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コロラド便り(その36)
2005年10月2日(日)
萩原 正喜/コロラド

※今回の写真は、編集子(ヤマダ)が撮影したアルバムの中から提供しました。

コロラドでは通常9月内にデンバー地区での初雪があるのが例年ですが今年はどうした加減か降雪に見まわれると言う事は有りませんでした。 それでもロッキーの各峯峰では早くもその頂上付近に冠雪を見て麓の紅葉ならぬ「黄葉」に色付いたアスペンツリーと見事なコントラストを見せているコロラド各所からの写真がTVのニュース番組で毎日紹介されています。
これらの写真はそれぞれのTV放送局の視聴者達がデジタルカメラで撮影したものをTV局に送って番組で紹介しているものでコロラドの最も良い季節を代表する静かなイベントと言えます。
また、これらのTVでの写真を見て「今週末は実物を見に行こうか」と言った家族での話しともなるこの頃です。

アスペンツリーの黄葉はその幹に水分を多く含んでいる時は時期的に遅くなり、乾燥している年は早く黄色に変ると言われています。 今年はコロラドでの夏の降雨が例年になく多かった為にその黄葉時期が例年より10日ほど遅れているようです。
朝晩はめっきり寒さを感じ毛布を一枚出してベッドにかける様になって来ているコロラドから最近の出来事をお伝えします。



2つの巨大ハリケーンの事:


最近アメリカ南部のメキシコ湾に面するルイジアナ州ニューオルリーンズの町を直撃したハリケーンKatrinaと、その後テキサス州ヒューストンの町を襲ったハリケーンRita による被害の様子は事前の住民の避難の大混乱の様子も含めて日本でも各メデイアが大きく取り上げて報道されたものと思います。
Ritaの方は上陸前にその勢力が弱まった事も有ってその被害は比較的軽少で済みましたが、Katrinaの方に直撃されたニューオルリーンズの方はその記録的な強力ハリケーンであった事や町全体が海面やミシシッピー河面より低いといった特殊事情もあって風雨による被害に加えて町全体が冠水するといった事で大きな被害となった事は既に伝えられている通りです。

コロラドからはニューオルリーンズの町の警護のために550名のNational Guard(州兵)の兵員メンバーが派遣されて作業に当っておりコロラド赤十字を始めボランテイア団体の援助物資の配送などの活動が活発に行われています。
コロラドには陸軍の基地Fort Carsonに大部隊が居ますが、現在イラクへ4500名を派遣しており、その交代部隊要員数も含めると8000名からの兵員がイラクへ現在張り付いている事から州兵の出動となっています。
また、ハリケーンRitaのテキサス州への上陸時にはブッシュ大統領は自身でコロラドスプリングスに在る北米防衛本部に陣取って入ってくる情報に対して即対応が出来るようにといった体勢を敷いていました。 先のハリケーンKatrinaの時の政府の対応遅れに対する反省に基ずいた処置と思われます。

ニューオルリーンズの町の公式避難命令に基ずき避難した人達のうち合計1000名の人がコロラド州の避難受入表明に従って特別に仕立てた航空機でオローラにあるBuckley空軍基地に到着して、直ちに以前空軍の基地で現在住宅や商業地として開発の進んでいるLawry Air Force Base跡地に在る空軍の兵士やその家族達が使用していたアパートに収容されました。
この1000名の人達はコロラド州より85日間の無償での滞在保証がされており、救世軍による食料の供給が連日行われています。 こうした州政府の対応の良さに満足してほとんどの人達がもうニューオルリーンズへ戻らないでコロラドに住み付こうとしており現在住む場所や仕事を探しています。

現在、水の引いたニューオルリーンズの町の再建の話しが盛んに為って来ていますが、海面以下であり近くを流れているミシシッピー河の河口近くで河の水面以下に土地が有るといった事等から安全な町とする為には膨大な建設予算が必要となる事や工事が完成しても今回のような巨大ハリケーンに襲われた場合に同様な状況が再現すると言った不安要因もあって、町の再建策にブレーキがかかっている状況です。 ニューオルリーンズの町の今までの歴史や文化の上からの価値を強調して何とか以前の状態を確保したい とする人達も多く居ますが、地球温暖化による海水温度の上昇がこうしたハリケーンの強大化を促進すると言った見方もあって最大のエネルギー消費国が京都議定書に批准を拒否している事に対する非難の声とも合わさって何ともその収拾が大変な国論レベルの事となっています。

そうした意味からは、ハリケーンの巨大な威力に思い知らされたと言う事や、メキシコ湾岸沿いには石油の掘削井や原油の精製設備が無数に存在している事から、もともと高値に推移していたところへ今回の2つのハリケーンによるダメージがガソリンの価格の高騰を招き、比較的全米でも価格が安いコロラドでもレギュラーで一時$3.35/ガロンと言う高値を各スタンドで示しました。 現在では$2.90/ガロンと下がって来ているものの当分この高値は継続しそうです。
今回のハリケーンはアメリカ政府や全米での人々に多くの教訓を残したとも言えます。




新しい電器量販店の事:


アメリカでは現在地上波TV放送のアナログからデジタルへの移行が進行しており、FCCの方針では来年2006年には各放送局はデジタルへの移行を完了して、2007年には従来のアナログTV放送の電波をFCCへ返還するといったスケジュールです。
コロラドでもデンバー地区の主要地上波TV放送局ではデジタル放送への割り当て電波を使ってDTV放送のプログラムを放送しており現在はまだデジタル・アナログ混在といった状況ですが着実にデジタル化への移行が進行しているといった状況です。
一方、こうした地上波TVのデジタル移行に対して競合する衛星放送やケーブルTVでもHDTV対応チャンネルの充実を計っており、その対応セットトップボックス等の受信装置類も充実して来ています。

一方、TVセットの販売店ではHDTVシステムの販売合戦が激化して来ており、今年の年末商戦はHDTVシステムが目玉となるのは必死の様相です。
そんな訳で各販売店ではHDTV受信システムの展示方法や新聞折り込み広告でのPRに熱を上げている状況ですが、最近9月に入ってからデンバー地区で目立つ2つの新規の販売店の出店が有りました。
その一つは、全米最大の家電量販チェーンのBestBuy店ですが、今までオローラ地区では我が家の至近距離のMississippi Avenue及びハイウエイバイパスのI―225の交差点といった良好な地の利を得て多くの顧客を集めていますが、今度は同じオローラ地区で南の端の方に在る新興住宅地へこの9月に新しい店を開店しました。
明らかに新規住宅へ引っ越してくる高額所得層をターゲットとした出店でオローラ地区での人口比で急激に増加しつつあるヒスパニック系の顧客を対象としていない事が伺えます。 AV関連では高額なHDTV対応システムが中心となって来ていますし、白物家電も扱っているBestBuy店としては周囲に競合店が無い地域を意図して選択していると想像されます。

一方、もう一つの店はAaron's と言う明らかに大型家具店の新たな展開と思える店で大型HDTV対応システムを始めとするAV製品の他にソファーやベッドなど、そして冷蔵庫・洗濯機なども扱っていて「低価格で競争」すると言う事を掲げているチェーン店で、今回デンバー地区に一気に8店を開店しています。 昔のデルモニコ以来の繋がりでこうした大型家具店に強いJVCですが、このAaron's に於いてもJVCのAV商品が前面に出された展開となっています。
HDTVシステム商品での「機、熟せり」とばかりこうした積極出店が始まったデンバー地区ですが、現在の販売店別の系列としては次のようになっています。

(1)AVに特化した請け負い設置工事部門を持つ専門店:
SoundTrack ( Ultimate Electronics ),The Big Picture, Listen Up

(2)大型チェーン店を全米に形成しているAV及び白物家電の大型量販店:
BestBuy, CircuitCity

(3)全米チェーンを形成している大型会員制スーパー:
Costco, Sam's Club

(4)全米チェーンのデパートの各AV商品売り場:
WalMart, Sears, Target, JC Penny

(5)パソコンとその関連商品での専門店:
CompUSA, MicroCenter

と、以上のような店がそれぞれに特長を出して競い合っている訳ですが、デンバー市の人口が50万人、隣接するオローラ市が35万人、ボールダー市が15万人そしてデンバー地区全体でも150万人の市場にちょっと多すぎる販売路の数の様に感じますが、それでもここ数年で急速に人口が増加したデンバー地区はこうした販売ネットにとっては魅力の在る商圏なのかもしれません。



左右が逆に見える人の事:


通常我々が左右の眼で上下左右が正常に見えるのは(見えていると感じているのは)センサーである眼の網膜と脳の視覚判断部を接続する視神経がそれなりに正しく接続されているからなのだと思いますが、世界の大勢の人の中には生れた時に接続が万一誤って産まれてきてしまう、と言う事が無いのかと不思議に思われます。
私自身は今まで神様の配慮でそんな事が発生しないようにうまく人体の仕組みが出来ているのだ、とばかり思っていました。
ところが、最近になって私の身近で左右が逆となって見ている、と言う人が居る事が分かりビックリしています。

私の家内が所属している教会は総勢65名ほどの小規模なグループですが4つの家族を海外の各地へ宣教師として送り出しています。 インドのニューデリー、中国の内陸部の成都、エジプトのカイロ、などですが、その内でインドへ行っている家族が最近アメリカ内でのコンフェレンスへ参加する為に帰国しましたが夫婦と11才になる娘と9才の息子の4人家族で既に6年インドでの布教活動を展開しています。

その娘さんがその視覚がおかしい様だと最近家族が気が付いて、アメリカへ来た際に精密検査を受けたところ、視覚で左右が通常の人と反対に見えている、と言う事が分かり両親は大変困惑しています。
私自身は日本にいる時にこうした事は全く聞いた事が有りませんでしたのですが、アメリカではこうした症状をDyslexiaと言ってかなり知られており、こうした症状を持つ人達1000名以上の会員で構成されている全米規模のクラブも有って、情報交換やコンサルテーシヨンなどを中心に活動している、と言う事も分かりました。 ちなみに「 Dyslexia」を英和辞書で引くと「難読症」と記されています。

症状にはいろいろなレベルが有って、この娘さんの様に左右が逆に見えていると判断する場合や、上下が逆に見えていると判断する場合、そしてその両方の場合、更には視覚上では正常に見えているのに一つの単語が正確に読めなかったり、文章などを読むのに左右の順序を正しく読む事が出来ない、などですが、何れの場合も両目の視覚機能自体や網膜のセンサーには全く異状が無く、視神経を介して脳へ伝達されるまでの間に異状があるか、脳の視覚判断部に異状が有ることによって生じているものとされています。

この宣教師の家族はこの娘さんが小さい頃から我が家へ遊びに来て家族そろって昼食を食べるなどの多くのお付き合いをしてきていますので良く知っていたのですが、とてもこうした視覚の異状を持っているとは気が付きませんでした。 また、現在でも当人は人の中で本などを読まなくてはならないときは困惑した様子を示しますが、それ以外は全く正常に振る舞っていますので、私たちにとっても大変なショックでした。
もう少しして自動車の運転をしたい、と言う事になったらどうなるのだろうか? 等と言う心配とともにこの11才の女の子の将来を祈るばかりです。



新しいサービスのポケットDishの事:


デンバー地区に本社を持つアメリカ2大衛星TV放送会社の一つであるエコースター社では、10月より「PcketDish」と言うちょうどソニーのポータブル・プレーステーシヨンを少し小型にした様な携帯型のプレーヤーを使って衛星からTVビデオプログラムや音楽プログラムをダウンロードして楽しめるサービスを開始すると発表しています。
これに使われる端末機器は3モデルが準備されていて、好みに合せてユーザーが選択出来るようになっていますが、パソコンのUSBポートに接続して使える様になっており、音楽ではMP3、WMA、WAVの何れの音楽ファイルも扱えるようになっています。

各モデル毎の内容は;

AV402E型:
2.2インチスクリーン
20時間分のDish衛星放送の録画が可
1万曲分の音楽の録音が可
20GバイトのHDD内蔵
ユニットの価格は329ドル

AV500E型:
4インチスクリーン
30時間分のDish衛星放送の録画が可
1.5万曲分の音楽の録音が可能
30GバイトのHDD内蔵
ユニットの価格は499ドル

AV700E型:
7インチスクリーン
40時間分のDish衛星放送の録画が可
2万曲分の音楽の録音が可能
40GバイトのHDD内蔵
ユニットの価格は599ドル

とそれぞれなっていますが、このPocketDishのサービスを受けるにはこうした携帯ユニットの購入とともにDish衛星放送を受信するプレーヤーDVR942型と組み合わせてそのUSB2.0ポートへ接続するのが最も確実な方法だとしています。
今後エコースター社では全ての受信機にUSB 2.0 ポートを装備する事にしており、このPocketDish システムの拡売をサポートして行く事にしています。

時代の流れとも言えましょうか、コンスーマー機器に置いてもUSB ポートの装備は必須となって来そうな情勢です。 かって、IEEE1394インターフェイスの高額なライセンス料に反発してパソコン業界が開発したUSBインターフェイスですが、今やその必須機能ブリは勝負が有った、と言えそうです。

コロラドでの天然ガス・石油掘削井が不足の事:

現在コロラドでは州内の各地で天然ガス及び石油の掘削の準備が進行しており、原油価格の高騰を受けてコロラド内での掘削でも充分採算が取れるといった市場の背景に加勢されて今年2005年内の9月20日現在で掘削の許可が州政府から降りている個所数は合計2896基となっています。
現在既にコロラド州内では合計28、342基の掘削リグが稼動しており、特にデンバーの北のWeld郡での掘削リグの申請許可数は703基に上り、いずれベネズエラやイラクを含む中東の原油供給が安定する事になれば再び原油価格は元の安い水準とい成る可能性を含んでおり「ここをチャンス」とばかり短期決戦での急速な開発が進んでいます。

こうした天然ガス・石油の掘削に不可欠なのが掘削リグですが、急速にこうした開発が進行するためそのリグ自体が不足しており購入が難しくなってきています。
もともとこうしたリグの供給はアメリカのテキサス州をベースとする5社によって世界に供給されて来ましたが、最近になってイタリー及び中国の会社が参入して来ており、激しい注文合戦となっています。

先日こうしたリグ不足の環境を反映するように、コロラド州の国道70号線をロッキー山脈を越えて西へ行ったところで現在最も盛んに天然ガスの掘削が進行しているGarfield 郡に最初の中国製のリグが建設されて中国からの技術者4名に依って運転が開始されています。
中国製とイタリア製はその運転が殆どデジタル操作となっており、アメリカ製がメカ主体のアナログ操作なのとでは大きく異なり、特に中国製は運転コストが低い事と掘削スピードが早い事が特長で発注後6ヶ月の納入期間という速さである事もあって今後コロラドでの人気が出るものと思われています。
今回のコロラドへの最初の中国製リグはテキサス州ヒューストンにある石油掘削設備会社のGTS社と中国との合弁会社に依って納入、設置、運用が行われており、既に次の3基の建設が準備されているとの事です。

ちなみにアメリカ製でこうしたリグの一基の価格は800万ドルから1200万ドルと言う事ですから現在コロラド州内だけで申請許可の降りているリグ数だけでもかなりの多額なビジネスで有ると言う事が分かります。
意外なところでの中国の今後の活躍が明らかとなって来ていますが、現在南支那海の排他的経済水域を境として日本と中国の間での天然ガスの掘削が問題となって政府間の交渉が持たれていますが、もし日中の共同開発と言う事となるとそのリグの供給や運転技術面で中国のイニシアテイブが取られてしまうのではないか、と言った事が気になります。
原油高騰の余波を受けてコロラド州が一大掘削基地と成る可能性が大きくなって来ています。

最大の天然ガス埋蔵地の発見者が大学に多額な寄付:

1968年にコロラド州立大学の地質学科を卒業したEdward Warner さんは卒業後石油の掘削会社のAmocoに勤務していましたが、その後1982年にデンバーに自分で創立した天然ガス掘削会社を使ってコロラド州境に近いワイオミング州のロッキー山脈の麓にアメリカ最大の天然ガス田を発見しました。
これはここ20年間での最大の発見と言われ、総埋蔵量8.5トリリオンと推定され今後掘り尽くすまでには600億ドルの生産をするものと考えられています。

現在このワーナーさんは60才となって自分が創立したExpedition Oil社を売却して巨額なお金を稼いで一線から引退しています。 その間天然ガスの価格が落ち込んで会社が破産に貧すると言った事態を乗り越えて文字通り「一攫千金」の現在の栄冠を勝ち得ています。
この引退を機会に今回彼の母校であるコロラド州立大学の鉱山・地質学科へ総額2570万ドルの寄付を行う事を申し入れています。 総額の2/3は現金で、残りの1/3は証券などで支払われる事となっています。

ワーナーさんは以前の2001年6月に430万ドルの寄付をコロラド州立大学に行っていますので合計すると3000万ドルの寄付となり、コロラド州立大学始まって以来の個人寄付金としては最大の物となります。
ワーナーさんは「これは寄付をするのでは無い。 ロッキー山脈の豊富な鉱物資源についての将来の発展の為に投資するのだ。」と語っています。 コロラドならではの何とも驚くお話です。

ATG社の新型小型航空機Javelinがテスト飛行に合格:

先のこの「コロラド便り」で報告しましたデンバーの南に在るCentennial空港で同社の最初の新型機であるJavilinの連邦航空局(FAA)による認可テスト飛行の準備を進めていたATG (Aviation Technology Group)社ではそのプロトタイプ機を使用して9月30日に約35分間のテスト飛行に成功した。
所用の各テスト性能を示したのでFAAの製造・販売の認可が間もなく発行されるものと期待されている。

当初このJavilin機は前後複座の軍用のジェット練習機を目的として開発されて来たが、その後その高性能を活かしてのビジネス・ジェット機としての仕様も準備されて来ている。
軍用モデルが550万ドルと従来の練習ジェット機に比べて格安で、商用モデルは280万ドルの価格となっている。
主翼全長が23.25フィート(約7m)と大変小型ながら双発のWilliams社のターボファン・エンジンを搭載して45000フィート(13700m)の高空をマッハ0.9で飛行出来ると言うものです。

今回のテスト飛行の成功を受けてATG社では年内に現在のCentennial 空港の本社工場を拡張して従業員数も現在の100名から更に150名を追加して、本機の製造場所としては現在のデンバー国際空港の南東に在るFront Range空港に設けるなどと言った計画が発表されています。
こうしたスタートアップの会社が新たなビジネスへの挑戦で離陸して行くのを眺めるのは大変楽しいものです。

デンバー南部のCentennial 空港で連続して発生している小型機の墜落事故:

デンバーの南に在るCentennial 空港はビジネス用の航空機の頻繁な発着で賑わっていますが、最近連続してプロペラ双発小型機の墜落事故が発生して何か特殊な共通した原因が有るのではないかと連邦航空局の集中調査が行われています。
発生した事故の記録については次のようになっています。

2004年12月10日  三菱 MU-2B-60型機 プロペラ双発
2004年12月17日  Cessna 421型機 プロペラ双発
2005年 8月 4日  三菱 MU-2B-60 型機 プロペラ双発
2005年 8月13日  Cessna 425 Conquest I 型機 プロペラ双発

と何れもポピュラーなプロペラ双発の小型ビジネス機であり、4件の事故が何れもCentennial空港の滑走路から南の隣接地区で着陸時又は離陸時に発生しています。

もともとコロラドは標高が高い事から空気の密度が薄く航空機が飛行に必要なエンジンによる推力と主翼が発生する浮力は空気の密度と直接関係している事から、特に空気の密度による推力低下の影響を受け易いプロペラ機で発生しているので、それにコロラド特有の気象の急激な変化が加わるといわゆるマイクロバーストなどの影響も伴ってこうした墜落事故と成るのではないかとの推測がなされています。
この様に連続した類似の事故が同一場所で起きているとなると連邦航空局でも重大な要件として正確な調査を開始していますが、明確な結果が出てハッキリするまではSentennial 空港は双発プロペラ機にとっての「魔の空港」としての存在となる様相です。

もともと三菱のこのモデルは低速での気流の変化に対して操縦が不安定だと言われていますが、それにしても三菱の同型機が2回も事故を起こしているのは自動車やトラックでの故障隠しの事が有って信用を大きく失墜した後だけに心配でいやな感じですね。

10月に入って日本ではすっかり秋の陽気に変わって来ているこの頃と思います。
朝晩には予想以上の秋冷の様子にあわてて毛布を引っ張り出す、と言った事かと想像していますが、「天高く馬肥ゆる秋」、風など引かれぬよう皆さん気を付けられ元気にご活躍される事を祈っております。


[ 以上 ]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2005 Joe Yamada)
 
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