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コロラド便り(その22)
11月2日のElection Dayに行われるアメリカ大統領選挙を目指して共和党現職大統領のブッシュ陣営と民主党ケリー陣営との選挙戦が白熱してきています。 そうした中にあって、民主党全国大会が7月26日からボストンで4日間にわたって開催されケリー氏が民主党の正式な大統領候補に選出されましたが、それに合せてケリー民主党大統領候補とエドワーズ副大統領候補の地方遊説の旅のスタートが7月23日にデンバーのFillmoreオーデイトリアムでその3500席を埋める支持者達を集めて切られました。 もともとコロラド州は共和党が強い地盤であるためその対抗に今回の遊説のトップの場所に選ばれたと推測されていますが、今回のキャンペーンではコロラド州の後、アイオワ州、オハイオ州、フロリダ州、ペンシルベニア州、そしてマサチューセッツ州のボストンでの民主党大会へと民主党の弱い地盤を回る遊説となりました。 ケリー候補は1943年12月11日生れでこのレポートでも以前に紹介した私の住んでいるオローラ市に在ったFitzsimons陸軍病院で生まれています。 この現在はコロラド大学の医学部の健康科学センターとなっている建物内に彼自身立ち寄って生憎の雨天であったにもかかわらず集まった大勢の支持者達の歓迎を受けています。 と、言う事で彼の産まれたコロラドからアメリカ誕生の地ボストンまでの「Freedom Trail」と名付けたこのキャンペーンではJohn KerryとJohn Edwardsの2人のジョンが遊説各地で得票まとめの訴えが行われました。 一方の共和党のブッシュ大統領とチェイニー副大統領はコロラドにあるFort Carson陸軍基地や北米空域総司令部などを訪問のため比較的頻繁にコロラドへは来ており、今回は何時選挙キャンペーンで来る事になるのか分かっていません。 どちらが勝利するかは今の所ハッキリしませんが、ケリー候補が勝つ事になると以前のクリントン大統領の時のように遠慮無く対日通商圧力が強まる事となることが予想され、折角築いた小泉・ブッシュ関係も御破算となるので日本としてはブッシュ現職大統領に勝ってもらいたい所ですが、一体どうなるでしょうか。
アメリカの総人口が3億に近ずいている:
となっています。 (意外と人種間の混血の比率が少ない。)
Tattered Cover Book Store の新しい店が開店: 前回のレポートの挿入写真で紹介したタッタードカバー書店ですが、同店は全米チェーンの書店ですが前回紹介のCherryCreek ショッピングモール沿いの店とデンバーのダウンタウンにそれぞれ1店ずつ2店舗をコロラドに有しており、その2店のオーナーはJoyce Meskis と言う女性で経営者となっています。 同店では今年の11月開店を目指してデンバーの南西の外れにある新興高級住宅地のHighland Ranch 地区に新しい店の準備を現在進めています。 今まで何も無かったところを開拓して都市計画に基ずく住宅地が建設されたハイランドランチ地区ですが現在では約8万人を越える人口となって地区の中心にあるHighland Ranch Town Centerと言う名称のショッピングセンターには多くの小売業の店が進出して繁盛しています。 Tattered Cover Book Store も約2年間に及ぶ市場調査の結果この場所へ新規店舗を出す事を決めたと言う事で、在庫書籍数は約15万タイトルと他の2店と同じ規模になり、従業員は45から50名となるとしています。 インターネットでの販売などで書籍の安売りが盛んとなってきていますが、同店では価格を崩さず書店のアカデミックな雰囲気と一緒に書籍を販売する、と言う方針で営業を行なってきていますが、多くの固定客を有しており、今後新規店ではこうした固定客が掴めるかどうかが鍵となると思われます。 サッカー専用スタジアムの建設: アメリカではもともとフットボールと言うとアメリカン・フットボールの事となっていてサッカーは今までは殆ど人気が有りませんでしたが、先に女子サッカー・ワールドカップでアメリカチームが優勝したり、また最近ヒスパニック人口が増加してきている事などが理由と思われますが、現在ではプロサッカーリーグも運営されていて、Eastern ConferenceとWestern Conferenceそれぞれ各5チームが結成されていてデンバーにもColorado Rapidsというプロサッカー・チームが活躍しています。 また、小、中、高の各学校でもサッカーが行われるようになってきて、町の少年・少女サッカークラブなども活発に活動するようになって来ています。 現在コロラド・ラピッズの本拠スタジアムはアメリカン・フットボールのデンバー・ブロンコスのマイルハイ・スタジアムを借りていますが、今回念願のサッカー専用スタジアムの建設が決まりました。 場所はデンバーの北東に接するCommerceCityでデンバー空港との間にある広大な野生動物保護地区の西端部が当てられます。 計画ではコートの左右両端が合計2万席の観覧席となっていてその上層部のみが屋根となっている本格的なサッカー専用スタジアムで2007年のアメリカ・メジャーリーグの試合開始までにオープン出来るようになるとしています。 このメインスタジアムに接して約20のサブコートが建設され練習用や子供たちの試合の為に供される事となっています。 このスタジアムはプロのコロラド・ラピッズのみが使用するだけではなく、小、中、高、大学などの主要ゲームやクラブの試合などにも積極的に使用される事を目指しており、文字通りコロラドのサッカーの中心会場となります。 総工費は1億3100万ドルの予定でKroenke Sports Enterprises 社と地元のCommerceCityとが負担して更に一般からの基金が募集されて実施されます。 今度のアテネオリンピックにもコロラドラピッズから3名の選手がアメリカチームの選手として出場が決まっていますが、活躍してサッカー人気がコロラドでも更に盛り上がる事が期待されています。
衛星TVのエコースターの視聴者数が1000万に達した: デンバーのLittletonにある衛星TV放送のエコースター社では最近その総視聴者数が1000万軒の大台に達したと公式発表して従業員を集めてお祝いパーテイを行なっています。 現在、アメリカではヒューズエレクトロニクス社傘下のDirecTV とエコースター社(DishNetwork)の2社が直接衛星TV放送の市場を占めており、DirecTVの方が1220万軒の視聴者を得てトップであるもののエコースター社の激しい獲得競争での追い込みでその数は狭まってきています。 特にエコースター社は2000年から今日迄の間で630万軒という視聴者の獲得をしており、同社創業8年にして1000万軒を越した訳で、アメリカでの各メデイアの中でも飛びぬけた急成長を記録した事になります。 参考までにアメリカに於けるペイTVの視聴者数の会社別の順位を調べて見ると昨年末現在の数字で大きい順に下記の様になっています。
全体としてはまだまだケーブルTVが65%を占めて圧倒的ですが、近年衛星TVの追い上げが厳しく極く最近のデータではケーブルTVの占有率は衛星放送TVに侵食されて62%近くまで下がって来ているとしています。 特にデンバー地区はエコースターの本拠地であり、また各メデイアでの新規サービスのテスト地区ともなっている事からケーブルと衛星の顧客陣取り合戦は激しいものがあります。 地上波TV放送がDTV(HDTV)に切り替わる事から家庭でのTV受像機もDTV対応となる為、今後はケーブルと衛星間でのHDTVプログラムのサービス競争となって行く形勢です。
アップルコンピューター会長が膵臓ガン手術: Apple Computer 社のCEOを務めるSteven Jobs氏は8月1日(日)に同社の全従業員宛てにE-Mailメッセージを送って彼が膵臓ガンであり、その削除手術を受けた事を報告しています。 そのE-Mailの内容は次の様なものとなっています。 「 チーム全員の皆さんへ:私の個人的なニュースですが皆さんに私からの直接のメッセージとしてお知らせします。 今週末に私は膵臓の癌性の腫瘍を削除する為の手術を受けました。 この腫瘍は医学的にはIslet Cell Neuroendocrine Tumor と言って膵臓のガンの中では年間に1%位という珍しい病気ですが、早期に発見出来たので外科手術で削除した方が治り易いとされていました。 従って、今後放射線治療などの必要は無いとされています。 通常の膵臓ガンの場合は治癒が困難で1年位で死亡に至るとされていますが、私の場合には幸いな事にそれと違う性質のものでした。 この話を聞いた皆さんが膵臓ガンではもう先が無いと思われるといけないのでこのE-Mailでの報告をする事にしました。 この手術と治療の為に私は8月一杯は休みますが9月には仕事に復帰する予定です。 私の留守の間はTom Cook氏に毎日のアップル社の運営の責任者となってもらいます。 毎日の活動に停滞が有ってはなりません。 多分8月中でも私から皆さんの誰かに電話で連絡する事も有ると思います。 9月に又皆さんとお会いしましょう。 追記: このE-Mailは病院のベッドの上から私の17インチデイスプレイのPowerBookと無線LANのAirPort Express を使って送っています。」 といった内容ですが、現在アップル・コンピューター社はその売上げ金額が低下してきており厳しい状況に入っていますので重要な時期でもあり、従業員の間に不安が広がるのを防ぐ意味も込めて如何にもジョブスらしいアクシヨンと思われますが、それにしてもジョブスで再起した同社だけに今後の彼の手術後の経過が大変気になるところです。
ロッキード・マーチン社が次世代の高空偵察通信航空機の受注: 37000フィート(11300m)という高空を時速650kmで飛行しながら地上の戦況を特殊レーダーで偵察し、その解析や通信用に高性能コンピューターを搭載するハイテク航空機としては、現在でもNASAが使用しているU−2があり、また軍用としてはSR−71型が活動してきています。 今回コロラドの南西に在るロッキード・マーチン社のDeerCreek事業所ではAerial Common Sensor と呼ばれる次世代の高空偵察機の受注を軍から受ける事となりました。 (ちなみに商用の長距離航空便では通常10300m位の高度を巡航しています。) この競争入札にはノースロップ社とゼネラルダイナミックス社の協同チームが有力と見られていたのですが、それをロッキード・マーチン社が覆して獲得したもので、この開発と製造には総予算として初期で8億7900万ドルで5年半の間で70億ドルが計上されており、その業務全体の40%はコロラドの同社で行なう事となっており、17%は外国への発注となるとしています。 この仕事に要する雇用人員は200名から300名のハイテク技術者を必要とし、業界としては5年半の間で500名から600名の雇用創出につながる、としています。 CoorsビールがカナダのMolsonビールを吸収合併: 現在、アメリカのビール市場はバドワイザーで代表されるAnheuser Busch社が約50%の占有率でトップであり、ミラーで代表されるSABMiller社が18.4%で2位、そしてコロラドのCoors社は10.8%で3位となっています。 今回、クアーズ社とカナダのビール会社Molson社の間で吸収合併の相談がまとまり今後のクアーズ社の業績向上に寄与するものと見られています。 と言っても、Molson社の市場占有率はカナダでは43%と高く首位なのですが、アメリカだけで見るとたったの0.5%に過ぎません。 しかしながら販売ルートが従来からCoors社と競合しておらず、また流通面での一元化によるメリットなど大きなものが有ると見られています。 ビールの世界に於ける銘柄別の順位で見てみると、Budweiserがトップで年間3900万バレル出荷されており、次いでBudLight が3510万バレルで2位、Heineken 1910バレルで5位、日本のアサヒスーパードライが1900バレルで6位、CoorsLight が1690バレルで7位、MillerLite が1600バレルで8位などとなっていますが、一方、アメリカ国内のみでは、BudLight, Budweiser, CoorsLight, MillerLiteの順となっています。 会社別の世界順位ではAnheuserBusch社がやはり首位ですが、その後Millerが2位と次いで、Coors社は9位で次いで日本のキリンビールの10位となっています。 そして今回のMolson社と合併するとアメリカでは3位の地位は変わりませんが世界では5位に浮上すると見られています。 暑い夏のビールの季節に各ビール会社間の激しい戦略が戦わされていると言えます。
デンバーでHDTVを見ようする人へのオンライン情報サービス: デジタルTV放送への切り替え準備がデンバー地区でも始まっていますが、さて、そのHDTVサービスを楽しむにはどうしたら良いのか、と言った情報をインターネットでwww.DenverHDTV.com を検索すると、まずHDTVとは?と言った疑問に答える内容から、HDTVの現在デンバー地区で行われているいろいろな各メデイアでのサービスの実態、そして今後どうなって行く予定か、そしてHDTV放送を楽しむには何が必要か、などいろいろなHDTVに関する情報が提供されるWebが始まっています。 (皆さんも御参考までに検索してみて下さい。) このサービスは広告を主体としたオンラインサービスの一貫でカルフォルニア州の技術コンサルテイング会社が始めたもので、HDTVに関しての全米で25の主要都市の状況についての情報を発信しているWebの一つがデンバーとなっています。 こうした従来のアナログ放送からDTVへの本格的な切り替わり時期に対応する効果的なサービスと言えそうです。 ガソリンの価格が再び2ドル/ガロンをまた越えてしまう: 原油価格の高騰からここのところガソリンの価格が急激に上げてきて、コロラドでのレギュラーガソリンの平均価格が遂に2ドル/ガロンを一旦越えましたが、その後OPECのサウジアラビアなどでの増産が発表されて原油価格が下がり、併せてガソリンの市場価格も下がってきたので安心していたら、7月28日にはロシア政府がロシア国内の最大原油供給会社のYukos社の全面閉鎖を宣言した事から市場での原油取り引き価格が42.90ドル/バレルと最高値をつけて、連動するガソリン価格もコロラド平均で2ドル/ガロンを再び越す情勢となってきています。 こうした状況が継続するとさすがのアメリカ人達も燃費の効率の良いトヨタやホンダの車に買い替える動きが加速されてトヨタの益々の売り上げ上昇となります。 また、ハイブリッド車の新型プリウスの売り上げ台数も増加する事となってアメリカ自動車業界との通商摩擦の懸念すら感じさせられるこの頃です。 一方、コロラド州では掘れば石油や天然ガスが出てくる場所が沢山在って、今迄採掘コスト面で採算が取れなかったのがこうした原油価格の高騰によって採算ベースに入って来た事から。州内各地での新規採掘が加速されています。 今年のコロラドでの採掘井の建設認可数は6月末迄の半年間で1358井と記録を達成して、更に年末までには合計2700井と今までの新記録を達成するものと見られています。 採掘コストの採算面からこうした採掘井はその殆どが原油ではなく天然ガスとして取り出されるものとなっていますが、州内での発電用に消費される燃料が石炭と天然ガスの増加となって石油の使用が急激に減少して来ています。 コロラド州での鉱物資源の生産実績では昨年60億5100万ドルと過去の新記録を達成しましたが、その66.2%は天然ガスであり、続いて石炭の11.3%、石油の9.9%となっています。 かってのゴールドラッシュの金銀や鉛などの金属生産はたったの2.9%となっています。 少し中東から持ってくるよりコスト高といっても掘れば出てくる国柄ですから恵まれた豊かな国だと言えそうです。
中南米の各国からの出稼ぎ労働者の仕送り金額: 「杉の会」の第6回の会合のご案内を幹事の方から頂きました。 9月25日(土)には昨年から私のカレンダーにマーキングしてあり皆さんの元気なお顔に接する折角のチャンスですので是非出席したいと思っていますが、其の日に日本へ行っていられるかどうか今のところ不確定です。
もう少し期日が迫ってから幹事の方へ出欠の連絡をさせて頂く事としました。 |
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Copyrighted to: Mike Hagiwara Photographs copyrighted (2004 Mike Hagiwara) |
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