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コロラド便り(その26)

2004年12月1日
萩原 正喜/コロラド
註:このコロラド便り(その26)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。
(なお、フォトレタッチは郷さんです。)

月日の経つのは早いもので年内残すところ1ヶ月となりました。 皆さんにはお変わり無く元気にお過ごしの事と思います。
既に報じられています様に、アメリカではブッシュ大統領が先の11月2日の選挙で再選され来年1月初めからブッシュ政権下での第2期目がスタートします。 日本政府としては再度政府首脳間の関係構築をする必要が無くなったのでホッとしているところと思いますが、はたしてこれからのアメリカ政府の政策がどのように実行されて行くのか大変気になるところです。

財政収支と経常収支の大幅な双子の赤字を何とかしないと将来に大きなダメージを与える事となる様相を呈して来てグリーンスパンFRB議長の警告声明などが出され大きな影響を経済界に与えていますが、その選挙公約での「今後の5年間で財政収支赤字額を半減させる」という目標に向ってどのような施策が実行されるのかによってアメリカのみならず日本や中国への影響も大変大きいと言う事で目が離せません。



Costco Membership Super Market
会員制スーパーマーケットCostco:

私の住んでいるオローラ市には会員制のスーパーマーケットが2店あって何れも繁盛していますが、今回の写真での紹介はその2店の状況についての紹介です。
何れも年会費が徴収されるものの購買する品物が他の店に対して格安となっているのがメリットとなっています。 両店のメンバーとなっている私の家内に言わせるとまとめ買いする時にはこうしたメンバー制の店の方が格安となるが、そうでない時には通常のスーパーで買う、と言っています。 また、通常の店と同様に特別セールが行われるのも狙い目だ、としています。

店へ入るには、先ず会員登録が要求されます。 登録手続きは至って簡単で自動車の運転免許証と自分の支払いクレジットカード、又はCostcoメンバーのVISAカードを店の受け付け窓口で登録してメンバー証を発行してもらいます。 そして、店へ入る時にそのメンバーカードを係員へ見せると入店OKです。

買うものをカートに乗せてレジで会員カードを通してから支払いをクレジットカードで行ってカートとともに店を出る時に係員が品物の内容チェックを行ないます。
会員費は年額45ドルで一年に一回登録してあるクレジットカードから引き落とされる仕組みです。

Executive Member(特別会員)という仕組みも有って年会費100ドルを支払えば購入して支払時毎に2%の割引が常時受けられる、と言う事になっています。
大人数の家族の家や小規模のレストランなどをやっていてその食材などをまとめ買いする人などには100ドル支払っても十分に元が取れる、と言うわけです。
如何にも物が豊富で食料・飲料などの一括購入の生活が定着しているアメリカらしい流通システムと言えます。


そうした大きな懸案を残しながら早くも師走に入っていますが、アメリカでの消費者性向は相変わらず以前と同じで「大量消費」が継続しています。 原油の価格高からガソリンが1ガロン2ドル前後と高いまま推移しており、自動車の購入が燃費が良くて故障が少ない日本車への移行が加速しており私の身の周りでもトヨタやホンダの車が目に見えて増えて来ているのを感じます。

2006年にはアメリカでの地上波TV放送が全面デジタルへ移行する事となっており、家庭で現在使用しているTVセットを買い替えるか、ケーブルTVや衛星放送TVへ切り替えをしないとTV放送が受信すら出来なくなると言うことで大きな新市場が形成されそうです。

一方、来年初めのイラクでの自由選挙の実施がうまく行って新たなイラク政府が更に多くの血を流さずにスムースな再建活動がスタート出来るかどうかも我々の日常生活に遠からず大きな影響を与えそうです。 そして、日本では拉致問題の解決を含めた北朝鮮との関係も身近な大問題と言えると思います。

その様ないろいろな課題を抱えながらも2005年にあと1ヶ月を残して突入と目まぐるしい最近の情勢ですが、今年はハリケーンや竜巻の被害や大規模森林火災の影響も少なく、夏の渇水も無くてホットしている年末を迎えるコロラドから最近の様子をお伝えします。

コロラドのスーパーマーケット:

日用の食料や野菜などを扱う店はGrocery Shopと言ってコロラドにはその規模が大小の多くの店があってそれぞれ特長を出して競争していますが日本で言ういわゆる八百屋、肉屋、魚屋といった個人商店は見当たりません。 大規模低価格仕入れして、低価格で多量販売を行って顧客獲得を計ろうと言う事で日本でも同様な事が進行中と言う事だと思います。
今回の写真で紹介している会員制のCostco とSam's Club はその代表的な巨大全米チェーンの店ですが会員制では無い通常の食材や食品を中心とした「大規模八百屋」の形態をなしている店としては;

店名 コロラド州内の店数
Safeway 121
King Soopers 102
Albertosons  73

の3店があり、更にもう少し規模の小さいチェーン店としては;
Wild Oats,Whole Foods,Vitamin Cottage といった店が在ってそれぞれ無農薬野菜や有機肥料農法といった健康食品を売り物として巨大チェーンと競合しています。
かってCub Foods と言う全米チェーンのGrocery Shop がコロラド州内に7店ありましたが人口に比してこうした店の数が多く競争が激しすぎる事からコロラド州内の全店を閉鎖して昨年撤退しています。

King Sooper はその創業者はキングさんでコロラド州内にのみに店舗を持っており最もポピュラーな老舗店でしたが、そのキングさんが亡くなって一昨年に全米チェーンの大手Kroger 社に買収され、店の名前は変える事無く活発な営業活動を展開していますがKroger社の傘下の店となって商品仕入れにもKrogerブランドのものが多く店内に見かけるようになりました。

最近こうしたチェーンGrocery店の従業員で形成している労働組合が給与や健康保険などを含む労働条件の改善について各店のオーナー達との交渉が行なわれて一時は労働組合側はストライキを構え、また経営者側はロックアウトを構えるといった険悪な状態が発生しています。

一時は大変険悪な状況となり各日用品の購入がストップすると言う事で心配されましたが幸いな事に寸前で合意案が成立して店の閉鎖は回避されました。
この様に食料品などの毎日の生活に必要な物はこうした大型チェーン店が一時的にも閉鎖と言うような事になると各チェーンとも共通な労働組合を結成しているだけに全面停止となってしまい深刻な事態となります。 そうかと言って隣の州まで車ではるばる買い出しに行くと言うのも大変です。

そんな訳で各家庭とも長期保存用の大型冷凍庫を備える、と言う事でますます一括購入が進み、会員制の巨大Groceryチェーンが繁盛するといった環境になって来ているようです。
ちなみに我が家でも以前のY2K対応として購入した地下室に大きな冷凍庫があって家内がこうした食料品を車のトランクに一杯になるほど一括購入してきて冷凍庫を満杯にしておくと言った事になっています。 従って毎日必要なだけを購入して新鮮な物を食す、と言った生活から遠くなってしまっています。



Costco Entrance & Exit
Costco 店の出入り口:

先ずはCostcoからですが、広大な敷地に途方も無く広い平屋の建物の中に日用の生鮮食品を始めとして豊富な果物や野菜、そしてバラエテイに富んだチルド食品など広範囲ないわゆるグロサリー食品類の他に内部には薬局及び薬品コーナー、眼鏡屋、AV商品、DVD映画デイスク、書籍類、白物家電商品、工具類や衣類などほとんど何でも日用品は揃っていると言うまさにスーパーマーケットです。
そしてそれらが高い棚に天井まで届くほど通路両側に高く積まれていて、地震が無い土地だから可能といった状況です。

写真に写っている2台の自動車は出入り口で野外展示販売している何れも新車で、時々メーカーや車種が変わり、仕様規格の看板やカタログも用意されており、お客がドアーを開けて内部へ入って自由に見ることも出来るようになっています。


デンバーでの犯罪の増加とゴミの処理量の増加について:

急速な経済発展による人口増加はその良い面が大きく伝えられますが、反面良くない事も併せて増加するものです。
コロラド州は数年前までは全米一の経済発展を遂げて、それに伴う他の州からの新しい仕事を求めての人口流入によって急激な人口増加となりました。
こうした人口増加とともに社会問題となるのが犯罪の増加とゴミの処理量の増加ですが、最近地元新聞ではこれらの事に付いて取り上げています。

それによるとデンバー市警察が公表している年代別の1月から5月までの間に発生し重傷者を出したギャングによる犯罪の発生件数では、昨年の同時期で33件であったのが今年では50件と急上昇しています。
また、殺人事件についてはデンバー市全体で昨年31件であったのが35件と増加しています。

その内ギャングに関連している件数は昨年9件であったのが7件と少し低下していますが、人口の他州からの移動に伴ってギャング達も移ってくるといった状況で2001年以前から徐々に増加してきていたのがデンバー市警察のギャング団の封じ込め作戦が効果を挙げはじめていると思いたい数値となっています。 また、組織的犯罪に関しては、FBIならぬ CBI( Colorado Bureau of Investigation )と言う特別組織を州警察では持っていて州全体や隣接州との関連した犯罪に対しての対応をしています。

もともとアメリカにはピストルや銃が一般に満ち溢れているのがそもそものこれらの原因ではありますが、ギャングだけでなく普通の市民の奥さんが旦那をピストルで射殺してしまった、と言うような事件も起こっており「Wild Wild West」のコロラドと言う感がさせられる最近です。

一方、コロラド州の各家庭から出されるゴミや建設廃材、産業廃棄物などの総量を年代別に見ると1995年は450万トンであったのが年を追って急上昇しており、昨年2003年では724万トンとなっており2002年が750万トンであったのでここへ来て少し減少に転じていますが、経済的な不況に依って産業廃棄物の量が減少したためだ、としています。
コロラド州の2002年の総人口は450万6542人でゴミ全体の内の家庭から出るゴミの量は505万1132トンとなっているので、州民一人当たり1トン強を年間出している事になります。

私の住んでいるオローラ市では日本では常識となっている分別回収は行われておらず、週に1回いろいろな種類のゴミをいっしょくたにした大きなゴミ箱を家の前の道端に出して置くと大きなゴミ回収車が来てまとめて持ってゆきます。
特に夏の庭の芝生を刈った時や落ち葉の季節など別途に出したビニールの大きな袋に数袋を各家から一緒に回収しますので全体では大変な量となると想像されます。

また、全米平均とコロラド州の平均とでは2002年の統計で住民一人当たりコロラド州は1.12トンで全米平均では1.31トンとなっており、平均より少し少ない数字となっていますが、こうしたゴミのリサイクルと言う面では全米平均では26.7%となっているのに対しコロラド州ではわずか2.8%で、全米ではゴミの7.7%がエネルギーとして工場で処理されているのに対しコロラド州ではゼロとなっています。

それに比較してコロラドではゴミの97.2%が埋め立てに使われているのに全米平均では65.6%となっています。 まだまだそうした埋め立てる土地がコロラドにはふんだんに有るので費用をかけてそれを処理する工場施設を建設するに至っていないと言う事の様です。



Costco Tire Center
Costco店の自動車タイヤの販売コーナー:

自動車本体のみならずタイヤの販売も行っています。
写真は自分の車を持ち込んでタイヤを新しいものと交換するガレージとなっており、内部で買い物をしている間にホイールバランスやアラインメントを含めてタイヤ交換をしてくれる様になっています。
たまたまタイヤ特別セール実施中で巨大なタイヤの風船がこのタイヤセンターの前に飾られてお客の目を引いていました。


コロラドに在ったウラン鉱山と精製工場:

ロッキー山脈の西山麓の町Grand Junctionから100マイル程南へ下がった山中にはUravan という名前の土地が在り、かって原子爆弾の開発に使用されたウラニュームの精製を行なっていました。

もともと1921年からStandard Chemical と言う会社が周囲の鉱山から掘り出される鉱石からラジウムを精製しており当時の米大統領だったWarren Hardingがラジウム1グラム当たり12万5000ドルと言う高値で政府として買い上げるのに対応していたのですが、それを大手のユニオンカーバイト社が1928年に買収して本格的なウラニュームの事業化を始めたのが切っ掛けで1943年からはアメリカ政府での原子爆弾開発計画のマンハッタン・プロジェクトへ主要供給元となっています。

日本の広島や長崎へ投下された原子爆弾の原料はこのUravanから供給されました。
また、ソ連との冷戦時代にはアメリカ原子力委員会(AEC)がこのUravanから産出精製されたウラニュームを全量買い上げて備蓄を行なっていましたが、その後アメリカの原子力発電所での燃料として使用されています。
その後1983年にはこの精製工場からの大気汚染が発見されコロラド州がユニオンカーバイト社を訴えるといった事態になっています。 そして、遂に1984年にはこの施設は完全閉鎖となり今日に至っています。

2001年にはダウケミカル社がこのユニオンカーバイト社を買収して世界第2位の規模の化学会社が誕生しており、現在では精製工場の建物を含め取り壊されて平地となっており、2棟の当時の小屋がその名残を残すだけとなっています。
この様にコロラドはアメリカ大陸の東西からの圧縮によって隆起したロッキー山脈が中央を走っている事から良きに付け、悪しに付け掘れば何か出てくる、といった環境に在り、現在でもそれらの跡が各地に残されています。

デンバーに在った原子爆弾の原料製造工場:

デンバーの北西には広大なRocky Flat と言う名前の地区が在って、その周囲はWildlife Refugeと呼ばれる野生動植物保護地区となっていて人が全く住んでいない広大な場所が在ります。
かって原子爆弾や原子力発電用のウランの精製工場が在った場所で、水素爆弾の起爆剤となるプルトニュームの精製も行っていました。
現在ではその操業を停止していますが、残されているプルトニュームが現在でも多量に貯蔵されており、
アメリカエネルギー省の管理となっていて一般の人はもちろん立ち入り禁止区域となっています。

現在こうしたプルトニュームはニューメキシコ州にある処理場で順次処理される事となっていますがその移動輸送には特殊な大型容器を特殊運搬トレーラーで国道25号線を重警備のもとに延々と輸送して行く事となり、エネルギー省では2006年までには全てのプルトニュームの移動を終えて工場跡を野生動植物保護区の一部となるようにとの計画になっていますが、以前に一度この陸上輸送が行なわれましたが、2001年の9・11同時多発テロが有って以来テロ活動の対象となると言う事で中止されています。

この地域が余りにもデンバーの街から近くにある為現在でも警戒区域となっていてその周辺警備が継続して行われています。
デンバーの町はそうした事で北西方面には発展する事が出来ず南や東南へと開発が進んで来ています。
現在ではアメリカ全体の原子力発電の拡大は以前の3マイル・アイランドの事故があって以来停止されていますが、こうした今までの残存物の処理が現在でも問題として身近に大きく残されています。



Costco Gas Station
Costco店にあるガソリン・スタンド:

広大な駐車場を挟んで建物と反対側に在るガソリン・スタンドです。
価格が市内の各ガソリンスタンドより価格が安くなっているので石油製品が高騰している最近ですので会員の人達の利用が大変活発です。

もちろん会員のみが利用出来て当然セルフサービスで誰も係員はおりません。 何かの時にはボタンを押すと係員がやってくる、といった仕組みとなっています。
買い物に来た時についでに車も満タンにして行くといった調子です。


コロラドのヘリウムガス製造工場:

ヘリウムガスと言うと水素に次いで軽量でなお且つ水素のように爆発する危険が無い、と言う事で風船や飛行船に使われる、と言う認識ですが、地中からの汲み上げたガスから精製して製造されています。
アメリカではその生産量はワイオミング州が最大で全米の約60%を産出しています。
そしてカンサス州、テキサス州、オクラホマ州に次いでコロラド州は5位の産出をしています。

場所は国道70号線を東へカンサス州との州境に近い場所に在るCheyenne Wellsと言う場所に巨大な精製工場が在ってたったの12名の従業員で操業されていますが、年間で1億2000万立方フィートのヘリウムガスの生産が行なわれています。
この量は全米年間生産のたったの1%ですが、このカンサス州との境に近い場所には全米でも最大のヘリウムガスの埋蔵量が有るとされており、将来は現在最も産出しているワイオミング州の埋蔵量を取りつくした後は全米でもここが最大の産出をして供給するようになると予想されています。

アメリカに於けるヘリウムガスの用途別の比率は工業・科学面ではラジオゾンデの高空観測用の気球や宇宙へのロケット打ち揚げ時に機体の内部に充填されて強度増加と共に軽量化を計ると言う事が実施されています。 また、ヘリウムはニオビウム、タンタル、チタン、ジルコンなどの希金属の製造にも不可欠なものとなっています。 こうした工業・化学面での用途には全体の約18%が消費されています。

また、医療用としてはMRIなどの磁界形成の超伝導コイルの冷却用や、またスキューバーダイビングのタンク、病院での酸素吸入用としては酸素の流れをスムースにするためにヘリウムが少量混入されており、これらの医療用にも全体の約18%が消費されています。
その外にアルゴンなどと併用して特殊な溶接作業にも使用されますが全体の16%が使われています。

そして風船、気球や飛行船などには14%、通信用の光ファイバーの製造にも不可欠なものとなっており9%の消費となっています。
と言う事で何気なく日常風船などで使われているヘリウムガスがどうやって作られるかと言う事も興味を引きますが、何処で製造されているのか、と言う事も始めて知りました。
このコロラドのヘリウムガス工場はDuke Energy 社が運営していますが、周囲が畑と牧場だけの土地でそれ以外は何も無いプレーリー平原ですが、所属するCheyenne郡には事業税として昨年は71万2000ドルを納めており、これは郡の総租税収入の14.2%に当たっています。



Costco Gas Pump
Costco店の環境を考えた最新のガソリンポンプ:

スタンドに設置されているガソリンポンプです。 ホースのノズルで車に給油した後にノズルに残っているガソリン数滴が地面にこぼれる、と言ったことが無い様に設計されている最新型のガソリンポンプで「地球に優しいポンプです」と言っています。 たしかに全米のガソリンスタンドでそれぞれ僅かずつでも残ったガソリンを地面にこぼしているとしたら全米の毎日の給油を考えると膨大なロスとなっている、と言うものです。

まずCostco の会員カードをスキャンさせて、会員カードのVISAカードで支払うか、別のクレジットカードで支払うかを入力して、認証が終えたら無鉛レギュラー、無鉛ハイオク、スーパープレミアムの選択を入力しホースノズルを外してレバーを引けば給油状態となります。

ガソリンが車のタンクに満タンとなれば自動的に検出して給油がストップします。
ノズルをポンプに戻すと領収書が印刷されて出てきて終了します。
これと同じタイプのLast Droplessガソリン給油ポンプは市内のガソリンスタンドでも最近では見かけるようになってきていますが、Costcoではいち早く採用しています。

犯人を殺傷する事無く動けなくする拳銃:

アメリカでは犯罪を犯す犯人が銃砲を所有している事が多くそれを取り締る警察官も命懸けと言う事で対応処置として拳銃を発砲する事が多く、過剰防衛ではないかと言う議論が後になってから生ずる事が多くあります。 また、犯人をその発砲に依って殺してしまって後での調査に支障を来たすと言う事も多々発生しています。
また、飛行中の航空機内部でのハイジャック犯への対応等のように発砲する事に依って機体が破損して乗客全体が危険にさらされる様な場合についての対抗処置もなかなか難しいものです。

この様な時に、犯人を殺傷する事無く動けなくする事が出来れば理想的と言う事になります。 この様な武器をNonlethal Weapon 呼んで、警察やFBI更には陸軍、そして航空会社や警備会社等からの強い需要が有ります。
以前のこのレポートで報告した事がありますがシカゴに在るTaser International社では先に発射とともに導体が犯人に向けて飛び出し5万ボルトという高電圧の静電気を発生させ、そのショックで犯人が動けなくなる、といった拳銃の形をした携帯武器M26型を開発し広くこうした機関での使用が始まっています。

今回同社では現在のモデルの改良型として新たにX26型を発表しています。
この新型では装置の内蔵電池のサイズが著しく小さく軽量となり携帯しやすくなっている事と高電圧の出力波形を変更した事に依って犯人に与える静電気エネルギーが従来のものは1.76ジュールであったのが新型では0.36ジュールと少なくなっているにもかかわらずその効果は3倍くらいアップしていると言うもので、従来のものでは心臓病などの有る犯人に対しては殺してしまう可能性があったが、今回の新型では心臓のペースメーカーのパルス幅に対して出力パルスは200分の1と言う事で大丈夫としています。

こうした高圧静電気を使用する他に強力レーザービームを発射すると言った武器の開発も進行しており、こちらの方は大規模なプロジェクトとしてはアメリカ軍の進めているもので、ミサイル攻撃に対抗してレーザービームでそれを打ち落とす、と言うものでそのままこれを人に照射すれば文字通り「殺人光線」ですが、日本でも「北朝鮮からのミサイル攻撃」に対してはこうした大規模レーザービーム発射装置がパトリオット迎撃ミサイルよりも有効と言う気がします。
こうした国家的な規模の他にもっと小規模の武器として開発が各種の必要な用途に向けて進められています。

例えば、イラクでのファルージャ攻撃のような市街戦に使用出来るような規模のもので射程距離が700m位いと言ったものや、Tasers 社の物をさらに大型強力としたもので高電圧静電気と同時にイオン化したガスやプラズマもターゲットに向って一緒に打出すと言う「ショック・ライフル」と呼ばれる射程距離3mといった短距離での障害物の破壊に使用するものが地雷や車両の攻撃用として開発が進んでいます。
更に大型のものとしては大型輸送機に高エネルギー・レーザーを発生する装置を積載しており、攻撃ミサイルの捕捉システムとともに連動してそのレーザービームで打ち落とす、といった航空機もアメリカ空軍とボーイング社との間で開発が進んでいます。

この様にアメリカでの防衛システムや警護武器はますますハイテク化し高度なものとなって来ていますが、人間爆弾となって活発化するイラクやイスラエル等でのテロ攻撃には世界一の軍事大国のアメリカでも手のほどこし様がない、と言った昨今の状況と言えそうです。


Sam's Club Entrance
会員制スーパーマーケットSam's Club :

Costcoとならんでもう一つの会員制のスーパーマーケットとしてSam's Clubが在ります。
Sam's Club は全米一の規模を有する全米チェーンのデパート店のWalMart傘下の会員制スーパーです。
以前は年会費がCostcoより安かったので多くのお客で賑わっていましたが、現在では同額の45ドルとなって顧客を2分しています。 最近ではCostcoと比べてヒスパニック系のお客が多くなっている様に感じます。

ガソリンスタンドは運営していませんが、薬局、眼鏡店、タイヤショップなどはCostcoと同様に運営しており、内部の販売商品についても殆ど同様なバラエテイを持っています。
私の家内はCostcoだけでなくSam's Club の会員にもなっていますが、「少しずつブランドや商品内容が異なり、特に特別売り出し商品については注目していて、欲しいと思うものの選択範囲が広がるからだ。」と言っています。

しかしながら、商品自体の内容面ではCostcoと同様でまとめ買いするアメリカ人に合ったスーパーマーケットであると言えます。 私の住むオローラの町にはこの2店のスーパーが在って互いに競い合っているという状況です。


アメリカ航空各社の苦戦:

US Airways 社とUnited Airlines 社そしてAirTranAirways社、Hawaiian Airlines社とアメリカでの航空主要4社が先に破産状態に入って会社更正法の適用下での会社経営再建に務めて早くも2年が経過しましたが、新たに今度アメリカ3位の航空会社Delta Airlnes社が会社更正法の適用申請をするのではないかと心配されましたが、どうにか今回は回避出来た様ですが相変わらず非常に危うい状態が継続しています。

2001年の同時多発テロ時に急速に低下した乗客数も現在では以前の状態に戻って、私はコロラドと日本との往復にユナイテット航空を利用していますが、毎年乗客数の減少する2月や11月に於いてもデンバー・シアトル間やデンバー・サンフランシスコ間の国内線や成田との国際線の区間でも何時も満席でとても乗客数の低減と言う事は感じられない状況です。

最近の原油価格の高騰はジェット燃料の高騰に直接リンクして航空各社にそのしわ寄せがかかっていますが、それにも増して航空各社の乗客数確保の為の低額運賃競争が航空各社に困難を与えて居ると言われています。 そうしたことから各航空界社では乗客一人当たりを輸送するのに要するコストを低減してコスト力を強める事に依って競合を計る事に務めています。
今年の7月から9月迄の四半期のアメリカの主要航空各社の決算での損益を眺めると下記の様になっています。

AirTranAirways
−980万ドル
Alaska Air Group
+ 7920万ドル
America West Airlines
−4710万ドル
American Airlines
−2億1400万ドル
Continental Airlines
−1600万ドル
Delta Airlines
−6億4600万ドル
FLYi Inc.
−8270万ドル
Frontier Airlines
−210万ドル
JetBlue Airways
+842万ドル
Midwest Air Group
−1340万ドル
Northwest Airlines
−4600万ドル
Southwest Airlines
+1億1900万ドル
United Airlines
−2億7400万ドル
US Airways
−2億3200万ドル

数字の頭に+が付いているのが黒字で、−が付いているのが赤字を示しています。

既に会社更正法での再建に努めているUS AirwaysとUnited Airlines社は依然として大赤字を示していますが、破産こそしていないがユナイテットと営業規模でトップを競っているAmerican Airlinesや3位のDelta Airlines社もそれぞれ多額な赤字となっている事が分かります。 そして小額ながら黒字を示しているのは格安運賃で頑張っているJetBlue Airways とSouthwest Airlines そしてアラスカへの便で特殊性を発揮しているAlaska Air Groupの3社だけとなっています。

毎週日曜日に配達される新聞に折り込まれている小冊子にTravel Smart(賢い旅の仕方)と言う欄が有って最近の記事で「もし自分の利用している航空会社が倒産したら?」といった解説が載っています。
それによりますと、

(1) 航空券を購入する時にクレジットカードで購入するのが最も良い方法で、その航空券が未使用のうちにその航空会社が営業停止したとしてもその支払いは保護されてその支払い済み通知書が発行されてから60日以上経過後にその取り消し要求をする事が出来る。
(2) 旅行キャンセル保険も防御の一種ですが、殆どの保険会社は既に会社更正法適用のされている航空会社の航空券には対応しません。
(3) ユナイテット航空のマイレージ・プラスの様ないわゆるFrequent Flyer Programに関してはその航空会社がその有効性を停止と発表したところで全て無効となります。
従って今までに貯めたマイル数を早急に利用してしまうか、共同運行を行っているアライアンス航空界社への切り替えを計った方が得策です。
(4) その航空界社が営業停止寸前での貴方の航空券の同じルートを持つ航空界社への切り替えは試してみて価値があります。
2001年9・11以来法律が改正されて同じルートの便を持っている航空界社はその乗客が片道20ドルの追加料金を払えばスタンバイとして登録して運ぶ義務が有るからです。
しかしながら、この法律は今年の11月で期限が切れるので延長が決まらない限りこの11月末で無効となります。
そして、最も良い方法は財務的に良好な航空会社を選んで航空券を購入する事です、としています。



Sam's Club Parking
駐車場から見たSam's Club の全景:

Sam's Club店の前に広がっている広大なスペースの駐車場から眺めた建物の全景です。
建物の方も広大な平屋で内部にはCostco店と同様な商品がうず高く積み上げて陳列されています。

大きな冷蔵庫と格納スペースを持ったアメリカの家庭が週に1、2回纏めて購入して来るといった習慣に合わせた会員制のスーパーマーケットと言えます。
入り口を入った直ぐのところがその時期の目玉商品を展示するコーナーとなっていますが、11月末のThanksgiving Day を皮切りとするホリデイ・シーズンに合せて贈答品の展示が行なわれる時期となってきています。

新手の「海外おれおれ詐欺」の警告:

日本で流行っていた「おれ、おれ詐欺」に対する認識が日本国内では高まって効果が下がって来た事から海外での新手の物が特にアメリカの西海岸での実被害として報道され、デンバーに在る日本総領事館からの在留邦人向けのE-Mailで警告が最近通達されています。

以前には日本での物と類似で電話による在留邦人を狙ったものでしたが、最近の手口は下記の様に直接の対話で在留日本人や日本からの旅行者を対象としているものです。
より悪質になって来ていると言えますが、海外への観光旅行をされる皆さんへの御参考までに以下に紹介します。

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ロサンゼルス(米国):日本人による寸借詐欺
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1. 昨今、ビバリーヒルズ、ウェスト・ハリウッド、リトル東京及びメルローズ等の観光地において、小柄な若い日本人女性が「ロサンゼルスを旅行中に(スリ、強盗、置き引き等の)犯罪の被害に遭ってしまい、旅券、所持金及びクレジットカードを失って困っている。日本にいる親は外国に旅行していて連絡が取れず、総領事館でも(休館日等で)助けて貰えなかった。」などと涙ながらに述べて日本人旅行者や在留邦人に言葉巧みに近づき、ウソの本邦連絡先などを渡して安心させるという手口の、いわゆる寸借詐欺が散見されています。なお、被害に遭った方の情報による犯人像は以下のとおりです。

(1)年齢 20代前半
(2)身長 155センチ前後
(3)頭髪 黒髪で肩くらいまでの長さ(パーマとの情報もあり)
(4)服装 若干派手で、露出度の高い服装の場合もある
(5)その他 ピアスやタトゥーがあるとの情報もある
2. このような女性に出会った場合には、もう一度総領事館に連絡するように伝えるか、海外旅行保険やクレジットカード会社に連絡して支援を求めるように伝え、くれぐれも慎重に対処することを強くお勧めします。
3. また、総領事館としては、犯罪被害に遭って一時的な困窮状態に陥った日本人に対しては、休館日か否かにかかわらず、必要に応じて警察への被害届出に関するアドバイス、日本のご親族との連絡及び旅券再発給等の支援をしております。」


イラクやイスラエルでの惨状や台風や大地震による大被害など、何かいやな事ばかりが記憶に残る2004年となりましたが、来年2005年はもっとの多くの明るいニュースが聞ける年となって欲しいと願っております。
これから寒さが厳しくなる季節を迎えますが、皆さんには元気でお過ごし頂きますようコロラドより祈っております。


[以上]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2004 Mike Hagiwara)
 
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