コロラド便り(その25)
註:このコロラド便り(その25)には、萩原さんがご自分で撮影された写真を掲載しました。写真下の解説文と共にご覧ください。
(なお、フォトレタッチは郷さんです。) |
何故か最近特に月日の経つのが早く感じますが、今年も残すところ2ヶ月となりました。
私の住んでいるオローラ市では街路樹で特に多いメープルツリーの葉が紅葉して、既にかなり量の落ち葉が道路端や庭に積もる様になりました。
朝晩の気温もさすがにまだ氷点下とはなりませんが、ジャンパーを出して羽織るようになっています。 今まで活躍した屋根の上のスワンプクーラーの水抜きをしてカバーで覆う作業や、庭の芝生の今年最後の芝刈りをして、散水するスプリンクラーの水抜きを行い氷結して壊れないようにするWinterize作業を行ないました。
Grand Mesa Byway
グランドメサの脇道:
10月8日、9日、10日と2泊3日かけて家内と次女そして犬2匹とを車に乗せてロッキー山脈を越えてその西山麓へドライブして来ました。
今回の写真はその時に撮影したものからの一部です。
初日は国道70号線を西へ一気に250マイル(400km)走ってユタ州との州境に近いGrand Junctionの町で一泊しましたが、町から70号線を少し東へ戻ったところの両側はコロラド川に長期間かけて侵食されて絶壁になっていますが、その崖の切れ目をぬって登る脇道が建設されており、南のMesaの町へ向かう州道65号線Grand
Mesa Bywayの途中の光景です。
両側が柔らかい岩と土砂で形成されている崖となっていて道に沿って流れている小川で長い間かけて侵食されて出来た事が分かります。
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10月31日はハロウイーンでカボチャの中味をくり貫いて目・鼻・口などの形に切り抜いた中にロウソクを灯して飾るお祭りのしきたりですが、子供たちが小悪魔のコスチュームを纏って各家を周って「Trick
or Treat」と掛け声をあげながらキャンデーやチョコレートを貰って歩く風習も残っています。
併せて、10月31日の午前2時でアメリカではDay Light Saving Time(夏時間)が終了して時計を一時間遅らせています。 これにより日本とコロラドの時差は16時間となり日本の朝9時がコロラドでは前日の夕方5時となります。
現在アメリカでの最大の関心事は何と言っても11月2日のErection Dayでの米大統領選挙の結果ですが、ブッシュ現職大統領とケリー現上院議員との接戦が伝えられており、今のところその成り行きが五分五分と言うところですが、前回の大統領選挙と同様に今回もフロリダ州での両候補の得票が山を分ける事となると伝えられています。
コロラド州はもともと共和党の地盤でブッシュ優勢となるところですが、今回の各メデイアの調査結果では、浮動票が多くを占めており現在のところどちらに軍配が上がるか不明な全米の10州の一つに今回は上げられています。
新聞の政治諷刺マンガでは「The Undecided States of America(U.S.A.)」と言う事でコロラドを含む勢力分布未定の10州が描かれています。
Colorado River Valley
コロラド川で形成された渓谷:
有名なグランドキャニオンはコロラド川が形成した峡谷ですが、そのはるか上流のグランドジャンクシヨンの町の少し上流の地区の脇道Grand
Mesa Bywayを山へかなり登ったところから眺めた光景です。
はるか先に左右に連なって見えるのがコロラド川が侵食して出来た絶壁の連なりで、右から左へとコロラド川は流れています。
この周辺一体は大昔は海底であったとのことで塩の層が地表から100mから200mに有って川の水での侵食が早い為にこの様な川筋に沿って両側が絶壁となり易いのだという事です。
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デンバー地区の鉄道強化政策の住民投票:
11月2日のElection Dayには大統領選挙の選挙人の選出や上下両院の議員選出とともにデンバー地区での懸案事項に関する住民投票も同時に行われます。今回のデンバー地区の重要案件として「Fast
Tracks」議案があって4A号議案として住民投票にかけられます。
4A議案の推進派の宣伝広告がTVや新聞、ダイレクトメールなどを使って「投票日には4AにYesと投票しよう」と宣伝しています。
4A号議案は、現在のデンバー地区での交通ラッシュへの対応として市外電車の拡張や専用高速鉄道の新規建設、そして市バス運行の強化などを含む公共輸送機関の拡大を計って朝夕のラッシュ解消のみならず自動車の排気ガスによる大気汚染を防止しよう、と言う事で今後の20年間でデンバー地区で予想される90万人の人口増加、55万人分の雇用促進計画などの経済発展の為にはこうした鉄道による輸送力強化が不可欠で地区全体の340万人の人達で10ドルの買い物をした時に4セントの特別消費税を徴収する事で実現させよう、と言う内容となっているものです。
「全体の計画を推進するには一年着工が遅れるごとに1億6000万ドル工費が上昇するので、もはや待ってはいられない」と有権者達に訴えています。
この計画ではデンバーのユニオン・ステーシヨンとデンバー空港とを結ぶ鉄道や更には北のボールダーやロングモントの町からデンバーを結ぶ鉄道を含む総延長119マイル(191km)に及ぶ高速鉄道線や市外電車線の新設を予定しており、そして高速バスサービスの新設などに依って自家用車による通勤の足に頼らないで交通ラッシュ緩和を実現しようとするものです。
Colorado River Valley−Left
コロラド川で形成された渓谷の左側の光景:
前記の写真と同じ場所から撮った左側に続く風景です。 この辺りはまだ標高がそれ程高くないのでアスペンツリーが10月9日でもまだ真黄色に色付いている中を抜けて道路を登って来ました。
途中で野生の鹿が道を横切るのを見かけました。
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ジョージタウン・ループ鉄道に新しいスポンサー:
前回のレポートで紹介したデンバーより西へ向かう昔建設された鉄道でロッキー山脈越えの最も険しい急勾配を登るGeorgeTownの町とSilver
Plume の町の間を結ぶ部分は現在観光専門の鉄道として存続営業して来ています。
その運営をしているGeorgeTown Loop Railroad 社と鉄道施設のオーナーであるColorado Histric Society
との契約が今年いっぱいで切れることから契約更新の話し合いが為されていましたが、蒸気機関車や設備の維持に多額の費用がかかり過ぎることから話し合いが難航しており、今シーズンの10月31日で終了する運行を最後に来年の運行再開が危ぶまれていましたが、今回新たにニューヨーク州のCape
Vincentに在るRailstar 社との来年以降の契約がまとまり存続運営される事となりました。
契約は10年間の運営を任せると言うもので、更にその後の10年間の契約継続をオプシヨンとしています。 と言う事で皆さんが来年のシーズンにコロラド観光にこられても今まで通り蒸気機関車に牽引されて急勾配を登るジョージタウン・ループ鉄道は運行されています。
トレーラートラック丸ごと調べるX線装置:
アメリカへの輸入貨物の約90%は港へ入る船に依って運ばれて来ます。 残りの10%は空路航空機と陸路のトラック輸送で行われています。 これらの積み荷に不審な物が含まれていないか、また輸入禁止物が入っていないかを調べることはなかなか大変です。
特にNAFTA条約がアメリカ・カナダ・メキシコ間で締結されてから3国間の陸上交通による輸送が盛んとなって、コロラド州では州を南北に縦断している国道25号線と287号線とは大型のトレーラーによる輸送が活発で、特にメキシコからカナダへの輸送の動脈となっています。
こうした陸上輸送の盛んとなって来ている事に伴って、トレーラーによるメキシコからの麻薬など禁輸品の大量持ち込みや密入国者の運搬などの摘発が行なわれています。
最近ではトレーラーのタイヤの中に多量の麻薬が隠されているのを犬によるチェックで発見したという事件が有りました。
こうした国境でのトレーラーやコンテナー・トラックの検査の為に大型トレーラートラックを丸ごと調べることが出来るX線検査装置をカリフォルニア州Sunneyvaleに在るAracore社が開発しました。
停まっているトラックを装置自体が移動しながら内部に持っている600万ボルトの加速装置による強力X線でスキャンしながら中味を調べるもので6mの長さのトラックを30秒以内で検査完了することが出来るとしています。
検査精度は5mmの分解能で35cmの鉄板も通過する様になっており、更に強力な性能としたいときにはガンマ線の発射装置を取り付けて2倍以上の透視力と出来る事もオプシヨンで準備されています。
米税関・国境管理局の立ち会いのテスト結果ではコンテナートラックの98%について有効であったとしています。
こうして人間の出入りだけでなく貨物の入国にも大変な精力を使って防衛するアメリカですが、トレーラーに密入国者が大勢入っていたりなどしたら、強力X線やガンマ線でおかしくなって人道問題ともなりかねません。
ちなみにこのAracore社のEagleシステムは今年の雑誌R&D Magazineの年一回の開発コンテストで首位の栄冠を勝ち取っています。
Grand Mesa Skyway
州道60号線沿いのスカイウエイの村から南西の光景:
道端に並んでいるアスペンツリー越しに南西を眺めた風景。
先方に見える連峰はロッキーの南西に連なる山脈です。
ちなみにSkywayと言うのはGrand Mesa Bywayの途中の最も標高の高い所に在る村の名前でスキー場なども在りますし、キャンピングエリアも多く設けられており、周辺の山々へのハイキングコースの起点ともなっています。
ロッキー山脈の中央部や東山麓部と異なり熊やマウンテインライオンなどの猛獣がいないのでハイキングには比較的安全な場所となっています。
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ウエストを細めるメニュー:
太りすぎを国民皆んなが気にしているアメリカですが、地元新聞の日曜版にお医者さんが担当して健康に関するヒントを毎週載せている記事が載っています。
最近の記事からですが「ウエストを細めるメニュー」と言うタイトルでステーキハウスで食べる時、日本食レストランで食べる時、そしてイタリアン、メキシカンのレストランで食べる時についての注意をそれぞれ述べています。
日本食では「寿司を食べるのは悪いことではない。 それは蛋白質が多く低脂肪であるからで」そして「大豆( Soy Beans)から始める」と記述されています。
多分枝豆の事だと思えますが、まさか納豆巻きの事ではないと思います。 枝豆がビールのつまみなのだということをこのお医者さんは知らないようで寿司の前菜なのだと思っているようです。
日本食ステーキハウス(鉄板焼き屋のこと)へ行った時は「肉ではなく何か魚を注文して、彼等が出してくる料理の半分を食べるようにすると良い。」 (残りはドギーバッグにして持って帰る?)などと記述されていますが、そんな思いをしてまでレストランで食べなくても良いのではないかと言う感じがします。
食べないのが一番のウエストを細めるのに効果的と思うのですが、アメリカではかなり真剣な議論なのです。
ユナイテット航空の会社更生法からの脱却作戦:
現在、会社更生法の適用を受けて経営の建て直しを計っているユナイテット航空では、アメリカ国内線の航空運賃の激しい価格競争から新たにTED Airlines
という格安航空運賃に対応した子会社を発足させていますが、ユナイテット航空本体の営業政策として低価格運賃の競争に対応する体質が急速には作れない為、会社再建に向けての4項目の基本方針を打出す事となりました。
(1)価格競争の厳しい国内線の客席数を12%減少させる。
(2)比較的競争力の有る国際線の客席数を14%増加させる。
(3)今年8月現在で運用している523機の航空機数を455機に減少させる。
(4)現在子会社のUnitedExpressが運用している地方の短距離便の今年8月現在での運用機数を207機から266機に増加させる。
国内線での客席数の減少は便数の減少にも直結しているのでハブ空港での乗り継ぎの便利さが損なわれる可能性も含んでおり、これらがユナイテット航空の業績アップ貢献にどの程度効果を発揮するか注目されています。
国際線では特に営業成績の良好なアジア線の日本や中国への総座席数の拡充が中心となり、格安料金のTED航空ではメキシコ及びカリブ海の各国への座席数の拡充が行なわれます。
併せてインターネットのユナイテット航空のWeb経由で航空券の購入する顧客への優遇サービスの差別化として空港のチケットカウンターで購入する場合は10ドルの手数料を徴収し、ユナイテット航空へ電話で航空券の購入をする場合は5ドルの手数料を徴収するように最近切り変えており、インターネットでの航空券の購入を奨励しています。
Grand Mesa Skyway−Left
スカイウエイの村から南の光景:
前の写真と同じ場所から撮った左側へ続く風景です。 この場所は突き出た高台で300度の眺望が可能となっており、ここからは道は下りの一本道で比較的人口の多いDeltaの町へと続いています。
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オートバイのホンダから自動車のホンダ、そしてジェット機のホンダへ:
小型ジェットエンジンの開発・製造・販売でジェットエンジンの大手のGE社とホンダが提携する、と言うニュースが以前に伝えられていますが、それに併せて本田技研が小型ビジネスジェット機の製造販売に乗出す、と言うニュースが伝えられています。
ホンダでは最近その「Honda Jet」という名称の小型ビジネスジェット機の初号機の試験飛行に成功したとしており、HF118型の自社製のターボファン・ジェットエンジンを積んだ双発の操縦士2名と乗客4名とを乗せる航空機で、エンジンを両主翼の上側に積んでいるユニークな構造となっており、これにより高速飛行時の抵抗を少なくして運行経済性を高めている、としています。
またこの構造は胴体へのエンジンマウントを必要としないので通常の構造のものより30%以上の客室空間が稼げている、と言っています。
ホンダの発表ではこのモデルの最も大きな特長は燃料の経済性であるとしており、このホンダ特有の主翼形状は他の競合するビジネスジェット機の40%少ない燃料消費の飛行を可能とすると言っています。
ホンダではこの開発研究を1986年から開始しており、今回のテスト飛行はノースカロライナ州 に在るPiedmont Triad 国際空港を使って行われました。
このHF118型のエンジンを連邦航空局の認可を得て広く他社へも販売する為にGE社の協力を得ている、と伝えています。
ビジネス用の航空機もスピードが要求されるようになり、またジェットエンジンの信頼性の高まりや保守の手間がかからなくなった事からいよいよビジネスジェット時代の到来と言うことですが、ホンダがこれに参入したと言う事は日本にとって念願の航空機ビジネスの発端が示された、と言ってよいと思います。
ボーイング7E7ドリームライナーのその後:
2006年からの量産入り、2008年からの出荷計画で高い運行経済性と快適な乗り心地とを目指して次世代の中型旅客機としてボーイング社が製造準備を行なっているボーイング7E7ドリームライナーは今年4月に日本のANA(全日空)から50機の大口受注を得てから他の顧客からの受注の話が途絶えていましたが、10月に入ってラスベガスを拠点としている小航空会社のPrimaris
Airlines 社から20機の受注を受けた事が発表されました。 更に15機の追加発注をその契約ではオプシヨンとしていると言う事です。
Primaris航空では航空機の全席がビジネスクラスでなお且つ格安料金でのサービスを特長としている航空会社でこの7E7―8型で約150席のビジネスクラスのみとする予定です。(標準の場合はファースト、ビジネス、エコノミーの3クラスで合計217席となっている。)
Primaris航空では来年から737―800型を使ってロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴなどの主要都市とラスベガスとを接続するビジネス専用低価格運賃のサービスを始める予定で、2006年には外国との便の開設も準備している、としています。
アメリカではユナイテット、アメリカン、デルタといった大航空会社が軒並み経営面で大苦戦をしている中にあって、こうした小航空会社からの新型機の発注が先行するのは当然の情勢だ、との業界筋の反応となっています。
この7E7Dreamlinerはここのところエアーバス社に押されっぱなしのボーイング社が中型旅客機で再起を狙うエース機として準備を進めているもので、機体は複合材料を主体として使用する構造で、胴体を含む機体全体の57%が積層カーボン複合材で構成しており、残り24%がアルミ合金、11%がチタン合金、そしてたったの8%が鋼鉄という構成となっており、これらのカーボン複合材は日本のメーカーが供給する事となっています。
200名から250名の乗客を乗せて航続距離13300kmから14900kmを今までの機種に比べて15%から20%少ない燃料消費で飛行することが出来る予定となっています。
その双発のジェットエンジンはGE社とロールスロイス社とが供給する新規設計の低燃費、低ノイズのものが使用されます。
客席は現行の各機種よりも大型な窓となっており、頭上の収納棚も大型となり、更に客室内の気圧調整も現行のものが海抜8000フィート(2438m)相当という低い気圧に保たれているのに対し、6000フィート(1828m)相当と高めとなっており、空気フィルターも最新式のもので匂い吸収能力を高めて更に適切な湿度も加えるようになっています。
モデルとして3機種が計画されており;
7E7−8型: |
客席数217席(1st,Business,Economy)
航続距離9800マイル(15768km) |
7E7−3型: |
客席数239席(Business,Economy)
航続距離4000マイル(6436km) |
7E7−9型: |
客席数257席(1st,Business,Economy)
航続距離9500マイル(15285km) |
となっています。
ちなみに現在の最も長距離のルートはシンガポール航空がアメリカ東海岸のニュージャージー州Newark空港からシンガポールまでの10357マイル(16664km)をノンストップの運行を行なっていますが、これにはこの7E7は対応出来ない事になります。
従来であるとアメリカの大航空会社がこうした新型機の大口顧客となるのですが、現在大航空会社は軒並み経理面で大苦戦となっており、現状打開が最優先課題でありとても新型機の購入の話などしていられない状況であるのでボーイング社としてもこの7E7型機の売り込みには30社に及ぶ航空会社と打合せをしているが厳しい状況であるものの、こうした予測発注を累計すると600機以上の数となるとしています。
2007年の夏の最初の航空会社での運行開始時までには500機の注文が獲得出来るものとボーイング社では楽観視していると言っています。
Grand Mesa Skyway−Right
スカイウエイの村から西の光景:
前々の写真と同じ場所から撮った右側に続く風景です。 アスペンツリーだけでなくメープルツリーなどの紅葉も混ざってなかなかの眺めでした。
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エアータクシー会社から小型ジェット機の受注:
デンバーの南に在るCentennial空港に本社を構えているスタートアップの航空機製造会社のAdam Aircraft社は先のプロペラ・ツイン・ピストンエンジンのA500型に続いて開発したツインジェットエンジンのA700型小型旅客機の連邦航空局の審査を来年早々に受ける準備を行なっています。
今回やはりスタートアップ会社である「リムジンを頼む気軽さでジェット機で送迎」と言う事をフィーチャーにしたいわゆるエアータクシー会社 iFly Air
Taxiから A700型75機の受注を得たと伝えています。
このiFly 社はコネチカット州Stratfordに本社を置く会社で来年中にこのA700型機25機を使って通常の小型ジェット機をチャーターする料金の半額の料金で利用出来るエアータクシー事業を始める事にしています。
社長はPeople Express Airlines 社の創業者のDonald Burr 氏でデンバー空港を本拠地としている現在のFrontier
Airlinesの前身の会社を買収して破格の安い航空運賃での営業を1985年に始めましたが、急激な事業拡張をしすぎて1987年にContinental
Airlinesに買収されたと言う経過を経ています。 会長には元のアメリカン航空の社長だったBob Crandall 氏を据えています。
一方、受注したAdam Aircraft社は社長がRick Adam氏で設計技術担当副社長のDennis Olcott氏との2人3脚で現在300名の従業員でA500型及び
A700型の製造を行なっています。
A700型機は双胴の尾翼を持つユニークな機体のツインジェットエンジン機で座席数は6席のモデルと8席のモデルとが有り購入客が選択出来る様になっています。
最高巡航速度は毎時391マイル(時速630km)で最高飛行高度は41000フィート(12500m)、最初のテスト飛行を昨年の7月に行っています。
価格は一機200万ドルとなっています。
今回の i Fly社からの受注総金額は1億5000万ドルに達しますがこれを契機としてAdam Aircraft社では広く受注獲得作戦の展開と製造力の拡張強化を計る計画としています。
A700型機の原形は極く最近宇宙空間への往復飛行を2回連続して成功させ懸賞賞金を獲得した事で話題となったSpaceShipOne の原形設計を行なったBurt
Rutan 氏の手になるもので、当初胴体の前後にプロペラとピストンエンジンとを配したユニークな機体のA500型でスタートし、そのジェットエンジン設計のバージョンがこのA700型機となっています。
ちなみにこのBurt Rutan 氏は自作のプロペラ機で無給油での最初の無着陸世界一周を以前に成し遂げた事で一躍有名となった人物です。
Road to Independence Pass
分水嶺インデペンデンス峠への道:
2日目は国道70号線を少しロッキー山脈の方へ戻ったGlenwood Springsの町で一泊して翌日州道82号線をアスペンの町へと向い、更にロッキーの分水嶺のインデペンデンス峠へと向いました。
途中は道の両側が写真の様にアスペンツリーの群生で覆われており、真黄色になった葉に覆われた中をドライブするのはなかなかのものでした。
この写真の場所より登るとアスペンツリーはもはや枯れ葉も落ちて丸坊主の白い幹だけが並んでいる、と言う光景でやはり9月の10日から25日の間に来ないと全山黄葉といった光景は見られません。
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コロラドのATG社とイスラエル軍需会社とが最新鋭ジェット練習機を開発:
デンバーの南のCentennial空港に本社を置くスタートアップ会社のATG(Aviation Technology Group)社は軍用の複座ジェット練習機の設計、開発、製造、販売に関してイスラエルの軍需産業大手のIsrael
Aircraft Industries社と提携して推進する事をラスベガスで10月12日から開かれていたNational Business Aviation
協会の年次総会で発表しました。
もともとこのジェット機は民間のビジネス用としてATG社が開発して同社のニューメキシコ州のアルバカーキー工場で製造に入る予定にしているもので、それをベースに軍用の最新鋭の機能を有する練習機として仕上げようと言う計画です。
この開発に当たってはIAI社から計画に見合った投資資金及び開発基金を提供されると言う条件での推進提携する事になり2007年初に連邦航空局の審査合格を目指しています。
また、その後の製造についてはATG社はアルバカーキーの工場で、また併せてIAI社のイスラエル工場でも製造を行なう事にしています。
現在のアメリカ軍が有するジェット練習機は25年から40年前に製作されたもので何れも旧式となって来ておりF−15やF−16といった最新の戦闘機のパイロット養成の為には適合しなくなって来ています。
更に政府の予算の削減により購入予算が制限されている事から、最新鋭の機能を有しながら価格が低く抑えられている練習機の必要性が高まっている情勢に有ると言えます。
現在ATG社で準備している商用の複座で5万フィート(15240m)の最高飛行高度を有する「Javelin」機を軍の練習機用として再設計して価格を抑えながら軍の要望に合った機能を折り込めるようにすると言う計画です。
ちなみに商用のJavelinの価格は250万ドルですが、軍用練習機能の内容に依って価格は大きく変るものの約2倍の一機500万ドルといった価格となり、現在の競合する練習機は約一機1200万ドルしている状況です。
アメリカ空軍などの顧客の他にイスラエル、スペイン、トルコ等の空軍など約12カ国以上の国の空軍が対象顧客となる他、商用としてはGE社やロッキード・マーチン社等も顧客となる予定となっています。
ATG社は1998年にアメリカ空軍のパイロットだったGeorge Bye 氏によって創設されたスタートアップの会社で現在その本社には55名の社員で構成されていますが、この軍用練習機の製造に入ると主要製造工場として約500名の雇用を行なう事にしており、初期はアルバカーキー工場で商用と一緒に製造開始する予定ですが、直ぐに軍用の専用工場を設けるとしており現在その場所を探していると言っています。
ATG社のアルバカーキー工場の建設に当たっては地元のニューメキシコ州では事業税の割引分も含めて1000万ドルの優遇措置を講じているので、新しい軍用練習機の新工場の場所選定に当たっては多分立地条件の他にこうしたインセンテイブが決め手となると予測されています。
いずれにしても、こうした最新鋭のジェット機の開発設計から試作、生産まで多くの専門性が要求されると思うが創立したばかりの小会社がこの様に手がけて行くのは実にアメリカならではの状況という感じがします。
Independence Pass getting close
インデペンデンス峠が近ずいて来ました:
州道82号線は分水嶺のインデペンデンス峠を挟んでリゾートタウンのアスペンの町と昔の銀の採掘鉱山町のLeadvilleとを接いでいる山岳道路ですが、冬の期間は積雪が多いのと凍結する事から閉鎖となります。
標高が高くなるにしたがってアスペンツリーは無くなり、アメリカ杉の樹林帯となります。
峠の周辺の峯峰は何れも海抜4000mを越える高さで先の9月21日の降雪が各峰を覆っていました。
道はこれから先も舗装路ですが急勾配となり崖縁に沿っての一車線のみの交互通行の部分も何個所か出て来ます。 ドライバーとしては緊張を強いられる部分へ入ります。
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米陸軍・海軍の次世代偵察航空機の開発受注をコロラドのロッキード・マーチン社が獲得:
米陸軍が2010年から、海軍が2012年から運用に入る計画で推進する次世代のインテリジェント偵察機の入札競争がロッキード・マーチン社のコロラドのデンバーの南西に在るDeer
Creek Canyon事業所とNorthrop Grumman社のAurora事業所との間で争われていましたが、ロッキード・マーチン社が受注契約を獲得したと伝えられています。
この計画はACS ( Aerial Common Sensor )プログラムと言う名称で受注金額は初期予算が8億7900万ドルで5年半にわたる事業総額は70億ドルにのぼるものと推定されているものです。
古くはロッキード社のU−2機があり現在でもNASAの超高空飛行研究用として使われており、更に超高速偵察機として1998年まで活躍したSR−71型機もロッキード社の製作によるものです。
今回の受注獲得したモデルはブラジルに拠点を置くEmbraer社のERJ−145型機をベースモデルとして使用し最新型のハイテク偵察通信機器を内蔵装備させるもので、高度37000フィート(11278m)で時速400マイル(644km
/ 時)の速度での偵察活動が出来る様設計されるものです。
米陸軍ではこのACS機を38機、海軍では19機を終身で購入する計画となっています。
当初ビジネスジェット機で定評の在るGulfstream 機をベースとするACSを提案していたNorthrop Grumman社の方が優勢と見られていましたが、今回の発表でロッキード・マーチン社が逆転獲得した事となりました。
ロッキード・マーチン社のコロラド事業所ではこのプログラム全体の40%の仕事はコロラド内で行われる事となり、この事業によりハイテク技術者200から300名の雇用創出となるとしています。
日本でも北朝鮮のミサイルやスパイ船活動の監視にこうしたハイテク偵察機のニーズが高まっていると思われるが、将来にわたって次世代の高度な偵察機能を有する航空機の装備は偵察衛星とともに日本にとって不可欠なものでこうした開発計画も参考となるのではないかと思われます。
Independence Pass
ロッキーの分水嶺インデペンデンス峠:
Continental Divide(アメリカ大陸の分水嶺)に在るインデペンデンス峠です。
峠の部分は開けて広い平らな土地となっており、広い駐車スペースも設けられています。
峠の標識の前にハーレーデイビッドソンが駐車していました。
峠の標高が12098フィート(3687m)で富士山の九合目位いでしょうか。さすがに空気が薄いのが感じられる高さです。
この峠を越えるとあとは下りの一本道でLeadvilleの町を抜けてFriscoの町で国道70号線に乗りアイゼンハワートンネルを抜けて一路東へデンバーへと無事帰って来ました。
時期はベストシーズンを少し過ぎていましたが色とりどりなロッキー山脈の風景を満喫した2泊3日のドライブでした。
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11月に入って大イベントの大統領選挙が終了して新たなアメリカのこれからの4年間の方向が決まると、もうすぐに11月25日のThanksgiving
Day(感謝祭)です。 そして、年末のクリスマスへ向けてもう年内Holiday Seasonの始まりです。
10月31日にDaylight Saving Time(夏時間)が終って一時間時計を遅らせても我が家で飼っている2匹の犬(14才の雄のスカイテリアと3才半の雌のジャーマン・シェパード)はそんな事に気付かずに今までの時計のままで朝5時だった朝食の要求と午後4時半だった散歩の要求をします。
人間は観念的に時間を制御出来ても動物はそうはいかないので、人間の方が動物に日常生活を合せて行かざるを得ないといった矛盾を感じる季節です。 夏時間の制度の無い日本の生活の方が自然なのかもしれません。
朝夕は冷え込む時期に入っています。 皆さん風邪など引かぬよう気を付けられ元気にお過ごし下さい。
[以上]
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