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コロラド便り(その35)
2005年9月1日(木)
萩原 正喜/コロラド
註:このコロラド便り(その35)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。

日本の夏は蒸し暑いですね。 今、私は現在日本へ来てこの「コロラド便り」(その35)を持って来た原稿からまとめています。
私の皮膚が乾燥したコロラドの空気に慣れてしまったのでしょうか? 気温よりも日本の湿度の高い陽気に閉口しています。

私の母親は今年86才になりましたが幸い身体は元気で群馬県伊勢崎市で独りで暮らしていますが、最近アルツハイマーが進行しており最近の日本での表現では「認知症」と言うのですかそろそろ独りで置くのが心配となって来ています。
日常的に隣の前橋市に住んでいる弟が面倒を見ていますが、その選手交代を暫らくやろうと言う目的で1月あまり日本へ来ています。 幸い近所の人達のお世話になりながら毎日を過ごしている母親ですが老人ホームへの入居の訓練を以前に数回行いましたが、頑なに拒絶するので以前からのままで現在に至っているのですが、いずれそうする時が来るのを覚悟しておく必要があると感じさせられる最近です。

一方、私自身も66才となって元気に日常やってはいるものの、以前より持病となってしまっている「通風」そして最近では目に2年前程から検診でまだあまり自覚症状は無いのですが「白内障」のハシリだと言われており、併せてやはり2年程前より左手が独りでに震える「パーキンソン氏病」のハシリとなっており、昨年末には約35年前に当時大和工場内に在った歯科診療所の千葉歯科医大から来ていた先生の勧めで右上の犬歯から大臼歯までの5本の歯に当時では珍しい大規模なブリッジをしていたのが壊れてしまい、かかりつけの歯医者と相談したのですが、「インプラント」と言う方法での手術を受け現在チタン製のネジ3本が歯茎に埋めて有りますが、そのネジが歯茎やあごの骨に癒着するのを待っているところです。 思い返して見ると当時の担当歯科医の先生は35年はそのブリッジはもつと言われていましたが、ちょうど35年を過ぎたところで壊れてしまい、何とも正確な予測だったと感心しています。

まだまだそんなレベルは甘い、と皆さんからは言われそうですが、65才を越えてから一気にガタが出て来たとつくずく我が年令を感じさせられる最近です。
今まで大変無茶をして来ましたのでそのツケが一気に廻って来たと言う気がしますが、考えて見るとよく今までもったものだとも言えそうで、神様に感謝して毎日を元気に過ごして行こうと思っている最近です。 まだ残暑厳しい日本の毎日の気候ですが、皆さん健康第一で元気にお過ごし下さい。


My New Mac and Printer
新規購入のパソコンとプリンター:


私の目が老眼になってきた為か今まで愛用して来たIBMのラップトップ・パソコンの13インチのデイスプレイを見るのに最近ではそれぞれの片目で見ると問題無いのですが、両目で見ると焦点がボケて長時間使用していると大変目が疲れる様になって来ました。 併せて最近写真を扱うようになって内蔵HDDの容量の不足と性能アップの必要性を感じますので奮発して今回最新型のデスクトップ・パソコンを購入しました。

どのモデルにするか迷ったのですが、いろいろと考えた末にアップルコンピューター社のフラットパネル・デイスプレイと本体が一体となっているi Mac G5型を購入しました。
併せて今まで使用して来たキャノン社の4機能一体型のプリンターもHP社の新型に入れ替える事にしてHP社の4機能(プリンター・スキャナー・FAX・コピー)が一体となっているPhotosmart 2610型も一緒に購入しました。

マッキントッシュがそのOS−Xを搭載する様になってマイクロソフト社のWindows用ソフトとのファイル互換性がほぼ完全となったと言われていますし、デイスプレイのサイズが17インチと十分な大きさで、i Macには20インチのモデルも有ったのですが、デスクトップの占有面積が少ない事も含めてこのモデルを選択しました。
併せてマイクロソフト社のOffice:Mac− Professional Edition( Word,PowerPonit,Excel,MSN MessengerなどのPC用アプリケーシヨン・ソフトがOS−X上でバーチャルPCモードで動作する。)も購入しました。

次回の「コロラド便り」(その36)からは新たに購入したこれらのシステムをセットして使用し原稿作製しお送りする積もりです。

石炭の鉄道輸送力の増強:

コロラドでの鉄道と言うとユニオン・パシフィック鉄道会社が主体となっていますが、その事業は貨物輸送が主体で、特にコロラド州内と北隣のワイオミング州とで豊富に産出する良質な石炭の運搬が多くを占めています。
2両または3両のデイーゼル機関車に牽引された100両以上の貨車が石炭を満載してユックリ走っている光景を良く見掛けます。
踏み切りでこうした列車の通過に出合すとその通過するまでに大変時間がかかり長時間待たされると言う事もしばしばです。

コロラドでの石炭の産出量はここ数年では上昇を続けており2000年が2920万トンであったのが、昨年には4010万トン産出し今年も4000万トン以上の産出が予定されています。
その内の約半分はロッキー山脈の西山麓のSomerset郡に在る 3個所の炭坑から掘り出されてアメリカ東部とコロラド州内の火力発電所へ鉄道で送られています

Somersetでの石炭の産出量は現在その鉄道貨物輸送力で制限されており、輸送力が増せば産出量はもっと増加出来る状態にあります。 そして、現在の原油価格の高騰に対応するため石炭の需要は増加していますので、ユニオン・パシフィック鉄道ではこうした石炭の輸送の増加需要に対応するため石炭専用の貨車525両とデイーゼル機関車35両の新規購入を決め輸送力の増強を計ることとしています。 昨年に比べ今年は約10%の石炭輸送量の増強となるとしています。

ちなみにコロラド州での発電には天然ガスと石炭で2分して占められており、どちらもコロラド州内で産出する天然化石燃料で占められていますが、掘れば何か出てくるといった恵まれた環境にありますが原油高騰を受けてますます増加する石炭需要に地球温暖化を防ぐ炭酸ガスの排出量の低減には逆行する情勢です。

ハーレイ・デビッドソンのレンタル:

アメリカを代表するオートバイのハーレイ・デイビッドソン社では同社のその傘下のバイクショップを使ったレンタル・モーターバイクの事業を1999年から開始しており、当初はアメリカ内の5州で6店の規模から始まったのですが2004年にはその規模は全米42州と外国12ヶ国へ展開しており合計250店に拡大して1999年の最初ではその貸し出し累計日数で401日であったのが2004年では224、134日となって同社の主要事業の一つとなって来ています。
世界の国ではフランス、イタリー、カナダ、コスタリカ、オーストラリア、メキシコ等で今後の計画として毎年20店から30店の増加を計って行くとしています。

コロラド州ではデンバーに全米一の売り上げを常に上げているデイラーが在ってコロラド州のモーターバイクの人気が高い事を示していますが、州内にこうしたハーレイのレンタル・ショップが12店以上在りますが、まだこうしたハーレイのレンタルが行われている事が余り知られていないのが現状です。
自動車のレンタカーと同じ感覚で大型バイクが借りられると言う事は朗報でレンタル価格が一日幾らなのかは不明ですが、例えばハーレーのFat Boyを買おうとすると16455ドル、Night Train が14995ドルと言う価格ですので、毎日乗るのでなければとても高価な買い物となるわけで、そうした事情から購入を躊躇している人にとっては常に整備されているバイクが何時でも利用出来ると言う事で今後このレンタルシステムが知られるにつれて人気が出るものと思われます。

デンバー地区で新たな石油・天然ガスの掘削井の建設:

世界的な原油価格の高騰が続いていますが、お陰で自動車用のガソリンや航空機用のジェット燃料の価格上昇がアメリカの社会へいろいろな面で大きな影響を与えています。
そうした中で「掘れば出てくる天然資源国」のコロラドでは今まで輸入原油に価格面で競争出来ずに止めていた原油や天然ガスの採掘が各所で再開しています。
デンバーの町から北へ国道25号線を走り町並みが途切れるとAdams郡とWeld郡の境近辺に道の左右に石油の掘削ポンプが沢山点在して見られる様になります。
これらのポンプの殆どは今までは掘削コスト面で採算がとれず現在稼動していませんが、最近の原油価格の高騰を受けてコロラドの3つの掘削会社が新規の天然ガス掘削の申請を行っています。

こうした原油の掘削井は現在では大きなアームのついたポンプで原油として汲み上げるのではなく埋蔵原油の層に溜まっている天然ガスとして汲み上げるのが最近の方法です。
この方が掘削効率が良く、更に汲み上げた後の保管や輸送面で扱い易い為ですが、最近では地下の埋蔵層の調査の精度が上がってガス化して埋蔵されている部分の位置が正確に事前に確認出来るようになっている事も大きな理由です。

大きなトラックに大型のハンマー状のスタンプ機を両側に3機ずつ合計6機積んでいる車両が一定の周期で地面をたたきながら低速で移動し、地面から戻ってくる衝撃波を検知分析してその場所の地中の状況を調べるものです。 埋蔵場所が深い場合は距離の少し離れたトラック2台で同期して地面をスタンピングするようになっています。

従って最近ではつるべ式のポンプでユックリ原油を汲み上げている光景はテキサスやカリフォルニアではまだ見られるもののコロラドでは少なくなって来ています。
それにしても掘れば出てくるといった天然資源に恵まれたコロラド州ですが、外国からの原油価格の高騰が今まで採算面で止まっていた鉱業に活気を付けている最近です。
ちなみにコロラド州の昨年の鉱業生産の金額は総額60億ドルで内容順では次のようになっています。

天然ガス:
40億1400万ドル
(66.2%)
石炭:
6億8200万ドル
(11.3%)
石油:
5億9900万ドル
( 9.9%)
石材・砂利・セメントなど:
4億8300万ドル
( 8.7%)
ウラニューム、バナジューム、モリブデン、マンガン、金など:
2億3600万ドル
( 2.9%)
炭酸ガス・ヘリユームガスなど:
6500万ドル
( 1.1%)

コロラドでの金の採掘は現在ではパイクスピーク山の南西のCrippleCreek だけが唯一の活動を行っているだけとなりましたが、最近の金価格の高騰からコロラド州のロッキー山脈の各所に在るかっての金鉱山を再開発して「夢よもう一度」といった計画も公表されています。
いずれにしてもこうして「掘れば出てくる」環境は何も出てこない日本人にとっては何ともうらやましいかぎりです。

私の住んでいるAurora 市の基礎数字:

毎月市民宛てに郵送されてくるAurora 市報にいくつかの市の基礎数字が紹介されています。

昨年のオローラ市の人口: 291843人
今年のオローラ市の人口: 303833人 (デンバー、コロラドスプリングスに次ぐ3番目)
隣接しているデンバー市の人口: 556835人
2000年以降にオローラ市へ移って来た人数: 15450人
1879年にオローラは土地不動産業者のDonald Fletcherさんがその一帯の土地を購入して移り住ん で来てからFletcher町と呼ばれていました。
1896年にはそれまでに7年続いた干ばつによって初めての取水制限が敷かれました。
1907年にはTown of Fletcher からCity of Aurora と名前が変わりました。(ちょうど100年前)
1908年に初めて電気がオローラ市へ敷かれました。
1920年にはオローラ市長とオローラ財務長官の月給は25ドルに昇給されました。

デンバーの人口の急激な増加の引き金となったコロラドのゴールドラッシュは1810年の事ですからまだ200年経過していません。 デンバーの郊外の田舎だったオローラ地区がこの100年間で大きく発展した事が分かります。

サンドイッチの全米チェーンQuiznos:

店内のお客の目の前で好みのサンドイッチを作ってくれる全米チェーン店としてはSubway店が有名ですが、デンバーにもQuiznoと言う全米チェーンの本社が在って、最近急速にそのチェーン店の数を全米に開いてSubwayに挑戦しています。 ちなみに日本でも東京駅の駅ビル内に店が在ります。
ちょうどハンバーガーのMcDonaldユsとBurgerKingの関係と類似していますが、ハンバーグに比べて低カロリーで健康的だと言ううたい文句で急速に売り上げを伸ばしています。 そして最近Subwayの本社と最初の創業店の在る人口52000の町コネチカット州MilfordにQuiznosの店がオープンしたと言う事で話題となっています。両店を比較して見ると、

  Subway Quiznos
本社所在地 コネチカット州Milford コロラド州Denver
創業 1965年 1981年
全米店舗数 17909店 3339店
全米年間売上げ 62.7億ドル 12.7億ドル
人気のサンドイッチ Savory Turkey Masquite Chiken

過去Subwayは世界の82ヶ国にその店をドラッグ・ストアーやグロサリー・ストアー内に設ける、と言う戦略で店舗数を急速に伸ばして来ていますが、Quiznosは独立店舗の拡大で規模を伸ばして来ています。
その規模や歴史的にもSubway がはるかにQuiznosを凌いでいますが、最近のQuiznosの伸長ぶりは目を見張るものが有ります。

ATG社のJavilin機がいよいよ試験飛行:

以前のこのレポートで何度か紹介したデンバーの南に在るCentennial空港に本社を持ちJavelinと言う呼称の複座のツインジェットエンジンでユニークなX型尾翼を持つ練習機のプロトタイプの製作に務めていたATG社ではいよいよそれが完成して8月中に連邦航空局の認可試験飛行を迎える事となりました。
Javilin機は軍の訓練機としての用途と民間の商用機とを目的としており、高度45000フィート(13700m)の高空を時速毎時600マイル(963km/時)と言う通常の商用大型ジェット機より100マイル/時も早いスピードでの飛行が可能となる予定です。
ATG社は5年前に設立され現在約100名の従業員で運営しており、この認可テストに合格するといよいよJavilin機の量産の準備にかかる事となり、2007年後半から顧客への納入を始める予定としています。
計画では民間バージョンが1機280万ドル、軍用機が緊急脱出シートや最新の制御デイスプレーを装備して約550万ドルと現行の類似目的の飛行機に比べて大幅に廉価になっていて、製造開始から10年以内に商用で400機、軍用でそれ以上の台数を納入する事を見込んでおり累計で数10億ドルの売上げを予定しています。
同社では既に25000ドルの前金で注文を受け付けており、現在製造開始後半年分の確定注文を得ているとしています。
ATG社では製造工場を何処にするか近日中に公表するとしていますが、当初同社ではニューメキシコ州を計画していましたが、その後デンバー地区での航空機産業への特別優遇税率の法律が成立しているので、デンバー地区での製造工場となる可能性が高いと言われています。 同社の新工場では来年50名の従業員の追加を予定しており、更に2年以内で数100名の雇用が予定されています。

ユナイテット航空の飛行訓練所が事業拡大:

アメリカン航空に次ぐ全米で2番目に大きいユナイテット航空は先にChapter 11の会社更生法の適用を受けて現在その経営の建て直しを計っており、格安航空運賃で競合する他の航空各社と対抗する為に新たにTed 航空社を分社化しています。
また、ユナイテット航空社では1968年より以前のデンバー空港であったStapleton空港の敷地内に大規模なパイロットの訓練所を有しており26機のフライト・シュミレーターを運用して同社のパイロット達の定期訓練だけでなく、他の航空界社からのパイロットの訓練も行って来ました。
かってANA(全日空)が創業するに当ってANAのパイロット達もデンバーの訓練所で訓練を受けています。
現在このユナイテット航空の訓練所はUnited Airlines Flight Centerと言う名前で従業員728名で年間7100万ドルの人件費をかけて運営されており昨年の9ヶ月間で合計6500名のパイロットの訓練を行って来ていますが今年に入って最初の6ヶ月でその2004年の年間での約2倍のパイロット数の訓練を行っています。
今後他社からの訓練要求も広く受け入れられるように拡大準備して他社のニーズに応える規模に事業拡大する計画です。
それによってユナイテット航空社がChapter 11から脱出する一助となるものと期待されています。
私自身も以前に近所に住む訓練所の教官の案内でボーイング737型機のフライトシュミレーターで操縦席にそわってデンバー空港からサンフランシスコ空港までの飛行をしましたが、なかなかの設備で感動させられたのを今でもくっきりと覚えています。


日本に来ているとTVや新聞のニュースで今日本で起きている事柄が詳細に報じられるので9月11日の衆議院総選挙についてどんな事が起こっているのか良く分かります。 昨年よりアメリカ在住の日本人も海外各地の領事館へ登録している選挙権のある人には在留邦人として投票が出来るようになっています。

しかしながらコロラドに居たのではこうした立候補者を含む各選挙区の事情や主張の詳細が分からないので確信を持っての投票が出来ないきらいがあります。 こうした海外での投票は多額の費用がかかるものと思いますが、それでも今や海外で生活をしている人達が増えて来ている状況下にあっての選挙権の行使の平等化と言う意味で重要と言えるかもしれません。
ちなみにアメリカでは海外で暮らしているアメリカ人の国政選挙への投票は30年以上前より行われており、私の家内も日本へ住んでいた時は座間キャンプの中に在った司法省の事務所へ行って投票していたのを思い出しました。

9月17日に開かれる「杉の会」の会合の案内を今回の幹事の松島さんから頂いていますが、今回は9月13日の便でコロラドへ戻らなくてはならず、残念ながら今回も私は参加する事が出来ませんがご容赦下さい。 杉の会が元気な皆さんの出席で盛況となることを祈っております。


[ 以上 ]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2002〜2005 Mike Hagiwara)
 
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