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コロラド便り(その30)
2005年4月1日(金)
萩原 正喜/コロラド

「春は名のみの風の寒さよー」と言った唄が当てはまるような最近のコロラドの陽気ですが、それでも三寒四温で日に日に春に向っていることが感じられる様になっています。
この季節日本では桜の開花とともに杉花粉の飛散で悩まされている人が大勢に上っている事と想像していますが、アメリカでは3月20日からが春の季節の始まる日となっています。
また、春を告げる宗教日セントパトリックデイ(3/17)やイースター(3/27)も終って4月3日(日)の午前2時からは「Day Light Saving Time」が始まって時計の針を一時間進めます。 従ってコロラドと日本の時差は15時間となります。

これから暖房が不要となって通常であれば石油やガスの消費が抑えられ石油製品価格が下がる時期となる時にあって、原油価格の高騰からその経済波及がインフレにつながるとの懸念から米連邦準備銀行では短期貸出し金利を0.25%上げて2.75%としています。 これで昨年の5月以来7回目の引き上げですが、今後どの様な影響が我々の周りで出てくるでしょうか?

一方、毎年冬の間の積雪量によって夏の渇水が問題となるコロラドですが、今シーズンは先に日本でもニュースとして報じられたロスアンゼルス地方の異常な大雨・洪水の天気が北東に移動して来てコロラドロッキーにかかる時に大雪をもたらしました。 こうした大雪が何度も繰り返されたのでロッキー山脈の各山々はその積雪量では標準の約42%を越える積雪量で今年の夏の渇水の心配は無さそうです。
渇水が無いと言うことは森林火事の発生の危険性も下がると言うことで、カリホルニア州ではとんだ大型低気圧による大被害でしたが、コロラドではお陰でホッとしている所です。

ガソリン価格の上昇:

昨年10月に最高値を付けた原油価格が年末に向って下降して来て良かった、と思っていたら再び上昇に転じ高値記録の更新をしてしまいました。
アメリカの場合は日本と異なり政府の備蓄による価格統制が有りませんから原油価格の変動がストレートに自動車用のガソリンの価格に反映するようになっています。
と言う訳で、アメリカの各州内でも比較的価格の安定した標準的な州となっているコロラドでも現在レギュラーガソリン1ガロンが2ドルを越えているのが常識となってなって来ている最近です。

コロラド州では原油や精製ガソリンの供給を主としてテキサス州北西部で産出する原油やカナダのアルバータ州でオイルサンドから産出精製されるガソリンをパイプラインで延々と送られてくるのに依存しているためOPECなどの産出国からの輸入原油取引き価格の影響を直接受ける事無く通常比較的低い安定した価格にとどまっています。
全米平均のレギュラーガソリンの小売価格が1ガロン当たり2.06ドルを示す中にあって、離れ小島のハワイ州では平均で2.44ドルと全米で最も高い価格となっています。
比較対象として同じタイミングでの外国のオランダに於けるレギュラーガソリンの小売価格はビックリの1ガロンあたり6.48ドルとなっており、高いとは言ってもアメリカはまだまだ安いのだ、としています。

1ガロン2.06ドルは換算すると1リッター当たり約57.14円ですから高いと言っても日本に比べればアメリカの消費者はかなり安く購入している事になりそうです。
こうした状態が継続すると燃費が良くて故障の少ない事で定評のあるトヨタの自動車への買い替えがアメリカ国民の中でも進んで私の周囲でもトヨタの車が目立って多くなって来ています。 トヨタや日本車の独壇場と益々なって行く形勢です。

デンバー国際空港が開港10周年:

現在のデンバー国際空港(DIA:Denver International Airport)の運行が1995年2月27日に始まってから今年で10周年を迎えました。
1929年に開港してそれまでの主役を務めて来ていたステイプルトン空港がコロラド州の経済発展による発着便数の増加に伴い手狭となってきていたことから1983年から1991年までの2期デンバー市長を務めたペナ元市長を中心として新しい将来の空港に相応しい施設の建設の計画が立てられ、1989年9月28日にDIAが着工しました。 その後任を次いで1991年から2003年の2期を務めたウエッブ前市長が指揮を執って建設工事が行われ開港に漕ぎ着けましたが、その後現在のヒッケンルーパー市長へとその発展運用が引き継がれ現在に至っています。 実にデンバー市長3代にわたる大事業であったと言えます。

そのメインターミナルの屋根がロッキー山脈を模してテント張りで出来ていると言うユニークさでも有名ですが、土地の整地から始まって新空港を建設したと言うケースはアメリカでは1970年代以降でこのDIAが唯一の事として現在に至っています。
地元ではDIAの愛称で親しまれていますが、IATA(国際旅客航空連盟)での空港標識略称としてはDENとなっており、それまでステイプルトン空港が使用していた記号が引き継がれています。

その後長い間役目を果たしたステイプルトン空港は閉鎖されその広大な跡地を利用して現在では住宅とオフィスビルを中心とする新興住宅商業地区としての開発が進んでいます。
DIAはデンバー市の所有する土地にデンバー市によって建設され、デンバー市が運営に当っている空港で、新空港建設責任者や市の新空港建設委員長共に女性が当っていた事もユニークですが、その後現在でも空港管理責任者やその最大ユーザーであるユナイテット航空の運行責任者も女性が当っています。

総敷地面積53平方マイル(135平方km)と言う広大な土地に現在のところ3600mの滑走路5本と4850mの幅広滑走路1本で運行しており、これから登場する一度に560名から800名の乗客を扱うエアーバス社のスーパージャンボ機の離陸や日本を始めとする東アジアの各国へのノンストップ便の離陸にも備えています。
離発着便数からすると全米で5番目の規模の空港で空港の3方向から同時離発着が可能で何れの滑走路も計器着陸設備が備えられています。
そうした最新鋭の空港設備のお陰で現在のDIAは全米で混雑の多い31の空港の中で定時離発着率ではトップ5位に入る成績であり、定時到着率で1位、定刻発機率では5位となっています。

こうした定刻運行は乗り継ぎ乗客を多く扱うハブ空港としては乗客にとっても非常に重要であり、また併せて各航空会社にとっても離着陸時に混雑していて上空や滑走路上で待たされる事は不要な燃料消費でコストに跳ね返る事や、また空港での駐機料金はゲートに着いてからゲートを離れるまでの時間で起算して現在1機当たり1分間50ドル支払って居る事からやはり効率の良い空港が歓迎されており、そうした意味からもDIAはトップランクに上げられています。
日本の玄関口と言われる成田空港と比べるとこうした面でも大違いと言える高い効率となっています。

また、空港内のあちこちで見かける年寄りの人が主体となっている案内役が活躍していますが、この人達はDEN's Hospitality Ambassador Volunteer Programといって主として既に現役を引退している人達その総勢約600名で構成されるボランテイアの人々による乗客への空港内の案内役で活動しているもので、毎日10万人にも上る乗客へのサービスを無料奉仕で行っています。
また、デンバー空港は2004年の年間に扱った乗降客総数は4200万人ですが、将来の計画では年間1億人までの乗降客を扱う事が今後の発展に応じて更に拡大が可能となる設計となっており、その最終計画では滑走路数12本(現在6本)、5個所のコンコース(現在3個所)、300個所のゲート総数となっています。

現在懸案の最大の建設予定はDIAから昔のステイプルトン空港跡を通ってデンバー市のダウンタウンにある鉄道駅ユニオンステーシヨンを結ぶ高速鉄道の建設と、そして空港敷地内に建設される500部屋を有するホテルの建設で、鉄道に関しては昨年11月の住民投票で建設推進が可決されている事から、今後その建設が推進される事となります。
また、DIAの空港敷地内では現在でも60個所に上る石油や天然ガスの掘削井戸が稼動しており、また農家が契約でその空き地で農業を営んでおり、毎年多くの大麦や冬作物が収穫されており、これらはデンバー市の空港運営収入以外の収入源となっています。

もう一つの大きな収入源としては空港内の駐車場があって、今まで15000台の規模であったのですが常時満杯となってしまっている事から最近新たに増設して34000台まで収容出来るようになりました。 この収入源も大きな金額となっています。
こうしたDIAのコロラド州への経済波及効果の金額試算では昨年一年間で総額170億ドルに達するとされています。

更にデンバー市では国際線の乗り入れ拡大活動を熱心に展開しており、既にヨーロッパへの直行便では9000万ドル、メキシコへの直行便では2500万ドルの経済効果をもたらしておるとしており、現在日本を含む東アジアの各地への直行便の開設に力を入れていますが、その総合経済効果は年間1億4200万ドルに達するとされています。

Ultimate Electronics社の再建:

AV専門店のSoundTrackチェーン店の親会社であるUltimate Electronics社が1月11日にChapter 11(会社更生法)の適用申請を行なった事は先のこのレポートで報告していますが、その後同社より申請に当っての同社の再建計画が発表されています。
同社はコロラド州内のSoundTrack店10店を含めて14州にわたり62店のAV専門店のチェーンを構成している会社ですが、Blockbuster社に続いて全米2番目の規模のレンタルビデオチェーンであるHollywood Entertainment のCEOのMark Wattle 氏がUltimate Electronics社の株式4400万ドルを購入し同社の38%の投票権を所有して再建の指揮を執る事となっています。

また、Hollywood Entertainment社は先にレンタルビデオチェーンで全米3位のMovie Gallery社を買収するという交渉を行なっていますが、その後Blockbuster社はHollywood Entertainment社を以前のオファー金額より26%も高い8億8300万ドルで買収すると言う交渉が始まっており、これによって安い価格でのMovie Galleryの買収を阻止する事をBlockbuster 社が意図しています。

最近公表されたニュースではHollywood Entertainment社ではWattle氏をCEOから解任して、現在Presidentを務めているBruce Giesbrecht氏がCEOに就任する事になっており、Wattle氏は1988年Hollywood Entertainment社を創業していますが、今回4540万ドルの現金と株式とを得て同社を去る事となりました。

なかなか激しいレンタルビデオ業界の複雑な状況ですが、一方Ultimate Electronics社の公表された今後の再建計画の中には次のような項目が折り込まれています。

今年6月30日までにアイオワ州、サウスダコタ州、テキサス州、ユタ州、ミズリー州のカンサスシテイの30店を閉鎖してその従業員900名とデンバーの北のThorntonにある本社の65名を解雇する。
今後もアリゾナ州、カンサス州、ミネソタ州、ネバダ州、ニューメキシコ州、オクラホマ州及びミズリー州のセントルイスの各店は運営を継続する。
コロラド州内のSoundTrack店10店についてどうするかに付いては証券取引き委員会への報告書内では何も触れておらず、またアイダホ州、イリノイ州の各店の扱いに付いても触れていない。

なお、コロラド内に在るUltimate Electronicsの3店に付いてはデンバーの南にあるHighlands Ranchの店を含めてその建屋のリースが間もなくそれぞれ切れる事から既に閉鎖しています。
これらの発表が行なわれて以降の同社の活動は地元新聞の折り込み広告などに注目すると最近従来以上に際立って積極的な活動を展開しており、ここ3週間くらいにわたって立派な大型折り込み広告の配布を行なっており、何か活動の方針転換が計られているのを感じる程です。
今後同社の経営状況が好転してChapter 11 から脱出が出来るかどうかWattle 氏の手腕が試される事となっています。

ビデオレンタルチェーンの買収劇:

全米で最大のビデオレンタルチェーンのブロックバスター社は全米2位のHollywood Entertainment社を昨年11月に買収する事で働きかけていたが、条件が折り合わない事から株式を一株当たり11.50ドル(約総額7億ドル)プラスHollywood Entertainment 社が現在抱えていると推定される負債分3億ドルを支払って買収すると言う今までの条件に同社の経営陣が拒否している財務資産内容を開示してくれればもっと良い条件を提示すると公表しています。

ビデオレンタル業がNetflix 社やWalmartなどの競合相手が出てきて、更にVHSからDVDへの切り替えに遅れをとったBlockbuster社がレンタル専門チェーンを買収して市場での占有率確保をする事により生き残ろうと言う戦略、 今後どうなるか注目の成り行きとなっています。
ちなみに我が家から近くにあるBlockbuster店では最近従来レンタルの中心だったVHSが極端に展示面積を減らして来ており、代わってDVDがその殆どを占めて来ており、完全にメデイアの交代が起こりつつあると言えます。

TVやパソコンの修理が必要となる確立:

最近のコンスーマー・レポート誌の調査によると、25インチから27インチの画面サイズのTVセットは購入してから3年以内に修理を必要とする比率は全体の5%となっている、としている。
そして30インチから36インチの画面サイズのTVセットは修理が必要とする可能性は少ない、としている。
また、デスクトップ・パソコンでの購入後修理が必要となる比率は37%と高い、としている。

アメリカの百万長者の所帯数:

経済紙Wall Street Journalによるとクリントン大統領からブッシュ大統領に代わってその減税政策からアメリカ内の貧富の差が拡大したと言われていますが、アメリカの全所帯で収入や所有財産が1000万ドル以上の所帯数は43万所帯で、この数は1990年の数字に比べて2倍となっているとしています。
最も、最近では「百万長者」(Millionaire)ではなくて「億万長者」(Billionaire)と言うのがかっての大金持の感覚となっています。

犯人を殺傷する事無く動けなくするTaser:

先のこのレポートで紹介した事が有りますが、拳銃型でその引き金を引くと電極が飛び出して高電圧の静電気で犯人を痺れさせてそのショックで殺傷する事無く動けなくして捕り押さえる武器の開発納入を行っているTaser社のその後ですが、昨年末まではその武器の効果的な事から同社の株価は上昇して高値を付けていましたが、その後使用されて殺してしまったり有害である使用例が多く出てきて訴訟を多く受けており今年に入ってから株価が急降下しています。
安全と効果とが紙一重の時代のニーズであると言えそうです。

デンバーのダウンタウンに高層ビルがもう一つ誕生する:

拡張改装成った催事場コロラドコンベンシヨンセンターに合せてその相向いにホテルチェーンのハイアットが運営する事となるコンベンシヨンセンターホテルが現在その建設工事中ですが、今度はコンベンシヨンセンターから3ブロックほどの距離に50階建てで高さがてっぺんのアンテナまでで229mとなるビルが建設される事が最近公表されました。
この場所は現在駐車場となっていて相向いに高級ホテルのHotel Teatroがありますが、この計画では建物の5階から10階までがHotel Teatroグループの経営する120部屋から180部屋を有する5スター級の高級ホテルのFour Seasonsとなって、17階から49階までは個人対象の高級住宅となる予定であるとしています。

現在デンバーのダウンタウンには3つの高層ビルがあって、それぞれ

Republic Plaza 56階 電力・ガスの供給会社Excel Energy 社が代表テナント
Qwest Building 52階 電話会社のQwest 社が代表テナント
Wells Fargo Center 50階 コロラドの一番大きな銀行Wells Fargo が代表テナント

となっていて、それらと同じレベルの高層建築が出現する事となります。
計画では来年2006年早々に着工して完成は2007年末としています。
地下には281台収容する駐車場が造られ地上にも166台分が収容出来る様になるとしています。
建設費は推定で3億5000万ドルでデンバーにあるビルの中では最も高価な物となる予定です。

デンバーも徐々に一流大都市の形態を整えつつありこれから大きな全米規模のイベントや会議などの開催誘致がデンバー市にとって重要な仕事となって来ています。

デンバー地区の鉄道網建設計画:

昨年11月の住民投票で可決されたデンバー地区の鉄道網建設案を受けてデンバー市が中心となってその実行計画の立案作業が始まっています。
特にその実現上で中心となる線路敷設や停車駅に付属する駐車場などの土地収用計画の立案が急がれていて市での現在の最優先作業となっています。
既に一般市民宛てのデンバー周辺に現在建設を予定している鉄道及びバス路線の配置地図が示されていますが、北はボールダー・ロングモント、更にはソーントンの各地区、そして南はローンツリー及びリットルトン、東はデンバー国際空港、西はゴールデンの町へと鉄道を敷設しようと言う広大な計画となっており、この計画の鉄道で最初に実際の電車の運行が始まるのは2013年の末と予測されており、2030年にはこれらの計画が完成する予定となっています。

この計画では基本的にこの沿線の対象住民数は現在11万2000人で2030年迄には25万6000人に増える様になるとその基礎数字では予想されています。
この計画路線の中には既に着工しているところも有りそれぞれに完成期日の優先順位が有りますが、これらが完成した暁にはデンバー地区での自動車による道路混雑渋滞が無くなり車による排出ガスの総量も大幅に低下するようになる事を狙っているわけで、それによってバランスのとれた経済発展がこのデンバー地区で果たせるようにしようと言う計画となっています。

こうした計画にはその用地買収が容易なためか東京のように「地下鉄」と言う話がけっして出てくる事はなく、きまって地上を走る市街電車と言う話になります。
また、線路の為の土地よりも各停車駅に於ける広い駐車場の敷地の確保の方が問題となります。 家から自動車で駅までやって来て、そこに駐車して電車で行く、と言ったスタイルが利用中心となる前提となっています。

コロラド州の企業からの租税収入が大幅増加の見込み:

ここ数年に渉って経済不況の影響を大きく受けてきたコロラド州内の各企業ですが、その業績回復が予想以上に進んでいる事がわかり、まずは新たな雇用人員数の増加が進んでいて、各企業からの業績にリンクする事業税の租税収入は昨年10月から今年の9月までの会計年度において大幅な増収となって、一年前の会計年度に比べて34%もの増収となる事が現在のところ見込まれていると報告されています。

コロラド州政府ではここ数年来の経済不況からその租税収入の大幅落ち込みに対応するために教育関係予算にまで削減の手を付ける金縮財政を政策として実施して来ています。
州の労働局の調査による昨年一月と今年の一月に於ける事業種別の総雇用数の比較数字が示されていますが、唯一情報産業部門だけが未だ雇用の下落を続けているものの他の業種全てにわたって改善されて来ているとしています。
全事業での雇用数変化の平均は2.1%の増加となっていますが、全米での同時期での平均が1.7%の増加であったのでコロラド州での改善が全米に比べて進んでいる事が分かります。

しかしながら、かって1990年代で経験したような州内全体で年間7万人分の雇用の増加を見たのに比べるととても及ばないものの今年度はコロラド内の各企業ともその業績の改善が進むものと確信していると予測される、としています。
従って、各企業からの事業税収入も大幅な増収となって州や市の財政状態も大幅改善する2005年度となるとしています。

お色気路線のHooters 航空がデンバー便を開設:

以前にこのレポートで紹介した事のある、オレンジ色のショートパンツとタンクトップのシャツのウエイトレスのサービスで人気の有るレストラン・チェーンのHooters のオーナーRobert Brooks氏が経営するHooters Airlines 社では3月24日(木)にデンバー空港への航空便を開設しその一番機が乗り入れました。
このHooters Airlines 社はサウスカロライナ州の保養地でゴルフ場の町Mytle を本拠地とする小さな航空会社で、Hootersレストランのウエイトレス「Hooters Girls」と同じ服装のスチュワーデスによる機内サービスを売り物にしています。

同社では機内の乗客椅子を皮張りとし、十分に脚が伸ばせるスペースを設けている事や、本格的な食事サービスを行なっている他、格安な航空運賃を提供しており、「Fun to Fly,Easy to Buy」といったモットーでHooters チェーンのレストランが進出している都市を中心にその航空便の拡大を目指しており、「我々は格安運賃のフロテイア航空やジェットブルー航空と競合するのではなく、独自のお色気路線で乗客に飛行を楽しんでもらいニッチ路線に徹するだ。」としています。

今回開設のデンバー路線は、シカゴのダウンタウンから北西へ90分車で行ったところにあるRockford空港とデンバー空港とを週に4往復便で結ぶもので、ボーイング737―300型の小型機に132席を配置した機体を使用して片道料金が69ドルという格安料金で運行しています。
創立してから2年の航空会社ではありますが既にHooters Airlines ではニューヨークやアトランタを始め12の都市への便を運行しており、未だPrivate Companyであるためその財務内容は公開されていませんが各路線ともに乗客の人気を集めていると言われています。
Hooters レストランとこの航空便との直接の事業関係は無いものの、コロラドには7個所にレストランを開設しており同社では「Denver is Hooters Country」なのだ、と言っています。

航空会社の顧客満足度調査:

マーケテイング会社のJDPowers & Associatesがアメリカの主要航空会社についてその2005年の顧客満足度をそれぞれの乗客に付いてアンケート形式で問い合わせて、チェックインの様子、乗り心地、礼儀作法、飛行スケジュール、乗務員の態度などについて1000点満点で採点してもらった結果が下記のような結果となっています。

航空会社 採点
JetBlue 783
Southwest 702
Delta 692
Alaska Airlines 673
AirTran 672
Continental 668
平均点 664
American 647
US Airways 639
United 637
America West 623
Northwest 618

そして、最もクレームの多かった項目は座席の足を伸ばせる空間が狭すぎる事であったとしています。 こう言った事からするとHooters航空はお色気だけでなく総座席数を増やさず席間隔を十分取っているので人気が有るのかもしれないと言う気がします。
格安運賃のジェットブルーやサウスウエスト航空が上位に付けてアメリカン、ユナイテット、ノースウエストと言った大手航空界社は軒並み平均点以下となっているのもうなずける事と言えそうです。

デンバーをハブとしている格安航空運賃で競争しているフロンテイア航空については、私も何度かデンバーとサンノゼ間で利用しているがなかなか心地よい飛行であった。 この調査では対象とならなかったのでしょうか? また、ユナイテット航空もTed と言う格安運賃で競争の別会社扱いで運行していますが一体このリストの順位採点ではどの当たりにランクされるのでしょうか? 興味のあるところです。

デンバーブロンコスのチェアーリーダーの募集:

プロのアメリカン・フットボールのフィールドサイドでの応援やハーフタイムのアトラクシヨンなどで花を添えるのがチェアーガールの存在であるが、でんばーを本拠地とするアメフトチームであるデンバーブロンコスのチェアーリーダーの募集が行なわれています。
それも何とお色気レストランで有名なHootersの各店でオーデイシヨンをやるのだ、と言う広告が地元新聞のスポーツ欄ページに載っています。

ふくろうのマークでお馴染みのHootersはレストランとしてはChicken Wingsと言っている鶏のから揚げでビールを、と言うのが名物となっていますが、仕事帰りにちょっと寄ってHooters Girls のサービスにChicken Wingsをおつまみにしてビールで気合を上げて明日の活力を養う、と言った嗜好となっています。
コロラド州内にはこのHootersレストランはデンバー地区に4軒、コロラドスプリングスに2軒、北のフォートコリンズの町に1軒と合計7軒が営業しています。
ちょうど、私がちょくちょくコピーを取りに行く24時間営業のKinkos の店の隣が広い駐車場となっていて、その隣がHootersレストランのオローラ店となっています。

昼休み時間にも少し客が入っていますが、夕方から夜となると広い駐車場が車で一杯となるほどの人気で、大型ピックアップトラックやハーレー・デビッドソンのオートバイが何台も停まっているのも見かけます。 明らかにお客は帰りには飲酒運転と言う事になりますが、駐車場の出口で警察が張っていてアルコール濃度をチェックして逮捕などといった事は聞いていません。
デンバー警察も大目に見ていると言う事なのでしょうか?
また、午前中には時々Hooters Girls が大勢揃って駐車場へ出てチェアーリーデイングの練習をしているのを見かけますが、その一糸乱れぬ動作と艶やかさにはKinkosでコピーを取るのを忘れて眺め入ってしまうほどです。
中で客が酔っ払って喧嘩を起こすとか、ピストルを発射すると言ったような物騒な事も聞いていませので、健康なお色気を売り物とするレストランと言った存在を維持して行くために同店では何か苦労して配慮している秘訣が有るのかもしれません。

こうしたお色気企業はどうしても同じレストランとしてはニッチな存在となりますが、経済不況にあまり晒される事も無く堅実な営業成績をどんな時でも上げているものと思われます。

今回のこの「コロラド便り」には3月27日(日)のデンバーのダウンタウンで毎年行われるイースターパレードの様子を出かけて行って撮影して写真でお送りしようと思っていましたが、当日になって気が付いたのですが、今年はパレードは無くてデンバーの南西の山腹の大きな岩山をくり貫いて造った大野外劇場である Coors Red Rocks Amphitheatre にデンバー市民が日の出前から集まって日の出を眺めながらSun Rise Service のみが行われました。

このSun Rise Service は1940年代の前半から毎年行われているものですが、丁度この時期には日の出が観客席から舞台に向って真正面に上がってくるようになっています。 今年は幸い快晴の天候に恵まれ当日は早朝ひどく冷え込んだのですが約1万人に達する人達がこの岩山の野外劇場に集まって祈りをささげたと地元新聞では報じています。
私の方は早朝に出て行く元気が無くてこの様子の撮影も諦めました。 従って残念ながら写真の掲載が今回は出来ませんでした。
次号には頑張ってコロラドのユニークな風景で皆さんに興味を持って頂けそうな題材を選んで事前に撮影して皆さんへお届けしたいと思っています。


[以上]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2002〜2005 Mike Hagiwara)
 
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