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コロラド便り(その31)
2005年5月1日(日)
萩原 正喜/コロラド
註:このコロラド便り(その31)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。


Unseasonal Snow Fall
季節はずれの雪景色:


4月12日(日)に終日降り続いた降雪のあい間の一時休止時に我が家の裏庭を撮った光景です。
結局この時は50cm程大変湿った雪が積もって裏庭の突き出し屋根の下に置いてある椅子やテーブルが風で吹き付けられた雪で覆われて自然のオブジェを作っていました。
昨年のこのシーズンにはやはり大変湿った重い雪が1m近く積もってお陰でこの突き出し屋根部分が倒壊し落下してしまいましたが、今度は充分強度を持たせて新築しましたので大丈夫でした

4月に入ってからデンバー地区では2回にわたって雪が降り、何れも気温が高い時での降雪のため湿った重い雪で、その内4月10日(日)には終日降り続いたので50cm程も積もって暫らくぶりでガソリンエンジン付きの除雪車を引っ張り出して雪かきに汗を流しました。
ロッキー山脈中の各スキー場では新たに多量の降雪をみたので4月も末と言うのにまだ暫らくの間オープンしており今シーズンのスキー客数は今までの新記録となりそうです。
降雪の他にコロラドの4月は天候が大変不安定なシーズンで初夏を思わせるような暑い陽気となったと思ったら、急変してゴルフボール大の雹が何回もまとまって降り地面が一面に白くなるほどといった調子でした。

私自身も家内もあまり日常風邪など引いた事が無い体質ですが、この急変する陽気に対応出来なかった為か家内がまず熱は無いものの激しい咳を伴う風邪でダウンしてしまい、注意していた私も感染したのか同様な激しい咳と脱力感で暫らくぶりに2日間ベッドで静かにしているといった状況でした。
近年自分自身の体力の低下もさることながら、こうした耐久力が低下してきているのを感じさせられる事が多くなりました。 「歳ですねー」言われても反論出来そうにありません。

前号で報告した一時下がる気配を見せていた原油価格もその後引き続き高いままで推移しており、それに伴う自動車用のガソリンの価格も1ガロン当たりレギュラーで2ドルを越したままでジワジワと上昇を続けています。
故障知らずで燃費が良いことで定評のあるトヨタの車が私の身の回りでも際立って増えてきています。

早くよりトヨタが開発に取り組んできたガソリンエンジンと電気モーターのハイブリッド車がここへ来て人気の焦点となっていますが、「トヨタプリウス2」 もまだ絶対数は少ないものの街でちょくちょく見かけるようになっています。
今後トヨタでは各ジャンルの車にハイブリッド版のモデルを市場投入するとしていますが、プリウス2ではその2004年、2005年モデルの中古車の価格はその新車販売価格よりも1000ドルから2000ドル高い価格で市場で取引きされている、と言うことで現在その新車は20975ドルから26640ドルで販売されています。 高いままで推移しているガソリン価格がトヨタに味方していると言えそうです。

アメリカのハイブリッドカー市場でイニシアテイブをとっているトヨタ自動車ですが、ハイブリッドにかかわらず通常の車に於いてもその売り上げ台数を伸ばしてきており、調査会社のCenter of Automotive Researchの調査報告によると、アメリカ市場に於いてトヨタは既にクライスラー、フォードとアメリカ3大自動車メーカーの内2社をその売り上げ台数面で抜いて、このガソリン価格の高い事が加勢して低迷を始めているGM社の売り上げに接近する傾向が見えてきており今後この傾向が続くと2010年にはトヨタはGMとその売り上げ台数面で拮抗してくると報告されています。

中型セダン、高級車、ピックアップトラックの各車種別の2004年の売り上げ台数ではそれぞれトヨタカムリ、トヨタレクサスが首位となっており、ピックアップトラックでもトヨタツンドラがフォード、GMに続いて4位となっています。
ちなみに我が家ではGMのSUV車Blazerとトヨタのカムリとを使っていますが、日常的にはカムリのみが活躍しているといった近況です。


My Dog searching his Ball under the Snow
中央の黒いものは雪の中に埋まってしまったボールを捜している我が家の飼い犬です:
毎日テニスボール投げと散歩を日課としている我が家の飼い犬ジンジャー(ジャーマンシェパード雌4才)ですが、この時ばかりは散歩も出来ず、ボールを投げても雪に埋まってしまってそれを掘り出すのに大苦戦です。 それでも洋の東西を問わず「犬は喜び庭駆け廻る」で大ハッスルの一日でした。

デンバー市長が全米市長ベスト5に選ばれた:

雑誌Time の4月25日号での特集記事で2003年11月の選挙で新たに選任され2004年1月から就任しているデンバー市長のJohn Hickenlooper 氏は早くも一年以上の任期が経過しています。 雑誌Timeでは人口が50万以上の全米の都市の中から実績でよくやっている市長ベスト5の選抜を行いその記事で公表しており、New York,Chicago,Atlanta,Baltimoreといった大都市の市長に混ざってDenver市長が選抜されています。
4月17日の日曜日午後7時からのCBS系TVのニュース番組ではこの特集番組が組まれて、上記の各大都市の選抜された4市長に混ざってヒッケンルーパー・デンバー市長も各都市を接ぐこの中継番組に出演して感想抱負を述べています。併せて、このTime誌では全米ワースト3市長も公表され、Detroit,Philadelphia,San Diegoの3都市の市長が指摘されています。

ヒッケンルーパー市長がベスト市長に選抜された理由としてTime誌では下記のような理由を挙げています。

市内の街路での駐車メーターの料金が高すぎると言う多くの市民の要望に応えた選挙公約にしていたメーター 料金の切り下げを公約通り実施した。
前市長からの引き継ぎ時に市場最悪と言われた7000万ドルに及ぶ市の財政支出赤字を主要なサービスや市職員の解雇を行なうこと無しに一年で解消している。
市職員の給与体系に大きなメスを入れて職能・成果主義を取り入れ、大きな反対があったにもかわらず押し切って実施して成果を上げている。
デンバー地区の他の市長らとともに昨年11月の住民投票にかけた総額47億ドルに上るFasTracks 鉄道強化敷設策に付いて消費税などの上昇が伴う政策にもかかわらず、将来のデンバー地区の交通緩和や排気ガス低減につながると言う事で可決されている。
デンバー市及び周辺地区からの引続き広い信頼を継続して得ている。

但し、選挙公約であった、警察力のシビリアンコントロールと言う観点での警察の活動に対する特別査察制度についてはいまだ強制力が付いていないとの市民団体からの指摘がされており、今後の課題となっている、 といった、内容となっています。

Time 誌の誌面ではヒッケンルーパー・デンバー市長が今やトレードマークとなったApliria 製のスクーターでブルーのシャツにネクタイといういでたちでデンバー市内を軽快に走り回る写真が大きく取り上げられており、フットワークの軽い果敢な行動力を持つ新しいタイプの市長と言う評価となっています。
また、Time誌の記事の中ではヒッケンルーパー市長の人ととなりも紹介されております。

現在53才のヒッケンルーパー市長は民主党の地元活動家の一人ですが、1988年にデンバー市内で初めて開業したビール醸造所とパブを一体化したレストラン形式の店の経営者であり、そのWynkoop Brewing Companyのオーナーとして地元では広く知られているとしています。
また、それまで独身で通していたが、2002年にやっと結婚しばかりです。
彼の市の政策での主張点は「バランスの取れた予算、教育制度の改革、高額すぎるパーキングメーター料金の低減」の3項目を選挙公約として当選しており現在政策実行推進中ですが、極く最近の世論調査ではデンバー地区の投票権を持つ人の75%が彼の成果を支持しているのみならず、デンバー周辺の地区の共和党支持の強い地区でも61%の人が好ましいとしているとしています。

就任早々に市財政の建て直しの為に市の職員の給与カットと同時に労働拘束日の削減を行ない彼自身もそのサラリーの25% カットを自ら行っています。
「私は現実を越えるような試みはしない。 そして、もしその事に付いての回答を私自身が知らなければ、そう話すだけだ。 もし私が過ちを犯した時は素直に謝る。」と彼はTime 誌のインタビユーで言っていますが、今の所住民に謝る必要は無さそうである、と記事では結んでいます。

Dual Disc と MusicDVD Discの近況:

最近ではMusic DVDと言うカテゴリーの音楽デイスクが各販売店で多く発売される様になって、定期的に新譜のまとめてのリリースなども行われるようになって来ています。
しかしながら、DVDAudioとしての規格に基ずいた片面DVDAudioもう片面がCDとなっているいわゆる「Dual Disc」についてはまだまだそのタイトル数もわずかで各店でもCD側は問題無いとしてもDVD面を演奏するには専用プレーヤーを必要とする事から特別扱いとなっており通常のMusicDVDとは一緒の陳列棚に並べて販売はしていません。

一方、「Music DVD」の方は通常のDVD Videoデイスク・フォーマットのデイスクで従来からのMTVのもう少し演奏シーンが楽しめるビデオと5.1チャンネルを活かした音楽の録音が為されていて通常の映画DVDとは異なる音楽CDのコーナーに特別なMusicDVDのみの陳列棚が設けられて販売されているようになって来ており、その陳列タイトル数も日を追って増加してきている傾向にあります。

例えば、我が家の近くにある専門店のMediaPlay店では、CD音楽デイスクを陳列しているコーナーの最前列にCDと類似の鉄のパイプで構成している傾斜型の陳列棚にMusicDVDと大きくカテゴリーを表示した場所に展示販売しています。
一つの棚が横に11列で縦に5段のデイスクがそれぞれ5枚ずつ並べられるようになっていて、その部分には歌手や演奏者名とタイトル名が表示出来るようになっています。 こうしたラックが現在のところ12基並んでいてそれぞれの部分がほぼ満杯となっている状況にあります。
従って5x11x12=660タイトル程が展示されている、といった現状である。

デイスクにはDVD Video フォーマットの5.1チャンネル音楽もののみのタイトルのものと、それにCDの同じアーテイストの同じプログラムを収めたものが同梱となっているものとがランダムに入れられています。 従ってMusicDVDは世の中にほぼ認知された状況となってきている、といった感じではありますが肝心のDVD Audioフォーマットに基ずいたDualDiscの方ははるかにそのタイトル数も少なく、Tower RecordsやMediaPlayといった音楽専門店でも特別扱いで、ソニーのSACDにいたっては店では陳列されておられず、店員に聞くと収納箱から出してくる、といった状況となっている。 むしろSACDやDVD-Audioのプレーヤーを展示販売している店に於いてはその紹介デモ用としてこうしたデイスクがその販売コーナーで見られるといった状況にあります。

DVD Audioフォーマット規格のデイスクを音楽用としてCDの進化したものとして扱っている限り、このままでは一般の消費者には既に多く普及しているDVD映画用のプレーヤーでそのまま同一に再生出来るMusicDVDで充分と言う事となって、何れ消えて行ってしまう事となりそうです。
しかしながら、DVD Audioのフォーマットの準備段階ではそのアプリケーシヨンは音楽プログラムに特化した事ではなく、DVD Videoで時間的に限られていてその実現を目指す事が出来なかった真のマルチメデイア・デイスクとしての展開が出来るようその規格を定めて来ている経緯があります。

Videoフォーマットが今やBluRay / HD-DVDといった次世代への準備が進んでいる中にあって、音楽プログラムに固定する事無く、その特別機能を生かすための専用機器も含めて新たなアプリケーシヨンへの展開を計らないとDVD Audio規格はやっと日の目を見ただけで終ってしまうといった運命となってしまう事が強く危惧される最近です。

DVD Audioフォーマット = スーパーHiFi オーデイオと決め付けてしまっては規格制作者自身が自分で自分の首を絞めてしまった、と言われないだろうか?
何かBlu-ray / HD-DVDの世代となっても充分生き残って行くようなDVD Audioフォーマットのシステムの有効なアプリケーシヨン開発に知恵を働かす価値の有る近況のようにも感じられるこの頃です。

Snow Over Hung on the Roof
屋根に出来た小型の雪疵:

家の屋根と突き出し屋根に出来た雪疵です。 湿った雪と風のいたずらで出来るものと思われますが、こんな風になるのはコロラドでは珍しい事です。
ケーブルが2本引き込まれていますが、上が家の電源の引込線、下がケーブルTVのComcast社の引込線です。 Comcastではこのケーブルライン1本でアナログTV、デジタルTV、音楽チャンネル、通常の電話回線4回線分、4Mbpsの高速インターネットなどのサービスを行っています。

コロラド州から外国への輸出実績:

先のレポートでコロラド州から外国向けの輸出の概況に付いて報告しましたが、コロラド州経済開発局からその2004年の統計の内容詳細が発表となっています。
米ドルが他の外貨に比べ弱くなっている事と外国のコロラド州産品への需要増加とによって2004年のコロラド州から外国への輸出総額は67億ドルと2003年の61億ドルから9%上昇して2000年に記録した66億ドルを上回って新記録を示しています。
国別に見ると1位のカナダへの輸出の伸びが著しく17億ドルと16%の伸びを記録しており、2位のメキシコへは6億8900万ドルと21%の伸び、また中国へのハイテク製品の輸出が急速にその輸出を伸ばしています。
NAFTA協定の陸続きのカナダ、メキシコが1位、2位を占めて日本への輸出が3位となっています。

ここのところ日本への輸出は停滞しており、中国への輸出は3億5600万ドルと一昨年に比べて67%と急激に伸長していることから、昨年4位の中国への輸出は2005年では日本を追い抜いて3位となる見込となっています。
日本への輸出は4億1100万ドルと一昨年の数字から7.1%低下しており、BSEに関連しての牛肉の日本への輸出がストップした事から、日本への牛肉を最も多く輸出しているコロラド州は手痛い打撃をこうむっています。
また、2位のメキシコについてはコロラドの牛肉の輸入を2004年の春から解禁しているので年間では牛肉の被害は少なく納まっており、今年は世界の日本を含む各国がコロラドビーフの輸入解禁に動くものと予想されており、牛肉業界としては今年の輸出の回復に大きな期待をかけています。

カナダへの輸出は総額では2003年の実績で6億200万ドルの増加となって、品目別では牛肉がトップで6900万ドル、2位がコンピューター関連で5700万ドル、そして医療用の眼科や整形外科で使用する材料類、更に有機薬品類、医療機器となっています。
一方、カナダからコロラド州への輸入の方は、2003年の実績で、印刷出版物が1億700万ドルとトップで、材木板材が5500万ドルで2位、銃砲武器が2600万ドル、肉類が2500万ドル、エンジン及びタービン類が2200万ドルの順となっています。

デンバーオートショー開催:

毎年恒例の2005 Denver Auto Show が新装なったコロラド・コンベンシヨン・センターで3月29日(火)より4月3日(日)の間多くの自動車メーカーやその部品メーカー、アクセサリーメーカーなどからの参加を得て開催されました。

毎年、ニューヨークのオートショーが有った後に開催されていますが、今年の目玉は何と言っても電気モーター・発電機とガソリンエンジンとを組み合せたハイブリッドカーで先行しているトヨタやホンダに続いてFord などが2005年の新モデルを始め将来のコンセプトカーを含めて展示して来場者たちの関心を集めました。
そんな中にあってデンバーのゴム製品の大手メーカーであるGates 社では現行のエンジンのファンベルトやタイミングベルトに加工を加えた新型ベルトによる現行モデルでのハイブリッドカーのコンセプトの開発発表を行い来場者達のみならず専門業者達の関心を集めています 。

通常のハイブリッドカーではスタートストップを繰り返すのに適したガソリンエンジン及び駆動用の為の電気モーター・発電機そして大容量電池とを車両スペースへ格納する必要性があってどうしても全体の車体構成まで新しくする必要性が有りますが、このGates社の専用ベルトをエンジンに使えばそうした事に拘らずに現行のエンジン構成でハイブリッド・カーが構成出来ると言うものです。

このコンセプトを採用する事に依って町中のようなスタート・ストップを繰り返す町中でのドライブでは6%から10%の燃料節約が達成出来て、スタートやストップの動きもスムースとなって有害排気ガスも少なくなる、としています。
市長となってからさすがにベスパのスクーターで町中を走り回らなくらなくなったHickenlooperデンバー市長は現在ハイブリッドカーを使用していますが、コンベンシヨンセンターで行われたこのGates社の発表に特別出席してこの発表を称える演説とハイブリッドカーの必要性に付いて出席マスコミ陣に力説しています。

デンバーに在るGates 社は1911年にCharles Gates Sr. さんがやはりデンバーに在ったColorado Tire & Leather 社を買収した事から始まった会社で、その後1917年に弟のJohn Gates さんが現在では殆どの車に使われているV溝ベルトを発明して、以来殆どの自動車や機械に現在でも多く使用されているVベルトの供給元 となって来ました。
その後1954年にGates Lubber 社と社名を変えて自動車メーカーを始め多くの顧客を抱える事業に発展して、現在では北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、南アメリカへ事業展開しており世界で13000名の従業員が同社で働いています。 また、デンバー本社には約600名の従業員がいます。

今回のデンバー・オートショーでもこのGates社の新型ベルトはフォードモータース社のデイーゼルエンジンと電気モーターによるハイブリッド車の新型モデルであるMercury Meta One に採用されて展示されており、GM社でも2007年からSaturn VUEモデルから採用される事となっています。
また、既にこのコンセプトはヨーロッパでは採用されていてフランスのプジョー社のCitroenでは現行モデルで使用されているのだ、と同社では言っています。

本格的な電気モーターとガソリンエンジンのハイブリッドカーに比べるとその燃料節約効果は劣るものの従来のガソリンエンジンのみの場合に比べて大幅な構造上の設計変更を必要としないこの新型ベルトのコンセプトは今後どのように各自動車メーカーに取り込まれて行くでしょうか? 注目される所です。

Unseasonal Snow Fall again
またまた降雪:

先の大雪の後初夏を思わせる暑さを伴った陽気に早変わりして庭の芝生のエアーリング(イボイボのついたローラーで芝生面に2cm程の直径で10cm位の深さまで無数に穴を開けて今まで冬眠していた芝生の根に空気を送り込む作業)をやったり、肥料を撒いたり、そして今年1回目の芝刈りを行なったところで、4月も末だと言うのに今度は4月26日(火)からはゴルフボール大の雹が時々降って地面一面を覆うといった不安定な陽気となって、更に途切れ途切れに小雪が降ると言う天候に1週間なっています。
さすがに地面が暖まっているため地面の方は直ぐに溶けてしまいましたが、庭の植木やこれから家内が花を植えようと準備した植木鉢に雪の名残が記されています。

デンバー空港の一月の乗客数が新記録:

DIA(デンバー国際空港)が開港10周年を迎えた事を先のこのレポートでお伝えしましたが、最近今年1月の利用客数の発表があって、323万5151人を記録しました。
この数字は昨年の1月の利用客数306万4727人に比べて5.6%も増加しています。 これでDIAの利用客数の月別の増加は2003年の12月に記録して以来連続して14ヶ月の増加を記録しています。
ちなみに2004年の年間利用客数は4240万人でやはり2003年に比べて13%の増加となっています。

利用乗客数の面ではかっての9・11同時多発テロの時やSARS蔓延の時に比べて完全に復帰したと言えますが、各航空会社間の格安料金競争とジェット燃料の高騰に依って乗客数が増えても航空会社の経営状態は厳しくなって来ており、特にDIAを主要ハブとしているユナイテット航空の経営立ち直りが遠のいていると言う感じがする最近です。

宇宙ロケットブースター部の輸送:

デンバーの南西のJefferson郡にある宇宙ロケットの打ち揚げ会社ロッキード・マーチン社はその主力ロケットであるAtlas V シリーズで活躍していますが、ロケットのメインブースター部をデンバー空港からNASAの打ち揚げ基地であるフロリダ州ケープカナベラルまで空輸するために大型輸送機に積み込んで居る写真が地元新聞に紹介されています。
ロッキード・マーチン社ではAtlas V のメインブースターはコストと性能面から当初よりロシアから輸入して使用しており、この様にロシアのアントロポフ大型輸送機でモスクワからデンバー空港へ輸送されて来て同社で点検及びテストをされてから打ち揚げ基地まで再び空輸されています。
このブースター部はその全長が107フィート(32m60)もありますが、ロケットにかかわらずこうした大型輸送物についてはこのロシアのアントロポフ機の独壇場となっています

今回のこのブースターは8月10日にNASAが計画している火星探査衛星となる宇宙船の打ち揚げに利用されるもので、打ち上げ後2年以内に目標とする火星の観測に利用する衛星となる予定です。
おりしもコロラドスプリングスの町では4月4日から7日の4日間にわたってNational Space Symposiumが専門家や業界筋の人達を集めて開催されました。
地元新聞やTVでもこの会議の事を伝えていますが、今回の会期中に公表された最も大きなニュースは宇宙への打ち揚げロケットは現在ロッキードマーチン社のAtlas Vとボーイング社のDelta IVとが事実上の2強で競い合って来ていますが、ボーイング社が7年ほど前のアメリカ空軍への偵察探査衛星の競争入札時に不正が有った事が後に発覚してその制裁処置として政府関係の宇宙ロケットのビジネスから外されていましたが、差し当って8月にNASAが打ち揚げる火星探査船用のロケットから制裁が解除されて2社で競い合う事となったとされています。

当面火星への最初の8月打ち揚げはAtlas Vで行く事となっていますが、その後何回かの打ち揚げが計画されており、また軍関係の衛星打ち揚げも多く計画されているので今度は政府の監視下で再び受注競争が激化するものと思われます。
また、併せて今回打ち揚げロケットの互換性に関する方針としてEvolved Expandable Launch Vehicleのコンセプトの発表が軍よりシンポジュームであってNASAや軍での打ち揚げ衛星や宇宙船の規格を共通化してどちらのロケットでも選択して使用出来るようにしています。

もともとコロラドには北米防空戦略総司令部がコロラドスプリングスに置かれており、空軍士官学校やソ連との冷戦時代に活躍したNORAD対大陸間弾道ミサイル防空システムなども機能している事から、ロッキードマーチン社を始めボーイング、レイセオン、ノースロップグラマンと言った軍事産業各社やBall Aerospace社の様な宇宙衛星に特化した会社や探査衛星の画像処理専門会社など航空宇宙産業の多くの主要企業が集まっており、こうした航空宇宙関係のシンポジューム等が多く開催されています。

アメリカに於けるピザビジネス:

アメリカの家庭では両親が共働きであったり、また子供に限らず大人もピザが好きな食べ物である、といった状況からピザの製造・販売のビジネスは全米規模の大きな商売となっています。
そのピザのチェーン店毎の売り上げと店舗数の最近の統計が発表されていますが、何と言っても老舗のピザハット店がトップでその店数では全体の11%を占めていて全米での全体の16.6%を売り上げています。
続いて2位ドミノ、そして3位がパパジョーンズ、4位がリトルシーザーズとなっていますが、上位から25位までのチェーン店が店舗数では全体の35.8%を占めていて、売り上げ面では49.3%の販売を行なっています。
しかしながら注目すべきはこうした上位25チェーン店以外に全体の64.2%の店舗数に及ぶ独立店が在って、全体の半分を越える50.7%の売り上げを上げていると言う事です。

こうした独立店では大型のチェーン店と対抗するために価格面での対抗やトッピングの選択幅などで特長を出して対抗しており、いまや大手となったパパジョーンズ店も最初はクレスト生地を練るのにフィルタリングされた水を使用しているのだ、と言う事を特長として店舗数を各地へ伸ばして来ました。
最近我が家では家内のお気に入りでPapa Murphyユsというピザ店のものを食べさせられる事が多くなっています。

この店のピザは店で通常の店のように焼き上げて食べられる状態で売るのではなくて、13インチ程の大型クレストに非常に沢山の材料の中からお客が好みのトッピングを選んで載せて売っているもので、お客は家庭に持ってかえってからアメリカでは何処の家でも有る大型のオーブンで好みに合せて焼き上げる、と言うものです。 アメリカの手抜き料理の得意な主婦のニーズに合っていて全くの出来上がりを買って食べるのではなくて少し家で手をかける所がミソで人気が出ています。
たしかピザはイタリーの食べ物であったと思いましたが、今やアメリカの主要家庭食品となった感が有ります。
最近ではシーフードレストランのチェーン店のレッドロブスター店までもがロブスターの身を多く載せて薄くカリッと焼き上げた小型のピザをメニューに載せはじめて人気が出ているようです。

Front Yard in front of my Home
春を迎える家の前庭:

我が家の前庭の4月30日の様子です。 芝生の真ん中に円形の区切りを付けて、家内が趣味でやっている花壇です。
昨年秋に球根を残しておいたチューリップが延びてきて、間もなく開花しそうな雰囲気ですが、この寒さにちじみ上がっているように見えます。 これからここへ多くの草花を植えようと多くの苗を近くのHomeDept の店から仕入れてきて有りますが、この様子では移植するのは来週の後半となりそうです。
この写真を撮り終えてから雪がまた降ってきました。 それでも今夜の最低気温も摂氏零下2度程度だとTVのニュースが伝えています。
家の前と裏庭の芝生には散水用のスプリンクラーが埋設して有りますので、今度5月5日には業者が来て今年初めての水通しをする予定です。 当初4月28日に行なう予定でしたが、この陽気で凍結するとそのパイプが壊れてしまうので1週間延期してもらいました。

コロラド・スキーカントリー:

ロッキー山脈の多くのスキー場をかかえて冬はスキーヤー天国のコロラド州ですが、最近コロラドのスキー場協会から公表されている数字の幾つかについて紹介します。
各スキー場へ訪れるスキー客数面では全米でもコロラド州が断然トップで、冬のシーズンを通して約1150万人のスキーヤーやスノーボーダーが訪れます。 2位のカリフォルニア州、3位バーモント州、4位ニューヨーク州、そして5位が先の冬季オリンピックが開かれたユタ州となっています。
コロラドへは特にヨーロッパからのスキー客が多く訪れており、DIAへの直行便が飛んでいるイギリスやドイツからの客が多くに上っています。 デンバー空港の乗客の荷物引き取り回転台には通常の荷物用の他に大型のスキー専用の回転台もあって冬季には盛んに利用されています。
また、スキー場の面積においてもコロラド州がダントツで、以下ユタ州、バーモント州、ニューヨーク州となっています。

更に特筆すべき事として、コロラドの各スキー場とユタ州、カリフォルニア州の高地に有るスキー場との標高を比較してみても、コロラドの各スキー場が高地に在ると言う事が分かります。
コロラドの主要国道70号線沿いにあって最もポピュラーなVail スキー場にあってもその標高は11570フィート(3526m)と富士山の9合目位の海抜であり、最も高くに在るArapoahoe BasinやLoveland Ski Areaそして最近開拓が進んで人気の出て来ているBreckenridge スキー場などは標高13000フィート(3962m)とスキー場自体が4000m級の海抜となっています。
当然、雪質は乾燥粉雪パウダースノーで積雪量も十分有り、その上滑降可能な季節が長くにわたります。また、各スキー場の設備も充実しており、長期滞在してのスキー客も多くなっています。

しかしながら、Breckenridgeでは成層圏を飛行する旅客機の機内気圧と同じ程の低い気圧の高地であるために年寄りや心臓や肺機能の弱い人達には危険ですらあり、各スキー場では酸素吸入器の準備などの他にスキーヤーへの注意の呼びかけが為されているほどです。
今シーズンも多くのスキーヤーが訪れて繁盛しているコロラドの各スキー場です。
日本の成田空港からデンバー空港への直行便が往復するようになれば北海道のニセコや信州の白馬などで飽きた日本のスキーヤーやスノーボーダー達も大勢やってきて賑わうようになると思われます。

過去何回と無く冬季オリンピックの会場としてコロラドの名前が出ていますが、その度に地元住民の「大きな騒ぎは望まない、」と言う反対に遭って開催されていません。 ワールドカップのダウンヒル競技のみが頻繁に開催されているのみとなっています。

ジェット戦闘機の訓練機と高速業務用の輸送機を目指して開発中の「 Javelin」:

先のレポートで紹介したデンバーの南に接する小型航空機の空港であるセンテニアル空港を本拠地としてAdam Aircrafts Industries 社とATG(Aviation Technology Group)社の2つのスタートアップのベンチャー航空機会社が活躍していますが、前回Adam 社の近況を報告したので、今回はATG社の最近の活動状況について以下に報告します。
ATG社ではかねてより開発を進めてきている複座の双発ジェットエンジンを積んだジェット戦闘機の訓練用を目指す小型ジェット機Javelin のプロトタイプ機をまとめていましたが、最近その1号機がほぼ完成して2ヶ月以内に最初のテスト飛行を行なう段階となっています。

Javelin はその全長が36フィート(11m)、主翼長さは23フィート(7m)で乗員や燃料を積んでいない機体の重量は3500ポンド(1590kg)といった小型軽量機ですが、最高飛行高度は45000フィート(13716m)「通常の商用旅客機は10500mから11000m」で、その巡航速度は通常の商用旅客機よりも時速で100マイル早いマッハ0.92での飛行を目指しています。
いろいろなテストをこの初号機で行なって、計画では2007年の初旬にFAA(連邦航空局)の認可テストを完了して、同じ2007年後半から顧客への納入を始める事にしています。

このJavelin機の優先用途は軍用のジェット戦闘機の訓練用機としての目的を目指して設計しており、専用の搭載訓練機器を除く基本価格が1機280万ドルと言う低価格での販売を目指しています。
こうした軍用としてはイスラエルのIAI( Israel Aircraft Industries)社がその資金面での援助と製造面での支援を行なう事となっており、Homeland Defense Interceptor と言う名称でのアメリカ本土各地の空域偵察の為の用途としても設計が進んでいます。
ATG社では民間用としても会社役員で自ら操縦して各地を動き回るビジネス用の他に、高速での配送などを目的とする例えば医療での移植用の臓器の運搬とか、天変地異に対応する高速偵察観測用などの業務用としての販売も目指している、としています。
ATG社では既に一機当たり25000ドルの頭金ベースで90機以上の予約注文を受けており、その中の一人には億万長者番付けで常に上位に付けているコンピューターソフトのオラクル社会長である Larry Ellison氏も入っている、としています。

日本ではとっくに桜の季節は終って、早くも初夏の陽気を迎えていることと思います。
こちらでは気が付いて見ると街路樹などでかなり多くの桜の木が植えられていて、4月の中旬になってから一斉に開花しますので改めて気が付いている次第です。
デンバーの街中を南東から北西へ向って流れているCherry Creek 川の両岸にはかなりの数の桜が植えられており、更に新たに植樹されているものも桜の木となっています。

桜といっても日本の「ソメイヨシノ」ではなくて、花がもっと濃いピンク色で、花びらが丈夫なのか一斉に散って花吹雪と言うことはありません。 また、幹自体も日本で見るものとはかなり変わっていますので、多分サクランボの木なのではないかと思っています。
やはり桜は「日本のソメイヨシノ」に限ります。
そうしたこちらの桜も早くも新緑の若葉と変わっていよいよ初夏の風情に一直線です。

そんな近況のコロラドから「コロラド便り」(その31)をお送りしました。
皆さんにおかれましてはこれから活発な活動時期に入りますが健康に気を付けられ元気にお過ごし下さい。


[以上]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2002〜2005 Mike Hagiwara)
 
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