産出州でもかなり差がある、と言っているのだと思われますが、風が吹かないと何も出来ない風力発電ですから、何処でもと言う訳には行きません。

コロラド州の発電事情:

州内の電気及びガスの供給はXcel Energy社が一手引き受けでちょうど 関東地方で言えば東京電力と東京ガスを一緒にした様なサービスを行っています。
最近Xcel社ではこれからの6年間のコロラドでの増大する電力需要に対応する供給計画について発表しています。 州内で得られる石炭、天然ガス、風力、水力発電などを主体とした新規発電所の建造計画となっています。

新規建造の発電所を主体として1886Mワットの発電能力の追加をこれからの6年間で行う事にしており、現在私有の発電所から長期供給契約に基ずいて供給を受けている分の期限が切れるのも補っている内容となっています。
2012年の完成を目指して下記のような発電量追加計画も公表されています。

* 州の南の町Puebloに石炭を燃料とする火力発電所 500Mワット
* デンバーの北に展開するWeld郡Frederickの天然ガス火力発電所 269Mワット
* 私有の発電所からの長期供給契約の更新分 964Mワット
* 風力発電所4個所 775Mワット
* 州の南端のSan Luis Valleyに建設する太陽光発電所 8Mワット

クリーンエネルギーと言う事でここ数年間は風力発電の新設に力を入れてきましたが、州内では一定した風に恵まれず、設置場所の選択が難しい事から今年から太陽光発電の推進に力を入れて行くことになっています。 San Luis Valleyはかなり大規模な砂漠となっている地域があって年間を通じて強い太陽光が豊富な場所となっています。
2012年に於ける発電のエネルギー利用比率は次のような計画となっています。

石炭 ―――――― 73%
天然ガス ―――― 17%
風力 ――――――― 9%
太陽光 ―――――― 1%

州内や北隣のワイオミング州で豊富に産出する石炭がやはりダントツで主力なのは変りありません。
火力発電所としては発電効率や排出ガスのクリーン度の高い新型設備となりますが、京都議定書の排出基準に助けとなるほどクリーン発電ではありません。
コロラドにはウラニュームの鉱山も在りますが、アメリカでは原子力発電が中断していますので需要が無いので現在休山していますが、アメリカ内での原子力発電の再構築の計画が進んでいることや、最近日本よりの需要に応えて再度操業を開始するという計画が進んでいます。

Cherry Creek Dam
チェリークリーク・ダム(堰堤):


ヨットクラブのクルーザーの係留岸壁から眺めたチェリークリークダムの堰堤です。
左側に水平に一直線にロックフィル型の重力式堰堤が伸びています。 如何に大きなダムなのか想像出来ると思います。 中央に建っている柱はトラックで牽引してきたクルーザーやモーターボートを積み下ろしするクレーンです。

ユナイテット航空が2000年以来の初の四半期黒字決算:

2002年12月に破産申請し会社更生法の適用となってから大規模な従業員解雇を始め多くの再建策を実施して38ヶ月ぶりの今年2月始めにようやく会社更生法から脱出したユナイテット航空の今年第2四半期(4月−6月)の業績発表が行われて、2000年第3四半期以来6年ぶりの黒字となったと報告されています。 株式市場で当初予想されていたよりも良い数字の1億1900万ドルの黒字となっています。

営業売り上げは51億ドルで昨年同期に比べて16%の増加となり、営業利益では5倍以上となっています。 また、退職金引き当て額として2200万ドルを今期計上しているので、それを除くと1億4100万ドルの利益を稼ぎ出した事となります。
今回の財務体質の改善の一因としては航空燃料の高騰分をSurchargeと言う事で航空料金に一律燃料上昇分の27%を載せた事が寄与しており、実質上の運賃値上げとなっていますが各運行便の占席率が下がる事無くむしろ向上してる事が大きく効いたとされています。

一時は一日に1000万ドル以上の赤字となっていると言われた同社ですが、会社更生法の適用以来25000名以上の解雇、70億ドル以上のコスト低減、そして業務内容改善と厳しい体質改善を計ってきましたが、航空燃料の高騰や航空運賃の低価格競争の激化などの厳しい条件下での黒字であり、業界筋ではそんなに早くに黒字を捻出するよりも、それらの資金を体質改善やサービス改善に今は当てるべきだとする声も聞かれますが、同社が最大の便数のデンバー国際空港でユナイテット航空の5000名以上の従業員が勤務しているデンバー地区では大変良いニュースとして受け取られています。

Segwayの最近の状況:

以前、ユニークな電動左右2輪の自動バランス車の「Segway」が発表された時にこのレポートで報告しましたが、その後日本でも小泉首相が官邸の庭で乗って見せているニュースがアメリカの新聞にも写真入りで伝えられました。
日本では道路交通法で危険と言う事で公道での使用は禁じられているので特定な場所以外での使用は見られないと聞いています。
それでもSegway社ではアメリカ外でも営業活動を活発に展開しており36社の代理店を北米を除く外国に確保しその傘下の販売店は55カ国に及んでいるとしています。
アメリカ国内では法律でSegwayが規程されている州がほとんどとなっていますが、コロラド州、ニューヨーク州、コネチカット州、マサチューセッツ州の4州だけがそれぞれの州議会でまだペンデイングとなっており、ワイオミング州とノースダコタ州では今年か来年中には何らかのSegway 対象の法律が成立する予定となっています。

一方、アーカンソウ州とケンタッキー州では歩道でSegwayを運転する事を禁じていませんしワシントンDCやアトランタ市ではむしろSegwayの普及に協力的な法整備がなされています。
そんな訳でSegway社の売り上げ業績は年率50%以上の伸びを継続して続けており特にヨーロッパからの注文が大きく伸びており、間もなくIPO( Initial Public Offering/株式上場公開 )をするのではないか、と囁かれています。

Swimming Shore
チェリークリーク湖水浴場:


貯水池のダムと反対岸は白い砂が敷き詰められた岸となっており、夏の湖水浴場となっています。
日曜日には家族連れで水泳やボート遊びで大賑わいします。 ヨットクラブ・ハウスから眺めた風景です

コンスーマー商品への応用でHDDの地盤が拡大:

従来からのコンピューターでの需要が増加しただけでなくデジタル・ビデオレコーダーやMP3プレーヤーに代表される従来無かったコンピューター以外の需要も大きく伸びた事により昨年はHDDの需要が始まって以来の大飛躍を示した、と市場調査会社の i Suppliでは最近のレポートで報告しています。
こうしたHDD需要の急激な拡大は一つの部品の不足が大きな問題を引き起こすのでHDDの供給メーカーやそれを組み込もうとしているシステムメーカーに不安を与えている現状だ、と i Suppli 社のストレージ業界分析者のKrishna Chanderさんはそのレポートの中で指摘しています。
そして、特にコンピューター以外の用途へのHDD市場は2005年が総売り上げの16%であったのが2007年には27%に達する金額となる、と予測しています。

HDDメーカー側ではコンスーマー・エレクトロニクス商品への肩入れを強めており、日立グローバル・ストレージ・テクノロジーズ社の商品戦略マーケテイング担当の上席副社長のBill Healyさんは「市場成長予測ではコンスーマー商品用がIT関連を凌いでおり、技術開発面で推進が新たな商品の活性化に大きなインパクトを与えるようになってきている。」としています。
高密度で低コストな 3.5インチドライブはセットトップ・ボックスやDVDレコーダー用途に向いているが、ポータブル機器の用途ではその設計者は小型なものの方を好むので、2007年以降のコンスーマー商品への需要は1インチかそれ以下のサイズのドライブがポピュラーとなる、とi Suppli社では指摘しています。

これまでデジタル・オーデイオ・プレーヤーはHDDの最も急成長して来た部分であるが、低い容量のフラッシュメモリーを使用するプレーヤーの伸長の方がそれを凌いでいます。
アップルコンピューター社では同社の新商品 iPod Mini で1インチのHDDを使用する代わりにフラッシュメモリーで行く事に決めたが、この事は市場分析者達の予測に衝撃を少なからず与えました。
そしてデルコンピューター社では今年の初めにHDDベースのプレーヤーの販売を中止しています。
アップル社ではそれでもVideo i Podには1.8インチのHDDを使用しており、HDDベースのMP3プレーヤーの出荷はフラッシュメモリーベースのプレーヤーに比べてその伸びはユックリに為ったとは言え2009年までは2桁の伸長を継続するとされています。

Blu-ray デイスクプレーヤーの展示販売状況に付いて:

ここのところ東芝のHD-DVDプレーヤー2モデルの発売(3月26日)に始まって、その後RCAブランドでのトムソン社のHD-DVDプレーヤー1モデルの発売(6月2日)[ 東芝からのOEMか?]と続いて、更に東芝ではHD-DVDレコーダーを日本市場に7月14日から投入する、といったHD-DVD側の発表と為っています。
一方のBlu-ray 陣営では、ソニーがしばらく前よりBlu-rayプレーヤーを店頭での大画面HDTVの展示デモの信号ソースといった目的で各店へ出荷していますが、本格的な商品の出荷は6月27日から始まったSamsung社のBD-P1000型が最初です。

コロラドでは当初CompUSA店がいち早くデモ展示と予約販売の受け付けを始めたのでSamsung社ではそのHDTVシステムのCompUSA店での販路拡大策としてこのBlu-rayプレーヤーを利用するのかと思っていましたが、6月27日からはBestBuy店やCircuitCity店でも販売が開始されていますので、広くどの販売ルートでも販売が始まったものと思われます。

特にCDやDVDといった現行の各種デイスクに対するコンパチ性のレベルがどうなのか興味が持たれるところですが、併せて今後市場に出てくるBlu-rayRやBlu-rayRWといった書き込み型のデイスクに記録されたものへのコンパチ性がどのレベルとなっているのかが注目されるところです。
価格面では999.99ドルと東芝の499.99ドルに比べて2倍の価格設定となっていますが、新しいシステムの市場初期の現在ではあまり問題とされず、購入する人は購入し、買わない人は500ドルでも買わないと言うものだと思います。
今後ハリウッドの各スタジオがどちらのシステムでどのような内容の映画ソフトを出してくるのか大変興味の持たれるところと言えます。

Samsung社の1080p対応のHDTVセットとのBestBuy店の組み合わせ広告ではなっていますが、Blu-ray映画デイスクの方は1枚24.99ドルで3枚購入すれば1枚おまけでもらえる、としています。
CircuitCity店の広告では、HDTVセットと抱き合わせとはなっておらずBlu-rayの映画デイスクがもっと多数示されており6月27日になればもっと多くの映画デイスクが店へ入荷します、としています。

毎週月曜日には株式取引きや商品取引きが週末には行われない事から地元新聞のRockyMountain Newsのビジネス欄は「Mile Hightech」と言うハイテク関連の欄にページが代わって毎週発行されています。
7月10日(月)のMile Hightech 欄の2ページ目の片隅に次の記事が載っているのを見つけました。
JVCのVHSとDVDのコンビネーシヨンシステムに関する紹介記事となっていますが、これからのDVDはBlu-rayになるかもしれないからこうしたシステムはレトロと言われるかもしれないが、現在沢山のVHSテープでソフトを持っている人にとってはこうしたシステムが良いと言える。 JVCがオファーしているHR−XVC17型のVHSとDVDのコンビネーシヨン・システムで価格は100ドルで買う事が出来る、としているものです。

ちなみに我が家では家内がVHSで非常に沢山の映画テープを持っているのでDVDプレーヤーを買おうと思った時にJVCのVHSとDVDのコンビネーシヨン・モデルHR−XVC25U型を購入しました。
当時400ドルくらいして単純なDVDプレーヤーに比べて倍ぐらいの価格でしたが新たに購入するDVD映画デイスクが多くなっている現在でも楽しんで使用しています。
次のホームエンターテインメントとしては50インチ位いのHDTVセットとBlu-rayまたはHD-DVDのプレーヤーを購入しようと言う事になっていますが、現在のTVセットとこのVHS・DVDコンビセットは組み合わせて継続使用して行くと家内は言っています。
ソニーや松下から類似の機能のシステムが販売されていますが、120ドル売りで購入すると10ドルのリベートがもらえるので実質110ドルで買えます。 それにしてもVHSとDVDを合せて100ドルで買えるとは全く隔世の感が有り、どうして100ドルで造れるのだろうか? と言った感じがします。

コロラドでは梅雨という事が有りませんが、7月に入ってから晴れている時は連日最高気温が華氏95度(摂氏35.5度)を越す日が続いています。 そして、夕刻以降には雷鳴とともにまとまった降雨が有ると言う天候の毎日ですが日中は厳しい暑さでも夜は気温がかなり下がりますので寝苦しいと言う事無く助かっています。
以下、私の体調の状況の話しで恐縮ですが、近況を報告します。
(1)長い間完成待ちだった私の歯の右上の大ブリッジですが、先週無事人工の5本分のブリッジ歯をインプラントした3本のネジの部分にはめ込んで完成しました。 ちょうど治療開始から1年半かかった事になります。
お陰でチタンのネジと歯茎や顎の骨との融合がしっかりいったとみえて歯の当たり具合は全く自分の歯が戻った、と言う感じです。 まだ、長い間左側の歯ばかり使っていたので食べ物が自然と左へ寄ってしまいますが徐々に矯正されて、これからしっかり噛むことが出来る様になりそうです。
一番気になっていた欠けていた歯の部分から息が漏れてしまって発音がおかしくなるのも治った気がします。 後は来年の1月始めに歯医者でX線写真を撮って経過を確認するだけです。
(2)一方、目の方がやや老眼がかって来た感じがすることから、車の運転時だけに使かっている眼鏡の度が合わなくなったので眼医者で検査してもらったところ、以前に指摘されていた「白内障のハシリはその後進行していない」との事でホっとしていますが、眼医者の説明では白内障の進行のトリガーとなるのは強い紫外線によるのだ、と言う事でこの強い紫外線の季節に備えて通常の眼鏡の他に度付のUVカットのサングラスも新調しました。 皆さんもこの暑い陽射しの中自動車の運転や野外での活動時には白内障を引起したり進行さない為に是非UVカットのサングラスを使用される事をお勧めします。
(3)左手の震えのパーキンソンの方は相変わらずで、継続して薬を2種類毎日飲んでいますが、徐々に症状が進行しているような感じで、効き目が落ちて来ているようです。 間もなく医者と相談して飲む薬の量を増加する事と成りそうです。
治癒方法が今のところ無いにしても出来るだけ症状の進行が遅れてくれて、脳に電極を射して外から電気パルスを絶えず加えるといった事にならないように祈るばかりです。 何とも弱った病気です。
(4)長年の通風の方は、それで発作が起きて足の痛みにうなっている、といった事は最近では無くなり、完全にアンダーコントロールとなっていますがそれでもちょっと油断すると発作が来ますので、特に夏は注意しています。
今まで尿酸結晶の蓄積個所が足に限定されていたのですが、最近は手の指の関節や腕の肘の部分にも見られるようになって少し気になり始めています。
今まで通風で「一病息災」と思っていましたが、4病となってしまって我ながら年令を感じざるをえないこの頃です。 しかしながら、その内インプラントした歯の方は修正完了しましたので3病ですが、長年、無茶を通して来ましたので其のつけが廻って来たと感じています。 神様に感謝して元気に毎日を過ごすようにしたいと思っています。
日本は梅雨も完全に明けて蒸し暑い本格的な夏に突入、と言う時期かと思いますが、皆さん体調の管理には充分気を付けられ元気に過ごされるよう祈っております。

 
 

[ 以上 ]
 
 
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