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コロラド便り(その37)
2005年11月1日(火)
萩原 正喜/コロラド

註:このコロラド便り(その37)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。
(なお、フォトレタッチは郷さんです。)
また、スバル360に関連して、郷さんから特別寄稿をいただきました。

デンバー地区では毎年9月中には降り積もると言う程ではないにしても初雪が見られるのが通常ですが、今年はどうした訳か降らず、10月10日の朝起きて窓のカーテンを開けたら外一面が真っ白と言う事でかなりの初雪が降りました。

雪はそのまま降り止まず翌日の昼頃まで降り続きましたが、地面にまだ温かさが残っている為か雪の下側は溶けてしまうので降っているわりには積もらず、我が家の周辺で25cm程の積雪となりました。
ちょうどこの日がColumbus Day と言ってアメリカ大陸を発見したコロンブスの記念日で国民の祝日となっていましたので、街での通勤にはあまり大きな混乱は生じませんでしたが、まだ暖かい中での比較的多い降雪でしたので雪が大変湿っていて重く、まだ殆どの葉が残っている街路樹の枝にまとわり付いて、その重みで多くの太い枝までもが折れて道路へ落下するといった事が生じています。
こちらの街路樹にはMapletree(かえで)の木が多く、その枝は通常でも少し力をいれて曲げると折れる程ですのでこの湿った雪の重さに耐えられず折れてしまったものです。


町のスバル・デイーラーで見つけたスバル360:

私の次女が初めて自分の車を買うと言うので、雪や凍結した道での運転を考えてAWD( All Wheel Drive )のスバルが良いだろう、と言う事で我が家の近くにあるShortline Subaruと言う富士重工のスバルを専門で扱っているデイーラーへ中古で良い車はないか見に行きました。
建物の表がセールスのショールームとなっていて、裏側が修理・整備サービスとなっており、そのサービスの受け付けで何と、懐かしい「スバル360」を見つけました。
車全体が中も外もきれいに磨き上げられており、外観もダメージが全く有りませんし、エンジンも快調でまともに運転が可能との事です。
コロラドの東北に接しているサウスダコタ州に住んでいる女性が使っていたのをスバルの新車と交換で購入して来たのだそうです。 今のところ店としては販売するつもりは無くて、ショールームへ展示しようと思っているとの事です。
私の出身地が群馬県ですので富士重工のスバルの工場の本拠地の太田市が近い事もあって大変以前にかなりポピュラーな車として多くが町を走っているのを見かけましたが、その後全く見かけなくなっていましたので大変懐かしい思いがしました。

町中の余りにも多くの街路樹がその枝を道路に落としているので市の当局がそれらを集めて処分するのに時間がかかってしまい、何時全部の処理が出来るか分からない状態でしたので、出来るだけ自分の家の前は各家で自主的に処分するようにして欲しい、との協力要請が市から発せられた程でした。
我が家の前の芝生には2本のかなり育ったMapletreeが街路樹としてありますが、どちらもその大きな枝が数本も折れて落ちてしまっているので、天候の回復を待って大型の食切りの様なカッターとノコギリとを出して来てそれらを裁断して大きなゴミ袋へ詰めるといった作業で汗を流しました。
こうした麓の街中での様子を尻目にロッキー山脈の各地のスキーでは今シーズンのオープンに向けて準備が進んでいます。

地元の新聞にはコロラド州内の主要なスキー場に付いてそれぞれの開場予定日が発表されています。
標高が高く毎年一番乗りでオープンするLoveland スキー場は今年も人口降雪機等も使って準備を進めて今年も一番の10月14日にリフトも動かして開場しています。
その殆どのスキー場が11月中にはオープンとなるのでいよいよスキー天国のコロラドのシーズン幕開けです。

また、10月30日(日)の夜明けの2時を期してDay Light Saving Time(夏時間)が終了して時計を1時間戻します。 これでコロラドと日本の時差はコロラドが日本の時間に16時間遅れると言う事となり、例えば日本で朝の9時にはコロラドでは前日の午後5時と言う事になります。
そうなると、町はもう10月31日のHalloweenを皮切りとして11月24日のThanksgiving Day に向けて年末商戦一色となるコロラドです。

コロラド大学から再びノーベル賞受賞者:

そんな陽気の中既に日本でも伝わっている事と思いますが、毎年恒例のノーベル賞の物理学賞の今年の受賞者が公表され、3名の受賞者の内の一人にデンバー地区の北の町ボールダーに在るコロラド大学とNIST (National Institute of Standard and Technology) の合弁で設立されている国立研究所のJILA ( Joint Institute for Laboratory Astorophysics ) でのレーザー光の正確な周波数についての測定方法の確立研究に於ける成果が認められて今年71才になるコロラド大学の講師をやっているJohn Hall 氏が選抜されました。

コロラド大学の研究者ではノーベル賞の受賞は1989年以来このHallさんで4人目となり、コロラド大学のプレステージの高揚にも多大な貢献をする事となりました。
現在Hall さんはコロラド大学の講師として「空港での荷物に含まれる爆発物の新しい検出」と言うテーマで数名の学生達と共に研究を進めており現役バリバリです。
今年後半でのコロラドでの明るい話題となっています。

地元新聞ではこの朗報に4ページを割いて報道しており、受賞の報に喜んでいるJohn Hallさんの大きな写真を含めて対象となった研究成果の内容とその価値、そして今回の3人の物理学賞の受賞対象者の中でのHallさんの役割などの解説の他、彼の人となりについての詳しい解説を行っています。
以前にTexas Instrument 社で現在のICの原形を考案し実用化のスタートを切ったキルビーさんの事が大きくジャーナリズムで取り上げられた事が有りましたが、今回のホールさんの業績に付いても個人のかって頑張った成果が後になって大きく評価される事になるのはアメリカらしいところといえますが、日本の場合では最近の島津製作所の田中耕一さんの蛋白質分析システムの開発や日亜化学での中村修一さんの青色LEDおよび青色レーザーダイオードを可能とした開発の課程が類似している、といった感じを持ったのが私の感想です。


スバル360のアメリカ輸出版:

左ハンドルとなっているのでアメリカ向けに造られた車種と思えます。
フロントガラスにはこの車の登録証が貼り付けて有り、空冷2サイクル・並列2シリンダー・360ccエンジンで車種名としてK313Lと記録されています。
日本でスバル360が発売されたのは1958年の事ですが、それが現在のスバルマークのバッジを付けた富士重工としては初めての自動車でした。
当初その360ccのEK31型のエンジン出力はたったの16馬力でしたが、1968年に出力が倍の36馬力のエンジンを搭載した「 Young SS ( Super Sport )」型が発売されています。
そうしてスバル360の生産は1970年まで行われました。
日本では当時大変人気の有ったスバル360ですが、アメリカではMalcolm BricklinさんとHarvey Lammさんと言う2人がそのユニークさが気に入ってスバル360のこの乗用車タイプの他にトラック型のものやバン・タイプのものなどを含めて数千台の日本からの輸入をして、SOA( Subaru Of America )と言う会社を設立して販売を行っています。

ガソリン価格の高騰と自動車の燃費性能の向上:

アメリカでは9月の初めから自動車の翌年の新型モデルの発表が各主要都市でのモーターショーで順次公開されるので、9月末までに今年のモデルの完売のメドをつけて10月からは翌年新モデルの予約注文を獲得する営業活動に入るのが定例となっています。
今年は原油価格の高騰からガソリン価格が以前の2倍以上に留まったままとなっており、ベネズエラや中東からの原油の輸入比率が高くなっているアメリカのエネルギー政策の一端としてブッシュ政権ではアメリカでポピュラーとなっているフォードのExplorer とかジープのGrand CherokeeなどのSUV車に関して2008年から2011年までの間に製造される物に関してその終身で100億ガロンのガソリンの節約を計る事を指標としてメーカーへ通達しています。

更に9月に原油掘削施設や石油精製施設が集中しているメキシコ湾岸を襲った2つの巨大ハリケーンの影響で現行2005年モデルの9月の売り上げは大苦戦となり、特にSUV車の販売は困難を極めました。
各自動車メーカーでは「従業員割引価格で通常の顧客へ」といった割引制度を打出したり、三菱自動車の場合では期間限定で購入した車が利用するガソリンを無料とする特別販売を敷いたりと従来では考えられない販売合戦を展開しました。
今まで中型、大型のSUV車はアメリカの自動車メーカーの得意分野であり、ここ数年こうしたSUV車が人気が有って売り上げの大きな部分を占めて米自動車メーカーを支えて来ました。

今回のアメリカ政府の通達の主旨からすると、こうしたSUVの中で台数的に中心を占める車種へ燃費の大幅改善を課しており、「ガソリンのガブ飲み車」として知られるHummer H2等の大型車に付いては車の定格重量(定員の人数を乗せて、ガソリン満タン)で8500ポンド(3.86トン)以上は商用車( Commercial Vehicle )のカテゴリーに入るので対象から外されています。
また、スバルや鈴木の様な小型SUVを主体としているメーカーでは現在の水準から28%も燃費の向上を計らなくてはならず、既に大変な燃費改良の作業をやってきている事から容易でありません。
そして、以前より排気ガスから温室効果ガスの排出を無くす事を要求しているカリフォルニア州を含む9つの州はアメリカ政府としての通達内容に不満を示しています。 即ち、こうした要求を中間に挟むのではなく水素電池などによる無公害車の推進を一気に計るべきであるとしています。

全米ハイウエイ交通安全委員会( National Highway Traffic Safety Administration)では11月22日迄の期限で法制化に関する意見書の提出を公募しており、その後にこれに関する公聴会が開催される予定となっています。 そして、法律としての標準規格が2008年から発効する予定となっています。

2006年モデルの燃費コンテスト:

毎年翌年の自動車の新型モデルはこのシーズンには各主要都市でのモーターショーで既に発表され、その製造開始期日や販売開始日程が公表されて顧客への予約注文の受け付け合戦となっている季節となっているのですが、今年は少し例年と雰囲気を異にしています。
先にアメリカ政府では乗用自動車の燃料消費の改良について通達を出して、特に大型SUVでの燃費の改善を急務として業界へ要求して来ています。
その業界対応について状況を見る上での格好な材料として最近アメリカエネルギー省と環境保護局の共同調査による各自動車メーカーの2006年モデルに関する走行燃費テスト結果が公表され、その燃費の良い順序から各社の来年の新車のランク付けが発表されています。

燃費のテスト数値については都市部での走行とハイウエイでの走行とに付いて記録されており、ガソリンエンジンと電気モーターによるハイブリッドに特化した仕様のホンダのInsight のマニアル・シフト車 が1位でトヨタのPrius が2位とこの2モデルが他を圧して良好な燃費を示しています。
3位にはフォルクスワーゲンのNew Beetle 及びGolf (同一エンジン使用)デイーゼルのマニアル・シフト車が入っている他、4位、6位、7位とを何れも同社のデイーゼル車で占めており、10位13モデルまでのランキングでは ハイブリッド車が8ランクを得ています。
肝心なアメリカメーカーではハイブリッド車の開発を遅まきながら鋭意進めてきたフォード社のSUV車3モデルが5位、8位に2モデル入っており、GM社やクライスラー社のモデルは全く入っていません。

今回の調査ではもっとも大型のハマーH2 やフォード Excursionなどに付いては自動車の燃費改良の対象としている車体標準重量8500ポンド(3.86トン)以下の規程を越えているので対象となっていません。
大型SUV車の中ではダイムラー・クライスラー社のDodge Durango車が都市部12マイル/ガロン、ハイウエーで15マイル/ガロンと今回の調査対象となった各社の車種の中で最も燃費が悪いとのお墨付きをもらっています。
環境保護局では「2006年モデルから本当にユーザーがよりクリーンなエネルギー消費の自動車を選択出来る幅が出て来たといえる。」としています。 これからの実セールスでどの様な結果となるでしょうか?


スバル360の設計コンセプト:

空冷リアーエンジン・後輪駆動、そしてカブトムシ型のボデーなど多くをドイツのホルクスワーゲンのデザイン・コンセプトを取り入れていると思われますが、全体が小型で有ることや、空車重量がたったの848ポンド(385kg)と超軽量な設計となっている事など外観のユニークさも含めて愛用していたファンが現在でも多く残っており、「 Subaru 360 Driver's Club 」と言う
ファンクラブが結成されていて、スバル360の入手が難しくなった補修部品の斡旋や修理の相談などの情報交換の場となっています。
以上の情報は我が家から近くにあるスバルのデイーラーShortline Subaruの店で展示されていた写真のスバル360に添付して有った印刷物から入手したものですが、今となっては日本に於いてさえ大変珍しいものを思わぬところで発見して少々興奮気味の一日でした。
ところで私の次女はスバルLegacy GTのAWDセダン2000年型の中古で程度が良さそうなものが見つかってそれを購入しました。 事故などに巻き込まれる事無く安全運転でやって欲しいと願っています。

SUV車の売上げ低下とハイブリッド車の伸長:

今年後半のアメリカに於ける自動車販売での特長といえば、SUV車の販売急低下及びハイブリッド車の急速な売上げ伸長で、アメリカでのハイブリッド車の昨年までの登録台数の推移はまだ絶対数的には少ないものの右肩上がりの急成長を示しています。
2004年には83、153台が登録されていますが、 この数字はまだまだ通常の車に比べると非常に少ない台数ではありますが、排気ガス問題やガソリン価格の高騰などが後押ししてこのペースで伸びるとハイブリッド車が世の中の主流となる雰囲気となっています。
特にSUV車の分野で強いアメリカメーカーとしてフォード社が昨年最初に出したSUVハイブリッド車のEscapeに続いてそのリンカーン・マーキュリー・ブランドでのMarinerの2006年型モデルが発表されています。

そのMercury Marinerの最近の新聞広告からの切り抜きでは「ガソリンスタンドへ行ってどちら側にガソリン給油口が在ったか忘れてしまうほど低ガソリン消費のこの車での運転を楽しんで下さい。」としています。
トヨタのPrius に比べるとその燃費は半分より少し良好と言ったところですが、アメリカエネルギー省のレポートでも良いほうから8位に付けています。 価格面でも標準装備でMSRPが21、995ドルで来年の1月3日以降から各リンカーン・マーキュリーのデイラーで入手出来ます、としています。
フォード社ではアメリカ政府の指摘に従ってSUV車からハイブリッド車へのモデル転換を計って来ていますが、その外観からはハイブリッドだ、と言う事を感じさせない外観デザインで通しているのが特長となっています。

メキシコ湾岸のニューオルリーンズの町を襲ったハリケーンKatrina及び続いてヒューストンの町を襲ったRitaの二つのハリケーンが与えた湾岸沿いに非常に数多く操業している石油掘削施設や原油精製工場などへの被害の状況より一時原油不足の警戒からもともと高かった原油価格の一層の高騰によってその消費者が日常的に購入しているガソリン価格への波及も多額となっていましたが、政府の備蓄分の放出やハリケーンが過ぎてからの施設の回復状況などから、再び安値へ転じたものの現在でもかっての価格は想像出来ないほどの高値で安定してしまっています。
こうした環境は自動車の購入者達にとっても日常の事だけに心配で、今まで人気があり特にアメリカの自動車メーカーが得意として来た大型SUVの分野で占有していた市場にも大きな反響を与えています。

そうした状況から9月のガソリンを多く消費するアメリカに於ける大型SUV車の販売台数は昨年に比べて43%もの低下となっており、デンバー地区でも人気の有る小型トラックの新規登録台数に於いても今年の1月から6月までの期間では昨年同時期に比べて6.6%の減少となっています。
デンバー地区でのこうした今年上半期でのSUV車と小型トラックの新規登録台数をそのブランド別で見るとGMC −24%,Buick −16.2%,Hummer −14.2%,Chevrolet−7.8%,Jeep −3.1%と軒並み低下しています。
また、アメリカ3大自動車メーカー及び日本3大自動車メーカーのアメリカに於ける9月度の売り上げの様子は、GM,Fordは総売上げ面でもまたSUVやトラックだけでも下げているのにクライスラーと日本3社が総売上げでは伸ばしているもののやはりSUVとトラック部門ではクライスラーとトヨタも下げており、こうした事を反映してアメリカでのSUV販売全体で9月のみで43%の下げとなってしまった結果です。

一方、燃料電池車の開発実用化に力を入れるあまりハイブリッド車競争では後れを取っている最大手のGM社ですが、そのChevyブランドグループの主力乗用セダンの Impala2006年モデルについてTVや雑誌の広告を盛んにやっています。
これはハイブリッド車ではありませんが303馬力、V8エンジンを積んでいて力が必要な時は8シリンダー全体が動作していて、定常運転で力を余り必要としない時には4シリンダーだけが動作する、といった原理で燃費の向上を計っている、としています。
ハイウエイ走行時の燃費は28マイル/ガロンとしていますので、こうした大馬力エンジンの乗用車としては今までに無く良好なレベルであると言えそうです。
「過去の記録を吹き飛ばして、ガソリンスタンドで給油するのも吹き飛んでしまうほどの好燃費」と言ったキャッチコピーの広告となっています。

アメリカ政府のSUV車の燃料消費を何とか下げよう、と言う呼びかけに対して、その主旨に同調してSUV車から積極的な低燃費化を計って来ているフォードモータース社が出しているもう一つのSUV車にEXPLORERの2006年モデルが有ります。
これはハイブリッド車ではありませんが、「今までのEXPLORERで最もパワーの有る新型モデル出現」
と言う事で、4.6リッター、292馬力V8エンジン付きですが、一つのシリンダーに3つのバルブを持っておりパワーが必要な時は3バルブ全体が開閉し、定常運転時は2バルブで燃料消費を抑える、と言うものです。 都市部走行で15マイル/ガロン、ハイウエイ走行時で21マイル/ガロンの燃費となっています。
先のSUV2モデルと比べて燃費はかなり落ちますが、従来のこの大きさのエンジンに比べると大幅な進歩です。

「よくよく計算してみよう!」

地元新聞のトピック欄に下記のような小さな記事が載っています。
ホンダAccord のハイブリッド車で通常の利用での年間走行距離15000マイルを1ガロン当たり3ドルのガソリンで走ると1404ドルかかる。
一方ハイブリッドで無い通常のホンダAccordでは同じ条件で1674ドル必要である。
ここでハイブリッド車の購入価格では約3000ドル余分に必要であるから、ハイブリッド車でガソリン消費を節約してもその購入コストを回収するのに11年以上かかる事になる。
一方で、フォードのExplorerの場合に付いて前記と同様にハイブリッドの効用について計算して見るとわずか2年2ヶ月で購入コストのもとが取れる事となる。 「よーく考えよう!」 としています。

大型SUVのHummerの小型版「H3」、それでも大型:

TVのイラク報道のニュース場面などで必ず見かける軍用の自動車がGeneral MotorsのHummerブランドのトラックで、「Humvee」と言うニックネームの最も大型なモデルが活躍しています。
タフでハイパワーといった軍用の車両そのものですが、アメリカ軍のかってのWillis Jeepと同様に米軍兵士のパトロールや移動の主要車両となっています。
「H1」はそれを少し小型にした一般用のモデルで、ちょうどジープに業務や趣味で乗っている人達がいるのと同様に荒野や山岳地での業務用や完全な趣味の目的で使用されているモデルです。

「H2」は一昨年に当時の大型SUVの人気が真っ盛りな当時の情勢に合せて開発された民生版のハマーです。
何れも大型ボデーに大馬力エンジンを搭載しているのである種のマッチョ気分でのステイタス・シンボルとして街中で乗っている人が多く、街中でも時々見掛けますが、多くの車に混ざって大変目立つ存在で、隣をホンダのInsightやトヨタのPriusなどが走っていると非常に好対照で思わず吹き出してしまいそうな愉快な光景でもあります。
時代の流れをとらえてか、今回小型Hummerと言うべき「H3」が2006年モデルとして発表されています。

地元新聞の毎週金曜日版に掲載されている自動車の新型モデルの紹介欄「friday drive」の最近のページにこのHummerの小型版「H3」の解説が載っています。
小型版といっても3.5リッター直列5気筒220馬力エンジンと言うユニークな構成で競合する他社モデルとしてはジープ Grand Cherokee,トヨタ 4Runner,ニッサン Pathfinderといった各社の伝統的なSUV車となっています。

H3の外形寸法をH2と比べると、車幅が5.7インチ狭く75.5インチ、車高は6インチ低く74.5インチ、全長は17インチ短く186.7インチと小振りとなっており、床下クリアランス9インチと大きな6フィートタイアの装備でどんな岩場も乗り越えられそうです。
伝統的なHummerのデザインを出来るだけ守って、操縦性や居住性も街中を運転するのに適した改良が為されているとしています。
燃料消費の少ない設計の業界の流れに抵抗を示している様なHummerの一連のモデルですが、こうした車もニッチな世界として有っても良いのではないかと思わされる印象です。
Hummerはルイジアナ州のShreveportの町の工場で製造されていますが、今回の2つの強力ハリケーンによる被害は大丈夫だったのでしょうか?

Blockbusterは店をbuster(ぶち壊す)?

全世界に9100軒のチェーン店を展開しているレンタルビデオのBlockbuster店ですが昨年の同時期と比べて現在の同社の株価は33%下落しています。
Adams Media Research社の報告によると2004年の消費者がビデオやDVDレンタルに費やしたお金は80億ドルでこの金額は3年連続での下降金額となっています。
一方、オンラインによるDVDレンタル会社のNetflix 社の株価は昨年に比べて71%の上昇となっていて、同社の売り上げも上昇しており同社の総顧客数は320万人に伸びています。
Netflix 社の役員のTed Sarandos 氏が同社のビジネスモデルの優位点を見て「オンラインDVDレンタルの事業は大変好調だ。 レンガとモルタルの店( Blockbusterの店の事)を閉店に導き始めるのに十分なビジネス上の移行がそこには有る。」と言っています。

デンバー地区で展開されているDVDレンタル戦争:

以下はDVDもここまで来たか! と感じさせられるコロラドでの最近のDVDレンタル事情ですが、まさに傷の付かないTDKのハードコートDVDが威力を発揮しそうなお話しです。

現在DVD映画デイスクのレンタル事業では;

(1) Blockbuster店に代表される従来からの各店での展示の中から顧客は選んで借りてゆき後でまた店 へ返却する、といったタイプ。 ( 全レンタルビデオ事業の77.3%の規模 )
   
(2) Netflixに代表される顧客はインターネットのオンラインで申し込んで郵送で配達・返送を行うタイプ。 ( 全レンタルビデオ事業の20.2%の規模 )
   
(3) ここで紹介するハンバーガーショップのMcDonaldのデンバー地区店でやっているベンデイング・マシンを使用して顧客が何時でもクレジットカード又はデビッドカードを使って借り出し・返却を行うタイプ。 ( 現在までのところ全レンタルビデオ事業の2.5%の規模 )

McDonald のベンデイングマシン方式は同社が2002年にデンバー地区を対象に本来のハンバーガーなどの同店の販売食品の顧客を集めるのに効果があるかどうかを市場テストを行うために始めたシステムです。

飲み物を扱うベンデイング・マシンと同じ要領で顧客はクレジットカード又はデビッドカードをマシンを通して登録した後、約一機当たり100タイトルが収納されているマシンから選択して借り出し、そしてマシンへ返却すると言うものです。
このベンデイングマシン方式は顧客集めに効果ありと判断したMcDonaldではこのシステムを運用する組織としてRedbox社を子会社化して、コロラド以外の地域ではBaltimore,Houston,Minneapolis,Salt Lake City,St. Louis の各都市の店へとこのシステム展開を行っています。
レンタル料金は一晩1ドルと格安で、顧客が返却をしないでいると25ドルまででその後の同じカードでのアクセスは停止してしまって累積料金が使用したクレジットカードへチャージされる仕組みとなっています。

ちなみに現在のBlockbuster店でのレンタル料金は新リリースのタイトルで2晩借りて4.49ドルであり、Hollywood Video店では新リリースのタイトルで5日間借りて3.99ドルとなっています。
こうしたベンデイングマシン方式に要求される条件としては出来る限り多くのデイスクが収納出来る事であり、現在Redboxでは500枚収納型へのマシンの入れ替えを始めており、一台当たり30から50タイトル分の収納を行って、その殆どが新リリースのタイトルを扱っています。
最初のテスト地区としてコロラドのデンバー地区を選択した理由としてMcDonaldでは、デンバー地区は 同店にとって広範囲な顧客構成と家族暮らしが集中しており、同店にとって営業上で強い地域であるからだとしています。

一方、同じコロラド内の一大食品スーパーチェーン店のKingSoopers店でも同様なベンデイングマシン方式で展開しているThe New Release社では1タイトル当たり一晩1ドルで14晩まで借りておけて、顧客がそれを過ぎても返却しない場合は35ドルとプラス消費税分が使用したクレジットカードにチャージされると言う仕組みとなっています。
デイスクの返却に付いては、どちらのシステムの場合も借りたのと異なる店に設置して有るマシンでも受け付けるようになっており、便利といえます。
また、当初はどちらの場合も本来の食料品を買うために来た人達がついでにDVDのレンタルをして行く、と言った本来の狙いに合ったケースが殆どであったが、このシステムが知られるにしたがってレンタルのみの目的だけで来るお客が殆どとなってきている現状です。

現在McDonald社ではこうしたベンデイングマシンタイプのRedboxDVDレンタルシステムをデンバー地区の100個所以上の各店で継続テスト中です。
今後McDonald社としてどのようなテスト結果を得て、どのような展開を計る事となるか、また、通常のレンタル事業をどの程度侵食する事となるのか大変興味が持たれるところと言えそうです。

かってスバル360のオーナー・ドライバーだった郷さんからの寄稿:

今回のレポートのスバル360の写真でかってスバル360に乗っていた郷先輩の事を思い出して連絡してみました。 以下、当時の事を思い出しての郷さんからの記述です。

「スバル360の思い出」

1) ステレオ技術課長当時、てんと虫があだ名のスバルで藤沢の自宅から大和工場に通勤していました。横工に出張の時など同乗したことがある杉の会のメンバーもおいでだと思います。
   
2) その時のスバルはハム仲間の湘南高周波(当時の名称)の稲葉さんから譲り受けた発売当初のモデルで、ヘッドライトにはアルミのカバーがついていました。従って今回萩原さんがコロラドのディーラーで見つけたモデルはそれより後期と思います。
駐米中、スバルサンバーなど日本の軽トラックが大学の構内で小物運搬用などに使われているのは見かけましたが、公道を走る乗用タイプのスバル360が米国に輸出されていたとは思いもよりませんでした。多分高速道路などは走らずセカンドカーとして町中のショッピングなどに使われたのでしょう。
エアコンなど無いのが普通だった当時はどの車もそうでしたが、窓の前部に風を入れる通称3角窓が見えます。一方後部座席の窓は下がらず、ドアのようにスイングして後ろに隙間が開く方式で、後ろから見た写真でもリアウインドウ越しにその操作レバーが見えます。正面から見た写真でヘッドライトの間に逆おむすび型のカバーが見えるのがトランクですが、この中はスペアタイヤとジャッキで殆どいっぱいで物入れには使えませんでした。軽量化のためこのカバーが他の部分に比べて最も薄く0.6mm でぺこぺこの感じだったのを覚えています。
   
3) 空冷エンジン共通の弱味ですが、エンジンを冷やした空気の一部を使う温風暖房で効きが悪く、冬はオーバー着用で運転してました。しかし4人乗るとその体温で暖かくなるだけでなく、エンジンも負荷がかかって熱くなりちょうど良くなったものです。後期モデルではエンジンとは別燃焼のヒーターがついた様です。
その他、後部のエンジン一体のミッションを少ない部品で遠隔操作する構造としてギアシフトが横Hのフロアタイプで、発進でLに入れるには手前にシフトし次に右横に引くのもユニークでしたが、これも後期では改められたと聞きます。
   
4) ちびのスバルで大型トラックを追い越すにはどうしたか?
平地ではパワー不足だけでなく背が低い分見通しが悪いのと、飛ばしているトラックを軽で追い越すのは気の荒い運ちゃんのプライドを損ねて追い越し後意地悪される怖さもあり、追い越しは遠慮していましたが、当時のトラックはパワーが小さく空荷でない限り坂では極端にスピードが落ちるので、すかさずギアをセカンドに落としアクセルを踏み込めば楽に追い越せました。
   
5) ブルーバードやコロナを追い越すには?
スバルのサスペンションは当時としてはかなり進んだ4輪独立懸架だったので接地性が良く、悪路でもハンドルを取られませんでした。大和工場に通うのに町田街道の他、非舗装の抜け道を利用していましたが、凸凹の激しい砂利道では、ブルーバードやコロナではお尻が跳ね上がりハンドルを取られるのでスピードを落とさざるを得ません。それまで待ち、ここぞとばかりハンドル操作に懸命のドライバーを横目に砂塵を浴びせて追い越したのも愉快な思い出です。
このようにスバルのサスペンションはストロークも長く、凸凹道の吸収には優れていたのですが、その分車軸が円弧運動をするのでタイヤの減りが激しかったものです。今は当たり前のスチールラジアルタイヤなどまだ無かった時代なので、パンクも良くしましたが、チューブ式なのとホイ−ルが分解容易な2枚合わせ構造だったので、自分で修理していました。
またステアリング機構が機敏なハンドル操作に向くラック アンド ピニオンだったのも当時はスポーツカーしか採用してなかった機構と記憶しています。
   
6) 燃料計は無く、スピードメーターだけ
ガソリンがどこまで減ったか解らないので当然のことながら走行中にエンストで止まります。その時はあわてず路肩に車を止め、車体後部のエンジンフードを開いて燃料コックを切り替えると2リットルの予備タンク* が使えるようになりました。2輪車ではお馴染みのシステムでしたが、2輪車の様に乗ったまま切り替えられない不便さはありました。もっとも慣れてくると早めに補給したり、車ごと揺すり音で判断することでエンストは防げました。高速道路など無かったからこんな原始的方式で間に合いましたが、今だったら追い越し車線でエンコしたりして大変なことになったでしょう。
* 予備タンクと言っても小さいタンクが別にあるわけではなく、ガソリンタンクの下から長めのパイプが突き出していて初めはそのパイプから給油し、そこまで減って給油が止まったら残りの2リットル分を使うように底の穴のパイプに切り替えるという、誰が最初に考えたか巧みな構造でした。
   
7) 最後にとって置きのエピソード
今の女房がガールフレンドだった頃、前述の稲葉さんの誘いで彼女と二人で足が窮屈なスバルの後席に乗せられた上、他の仲間の車にも守られ?伊豆に行ったことがあります。ところが松崎近くの曲がりくねった山道だったかで彼女が酔ってしまい、海岸まで降りたところで我慢しきれず道端でゲロゲロ。とんだ目に遭わせてしまいましたが、それに懲りて振られることにはならず今まで続いています。その帰途1号線の大磯あたりの直線道路でしたが、稲葉さんが「このスバルでも90k出るぞ」と言いだしスピードを上げました、90kでも安定はしているものの空冷エンジンは唸りをあげ、地面が近く見えるスバルでは迫力満点の一方怖くもありました。
その時はスリルだけでしたが、後年「あの時パンクしたらどうなったろう」と思い背中が一寸寒くなったものです。
このときの走法ですが、360cc 16馬力のエンジンで公称速度を越す90k/時を出すには只アクセルを踏むだけでは駄目で、特殊な運転技術が必要でした、フルスロットルのままクラッチをチョコチョコ踏むのです。こうするとエンジンがその都度無負荷になり回転が上がりその勢いでクラッチが繋がったときスピードが更に上がるという寸法です。これはオートバイレースで使われる特殊走法と教えてくれましたが、こんなこともバルブ機構が無い2サイクルエンジンだからこそ出来る芸当でした。

05-11-1 郷記

今回のレポートは思いもかけず自動車特集となってしまいました。
その後、私の住んでいるオローラ地区でのガソリンの価格は10月末になってから下がって、レギュラーで1ガロン当たり2.34ドルとなっています。
少し前には3.25ドルまで行った事を考えるとホッとする感じですが、それでも2年程前では1.25ドルくらいだったのですから、高値安定の状況といえます。
トヨタやホンダの出番が継続している、と言った感じの昨今ですが、自動車では最大手のゼネラルモータース社の今後の巻き返し戦略展開が見ものです。
今回スバルのデイラーへ行ってスバルのハイブリッド車は2007年モデルで、同社のターボ・パラレル・ハイブリッド機構のエンジンおよびリチューム・イオン・キャパシターの組み合わせで市場へ出てくるとの発表をしている事を知りました。

こうした、環境にあってアメリカ人の間でも地球温暖化や大気汚染についての重要性がハッキリ認識される切っ掛けとなると良いと思います。

皆さんのお顔を思い出しながら記述してきた「コロラド便り」ですが、今回の(その37)でスタートしてから早くも丸3年が経過しました。 その間文才の無い私の文章を御愛読頂き有り難うございました。 多少なりとも皆さんへの話題の提供が出来たとすれば幸いです。
今後も頑張って続けて行こうと思っていますので継続してご覧頂きますようお願いします。
日本でも朝晩は冷え込む季節を迎えられている事と思います。 皆さん風邪など引かれぬよう気を付けられ元気にお過ごし下さい。


[ 以上 ]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2005 Mike Hagiwara)
 
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