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コロラド便り(その43)
2006年5月6日(土)
萩原 正喜/コロラド
註:このコロラド便り(その43)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。

日本ではゴールデンウイークが終ってホッとしているところかと思います。
コロラドでは5月1日(月)のメイデーには米連邦議会に提出されている不法移民抑制法案に関して、現在特にアメリカ国内での労働人口として増加しているメキシコ系の人達が中心となってその移民法改正に反対して「我々こそがアメリカを支えているのだ(We Are America)」と主張するデモ行進をデンバーのダウンタウンで行った事が注目されて、併せてコロラドでは毎年恒例のシンコ・デ・マイヨ( Cinco de Mayo / 5th of May )「5月5日」のメキシコ系の住民の祝日行事が注目されています。
両者を一緒にやったら効果的で良さそうにも思われますが、メイデーの方はアメリカでの労働移民全体の問題であり、シンコ・デ・マイヨの方は純粋にメキシコ移民だけの祝日でデンバー市当局も後押しをして毎年行っている行事でもあるので全米でもデンバーが突出して盛んな催しとなっています。



Volks Wagen / Carman Gear
我が家の隣の家で所有しているカルマンギア:


初夏の陽気となって外へ遊びにドライブしたいという季節となってきていますが、我が家の隣には3年ほど前に旦那を亡くした未亡人が住んでおり、冬の間はガレージにしまっておいた愛用のフォルクスワーゲンのカルマン・ギアを出してきて使い始めています。
1969年モデルだそうで最近のアメリカではあまり見かけなくなっている車種ですが、あまりにも懐かしいので許可をもらって撮影しました。
大事に使って保管しているせいか、37年前の車だというのに内装も外観もほとんど傷んでいません。 昔の誕生日のお祝いに旦那からプレゼントされたものだ、と言っています。

旦那はアメリカ軍の海兵隊の兵士で、ちょうど朝鮮動乱の時に従軍しており、日本の東京へ数日滞在した事があり、それから長崎港へ移動して,更に船で朝鮮へ渡って有名な仁川上陸作戦に参加したのだと生前に私に語ってくれました。
大変なヘビースモーカーでしたが肺ガンにかかっており、屈強だった身長1m90のかっての海兵隊員も病気には勝てず、晩年は体力を失って庭の手入れなどで私が手伝ってやったことが多くあります。 それでも、最後まで煙草を離す事が無く吸っていました。
車のエンジンが有鉛ガソリンを必要とすると言う事で入手可能なガソリンスタンドが限られているので遠出は出来ないのだ、と奥さんは言っています。

日本では北朝鮮に拉致された人達の家族のワシントン連邦議会の人権委員会での証言や横田めぐみさんの家族のホワイトハウスでのブッシュ大統領との面会などが各メデイアで大きく取り上げられたものと思います。 日本での一連の報道を見ているとアメリカ人全体もこうした拉致された家族の活動に関心が高く、各メデイアでも良く知らされているものと思われがちですが、実際のところコロラドに於いては地元新聞やTV放送のニュースにはこの件では全く報道されていませんので、ニューヨーク・タイムス紙やワシントン・ポスト紙などの全国紙を詳細に見ている人以外は殆ど知らされていない、と言うのが実態です。
事ほど左様に、プロアイスホッケーのコロラド・アバランチェがダラス・スターズを破ってWestern Conferenceの準決勝へ進出したニュースは地元新聞のスポーツ欄でなく一般ニュース欄の1面を飾る大きな写真とともに報じられているのに全米女子ゴルフツアーでの宮里藍ちゃんの活躍などTV中継でも各選手のプレーに混ざってうまくすると出てくる程度で日本での報道での状況とは全く違っている、と言う環境です。
ともすると、自分の環境での報道が他の地域でも同様に伝えられているものと錯覚しがちですが、一様にそうでは無いのだ、と言う事を承知している事が重要だと思います。

一方、日米共通の問題として多分日本でも経済に与える影響が深刻になりつつあるニュースとしては、原油価格の高騰によるガソリンの価格上昇があります。
取引き価格の基準となっているニューヨーク商品取引き所での原油価格が一時75ドル/バレルを越えたと言う事で大変な事態となった、回復してきた世界経済に大きな悪影響を与える、と言う事でしたが、その後下がってきたものの70ドル/バレル前後の高値のままで推移していて再び75ドルを伺う状況となっていることはご承知の通りです。

日米両国ではその主要輸送手段のエネルギー源として不可欠な燃料はガソリンですので直接消費者の購入価格に反映するガソリン価格は比較的全米でも安価な方に属するコロラドでもレギュラーで3ドル/ガロンを越えるかどうか、と言ったところが現状となっています。
一方、幸か不幸か家庭や工場で使用する電力に付いては、日本では原子力への依存度が高くなっていますし、アメリカでは豊富に産出する質の良い石炭への依存度が高く原油の価格高は今のところ直接に電力発電コストに影響が出ていないのが救いです。

コロラド州内への電力とガスの供給を一手に賄っている、言わば東京電力と東京ガスとを一緒にした様な会社であるXcel Energy 社が公表しているコロラドでの供給電力に使用されているエネルギー源の内訳によると、石炭が66.2%で、天然ガスが27.3%、風力発電を伸ばしてきたもののまだ2.3%、水力発電はたったの0.8%であるとしています。 残りは州の外から購入している電力でエネルギー源が不明の分となっています。
従って石炭と天然ガスを合せると93.5%と殆どを占めている事になります。

コロラド州では石炭も天然ガスも自分の州内で豊富に産出しており、天然ガスについては今後更に多くの井戸の掘削が進められる事になっていますので効率上からこの様な比率となっているとも言えます。
一方、アメリカ全体では国内からの産出よりも原油と同様、ベネズエラや中東からの天然ガスに依存している分が多くあるため、アメリカ政府が3マイルアイランドでの事故以来凍結していた原子力発電について安全度の高い発電方法に基ずく新システム構築を日本と協同で開発して行く方針を固めているのはご承知の通りです。

従って、現状での原油価格高騰が直接に影響を与えるのは自動車の燃料としてのガソリンやデイーゼル油の価格の上昇や石油を原料としているプラスチック製品などの価格への影響ですが、最近の地元新聞に載った記事からその端的な例を以下に記します。

車の燃費と節約についての比較: 燃料消費に関する政府のWebによると、4シリンダーのトヨタRAV4 の年間の平均燃料代は1496ドルであるが、同一比較でのフォードのハイブリッド車のEscapeの年間の平均燃料代は1177ドルである。
一方、ハイブリッド車のEscape の基準価格はオートマチックのRAV4 の基準価格より6600ドル以上高くなっている。
こうした価格差で考えるとこの両車の価格差を埋めるにはガソリン価格の高騰を除けば20年以上の使用期間が必要となる事になる、としている。

車の燃料節約の時期は何時?: Yahoo Finance のオンライン投票で「ガソリン価格が何処まで高くなったら貴方は運転を控えるとか、他の交通手段をとることを考えますか?」という質問に対して、
* 4ドル/ガロンが私の限界とする人が17%
* 5ドル/ガロンが私の給油の限界とする人が18%
* 私はもう既に今までの自動車運転の習慣を変えている、とする人が67%
となっている。

貴方の車の燃料代の数値は?: アメリカの環境保護協会とエネルギー省のWebサイトではアメリカで販売されている全ての車種毎の年間にかかる平均燃料代について示している。( 年間15000マイルの総走行距離で、その55%は市街地走行で45%はハイウエイ走行を基準としている。)
アメリカで販売されている車で最も燃費のかかる車はブガッテイ社のVeyronでホルクスワーゲン社から長い間かかってやっと今年になって発売された価格120万ドルのスーパーカーで年間の燃料費は4485ドル必要と推定され、何と25マイルを走るのに7.48ドルかかる。
参考までにホンダのハイブリッドカーInsight は同一条件で25マイルを走るのに1.10ドルきりかからない。
かってガソリン価格が安かった時代は「ガソリンがぶ飲み」の大型SUVなどが盛んに街中を走っていたが、最近の価格高騰下ではさすがのアメリカ人達も日常使用する車はトヨタやホンダの車に乗り換える人がめっきり増えてきている。 また、広告などで自動車の性能規格を表示する時にハイウエイ走行時と街中走行時の標準燃費、マイル/ガロンの数値が必ず表示されるようになった最近の情勢です。

デンバー市警察管内で最も盗難に遭う車:

デンバー市警察がその管内で昨年一年間に盗難に遭った自動車に付いて車種別に区分した台数の合計を発表しています。 盗む方でも盗んだ後の処分がし易い車種を選択する様でホンダ・アコードの4ドアー車が他を大きく離して1003台と2位のジープ・チェロキーの265台を離してダントツ首位になっています。 もう一つのポピュラーな車、トヨタ・カムリは3位で227台となっています。
今年に入っても1月1日から4月3日までの間でホンダ・アコード246台が盗難に遭っており、デンバー市での車の盗難件数は昨年同時期で比較して14%低下してはいるがやはりホンダ・アコードが車泥棒のお気に入りとなっているのには変わり無いとデンバー市警察では自動車運転者に注意を促しています。

盗難され易い場所としては、混雑している駐車場、長期間の駐車、スポーツなどのイベント時、大きなアパートの駐車場などが危険な場所であるとしています。
基本的な注意点として、駐車時はドアーに鍵をかけること、窓は閉じて置く事、ハンドルに機械的なロック装置をかける、等ですがもっと基本的な注意項目としてはエンジンをかけたままで車から離れない事が重要だ、とデンバー市警察では言っています。

ガソリン価格の上昇について:

原油の取引き価格が70ドル/バレルを越えて一時は75ドル/バレルを凌ぐといった事態から直接その影響が出るアメリカでのガソリンの市販価格の仕組みですが、既にレギュラーガソリンで3ドル/ガロンを越えているところもあってアメリカエネルギー省では今年の夏の価格は高かった昨年に比べて更に10%以上高くなると推定しています。
毎年7月4日のIndependence Day(独立記念日)は全米の人々が車でレジャーに出かける事が多くハイウエイが最も年間で混み合う季節ですが、この著しい高騰でレジャー産業への影響が出るのではないかとコロラド観光局では心配しています。

今年に入ってからのレギュラーガソリンの市販価格の全米平均の変化とアメリカ国内のガソリンの在庫量の推移を見てみると、2月下旬から価格上昇に転じていまや3ドルに届こうかと言う情勢で、購入価格が安かった備蓄分を徐々に取り崩している状況といえます。
最近の雑誌からの記事では、こうしたガソリン価格の高騰に対して次の様な説明をしています。

何がガソリン価格を押し上げているのだろうか?
世界的な石油需要の増大と中東での政治不安により原油価格が高騰している。 アメリカでのガソリンの生産量は昨年に比べて約9%減少しており、その主たる理由はメキシコ湾岸を襲ったハリケーン によってダメージを受けた石油精製施設の多くがフル生産に戻るのに苦戦している状況にある。
更に新しいエネルギー法の施行によってトウモロコシから作るエタノールをガソリンに混ぜる事に依ってクリーンな燃焼を促す事を推進しているがエタノールの供給不足が更に価格を押し上げている。
3ドル/ガロンと言う価格は高すぎるのでは?
その通り。 この価格は今まででインフレ率を調整したとしてもかって一番高かった1981年の3.12ドル/ガロンに迫るものである。
価格が高い事に依って誰かが利益を得るのか?
石油事業の各社は記録的に高い利益を計上しており、各社の役員も巨額な収入を得ている。 例えば今年1月に引退した石油大手のExxonMobil 社のCEOを務めていたLee Raymond氏は昨年の収入は6970万ドルで、この金額は1日当たりに直すと19万ドル得ていた事となる。
人々は自動車で出かけるのを控えるようになるのだろうか?
そうはならない様だ。 エネルギー省の推定によるとアメリカの経済状況が回復してきており、走る車の台数も増えてきているので、今年の夏のガソリンの使用量は昨年に比べて1.5%増加するとしている。
何が価格を下げる事に作用するだろうか?
メキシコ湾岸の石油精製施設の操業度の回復、そしてイランの原子力開発問題の政治的な決着がついて原油の安定供給が確保される事、更に主要石油産出国であるナイジェリアのストライキや政治不安定が解消して生産供給が始まる事などが重要事項である。



Buick Skylark
97才のお婆さんが運転するフルサイズのビュイック:


これは今で言えばトヨタ・カムリかホンダ・アコードと言った感じだった、かってのアメリカのポピュラーカーBuick のSkylark、1976年型4ドアーセダンです。 エンジンはV8気筒 で何CCか分かりませんが当時のBuickのモデルの中でもデラックスな方に属する車種です。
だいぶ以前に私もこの車を運転してロッキー山脈越えのハイウエー70号線を西にGlenwood Springsの町までドライブした事が有りますが、馬力も操縦性も大変良好で充分楽しめるドライブだったことを憶えています。
横に並んで立っているのはこの車のオーナー、私の家内の母親で今年の5月24日で満97才を迎えます。

我が家から直ぐ近くに独りで住んでいるのですが、身体はいたって元気で頭もボケていませんし、話す事もしっかりしています。 最近やや聴力が劣ってきたかな、と感じますが、それ以外を除けば大変元気で、外でのパーテイや食事会等には積極的に若い人達に混ざって参加しています。
しかし「元気と言っても年なので危ないから運転はやめろ、」と私が言うのですが、3年ほど前に両目の白内障の手術を行って、手術は成功し、その後視力は両目共に2.0 / 2.0となって、「折角手術して良く見える様になったのだから車の運転をしないのは損だ。」と言って天気の良い日にはこのフルサイズの車を自ら運転して食料などの日用品の買い物に出かけています。
驚異のアメリカの婆さん97才です!!!

以前より懇意にしているメカニックに定期点検や整備をしてもらっているので車の調子は大変良好ですが、このメカニックが大変なヘビースモーカーで自動車の修理中でも煙草を口から離さずにやっています。 自動車よりも面倒をみているメカニックの方が年で弱ってきているので後何年みてもらえるかが心配だと言っています。

アメリカ自動車協会が選んだベストカー2006:


私と家内とがメンバーとして加入しているAAA( American Automobile Association / アメリカ自動車協会)のコロラド支所が発行している月刊機関雑誌「enCompass」5月号では次のような2つの発表をしています。

* Top Car chosen for 2006
価格15000ドル以下 マツダ 3
$15,000 − $20,000 ホンダ アコード セダン
$20,000 − $25,000 Dodge Charger
$25,000 − $30,000 トヨタ アバロン
$30,000 − $35,000 BMW 3 Series
$35,000 − $40,000 Volvo S80
$40,000 − $50,000 Infinity M35 / M45
$50,000 + Jaguar XJ8L
SUV under $30,000 Ford Escape Hybrid
SUV $30,00 + Mercedes-Bentz M-Class
Minivan ホンダ オデッセイ
Pickup Truck ホンダ リッジライン
"Cool Car" Chevrolet Corvette Z06
ちなみにCool Carとは「いかす車」といった内容です。

* 2006's best cars for families

セダン: Dodge Charger, Mazda 6,Ford Fusion
Minivan: Toyota Sienna, Honda Odyssey, Chrysler Town & Country
Crossover & Wagon: Subaru Tribeca, Nissan Murano, Volvo V50
SUV : Ford Explorer, Chevrolet Equinox, Jeep Commander
Economy: Honda Civic, Mazda 3, KIA Sportage

となっています。

先にConsumer Reports 誌の自動車の2006年モデルに於けるカテゴリー別のランキングで日本車が全ての車種でトップを収めた、と言うレポートをしましたが、こちらのAAAのレポーとでは視点がConsumer Reports と少し異なる見方でのテストでアメリカ車全敗といった内容とは為っていません。

最も販売台数や需要面で大きいカテゴリーではホンダのアコードが入っています。 しかしながらトヨタのカムリが入っていないのは2006年モデルではホンダアコードに軍配が上がったものと思えます。 ちなみに我が家で現在所有している車は、主として家内が乗っているトヨタ・カムリ1999年型セダン、私が主として使用していて雪が降った時や山岳ドライブ時にはかかせないシボレー・ブレーザー 1999年型SUV、そして、次女の娘が専用で使っているスバル・レガシー 2000年型セダンの3台ですが、ブレーザーは4500cc のエンジンで馬力が十分有りここ一番で頼りになる車ですが、カムリやレガシーに比べると日常使うには明らかにガソリン消費は倍かかっています。

第1回コーファックス通りマラソン:

先のこのレポートで報告しましたが、アメリカで最も長い通りと言われるColfax Avenueを使って催うされる第1回「Colorado Colfax Marathon」レースの期日がいよいよ5月21日(日)と迫ってきました。
私の住んでいるオローラ市が各家庭に毎月送付している月報ではこのマラソンの行われる当日のコーファックス通りの交通規制に付いての案内がされています。
オローラ市の東にあるAurora Sports Parkをスタート点としてAurora,Denver,Lakewoodの3つの市を通過してレイクウッドの西のColorado Mills ショッピングセンターをゴールする一直線でほぼ平坦なコースのフルマラソンレースですが、有名なニューヨーク・シテイ・マラソンを参考手本として準備されて来ました。
市の月報ではマラソンコースの3つの市の市長が肩にランニング・シューズをかけて並んでいる写真を載せています。
また、当日はオローラ市郊外に在るBuckley National Air Guard 基地からのジェット機編隊が上空を通過するアトラクシヨンも予定されております。

レースは実力のある有名選手が引っ張る形になると思いますが、多くの日本女子マラソンの有名選手を生み出してきたボールダー市に在る日本陸連の強化練習所からの選手参加が期待されます。 千葉真子が参加しないかなあ、などと思っています。
一年で最も快晴の確率の高い日を選んだと言う事ですが、天候に恵まれて好レースが展開され今後長く継続するようなイベントに成長する一歩となればと期待しています。

移民法改正へのヒスパニック系の反発:

アメリカ議会での不法移民排除を目的とする移民法の改正に反対するデモ行進が多くのヒスパニック系 の人達(特にメキシコ系)を集めて5月1日(月)に全米のいくつかの主要都市で行われました。
コロラドでも75000人と言われる大勢がデンバーのダウンタウンの通りを行進しています。
この法律改正はアメリカとメキシコの国境を越えてアメリカへ密入国してくるメキシコ人や正規の入国 手続きを行って入国して滞在期限が切れてもアメリカ内に留まっているメキシコなどのヒスパニック系 の人々に対する取り締り強化を目的として制定されようとしています。
アメリカ人側からすると密入国や不法滞在する外国人を取り締るのに何が悪いのだ、麻薬のアメリカへ の侵入の元であるし、テロリストの国内潜入防止にも困難としているし、いろいろなアメリカ国内での 犯罪の温床となっているものは排除すべきだ、といった主張です。

一方のヒスパニック系の人達の側からすると、もともとアメリカでの3K(キツイ、汚い、危険)の仕 事を低賃金でやらせる目的のために認めて来ている現在のアメリカでのヒスパニック系の移民や期限付 き労働滞在のシステムであり、そう言った意味からもヒスパニックが現在のアメリカを支えていると言 う主張で、 今回の移民法の改定は密入国や不法滞在だけでなくアメリカを底辺から支えているヒスパニック系の人々の人権を侵害するものだ、としています。
コロラドでは5月1日には職場や学校を休んでデモ行進に参加したメキシコ系の人達が大勢に上り、特 にこうした人達が大勢働いている農業、建設業、清掃業などは開店休業の状態となっています。
アメリカでのヒスパニック人口は今や黒人を抜いてマイノリテイのトップとなっており、こうした底辺 を支える仕事に多くが就いているためにその影響力は年毎に大きくなってきています。

更に歴史的にかってアメリカは現在の半分の地域であったのが、1846年から1848年にかけての両国間の戦争の結果現在の国境線を定める事となった、と言う背景があり、「コロラドもカリフォルニアも元はメキシコ領土だったのだ。」といったメキシコ人の思いが根底にあります。 (もっと昔は全てアメリカ・インデイアンの土地だったのですが)こうした領土意識の問題は日韓間の「竹島」や日露間の「北方4島」などと同様に難しい課題を含んでいます。
ドイツに於けるトルコ系の労働者の事やフランスでのイランを含むイスラム系の労働者の問題など、3Kの低賃金の労働力を確保しようとする各国では後になってこうした問題を起こしています。日本もこうした前例を参考として誤りの無い将来を見据えた方針で進んで欲しいと思います。

デンバーで最も高いビルの建設計画:

先のこのレポートでデンバーのコンベンシヨン・センター前の14th Streetを中心としてホテルやマンシヨンを目的とした高層ビルの建設が数多く計画されている事を報告しました。
その後、商品取引業で大成功して今や彼を知らない人はいない、あのトランプ氏がデンバーで最も高層なホテルとマンションの複合したビルを建設する、と名乗りを上げています。
建設場所や建物の概要は既に決定されているらしく、その内容に付いては60階建ての高さ218mのビルですが、その屋上からアンテナの様な柱が伸びているので現在コロラドで一番高いリパブリック・プラザビルを抜いて一番の高層建築となるとしています。
既にトランプ氏はシカゴにこれに類似したデザインの高層ビルを建設しており、目的はホテルとマンシヨンの複合体ですが、2003年9月に開業しています。

シカゴの有名なリグリー・チューインガム会社ビルに並んだ場所に建設されており、最近雑誌などに広告が載るようになりましたが、シカゴのトランプビルの近影で右隣の白い建物がリグリー・チュウインガム社のビルといった写真を載せています。
また、他のページにはミシガン湖側から観たシカゴの中心街の遠景を載せており、トランプビルはなかなかの目立った存在となっています。
多くの高層ビルが準備されている中にあってシカゴに続いてトランプ氏がデンバーを選らんだのは今後のコロラドの経済活動の発展性が見込めると信じたからでしょうか?

「何でも統計」のアメリカの新聞から:
アメリカの家庭の33%は現在ホームシアター・システムを持っており、これは6年前が21%であったのに比べて増加している。 (いろいろなグレードのホームシアターがあると思うが、また全部がHDTVグレードのシステムでは無い。)
映画プログラムを観るために作られた(大型ソファー等の固定された席付きで)ホームシアター1セットの平均コストは10、800ドルかかる。
2005年のフラットパネルTVセットの売上げは(全米で)68億ドルで、これは昨年のデジタルTVセット全体の販売の約半分に相当する。


5月に入ってコロラドも初夏の風情となり、気温も上昇するようになりました。
庭の芝生の今年初の芝刈りを行って、更にその表面からイボイボの付いたローラーで直径3cm程の穴を多数開けて空気を芝生の根元に入れてやる Aerationと呼ばれている作業も終えて、新しい芝生の種の散布も終了しました。 あとはもう雪が降らないタイミングを計って屋根の上にあるスワンプ・クーラーの覆いを外して水を張りテスト運転を行えば夏への準備完了です。
この冬のシーズンにはコロラドの平野部では乾燥状態が続いて例年以上に乾燥していましたが、ロッキー山脈の方へは記録的な大雪が継続してその雪解け水によって各貯水池ともに満水です。 したがって例年5月初には出される水の利用制限の通知も今年はまだ出ていません。
今年の夏は水の心配をしなくても良さそうです。

以下、私事で恐縮ですが、前回このレポートで報告した私の母親が4月13日(木)夜9:18分に亡くなりました。
高崎に住んでいて日常母の面倒を見ていた弟から連絡が有って私は母親を看るために日本へ来ていたのですが、亡くなる2日前から今まで少しながら飲み込んでいた流動食を飲み込む事が出来なくなり少量口に含ませても直ぐに吐いてしまう状況となりましたので医師と相談し死期が近ずいたと推定して急遽前橋に住んでいる弟と千葉に居る妹を呼び寄せました。
その後少し回復し一段落かと思いましたが、弟が看ていた木曜日の昼になって再び元気が無くなり慌てて私と妹が病院へ駆けつけ枕元で見守っていましたが、母当人は意識が朦朧としているためか痛がったり苦しがったりする事無くスーっと消え入るように亡くなりました。
徐々に消えて行く母親を看取ると言う事は辛いものがありましたが、満88才の米寿でしたので一応日本女性の平均年令は越えていますし、子供に見守られながら苦しがる事無く臨終を迎える事が出来たのが救いでした。
急遽、弟と相談して、4月15日(土)が友引でしたので通夜をその4月15日に定め、また告別式を4月16日(日)と決めて、親戚などへの連絡や葬儀場の設定やお寺さんの方の手配など大忙しで手配し、幸いな事に大勢の会葬者を迎えて大変スムースな進行を計る事が出来恙無く終了しました。
現在、私はコロラドへ戻ってこのレポートの原稿をまとめていますが、嵐のような出来事が全て終了しホッとしているところです。
今後35日の法要と我が家の墓へ納骨を済ませるため5月11日にデンバーを発って再び日本へ行く予定にしていますが、その後に私はコロラドへ戻るつもりにしています。
時あたかも活発な活動の季節、初夏の5月に入っています。 Cinco de Mayoのコロラドから、皆さん、元気にお過ごし頂くよう祈っております。
 
 

[ 以上 ]
 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
 
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