コロラド便り(その34)
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2005年8月1日(月)
萩原 正喜/コロラド
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註:このコロラド便り(その34)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。
(なお、フォトレタッチは郷さんです。) |
デンバー地区7月20日の日中の最高気温が華氏105度(摂氏41.5度)となって1878年8月8日に記録したのと同じレベルの新記録を示した、と新聞やTVで報じています。
この日はさすがに暑い一日で屋根の上のスワンプクーラーの内部の水が暖まってしまって家の中へ冷えた空気を送り込まなくなった事から急遽ホースで外から散水してユニットを冷やしてやる有り様でした。
7月21日の予報では更に最高気温が上がって108度となると報じていましたが、104度で治まりましたが日中の陽射しが強くこの週はとうとう華氏100度を連日越える真夏日でした。
地元新聞の一面の見出しタイトルにはに今までに無い文字の高さ5.25cmのゴシック体の大きな活字で105の数字となっています。
この地元新聞では水分を充分取らないと日射病になると警告しており、併せて解説記事として同じページに「どの惑星が最もあついか?もし貴方が太陽に最も近い水星だと思っていたらそれは誤りです。」
答え:金星では日中の気温は華氏903度まで上昇します。 また、水星ではちょっと下がって801度となります。(そうした事から我々の住む地球は非常に涼しいと言えます。)
としています。
また、「今月の容赦ない暑さは道端の路面で卵を炒める事が出来るのではないか? と貴方は思われるかもしれません。 試して見る事は自由ですが、卵は良く炒められたと言うようになるには華氏144度から158度の温度となる事が必要です。」などといったユーモア記事も含めて載せています。
それにしても一昨年のヨーロッパの熱波や今年のイタリーの熱波といった状況は異常気象と言わざるを得ません。それでも経済が不況となるのを恐れてアメリカが京都議定書を批准しないからこうなるのだと言う声は出て来ません。
日本でも暑さはこれからと言う事かと想像していますが、皆様方には体調に気を付けられ元気にお過ごし下さい。 そんな夏真っ盛りのコロラドから「コロラド便り」をお送りします。
Denver Art Museum Extension (side view)
建築中のデンバー美術館別館 (側面):
デンバーの町の中心に在るCivic Center Parkに面して建っているデンバー美術館の後方にモダーンアートを展示する別館が建築中です。
モダーンアートの美術館に相応しく非常にユニークな形状をしているので完成すると全米の話題となると思います。
東側の側面から撮影しました。
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建設中のデンバー美術館の別館:
デンバーの中心の州庁舎や市庁舎のそばに在るデンバー美術館の後方に現在建設工事中の別館です。主としてモダンアートの展示館となるのでそれに合せて建物の形状も一風変わっていますが、このデザインはニューヨークの9・11の同時多発テロで完全に破壊され大勢の犠牲者をだしたWorld
Trade Centerビルの跡地へ建設される施設のデザイナーと同じ人がデザインしたものです。
この建物自体がモダンアートと言えますが、この建設会社はその強度計算や工法に付いて大変苦労したのではないかと感じます。
本館とは道路をまたぐ通路橋で接続されており冬の期間でも寒い思いをせずに見学出来るようになっています。
高山病の犠牲者発生:
7月に入ってコロラドは本格的な夏の陽気の毎日が続いていますが、以前より注意喚起が行われていて、それでも毎年数人の犠牲者となって亡くなる人が耐えない高山病による心臓発作について、とうとう私の身近でも7月4日に発生してしまいました。
私の長女が高校時代にIBプログラムという特別クラスで勉強していましたが、その4年間同級生であった男生徒で両家族そろって野外でのバーベキュウなども楽しんだこともあって私たち夫婦もその両親と懇意にしてもらっていたのですが、、その3人兄弟の中の弟が今年5月20日に高校を優秀な成績で卒業して、8月下旬から始まる大学の新学期には3つのScholarship(奨学金)を受けてコロラド州立大学へ進学する事となっていました。
夏休みの期間を利用して所属している教会のユース・グループの12名のメンバーと一緒にこちらで呼んでいる「Backpacking」(日本で言うハイキング登山の事で背中に寝袋や仮設テント器材そして食料など生活に必要なものを背負って山中を歩くものです。)をロッキー山脈国立公園の北西部に在るCameron
Pass(キャメロン峠)の一帯のいくつかの峯峰を5日間かけて踏破する登山をしていました。
そして、旅程の殆どを予定通り終えて下山途中にその弟が突然気分が悪いと言い出して意識不明となったので仲間たちが急遽山岳救援隊の派遣の要請連絡を行って、幸いな事に下山してきているところだったので30分程で救急隊が到着して手当てを施したのですが、蘇生する事無くそのまま他界してしまった、という悲劇が発生しました。
彼はまだ17才で間もなく18才の誕生日を迎えるところでしたし、日常的にも活発な方でハイキングなどでこうしたコロラドのロッキー山脈のあちこちを登山していましたので、こうした高地での環境や山岳行に慣れていない訳では無かったのですが、今回の全行程を終了して標高9500フィート(2896m)くらいの所まで降りて来て突然倒れています。
ちなみに中心となったキャメロン峠は海抜10276フィート(3132m)なのですが、そこから12127フィート(3696m)のキャメロン・ピークを始めとする幾つかの峯峰を5日間かけて登り下りしていたものです。
コロラドではこうした高地で大気圧が低いところで激しい運動を行う事に依って高山病となって心臓麻痺を起こし死亡すると言うケースが毎年数件発生しています。
特にコロラドのスキー場の多くは海抜が非常に高いところに在るので、平地から来て空気の希薄な環境で慣れていない人が突然激しい運動をするので倒れてしまう、といったケースですが、各スキー場では酸素吸入器などの非常蘇生設備などや救急隊の対応も整っているのですがそれでも毎年発生してしまいます。
夏の登山の場合は慣れている人達が多いのですが山中で発生するため救急隊は連絡を受けてからヘリコプターによる対応が唯一となる事が多く手後れとなる事が多くなります。
肉体と精神力を鍛えるとともに自然の環境を楽しむといったはずのレジャーがとんだ悲劇のもととなる事が有る訳です。
7月9日(土)には彼の卒業した高校の道路をはさんで反対側に在る教会で葬儀が行われ、私も家内や娘たちと一緒に出席したのですが、彼の両親や兄弟たちにかける言葉がなく何ともやりきれない気持ちで一杯となりました。
それでも大きな教会の講堂には高校での同級生や彼が所属していたボーイスカウトのメンバーなど大勢の人達が参加して葬儀が行われましたが、牧師さんの祈りの言葉以外に教会のユースグループの5人編成のバンドの演奏などをバックに多くの人達がかわるがわる立って彼の生前のエピソードなどを紹介しました。
地元新聞では山岳での発生事故の一つとしての取り上げ方の記事ですが、彼や家族の紹介なども交えて葬儀の場所や期日についても「病気などの気のない高校卒業生のハイカーが倒れて、死亡した。」という見出しでかなりの紙面を割いて掲載しています。
記事によると、こうした高山病と心臓麻痺そして死亡に至るメカニズムはあまり正確にはまだ解明されていないようですが、日常的環境からこうした厳しい環境に身体がおかれた時にそのストレスに耐えうる条件が少しでも欠けると最悪の事態となるとしています。
今回は幼い頃から良く知っている私の身近な知り合いの中で発生しただけに前途有望な若者の突然の死と言うだけでなく、私にとってはなんとも遣り切れない空しさを感じさせられる夏となりました。
彼の遺体は死亡に至った真の原因を探るべく専門機関で精密検査を受けていましたが、未だにその内容は発表されていません。 多分「高山病による心臓麻痺が原因」との結果だけでよくその原因やメカニズムは解明されなかったと言うことだと思われます。
Denver Art Museum Extension (Front View)
建築中のデンバー美術館別館 (正面):
左がデンバー市立図書館、右がデンバー美術館の間から覗いた建築中の別館です。 ユニークな建物の形状がよりユニークに見えます。
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コロラド・コンベンシヨン・センターに新たな名物:
昨年末に新装開店して以来大きなイベントを多くこなして来たデンバーのダウンタウンに在るコロラド・コンベンシヨン・センターに青色の大きな熊の像が設置されました。
高さが40フィート(12.2m)と言う大型で樹脂成型コンクリートと鋼鉄の補強材でできており、その重量は1万ポンド(約4.5トン)と言う大熊で、コンベンシヨン・センターの東側のガラス窓から中の様子を伺っている様に設置されています。
「貴方が何を言おうとしているのか分かります」と言ったテーマでデンバーの芸術家のデザインによるものです。 丁度熊が「中で何をやっているのだろうか?」と覗き込んでいると言った感じです。
カリフォルニアの専門会社が制作・設置を含めて42万4400ドルの費用で請け負ったものですが、新たなデンバーの名物となりそうです。
何故、青色の熊なのか? と言う疑問に対してはコロラドは野生の熊が多く棲息している事で有名ですし、また、この青はブロンコス・ブルーといってデンバーを本拠地としているプロ・フットボールチームのデンバーブロンコスのユニフォームカラーであり、またコロラドに多く棲息している「青い鳥」Western
Bluebirdの身体の色でも有りますので、いろいろなところでコロラドを象徴するカラーとして使われています。
アメリカの各地にある熊の像とその大きさを比較していますが今度のコンベンシヨン・センターのブルーベアーは群を抜いて大きい事が分かります。
この様なものを多額の費用をかけても設置する感覚と言うのが私には理解出来ませんが、アメリカ各地にはこうした人工造成物を多く見かけます。
デンバー・コンベンシヨン・センターでは今後国際的なイベントも多く開催されますので、この大青熊は全米だけでなく世界の各国にも有名となるでしょう。
Modern Art at Triannon Museum & Art Gallery
デンバー市庁舎の傍にある画廊の入り口にあるモダーンアートの像:
人間の顔半分に鉛直錘を組み合わせた何ともユニークな造形物がデンバーの町の中心に据えられています。 デンバー美術館とは市役所のビルを挟んで反対側に在ります。
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全米の主要都市でデンバーが2番目にビジネスを行うのに適している都市:
最近のSan Diego Regional Economic Development 社の全米19の主要都市を対象としたビジネスを行う上で適している順位調査の結果によるとデンバー・オローラ地区は全米でシアトル・タコマ地区に次いで2位にランクされています。
この調査は条件として3っの項目、すなわち経済状況、環境条件、資産状況について採点を行っており、併せて、その都市が経済発展の競合力を維持して行くためにどのような点に付いて改善して行けば良いかに付いての指摘を行っています。
前回の2001年のレポートではデンバー地区は4位でしたが今回2位にランクを上げており、ビジネスを展開するのに適しており、ベンチャーキャピタルが投資を行うのに魅力的なスタートアップの会社が多い、としています。
但し、具合の悪い点として各労働者にとって毎日の通勤時間がかかりすぎると言う事や排気ガスによる大気の汚染、そして幼年期の子供の教育に関して劣っている、と指摘しています。
そしてこのレポートでは、「Quality of Life」の尺度を定める項目として前記の3つの項目が連係しているとし、資産状況に関して収入の分配率と住居の購入し易さに関して良好としています。
これらの各指摘事項に関してはデンバー地区での今後の健全な発展を続けて行く上で重要な項目と言えます。
ちなみに、今年6月に公表されたアメリカ経済分析局の資料によると全米の平均総生産性は昨年では4.2%の向上を見たのに対してコロラド州の昨年の総生産性は3.8%の向上でした。
レポートでは最下位の地区としては首府のワシントンDC、カリフォルニア州のオレンジ・カウンテイ地区そしてフロリダ州のタンパ・セントピータースブルグ地区が上げられています。
デンバー空港にプライベイト駐車場:
デンバー空港への交通手段は現在鉄道が無いため自動車で行くかシャトルサービスを利用するか、または定期バスによる事になります。
現在自分の車で空港まで行って駐車場に駐車して航空機に乗る、と言う人が多くを占めているため短期及び長期合せて5万台のスペースを持つ駐車場が絶えず混雑しています。
そんな環境を考えて、今回デンバー空港のメインターミナルから車で3分という距離に私有の駐車場を販売するビジネスがスタートしました。
大型SUV車が充分停めておけるガレージを5年、10年そして20年の契約で15000ドルから4万ドルで1車分をリースするもので、その外に維持管理費として月額48ドルが利用に必要となります。
対象顧客としては、コロラドのリゾート地であるVail ,Steamboat Springs,Estes Park,Summit Countyといったところへ別荘を持っている人や会社で購入して誰か出張する時に利用するという目的、そして大金持で高級車を持っていて一般の駐車場ではぶつけけられたり傷を付けられたり盗難に遭うなどを危惧する人達などを対象としているものです。
駐車場はその個別のガレージの他に電話で呼ぶと24時間直ぐに来てメインターミナルとの間を往復する車のサービスや燃料補給や清掃、修理保守といったサービスも行う事になっています。
これらのガレージはリモートのキーパッドで暗証入力で利用出来るようになっており、他の人にサブリースを行う事も可能となっています。
現在のデンバー空港の一般の長期駐車場は最大30日間の駐車が限度となっており、このプライベートガレージならそれ以上長期に自分の車を心配する事無く停めて置く事が出来る、としています。
この運営はスタートアップの会社Airport Resort Parking LLC社が行う事になっており、7月中に30車分の工事がスタートして10月末までに完成し、2、3年中には347車分を完成させる予定となっています。
Big Blue Bear at Colorado Convention Center
コロラド・コンベンシヨン・センターに出来た青い大熊の像:
高さ40フィート(12.2m)、重さ4.5トンの熊が「中で何をやっているのかなあ?」と除いている像です。 極く最近設置されました。
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デンバー市民マラソンが来年から開催:
先のこのレポートでもお伝えしたコロラドの有名なマラソンとしては「Bolder,Boulder」が毎年開催されて多くの市民ランナーが参加していますが、東から西へオローラ市から始まってデンバーの中心街を抜けてレイクウッドの町まで一直線のその延長が26.2マイル(42.16km)で全長切れ目のない通りとしては全米で一番長いと言われているColfax
Avenueを舞台に来年5月21日に市民マラソン大会を開催する事となり今後この日に近い週末に継続実施され事となりました。
Colfax Avenueは大変古い通りで、現在の国道70号線のハイウエイが出来るまでは東のカンサス州からデンバーの町を抜けてロッキー山脈へと通じる道はこれきり無かった主要通りでごく最近まで馬車や馬に乗った人達が行き来していたと言う通りだったのですが、主要な交通は70号線に流れる様になってごく簡素な地方の道路となってしまいました。
そして通りの両側に多くあるMotel を根城とする売春や麻薬そして犯罪といった活動が行われるようになってイメージが低下して一般市民はColfax
Avenueから遠ざかる様になり現在では昔の繁栄が想像も出来ない様になって来ています。 それでも市の中心の州庁舎や市庁舎の近辺では昔からの建物が通りの両側に多く在って昔の繁栄の面影を残しています。
こうした暗い環境を打開しようとデンバー市のColfax Business Improvement District 当局ではいろいろと考えましたが名案が出ないまま10年程が経過しています。
そこで登場したのが市民マラソン大会の案で、通りの延長がフルマラソンの42.195kmにほぼ一致している事から名案だとして早速非営利団体の運営委員会が設立されて実施の準備に入っています。
全コースが殆ど海抜1マイル(1600m)の平坦直線コースのこのマラソンですが、既にColorado Colfax Marathon と大会名も決まって必要な資金を捻出するためにスポンサーとなる会社や商店にはその提供資金に付いては税金の免除をする事も決まり、来年の5月21日朝のスタートを目指して準備に入っています。
ちなみに5月21日という日にちはこの週末には過去1998年から2004年までの間デンバー地区での雨や雪が降ったという事が無いために選ばれています。
東のオローラ市のスポーツパークをスタート点として西のLakewoodの町に在るColorado Mills ショッピングセンターをゴールとするフルマラソンコースとなりますが、この資金調達や運営に付いては委員会では既に有名となっているNew
York City Marathonをモデルとして様々な検討準備が進められています。
委員会では参加人員6000名で20万ドルから30万ドルの基金で運営する事を目標としています。
この大会が成功してColfax Avenueの再生が計られるようになると良いと思います。 日本からのマラソンランナーの参加は有るでしょうか?
New Hotel at Colorado Convention Center
コロラド・コンベンシヨン・センター前に建築中のホテル:
今年の年末完成を目指して建設中のコロラド・コンベンシヨン・センター・ホテルです。 かなり出来上がって来ました。
1100部屋を有するホテルでコンベンシヨン・センターの正面入り口に面した場所に建設中です。
ホテル自体はデンバー市の所有ですが、完成後はHyatt Hotel 社が管理運営に当たる事になっています。
大きなコンベンシヨンを開くにはデンバーはその宿泊設備が不足している、という悪評をこのホテルで振り払う事が出来るでしょうか。
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コロラド州立大学のMBA(ビジネス・スクール)学科の学生が日本と韓国の企業訪問:
コロラド州立大学の本校はコロラド州の北のワイオミング州の州境に近いフォートコリンズの町に在りますが、そのMBAコースはデンバーに在ってDenver
Executive MBAと言う21ヶ月の学科となっています。
その学生達がプログラムの一貫として韓国と日本の企業と文化施設の見学旅行で訪問しました。
毎年実施している外国訪問のその目的は国際的なビジネスの実態とその背景をなしている伝統的な文化を学びより深い理解を得る事ですが、今回は学生たちは事業の発展に伴う環境保護の責任といった実態を見ることが出来たとしています。
例えば三洋電機の「ソーラー・アーク」で数千枚の太陽電池パネルが太陽光によって発電している現場を見学したり、韓国のソウルで「Shiwa Lake
Environmental Management Center」で工業清浄化処理が進行している状況説明を聞いたりしました。
また、Samsung Economic Research Instituteの研究リーダーから韓国の経済の現況についての説明をうけています。
Hewlett Packard 社の上級役員から韓国でのHP社の活動に付いて説明のあと討議を行い、韓国政府の新情報技術政策の影響成果についてやアジア太平洋地域とのリンクの状況など解説を受けています。
アメリカのKimberly-Clark 社の韓国支社のYuhan-Kimberly社で布地へのデジタル印刷の実演を見学しています。
その後韓国から日本へ移動して、福岡で阿蘇グループでのフランスのLaFarge社とのセメントの合弁事業に関して同社のフランス及びブラジルの役員との間で討議しました。
異なるカルチャーの2社が合同でビジネスを展開する仕組みについての勉強になりました。 その後、「日本のエコタウン」と阿蘇グループの病院とセメント工場の見学をしています。
その後、名古屋近郊の豊田市で3個所の施設を見学し大規模なロボットを基本とする製造現場を見学しました。更に学生たちは東京でソニーの新しいBlu-ray
デイスクの高密度ストレージシステムを開発している施設を見学してコンスーマー向けのロボットや発泡スチロールのリサイクル化学処理の様子に付いて学びました。
Hewlett Packard Japan の本社ではその上級役員の人との21世紀に必要なクロス・カルチャー経営の進め方について討議しました。
最後にこのDenver Executive MBA プログラム恒例の晩餐会があり、HPジャパンの引退した元上級役員の人から彼が見て来た日本経済におけるハイテク企業活動のここ30年以上にわたる急速な成長に関する解説が行われ今回の外国訪問旅行が終了しました。
このMBAプログラムに関してもっと詳細を知りたい人はwww.CSUdenvermba.comを検索して見てください、としています。
Colorado State Capitol
コロラド州庁舎のセンター・ドーム:
コロラド州の庁舎の中央に在るドームです。 小高い丘に造られており石段道を登ってその正面玄関にたどり着きます。 ドームの屋根はコロラドのゴールドラッシュを象徴して200オンス(5.67kg)の24Kの金を使って作られており、太陽の光に輝いています。
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シャイアン・フロンテイアデイ:
全米のカウボーイ達を集めて毎年開催される牧畜業者のお祭りCheyenne Frotier Dayが今年も7月22日から7月31日迄の間コロラド州の北の州境に近いワイオミング州シャイアンの町で開催されました。
この催しの為にデンバーのユニオン・ステーシヨンから特別仕立ての蒸気機関車に牽引された列車がシャイアンの町まで700人以上のコロラドの見物客を乗せて走りました。
この会期中にはいろいろなイベントが行われ、全米から参加する多くのブラスバンド隊の行進パレードやカウボーイ達によるロデオ大会、そして上空ではアメリカ空軍のアクロバット飛行隊サンダーバードによる編隊飛行などが行われています。
以前は牧畜業者の牛や馬、羊の競り市、そしてカウボーイ達の競技の場だったのですが、徐々にショー化されて現在では毎年恒例のカウボーイのお祭りとなって近隣の各州からも大勢の見物人が集まるようになっています。
毎年この時期に開催されていますが今回で109回目の開催ですので100年以上続いていることになります。
ちなみに私の家内は何度もこのシャイアン・フロンテイアデイを見物に行っていますが、私はまだ一度も行ったことが有りません。 そんなに人気があるなら一度見に行く価値は有りそうです。
Cannon at Colorado State Capitol
州庁舎前の庭に据えられた大砲:
州庁舎正面玄関の庭から眺めたCivic Center Park を眺めた光景です。独立戦争や南北戦争当時の大砲2門が据え付けられています。
前方はCivic Center Park の庭でその先方にはデンバー市庁舎の建物が見られます。
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パイクスピーク山頂までの登山自動車レース:
毎年恒例となっていて人気の有るPikes Peak Hill Climb自動車レースが今年も6月23日の予選を皮切りに24日(金)、25日(土)と3日間かけて実施されました。
Pikes Peak 山はコロラドスプリングスの町から南西にあって、その標高14110フィート(海抜4301m)の頂上まで自動車で登れる事でコロラド観光の人気の有るスポットとなっています。
麓の町Manitou Springs の町からアブト式のデイゼルカー( Pikes Peak Cog Railway)が頂上まで行っていますが、自分の車で頂上までやってくる観光客が大勢です。
道は途中まで舗装路ですが、途中から頂上まではダートコースとなっています。 そのダートコースの部分を使ってこのレースは毎年開催されていますが、今年で83回となります。
標高9390フィート(海抜2862m)のスタート点から登り一本で海抜4301mの頂上のゴールまでのコースとなっており、自動車の方はいろいろなクラスに分けられており今年はモーターバイク部門も設けられました。
レースのコース全長は12.42マイル(20km)で途中は156個所のカーブの連続する2車線コースとなっています。
ホンダ技研やゼネラルモータース社はデンバーにラボを持っていて、このPikes Peakの標高の高いところまで行ける道路を利用して新車の希薄な空気に対する性能チェックや排気ガス対策との関係などを調べています。
一昨年は予選でコースを外れて落下しドライバーが死亡するといった事故が起きましたが、片側が崖で反対側が絶壁と言った部分が多くあるので注意を集中していないと直ぐに大事故に直結すると言う事になります。
今年は頂上のゴール部分で練習時にゴールのオフィシアルとして働いていたこのレースを10年経験している人が登ってきた車に跳ねられて死亡すると言う事故が発生しました。
83年のレースの歴史で4人目の犠牲者となりました。
それでもレースは参加約150台の車によって競われました。今年のレースの目玉としてはコロラドスプリングスの町でプロパンガスの供給会社に勤めている57才になるRandy
Schrantzさんが自分の持っているCobra Kit Car をプロパン燃料用に改造しExhibition 部門に参加して12分32秒28と言うコースレコードを立てた事が上げられます。
地元新聞には彼の車がゴール真近かの標高13000フィートのカーブを疾走する光景を大きな写真入りで紹介しています。
原油価格の高騰でガソリンの市販価格が高いままとなっていますが、そうした中でガソリンに代わる燃料としてプロパンガスの宣伝に大いに役立ったとしています。
Main Entrance of Colorado State Capitol
コロラド州庁舎の正面玄関入り口:
州内、州外からの観光客が多く訪れる記念撮影をする観光名所となっています。
正面の15段の石段には「Mile High City」を象徴する丁度海抜1マイル(1609m)の石段の場所にマーキングが為されています。
(前列左側の女の子の足元に在るのがMile High Emblemです。)
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新学期の準備:
日本では4月から新学期ですが、アメリカの殆んどの小、中、高、大の各学校は9月から新学期となっています。 コロラドでは秋が早く来るためか各学校の新学期は通常8月20日頃に始まります。
各店では「Back to School」セールといって新学期に備えていろいろな商品の特別セールスを展開します。
事務用品の全国チェーン店のOffice Maxの新聞折り込み広告では文房具を中心として各学生が購入するとその購入金額の5%をその在学している学校へ還元するという「5%
Back to Schools」セールスを展開しています。 大勢の学生が沢山購入するほどその学校が潤うというものです。
翌週の週末の新聞折り込み広告では競合するOffice Dept店も負けじと同じ「5% Back to Schools」の案内をしています。
このセールは全米PTA協会が考え出した方式のようで同協会のマークが各広告に入っています。
Office Max では一般の会社だけでなく、各学校への文教資材や文房具などの配送納入もやっていますのでこうした特別セールでPTAが生徒児童を持つ各家庭の援護射撃をするといった仕組みとなっています。
早くも秋の新学期の準備に入るコロラドです。
Mile High Emblem
海抜1マイル(1609m)を示すマーキング:
デンバー地区はその標高が丁度1マイル(1609m)前後となっていることから「Mile High City」と呼んでいます。
また、別の数字で5280フィート=1マイルと言う事で、5280の数字がいろいろなところで見かけます。
州庁舎の正面玄関入り口の石段の測量して丁度海抜1マイルのところに標識が埋め込まれています。
以前の測量時の海抜1マイルだった石段が別に少し上の方に2個所在って、このマーキングは最も最近の2003年に計測されたものです。
デンバー地区の標高が徐々に上昇していると言う事でしょうか?
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7月25日からコロラドの陽気は一変して曇りがちな日となり日中の最高気温も華氏100度越えから80度台となってきました。
これでコロラドの夏も終了と言う訳では無いでしょうが、ホッとしているところです。
日本は8月のほうが暑かったと記憶していますのでこれからが大変な時期となりますが皆さん体調管理に気を付けられ元気にお過ごし下さるよう祈っております。
暑中見舞いに変えて「コロラド便り」(その34)をお送りしました。
[ 以上 ]
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