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コロラド便り(その27)

2005年1月1日(土)
萩原 正喜/コロラド
註:このコロラド便り(その27)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。
(なお、フォトレタッチは郷さんです。)

2005年明けましてお目出とうございます。
多くの出来事があった2004年も終り、新たなページのカレンダーとともに皆さん元気に明るい新年をお迎えの事と思います。

当地コロラドでは既に雪も何回か降って我が家の裏庭の日の当たらない場所に残った雪がその後好天気が続いているにもかかわらず残ったままとなっています。
また、12月23日には朝から急激に気温が下がって明け方の5時頃には私の住むオローラでは気温が華氏でマイナス5度(摂氏零下22度)と今シーズンの最低気温を記録しました。 雪も少量ながら降って地面が一面に真っ白となりました。 大変厳しい寒さで積もった雪は完全な乾燥粉雪ですのでシャベルの代わりに大型の幅広ブラシュで家の周りの雪かきをしましたが毛糸の手袋の上に皮の手袋をしていたのですが、手が直ぐに凍り付く程痛くなって感じが無くなるので、家へ入って手を暖めてからまた作業する、といった感じでこの寒さにはまいりました。

その後クリスマス以降日中は好天気の毎日ですが毎朝の最低気温は摂氏零度より下がるのが連日となって地面が凍てついたようになっており日中になっても緩みません。
アメリカでの暦の上では12月21日が「First Day of Winter」と言う事で冬の季節の最初の日と言う事になっていますが、11月25日のThanksgiving Dayを過ぎてから以降冬の風情がコロラドでは続いています。

"Support Our Troops" Ribbon
イラクで戦っているアメリカ軍支援リボン:

最近この様なリボンを自動車の後部に着けているのを街で多く見かけます。
いろいろな色のものがありますが、ビニールシートで出来ていて磁気を帯びているので車の鉄板部分に貼り付ける様になっています。
文字は「Support Our Troops」と書かれていて「私はイラクで戦っているアメリカ軍の部隊を支援します。」と言う愛国心の意思表示のリボンとなっています。
イラク戦争へのアメリカ軍の突入時には9・11の同時多発テロ直後であった事も有り、アメリカ議会でもカリフォルニア州の女性下院議員1名のみが反対しただけで圧倒的な賛成多数でサダム・フセイン打倒に突っ走ってしまいました。

現在、落ち着いて考えてみると「一体今回のイラクへの侵攻の大義は何だったのだろうか?」といった反省がどのアメリカ人にも生じています。
しかしながら、今撤退してしまうわけには行かず、連日のテロ攻撃でアメリカ軍兵士の犠牲は積み重なって行きます。 そうした状況に有って理由はいかんせん現在イラク国内でのテロと戦っているアメリカ軍部隊を応援しよう、と言った雰囲気を盛り上げています。
我が家でもベトナム戦争時代に看護婦部隊で従軍していた家内がこのリボンを買ってきて2台の車に着けました。

先の選挙戦で2期めの続投を決めたブッシュ大統領はここのところ頻繁に記者会見を開いていますが、昨年からの積み残しの大きな問題としては、イラクの治安維持と国民選挙の実施が今年出来るかどうか? 巨大に膨らんだアメリカの財政赤字と貿易赤字の双子の赤字の解消策は? 第二次世界大戦終了直後に生まれた人達で人口が突出しているいわゆる団塊の世代の人達が60才に達する事から日本で言う「国民年金」のSocial Security のシステムへの受給者数が急激な増加を5年後には見ることが分かっており、このままではそのシステム維持が財政上から破綻してしまうがどうするのか? などといった厳しい質問が記者達からブッシュ大統領に浴びせられています。
好調な経済維持を最優先としているアメリカ政府にとって大きくて危険な大荷物を背負っての2005年の国家運営となります。

一方イラクに展開しているアメリカ軍部隊の総員数を国民選挙を前に15万に増員する司令に基ずきコロラドのフォートカーソン基地からも大勢の兵士が出陣して行っています。 先のファルージャでの掃討作戦時にもそうでしたが、こうした兵士の中からコロラド州出身の兵士の訃報が地元新聞に掲載される事が多くなりました。 また、先日の12月21日にイラク北部のモスルの米軍基地で兵士達が昼食を摂っている食堂に122mmロケット弾が打ち込まれて米軍兵士15名とイラク兵2名、食堂の職員5名が死亡し、負傷者は66名に及ぶと言うテロ攻撃が起こりましたが、私の家内が趣味でやっている油絵の先生の息子さんが全く同じ部隊でモスルに駐留している、と言う事でこのニュースを聞いて大きく動揺して家内に電話をかけてきて、家内が盛んに慰めているのを聞いて大変身近な事として大きなショックでした。

記者会見でもイラク国境の警備監視をもっと強化して国内に潜入しているテロ組織への兵器や物資、資金などの流入を停めない限り際限無くこうした犠牲が継続するのではないか? と言った質問が発せられています。
そうした事にはおかまいなくカレンダーの方は2005年に入ってしまいましたが、今年はもう少し将来に向って希望が持てる一年に是非なって欲しいと願っています。
2005年の皆さんの元気なご活躍を期待して、以下、今年最初の「コロラド便り」をお届けします。

Hazy Moon in Colorado
コロラドのおぼろ月夜:

コールポーターの唄の「コロラドの月」では冴えわたるコロラドの月を唱っていますが、今回のクリスマスイブには夜空は晴れ上がったのですが、その前の降雪が日中の太陽で蒸発して大気中に漂っていて無風状態で空気は厳しい冷えたままとなっている為に晴れているのにこうした「おぼろ月夜」となりました。
日本では菜の花畑が満開の頃のおぼろ月夜が代表的ですが、コロラドでは真冬の日中好天気の無風時がおぼろ月夜のシーズンです。

コロラド州から中国への輸出が伸長:

コロラド州から外国へ輸出される総金額では今のところカナダが1位で2位がメキシコ、そして日本が3位となっています。
中国は昨年の統計では12位でしたが、ここのところの急速な伸長で2004年では4位となりそうな情勢です。
2003年のコロラド州から中国への輸出は2002年に比べて39%の伸びを示しましたが昨年2004年の10月までの数字で3億1400万ドルとなって2004年に比べ83%の伸びとなっています。

同じ2004年10月までの日本への輸出額は3億1800万ドルであったので非常に接近してきていると言えます。 この調子で行くとこれからの10年以内には中国がコロラド州からの最大輸出国となるものと予想されています。
全米の中国への輸出額の伸びに対して今年のコロラド州からの輸出額の伸びは3倍に達しており、2000年に記録したコロラド州の外国輸出額66億ドルに対して今年2004年は同額か少し越す記録となりそうですが、これは主として中国への輸出の伸長によるところが大きくなっています。

そんなわけで、アメリカ全体での現在の大問題となっている輸入超過による経常収支の大赤字に対してコロラド州の輸出額の大幅伸長は大きな助けとなっていると言えます。
こうしたコロラド州から中国への輸出産品の主たるものは工場の生産にまつわる設備機器及びオフィースの事務機器などの商業にまつわる設備機器が多くを占めており、現在の中国の「まず生産・商業優先の拡大」の中国の政策を反映していると言えます。

こうした政策の次のステップで期待されるものとしては電気・ガス・水道、輸送、通信といった社会インフラの整備に伴う中国の輸入拡大で、例えばコロラドに在る空港の風向きや風速を監視する装置メーカーのCoherent Technologies 社はこうした計測機器の中国輸出がこれから期待できるとしており、CH2M Hill社は2008年の北京オリンピック目指しての各種建設に環境保護面でのアドバイザー業務を請け負っています。
また、コンピューター関連業務ではStorageTek社やMcData社は中国の大企業向けのそのハイエンドのデータ記憶装置の売り込みを熱心に進めています。

McData社では「我々の商品は現在ではまだ中国向けには早すぎる段階にあるが、これから非常に大きな伸びが期待できる。」としており、「中国の市場規模はメキシコの10倍、EU圏諸国の2倍と言ったサイズであるので非常に重要な将来の輸出先と思っている。」としています。
また、外国企業の中国への投資額は昨年11月までで580億ドルに達しているとされていますが、こうした中国への投資は例えばメキシコへの投資の場合は何か事業を始めようとすると全てをアメリカから持って行かなくては始まらないが、中国の場合は何か必要となる場合は全て中国内で調達出来る事が助けとなっているとしている。 ( 中国内で調達出来ないものは殆どが日本から中国へ供給される物資で賄なわれている、と言う事、従ってアメリカから中国へのハイテク投資は日本企業も潤す事となっているわけです。 )

また、従来はアメリカから中国への投資を躊躇される要因として、中国での銀行・金融システムや法務関連、そして知的所有権の保護といった面での問題点が多々有ったわけですが現在ではかなり改善されているとされています。
ちなみにデンバー市は前の市長だったWellington Webb 氏を団長として2001年に交易使節団を派遣してその時に上海にデンバー貿易事務所を開設しておりこうした中国との交易の窓口となっています。
早くコロラド・ビーフの日本での輸入を再開してくれないと中国にその輸出量で追い抜かれてしまいます。



Best Lighting in Aurora ( Night )
Best Lighting in Aurora ( Day Time )
オローラ地区での ベスト・クリスマス電飾の家(夜と昼):

デンバー・オローラ地区でのクリスマスの電飾については毎年地元新聞のRocky Moutain News 紙で調査してプロのグラフィック・デザイナー数人による審査の結果ベスト10の発表を行ない、このシーズンの住民たちの楽しみの一つとなっています。
今年はデンバー・オローラ地区を12の地区に区分して、それぞれの地区でのベスト電飾の家を紹介しています。 また、新聞にも「Holiday Lights」という10ページの紙面を割いて各地区の大きな地図に審査された電飾のされている各家の場所を示しています。
この写真は私の家から2ブロック離れたところに在るPaul Schlotthauerさんの家の様子で昨年のこのレポートでも紹介しましたが、毎年オローラでのベスト電飾に選ばれています。

家全面の他に前の両側にある大きな樹2本とに施したランプの数は合計4万個で「電源のブレーカーは飛ばないのだろうか?」などと心配になるほどの満艦飾で、夜になると車で見物にやって来る人を多数見かけます。 クリスマス前に満艦飾のところを撮影したのですが、手ぶれで良く撮れていなかったので再度クリスマス後に撮影しましたが、家の方のランプが消してあって両側の大きな樹2本のみとなっていました。 大晦日(New Years Eve)にはまた全部点灯すると思うので再度撮影を試みて間に合えばこの写真と差し替えたいと思っています。

もう一つの写真は同じ場所で撮った昼間の様子です。
2本の大きな樹に取り付けられている無数の電飾が見えますが、これらの取り付けには人を乗せる籠が付いている専用クレーン車でランプの取り付け作業をしているところを見かけました。 毎年大変な力の入れ様です。 車庫の前に出てきたTシャツの人がPaul Schlotthauerさんです。

電子パスポートの必要性と危険性:

先のこのレポートでアメリカへの入国の際の審査が指紋採取などを含めて厳しくなる、との報告をしました。また、入国に必要なパスポートに関しても現在では機械読み取りのタイプでないもので入国すると非常に多くの時間のかかる審査を受けなくてはならなくなっています。

当初アメリカ政府は2001年9月11日に起きた同時多発テロ後に制定されたPatriot Act法に基ずいてアメリカ入国時にビザを必要としない国27カ国(日本もその一つ)からの旅行者にたいして昨年の10月からは全て電子読み取り型のパスポートへの切り替えを当初要求していましたが、その後ブッシュ大統領からの通達で今年の10月まで延期しています。

各27カ国での電子読み取りパスポートの準備が整わなかったのも理由の一つですが、アメリカ側の入国審査での対応が整わなかったのも原因となっています。
それとは別に、現在2005年の末までの予定でパスポートのマイクロチップを埋め込んだタイプのもののテスト運用が始まっており、その内容は現在出回っているスマートカードの様なものですが連邦印刷局で制作されてNIST( National Institute of Standard Technology )が性能確認を行なってアメリカの内務省と国家安全局で運用テストを実施して来ています。

このパスポートには氏名、生年月日、性別、上半身のデジタル写真、発行した官庁などのデーターがマイクロチップに納められており、入国審査時にスキャナーにかざすとマイクロチップがそうした情報を発信してスキャナーに送り既に本部に格納して有るデータベースと照合して、先ず正しいパスポートであるかいなかを確認する仕組みとなっています。
このパスポートの認識コードは何層もの暗号化が為されており、それを破られ難い様に為されているわけであるが、上記のような個人識別情報に付いては暗号化されていません。
アメリカ市民権利保護協会ではこうした個人情報が暗号化されていないのは片手落ちで空港などで解読機器を悪用の為に製作して旅行者に接近して読み取られる可能性があって大変危険だ、との指摘が為されています。

こうした情報抜き取り犯罪に対処する方法としてパスポートを納めるホルダーにアルミ箔などの電磁シールドのされたものを使用するなどといった提案も為されています。
現在このパスポート用のマイクロチップはフランスのAxalto社及びSuper Com 社、ドイツのInfinion Technologies社、アメリカのBearingPoint 社の各社にアメリカ政府から合計37万3000ドルの開発費が支給されて検討を進めてきていますが、予定では昨年中にこの内の1社又は2社に絞られて契約が為される事となっており、実際の運用実施は今年早々からまず外交官や政府関係者などを対象としてマイクロチップ埋め込みのパスポートの使用が始まる予定です。

アメリカ政府ではこのマイクロチップ埋め込みのパスポートを国際標準としたい意向ですが、もともと国連の外郭機関のInternational Civil Aviation Organization が電子読み取り型のパスポートの原案を1968年に定めたのが切っ掛けとなっていますが、9・11同時多発テロ以降その入国審査を厳しくしているアメリカに於いて、その審査の確実性、高速処理性などのニーズから考え出されて実用化に移行して行こうとしているわけです。
こうしたアメリカ政府の国際標準化の押し付けに対して各国対応はまちまちでしようが、少なくと日本を含むアメリカへの入国にビザを必要としていない27各国はこのフォーマットへの切り替えを余儀なくされる事となりそうです。

Lighting at Neighbor A
近所のクリスマス電飾(A):

Schlotthauer さんの家に比べるとその規模は遙に及ばないものの我が家の近所で比較的賑やかな電飾を施している家の様子です。 家の前の大きな雪だるまはプラスチックの半透明な材料で出来ているもので中からランプが照明しています。

「Music DVD」と言うメデイア・カテゴリーがその売上げ面で急速な伸長をしている:

DVD-Videoメデイアは元々映画を収納する為に創られたものであるが、最近ではいわゆるハリウッド映画だけでなくTV放送用として制作されたドラマやドキュメンタリーなどの番組をDVD-Videoメデイアに納めての販売が多く出てきている。
それと同様に映画プログラムの代わりに音楽の演奏プログラムを納めたDVD-Musicが今年前半から活発に制作される様になり、今や一つのデイスクメデイア・カテゴリーを形成しつつあります。

地元新聞の芸能欄では2004年中でこうしたDVD-Musicデイスクが1000タイトルもリリースされたとしています。 この数字は2003年のDVD-Musicの売上げの2倍に達するもので、音楽レコード店全米チェーンのVirgin Megastoreの「今週のMusic DVDの売上げトップ10」としてのヒット・チャートのリストも公開されるようになって来ています。
また、2004年に発売されたDVD-Musicデイスクのタイトルからいくつかのプログラムをリストアップしていますがエルトンジョンなどを始め大物歌手の演奏プログラムも多く出るようになりました。

現在では音楽プログラムの業界全体での売り上げに占めるこうしたDVD-Musicは5%にすぎないということですが、来年2005年には更に多くのミュジシアンのタイトルが発売されるようになる見込で、こうした傾向は従来のVideo CDでCDミュ―ジックのプロモーション用としてリリースされていたいわゆるMTVプログラムと異なり、演奏シーンをビデオが主体で納めて演奏会場の雰囲気を楽しみながら音楽をハイファイで聴く、と言う新しいジャンルのもので、DVD-Videoで家庭に急速に普及したDVDプレーヤーや5.1チャンネルの音場再生装置を利用して音楽産業が映画産業に取って代わって大きなビジネスとしようと言うものとなっています。

最近のヒットチャートで10位迄のうち2つのタイトルはCD/DVDとの組み合わせとなっていて、一つのクリアーケースにCDとDVD-Videoのデイスクがそれぞれ1枚ずつ入っていて、CDプレーヤーで音楽が楽しめ、DVDプレーヤーで演奏シーンと音楽が楽しめるようになっています。 ( DVD-Audioのデイスクではありません。)

今までのこうしたMusic-DVDでのヒットとしては、「Linkin Park's Live in Texas」があり80万枚以上の売上げを記録しました。 ハイファイ音楽の最適フォーマットとして開発されたDVD-Audioのデイスクはもう少し各プレーヤーメーカーが頑張ってプレーヤーの普及を計らないと消費者はMusic DVDで満足してしまって何れ消えて行ってしまう可能性が有ります。

Lighting at Neighbor B
近所のクリスマス電飾(B):

我が家の近所で比較的賑やかな電飾を施しているもう一軒の家の様子です。
家の前の小さなツリー3 本がピンク、オレンジと青色に交互に点滅しています。

パソコンショップのMicroCenterの最近の広告から:

「フロアーを全面改装してデイスプレイ専門のコーナーを新設したので来店して欲しい」、と言った内容の広告がそのデイスプレイ展示コーナーの写真を大きく載せて最近の新聞折り込み広告で出てきています。 しかしながら実際には展示されている商品はコンピューター・デイスプレイと言うよりフラットパネル・デイスプレイのHDTV対応TV受信機が主体となっています。

我が家の近くにあるもう一つのパソコンショップのCompUSAでも全く同様ですが、この広告のようにパソコンメーカーの大手Dell ComputerやHP社がTVセットやAV家電商品分野に進出してきていることからパソコン関連商品との垣根が無くなってきており、こうしたとてもパソコンショップの広告とは思えないようなものが発行される事態となってきています。

マイクロソフト社のMediaCenter 戦略も目が離せませんが、とりあえず目前に控えているデジタルTVへの放送の完全移行に備へてHDTV受信機の拡売に力を入れはじめているパソコンショップの近況です。
ちなみにこのMicroCenter店はオハイオ州に本社をもって13州に合計19店を持つパソコンショップのチェーン店でコロラド州ではデンバーの南のデンバーテックセンターの北端に店を持っています。

Ethernetへ直接接続出来るHDD:

どうして今まで気が付かなかったのだろう? と思われる業界では初めてのUARTを内蔵していてEthernetへ直接接続してやはり同じEthernetへ接続されているコンピューター数台でシェアーして使えるデイスクシステムとして動作するハードデイスクドライブがXIMETA社からNetDiskと言う名称で発売されています。

80、120、160、250Gバイトの各モデルが有って、価格は80Gバイトが139.99ドルで250Gバイトが349.99ドルとなっています。
もちろんUSB2.0 ポートも付いていてパソコンの外付け単独記憶装置としても動作する様になっています。 かっての巨大だったEthernet接続ハードデイスクシステムのことを考えると隔世の感が有ります。

ビデオレンタルのブロックバスター社の苦戦:

全米のビデオレンタルのチェーン最大手のブロックバスター社は、市場でのビデオメデイアのVHSからDVDへの移行に乗り遅れて、更に最近ではNetFlix社の様な新形式のDVDレンタルの追い上げや、これからポピュラーとなるケーブルTVでのビデオ・オンデマンド・サービスなどの競合から同社の営業活動が苦しくなってきている様です。

最近の新聞からの情報では、「1999年にブロックバスター社が株式上場を果たして以来30億ドルの累積赤字を計上している。」そして、「 1999年の株式上場以来同社の社長のJohn Antioco氏もらったサラリーとボーナスの総計は1900万ドルに達する。」 としており皮肉タップリの記事となっています。 これも大きな時代の流れと言えそうです。

Denver City Office Lights Up
デンバー市庁舎の電飾:

毎年恒例となっている暮れのデンバーの町を飾るデンバー市庁舎の装飾照明です。
今まではオレンジと赤色の照明でしたが、今シーズンから青色の照明が加わって艶やかさが増しています。 11月25日から点灯して1月2日まで毎晩点灯します。
多くの市民が見物に毎晩やってきて市庁舎前の道路は大変賑やかです。
写真は市庁舎とコロラド州庁舎の間の公園Civic Center Parkの中央当たりに3脚を据えて撮りました。

SoundTrack 店の親会社のUnltimate Electronics 社が破産寸前:

デンバーの北のThorntonの町に本社を置き、コロラド州内に11のAV専門店SoundTrackを含み合せて14州に65店を展開しているUnltimate Electronics社では先の10月末で締めた四半期の決算内容から今年1月末で締める次の四半期まで手持ち資金がその店舗運営にもたないだろうと予測されており、破産申請に伴うChapter 11、会社更生法の適用申請と遅からずなるものとの業界予測となっています。

先のこのレポートでも報告した通り、同社の各店はもともと高級AVシステムの販売でその業容を拡大して来たが、最近では特に同店での稼ぎかしらとなっている大型スクリーンのデジタルTVシステムが大型家電量販店チェーンのBestBuy,CircuitCityといった店でも同一商品が扱われるようになって来ており市場での競争激化となっている事が要因となっています。

一方、今まで同店が得意としていた設置工事を伴う大型システムについてはListenUpとかThe Big Pictureといった小専門店に顧客を奪われており、その上下からの挟み撃ちで売り上げが停滞して昨年の2月から10月末までで合計3110万ドルの継続累積赤字を計上しています。 そして10月末での決算時の手持ち資金は190万ドルとなってしまっているとしています。

この様な状況に対して同社では特に営業不振の店舗の閉鎖や資産の売却、従業員解雇などで早急に2500万ドルの資金調達を計ろうとして建て直しを計ろうとしています。
しかしながら、主要債権者となっているWells Fargo銀行から8130万ドルのローン返済を迫られており、其の中には担保となっている同社の全ての資産の1300万ドルが含まれている、としています。

専門家によると「同店の各店舗の広さは扱っている商品カテゴリーに対して広すぎる。」と指摘されており、要するにListenUpやThe Big Pictureが扱っている商品をBestBuyやCicuitCityの規模の店舗で販売している様なものだ、といった問題点が指摘されています。
AV家電専門店としてコロラドの市場を今まで引っ張って来ただけに今後どうなるか大変気になるところです。

一方、Ultimate Electronicsは大型システムの家庭への取り付け工事を得意とした創業以来のビジネスを展開しており、電話ラインの引き込みやケーブルTVラインの部屋への引き込み、衛星TVのアンテナ設置や信号線の引き込み工事などや、ホームセキュリテイシステムの設置、集中型真空掃除装置の各部屋へのダクトパイプ接続取り付けといった工事などですが、特に新築の家に付いてはUS Homeなどを始めとして全米の25社の建築会社と提携しておりその内の7社は全米のトップ10に入る大手の建設業者となっています。

こうした特に新築の家へのエレクトロニクス関係の取り付け工事は同社のホームシアターの設置や家庭内通信ネットワークの設置面で繁盛しており、特にいまだに継続している家の新築ラッシュには同社の業績面では大きな貢献をしています。
ちなみに比較的大きな新築の家では家の購入総予算の約10%をこうしたエレクトロニクス機器や其の設置に支払っており、Ultimate Electronicsではニッチ市場ではありますがこの事業をBuilding Divisionとして別個の運営にしており今後も期待できる分野となっています。

HDTVセットの年末商戦で購入客は躊躇の段階:

アメリカでは11月25日のThanks Giving Day が年末商戦の皮切りとなっていますが、2006年の地上波TV放送のデジタル移行に伴ってHDTV対応セットが年末商戦の中心と考えられていましたが、顧客の方の購買性向は価格が高い為に躊躇している状況で市場は今一つ盛り上がらない雰囲気となっている様です。
消費者は「購入したいトップ品目に為っている事には変わらないのでX'mas終了後になってからHDTV対応セットの販売価格が下がるのを待っているのだ、」とする業界の見方となっています。

Xユmas商戦開始前の9月、10月、11月の四半期の全体売上げに付いてはCircuitCityでは前年同期に比べて4.3%の減少で、BestBuyでは3.2%の増加となったと報告されています。 また、SoundTrack店では予想していたよりも良くなかった、と言っています。
今年の年末商戦の目玉であるべき大型HDTV対応システムは販売好調なBestBuyも含めて当初各販売店が考えていたより動きが押し並べて不調の様である様です。

BestBuy店では今まで広告や店の展示で全面に押し出していた50インチ、60インチといったHDTV対応モデルを後に下げて40インチ以下の価格的に安価なモデルを主力とする販売方法に早くも舵をとった商戦展開をクリスマス商戦では行っています。
市場調査会社では「こうした大画面HDTV対応システムは市場としては急激に伸びているのは間違い無いが、現在のところ年間10万ドル以上の所得のある家庭が購入していて、それは全体の4%にすぎない。」と言っている。
2005年に入ってこうした動きがどうなるかは大変注目の的であるが、一体どうなるであろうか?

一方、デンバーに2店、そしてボールダーとコロラドスプリングスにそれぞれ1店ずつを開いているListenUp店の展示の様子についてですが、同店はもともと高級Hi-Fi オーデイオ商品の販売・設置を主体とした店としてやってきた店ですが、近年ビデオも繰り込んで高級ホームシアターシステムの設置販売を主体に行っており、JVCの52インチ及び61インチのD-ILA リアープロシステムも展示販売している店ですが現在非常に繁盛している様子です。

こうしたシステム設置の商売が店の事業の大きな部分をその商品が占めているうちはニッチな市場と言えるわけですが、昨年の年末商戦を見る限りでは大型画面のHDTV対応システムはまだニッチ商品に留まっており、本格的な商品分野となるには価格の大幅な低下と地上波デジタルTV放送への全面切り替えとなる2006年末まで時間がかかるのではないかと見られている情勢です。 従って、消費者がその価値を明確に認識する事となる2005年の年末商戦が本格的な勝負時となるものと予想されている現状です。

Giant X'mas Tree
Civic Center Park から見られる巨大なクリスマスツリー電飾:

ビルの屋上へ鉄柱で作られた巨大なクリスマスツリーの電飾です。 Civic Center Park でデンバー市庁舎から右へ90度首を回すと見ることが出来ます。
これらの他にデンバー地区の公共施設での毎年恒例となっている名物電飾としてはデンバー動物園とデンバー植物園が有ります。 どちらも色とりどりな動物や植物の形の電飾がいっぱいでとても今回の「コロラド便り」では紹介しきれません。 また来シーズンのお楽しみとしたいと思います。

アメリカの大口寄付長者番付けと職場での贈り物について:

以前のこのレポートで報告した事が有りましたが、聖書の中に「収入の1割を貧しい人の為に寄進しなさい。」と言う記述が数個所にわたって出てくる事から、アメリカでは一般の人達も含めて教会や慈善団体、学術団体などへの寄付が一般的に行なわれています。
税法上からも寄付した金額は税金控除の対象となる様になっていて寄付を奨励している様です。

クリスマスはこうした寄付の行われる最も盛んな時期ですが、雑誌のビジネスウイーク誌にアメリカでの2000年から2004年の5年間に寄付した金額の番付けが載っています。
何と言っても断然トップはやはりマイクロソフト社のビル・ゲイツ氏で100億8500万ドルと言う気の遠くなるような金額を寄付しています。
2位はインテル社の「半導体のムーアの法則」でお馴染みのゴードン・ムーア夫妻で70億4600万ドル、大型の証券投資で有名なジョージ・ソロス氏が23億100万ドルで4位に入っています。

また、デル。コンピューター社のマイケル・デル夫妻は9億3300万ドルで7位、マイクロソフト社のもう一人の創業者のポール・アレン氏が7億3500万ドルで9位、デパートのWalMart社の創業者で事実上のオーナーであるウオルトン家が6億5000万ドルで10位などとなっています。
ちなみにコロラド州では以前の電話会社のQwest社のCEOなどを務めたアンシュルツ氏が33位に入っています。
こうしたそれぞれの有名人達の所得金額も大したものですが、その寄付金額の巨大さにも驚かされます。

一方、ホリデイシーズンでの一般のアメリカ人を対象とした調査で仕事場での贈り物についての幾つかの調査結果が公表されています。
それによると、勤労者の全体の25%はその上司から贈り物をもらう事を期待しており、全体の28%の人はこのシーズンにその上司宛てに贈り物を購入する積もりでいると言う結果で、この数字は昨シーズンの24%であったのに比べて上昇しています。
そうした人達は平均43ドルを上司への贈り物として使う事を計画しており、全体の50%の人達が同僚への贈り物を購入する事にしています。 昨シーズンが41%であったので同僚への贈り物をする人の比率は上昇しています。 そして同僚への贈り物へ消費する総金額は平均で83ドルとなっています。

この数字は昨シーズンが69ドルであったのに比べて上昇しています。
と言ったような結果となっていますが、家族や親戚、友人などへの贈り物を総合して昨シーズンよりも今シーズンの方が一般的に購買力が向上している、と言えそうです。

多くの天変地異やイラク、イスラエルなどでの攻撃の応酬など何とも大変な2004年でしたが、最後の追い討ちをかけるかのようにスマトラ沖の大地震がとんでもない広範囲の大津波被害をもたらしました。 2005年は是非安穏な一年となって欲しいと願っています。

「杉の会」の皆さんにおかれましてはご家族揃って元気に明るい新年をお迎えの事と思います。
新年の皆さんへのご挨拶を兼ねてこの今年最初の「コロラド便り」をお送りしました。
寒さに向かう折、皆さんには風邪など引かれないように気を付けられ健康第一でお過ごし下さい。
今年一年の皆さんのご健康と活発なご活動をコロラドより祈っております。

「 以上」


 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2002〜2005 Mike Hagiwara)
 
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