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コロラド便り(その12)

2003年10月1日
萩原 正喜/コロラド
註:このコロラド便り(その12)には、引き続き郷 勝哉氏より氏が撮影されたコロラド州周辺の州の写真ならびにコメントをご寄稿いただきましたので、萩原さんの便りとのコラボレーションで編集させていただきました。

今年はその年初から夏の水不足が心配されていたコロラドですが、天は我々を見捨てる事無く6月からは例年並みの降雨をもたらし、特に8月にはそのロッキー山脈への降雨量も多かった事から各貯水池も昨年消費してしまった分の挽回がなされています。
その高湿度のお陰で心配されていた西ナイル脳炎の方は8月に入って大発生となってコロラド州内だけでも10月1日現在で2108名を越える感染者数を記録して、亡くなった人も42名を数えるといった大変な事態となりました。

媒介する蚊の活動はこれから寒くなるので鈍って来て今年は山を越えたと見られますが、定説となっているように来年はあまり発生は心配無い、と言うことになりますか、どうか?
そんな訳で現在コロラドは一年でも最もロッキー山脈の見物には良い時期を迎えていますが、あまり皆さんにコロラドへの観光をお勧めするのには躊躇する状態でした。


コロラド州の西隣はユタ州ですが、この州の名前は日本では馴染みがあまりないかもしれません。しかし、州都はソートレーク市、と言えば昨年の冬季オリンピックの開催地として覚えておられる方も多いでしょう。この写真の遠くに雪山が写っていますが、このあたりにスキーレース他が行われたオリンピックパークがあります。
(なお、この写真は1970年代の絵はがきなので、特に右下のダウンタウン部は今ではかなり変わってしまっているでしょう)

しかしながら、自然の方はそんな事にお構いなくコロラド名物のアスペンツリーの方はロッキー山脈の各地でその葉を真黄色に変え始めています。 4000m級の峯峰の頂上付近は既に9月初旬の比較的多かった降雪で白く変わって、アスペンツリーの黄金色と素晴らしいコントラストを見せています。

例年ですと9月20日前後がアスペンツリーの見所なのですが、今年は夏後半での山中の湿度が高かった事から少し遅れて10月1日前後になると営林局では報じています。
一方、イラクの戦後処理やアメリカの財政と経常収支の双子の大赤字などについてアメリカ国内での来年の11月の大統領選挙をにらんでの批判の声も高まって来ていますが、ここ数年低迷していたIT産業を中心としたコロラド経済についてはColorado Bloombergなどの調査結果からの予測などでやや回復にユックリながら向い始めたとの見解を最近示し始めています。 下記はそうした中で不調が底を打ったと思える指標の一つで最近示されている二ユースです。 やはり、IT産業の復活が最も期待されている現在のコロラドです。

コロラド州からの外国輸出の状況:

今年の上半期のコロラド州から外国への輸出は昨年同期に比べて2%の上昇となり、これで2001年の秋からの輸出減少に歯止めがかかったとコロラド州経済開発・国際通商局が発表しています。
金額にして今年1月から6月までの輸出金額は28億1000万ドルで昨年同期の27億5000万ドルに比べて5500万ドルの増加となっていると言う事で、主要輸出品目として特に伸びたものはLSIやチップアッセンブリーなどの品目で45%も増加して金額で4億4500万ドルに達しているとしています。
輸出先国としては、カナダが引き続き首位で6億6200万ドル、メキシコが2位で2億2900万ドル、3位が韓国で2億2100万ドル、そして日本は2億1100万ドルで4位となっています。

日本はかって輸出先国として首位の座を継続していたが、長引く不況で減少の一途をたどり遂に4位となってしまっており、一方、カナダとメキシコはNFTA条約が制定されてからコロラドとの取り引きが増加して今日に至っている現状です。 こうした貿易量の増加はコロラド経済の回復を促す事となるだろうか? と、期待半ばの状況です。

California Dreaming:

カリフォルニア州では州の財政がその大幅赤字から現職の州知事のリコールを含めて11月のElectionDay には住民投票が行なわれ、同時に行なわれる予定の新たな州知事選挙には俳優のスワルツネッガー氏を含む200人以上の候補が名乗りを上げて話題を呼んでいる事は日本でも報じられている事と思いますが、そんな問題含みのカリフォルニア州ではあってもHarris Interactive 社による2215名の成人を対象としたオンラインでの「貴方が住みたい州」の投票ではカリフォルニア州が首位となっています。

その投票結果によると、州別の順位ではコロラド州はフロリダ、ハワイに続いて4位となっていてアメリカ全土50州の中での4位であるからかなりの人達に住むのに良いところと思われている様です。

ソートレーク市にはモルモン教の総本山がありますが、この絵の変わった屋根の建物はモルモン教施設の一つで、ザ タバナクル と呼ばれる音楽堂です。一つ前のソートレーク市の写真にも円屋根のひときわ目立っ建造物として写っていますが、座席数8,000で、金属釘など一切使わず、内部に柱を設けない全木造のドーム建築として世界最大級のものです。音響的にも優れたホールで、2002年冬季オリンピックの開会式や閉会式にも出演した、モルモンタバナクル合唱団(団員は一般のソートレーク市民)のホームグランドでもあります。こ
こで録音した合唱やパイプオルガンのレコードが何枚も出ていますが、ご覧の絵はそのLPレコードジャケットです。

コロラドの秋を彩るアスペン・ツリー:

コロラドの秋の到来はロッキー山脈中の多くの場所にあるアスペン・ツリーの葉が夏の濃い黄緑色から真黄色に変り山を黄金色に染める事で知る様になっています。
日本で言えば紅葉と言う事になるが、アスペンツリーは幹は白樺に似ており、その葉は丸みを帯びたハート型をしていて、特にロッキー山脈の西側に多く群生しているのが見られます。

例年、9月20日頃が真っ盛りとなる時期なのですが、今年は夏の間の降雨が多かった事から山中の湿度が高く10月1日頃に遅れる、と営林局では言っています。
ちょうどこの頃になるとロッキー山脈の峯峰には降雪が有って、山頂は白い雪をかぶり、中腹は岩肌、そして麓はアスペンツリーと見事なコントラストを呈するのがコロラド・ロッキーの最も景観を楽しめる時期となっているわけです。

こうしてアスペンツリーが黄金色になるとコロラドの人々はWinterize と言って、屋根の上に設置してあるスワンプ・クーラーの水抜きを行ってシートで包み、庭の芝生の最後の刈込みを行って栄養剤の散布を行い、4輪駆動の車のオイル交換やエンジン冷却水・窓ワイパー水のグレード交換などを慌ただしく行って厳しい寒さの冬に備える事になります。

秋の紅葉オンライン:

地元新聞のデンバーポスト紙では「貴方はコロラドの秋を彩る風景を撮影した力作写真を持っておられませんか? デンバーポスト新聞のWebに投稿してそれを眺めて下さい。www. denverpost. comをアクセスして詳細を確認下さい。 そこにはもう既に皆さんからの投稿された写真も載っています。」 としています。 皆さんもこのWebアドレスをアクセスして見てコロラドの秋を楽しんで見て下さい。
新聞だけでなく、地元TV局では視聴者が撮影して投稿して来る秋のコロラドの光景を毎日ニュースの時間にスナップとして放送しています。 秋ますます深まるコロラドの様子です。


ソートレイク市の中心部にあるモルモン寺院です。

Maroon Bells Peakの景観:

コロラドと言えばロッキー山脈、そしてコロラド・ロッキーの景観を紹介する代表的な風景で絵葉書にもなって最もポピュラーなのがマルーン・ベル山の大岩壁群です。
通常、絵葉書ではこの近くにあるMaroon Lake と言う沼を手前にしてこの岩壁をバックに据えた光景が示されていて、コロラドの最も象徴的な風景となっています。
この所在地は高級リゾート地でスキー場としても有名なAspenの町を通過している82号線から外れて西南へ16km程舗装無しの山道を入ったところに現われる光景です。

私自身はアスペンへは行っていますが、まだこのマルーン・ベルまで行った事が有りません。 その内必ず一度は行ってこの目でぜひ現物を確認したいと思っている風景です。
この地域一帯はWhite River 国有林と言って自然環境保護の為にここへ入る人は事前に営林署への許可申請登録が必要となっています。

雪景色のMount Evans山:

コロラドにはその山頂まで道路が通っていて車で頂上まで登れる山としてはPikesPeak が知られています。 そのPikesPeak よりも更に標高が高く頂上まで完全舗装路となっていてデンバーから至近距離にあるMount Evans と言う山があります。
その標高は14260フィート(4278m)でその頂上まで対向2車線の完全アスファルト舗装の道が続いており、途中ではBigHornと呼ばれる両方の角が巻いている高地に生息する野生の大型山羊の一種が群棲していて道に出て来るのに出くわしたり、野生の馬が車の列へ餌を求めて集まってきたり、と言った光景が見られます。

頂上の近くにはSummit Lake と呼ばれる沼と言うより大きな水溜まりと言う方が相応しい池が在って、9月の第一週に降った雪で頂上付近が被われた事からそれより上への道が閉鎖されました。 これから来年春の雪解け時期までこの登山自動車道は閉鎖となります。
9月7日(日)には寒気団の南下により午後から急速にコロラド全体が気温低下となり、デンバー地区では氷雨となり、ロッキー山脈にはかなりの降雪を見ました。 9月に入ると何時雪が降ってもおかしくないコロラドではありますが、9月初めにかなりの降雪を見るのは珍しい事です。

標高4278mの頂上まで車で登れるMount Evans では毎年9月1日のLaborDay が終ると間もなくその自動車道路(州道5号線)を閉鎖して冬の期間は通行禁止としているが、今年はその雪が13cmも積もった事から予定より一日早く閉鎖処置をとる事となりました。
全米天候予報局では現在のコロラドの天候の状態は南太平洋上の水温変化によるエルニーニョからラニャニャへと移行する過渡期の現象であり、通常であれば7月中旬から8月中旬の間にやってくるモンスーン現象が遅れてこの時期に来たのだ、としています。

長期予報としては9月と10月が乾燥していて、11月が降雨が多く、12月は乾燥して寒く、来年の1月には気温や降雨面で例年とは大きく変化が現われると言っています。
いずれにしてもこうした天候に応じてロッキー山脈の秋を彩るアスペンツリーの冬ごもりも化学反応の現象の一種ではあるが巧みに順応して行く自然の摂理を感じさせられるこの頃です。


ソートレーク市の西北側には、グレートソートレーク という、その名にふさわしい巨大な湖があります。南北120km、東西80kmあり、面積では琵琶湖3.6倍ですが、水深は一番深いところで8mしかなく、この写真でも遠浅なのがよく解ります。流れ込む川はあるのですが出口は無く、日照で干上がるだけなので、結果として今では世界一塩分が濃い塩湖になっていて、六〇〇万トンの塩を含有していると言われ、沿岸には真っ白な塩の堆積が見られます。

第26回デンバー国際映画祭:

デンバー映画ファン協会(Denver Film Society)のRon Henderson 氏とデンバーに在る放送メデイアへの映画のプログラミング会社の大手Starz Encore社の会長のJohn Sie 氏が中心となって毎年開催されている「デンバー国際映画祭」が今年も10月9日から19日の10日間にわたって開催されます。

今回もアメリカを始めとして世界各国からの合計150以上の映画がこの10日間に3つの映画館を使って上映されコロラド州内外からの映画ファンの関心を集める事となります。
上映される映画には標準の35mmフィルムだけでなく16mmフィルムのものやビデオの形態となっている物も含まれており、運営係りとしては雰囲気の再現に注力をして上映するところとなっています。

今年はイタリア映画の特集が組まれており、イタリアの作品が特別多く上映されるが、私個人としては日本からの作品が無いかと毎年探すのであるが、見当たりません。 昨年はアジア映画特集であったが日本からの作品は見られませんでした。
今年は、と思ったら「Japanese Story」と言う作品が登録されていたので、プログラムでその内容を見てみるとオーストラリアの作品であると言う事で再びガッカリさせられています。 タケシの「新座頭市」などが参加していると良いが、などと思ってしまうわけです。
しかしながら、映画のそれぞれはマニア好みと思える作品が揃えられており、通常の映画館では観る事の出来ない作品がかなり多くを占めており、本当に昔ながらの映画を愛する人達を対象としている映画祭なのだ、と言う印象です。

こうした催しを通じて現在氾濫していて益々内容の過激さを増しているハリウッド映画やTV映画の中にあって鑑賞した後に感動が残る様な作品へ若い世代の人達をどのくらい引き込めるかが将来へ向けての鍵なのだと思います。 鑑賞の秋(感傷の秋?)のデンバーの10日間となります。

ソートレーク市の中心部から南30kmぐらいの所に、これまた露天掘りでは世界最大のケネコット銅山があります。直径4キロ、深さ1.2キロのすり鉢状の穴の内壁には渦巻き状に道路と鉄道が敷かれていて、掘った岩石や鉱石の運び出すため巨大なパワーシャベルやダンプカー、また写真をよく見ると解りますが貨物列車も走っています。

毎年恒例の秋の全米ビール祭り:

全米でビールの最大生産州はコロラド州です。
毎年恒例となっている第22回「The Great American Beer Festival」が今年も9月25日(木)から27日(土)の3日間、デンバーのダウンタウンにあるコロラド・コンベンシヨンセンターで全米から320以上のビール醸造所から1400銘柄のビールを集めて開催されました。

主催者であるボールダーの町に本部を置くAssociation of Brewersでは会期中に22万人の参加者を見込んでおり、入場料は前売りが35ドルで当日売りが40ドルそしてあまり飲む事が出来ない車を運転して帰る事になっている人は15ドルとなっていて胸にバッジを付けさせられて飲酒制限されますが、会場ではチーズなどのおつまみとともに本格的なレストランからの料理も有って1400銘柄のビールが飲み放題となっているビール業界の一大イベントです。

また、専門家による試飲会もあってBest Beer of the Year が選出され表彰されました。
例年参加者の90%はコロラド州内からの人達ですが、全米の各ビール製造各社からの参加者の他にビールファンが全米の各地からも参加していると主催者は言っています。
よくビールと言えばミュンヘン・サッポロ・ミルウオーキーと言うようにアメリカでのビールの生産はMilwaukee市のあるWisconsin州の様に思われがちであるが、実はコロラド州が全米で一番年間のビール生産量の多い州です。
その主体はGoldenの町に在るCoorsとデンバーの北にあるBudweiserの2大工場から出荷されるものですが、この巨大2銘柄とは別にそれぞれの量は少ないものの独立したビール製造業者がコロラドには数多く存在していて、いわゆる地ビールをそれぞれの地域に供給しているわけです。

今回の「The Great American Beer Festival」に参加している地元コロラドの各ビール会社の総数はCoors社を始めとしてその数43社に上ります。 ちなみに、この内でコロラドで最も古いビールメーカーはボールダーの町に在るRockies Brewing Company です。 そして、例えば6月に行われたデンバー市長選挙で新市長となったJohn Hickenlooper氏を囲んでその選挙サポートメンバー達がWynkoop Brewing Companyのビールで勝利の乾杯をしました。 コロラドのビールはCoors だけではないのだ、と言ったところです。
Hickenlooper 市長は市庁舎が会場のコロラド・コンベンシヨン・センターに近い事もあって今回のビールフェステイバルには連日顔を覗かせ、9月27日の土曜日には会場での参加者に対して演説を行こなっています。

デンバー市警察がこの期間中は会場周辺での飲酒運転チェックを厳しくやると言う事は伝えられていません。あまりにも飲酒運転者が多すぎて取り締りきれない、と言ったところかもしれない、と言ったところです。 (コロラドでは飲酒運転だけでは罰せられません。 メーターで呼気を計って或る量を越えている事が分かった時は罰金です。その代わり飲酒で交通事故を起こすと厳罰となる仕組みです。)

Coors ビールの商標の滝は何処に在るのか?

コロラドを代表するビールであるCoorsの商標として壜や缶に示されている皆さんもご承知のロッキー山脈の滝についての情報。
「アメリカのスイス」とその山岳風景で自慢しているロッキー山脈中の町Ouray では大分以前からその近くのYankee Boy 盆地に在るTwin Fallsと呼んでいる滝がCoors Beer の商標の滝だと信じられて来ておりOurayを訪れる年間20万人にも上る観光客達もそれを今まで信じて疑いませんでした。

もともとこのTwin Falls の滝を含む一帯の土地は フロリダ州の家畜やレモンなどを扱う業者のDave Walker さんの個人的な所有地ですが、彼の「滝は皆のもの」という意志で毎年多くの観光客が特別仕立ての大型ジープで自由に見物に来ています。
最近、そのWalker さんがこの滝を含む一帯の所有地を売りに出す事に決めて地元の不動産屋に売却の依頼を行なったところから問題が発生して、「本当にこのTwin FallsはCoors ビールの商標の滝なのだろうか?」との疑問に当たりCoors 本社に問い合わせたところ、「 Coors ビールの商標は1978年に作製し使用し始めたもので、そのモデルはTwin Falls ではなくて、あまり知られていないがもっと北のMarbleの町の近くにあるMilton Falls と言う滝を図案化したものである」との回答が有りました。

この二ユースを聞いてMarbleの町では今まで全然知らなかったのに大喜び、一方Ouray の町ではビックリするやらガッカリするやら、と言った事態となっています。
何時誰が言い始めたCoorsビールの話なのか誰も分からないが、多分素晴らしい環境の中に商標に大変類似した滝が有ったのでそこを訪れた人が誰ともなく言い始めたのだろう、という事です。

Coors 本社でも今回その話を聞いてビックリ、と言う事で、「 Marble の滝が商標のオリジナルであることは変えられないが、素晴らしい環境に在るTwin Fallsの滝も捨て難いコロラドの財産なので今度のCoorsビールの新商品の開発時には是非こちらのTwin Falls を活用させてもらいたい。」と言う粋な回答と商魂の逞しさを覗かせるコメントをしています。

ちなみに所有者のWalkerさんはその186エーカーの土地を440万ドルで販売したい意向で、更に滝から川下に在るRuby Trust 旧金鉱山跡地では2000万ドル以上の埋蔵量の金鉱脈の存在が確認されている事から、もしこの金採掘権を一緒に合せて売りに出す時は650万ドルで売りたい、としています。
Twin Falls の在るYankee Boy 盆地一帯はその山岳風景だけでなく動植物などの自然も今まで道路が完備していない事からあまり破壊される事無く残されており、将来の自然環境保護の面での心配と、この土地を新しくWalker さんから買い取る人はここへ観光客が自由に入る事を許すのだろうか? 例えば高級別荘地としてしまってそこを所有利用する限られた人のみが入れる土地となってしまうのではないか? と言った別の心配もしなくてはならなくなってきています。
私自身も両方の滝を確認に行きたくなるようなロッキー山中の観光タウンに生じた何ともユーモラスな話題です。

ソートレーク市から南約 300km の所にブライスキャニオンという国立公園が
あります。

デンバー空港の歩道橋に飛行機の尾翼が接触する件、その後:

前回のレポートでお伝えしたフロンテイア空港が新しく導入したAirBus A-318 型機の垂直尾翼の先端がデンバー空港の歩道橋の下を通過する時に接触する危険が或る件についてのその後についての報告です。

結論からすると際どいので通過しないようにする事に決めた様ですが、測定結果などに付いては当局からは一切一般への報告が有りません。
代りとしてフロンテイア航空では新型のA-318の代わりに従来から主力として同社が使用している少し大型ではあるが、尾翼高さが少し低いA-319 を15機AirBus社に新規確定注文を行っています。 これらの15機は2004年から2008年にかけて納入される予定で一機当たりの値段は5060万ドルから6120万ドルであるとされています。
各航空機メーカーにとっても今回の状況は今後の中型機の製作上で大変参考となったと思いますが、何故こんな事になったのかハイテク空港とハイテク航空機にしてはあまりにも滑稽な結果だったので一般に理由の公開が出来ないのかもしれません。

世界最長の自動着陸システムを備えるデンバー空港の滑走路が運用開始:

先のこのレポートで報告したその総工費1.66億ドルをかけてデンバー空港に完成した世界で一番の長さ16000フィート(4800m)を誇る滑走路がFAA(連邦航空局)の審査をパスしていよいよその運用が始まり、9月11日にその一番機のユナイテット航空シカゴ行き244便のボーイング777型機が飛び立ちました。
この滑走路はデンバー空港の従来の5本の滑走路に比べて長いだけでなく他の3本の滑走路と同様にCategory 3と呼ばれるグレードの自動誘導着陸システムを兼ね備えており、300フィート(90m)きり無い視界でも安全な着陸が出来るようになっているのが特長です。

今回のこの幅広で長い滑走距離の滑走路の完成でこれから出てくるAirBus 社のA380型スーパージャンボ機の受入が可能となるだけでなく、今まで高地で空気が薄い事からジェット気流に逆らって飛ぶ為の燃料満載での離陸が不可能であった西回りのアジアへの太平洋路線の直行便の運行が可能となるので、デンバーから東京、香港、ソウル、北京などへの直行便が開設可能となり、文字通りデンバー国際空港となります。 また、コロラドでは最も懸念されている現在会社更生法適用でその運営を立ち直そうとしているユナイテット航空の業容拡大と運行効率に寄与して同社の再建に貢献出来るのではないかと期待されているところです。

この新滑走路の運用開始にあたっては事前にFAAによるAirBus320型機を使っての自動誘導着陸システムの運用テストが繰り返し行われて合格しています。
今回の新滑走路を使っての商用一番機の離陸に当たっては近くのBuckley Fieldコロラド航空警備隊のからのF-16ジェット戦闘機4機による編隊飛行が行われ、また空港消防隊の消防自動車が滑走路の両側から放水を行って水のアーチを造る下一番機がくぐっての離陸で新滑走路の完成を祝いました。

この新滑走路の完成で大型機を中心に一時間に天候の良い時で40便、天候の悪い時で30便の離発着便数の増加が可能となり、当然離発着便の混雑による待時間も少なくなります。
この空港を所有するデンバー市では長距離国際直行便の毎日の新たな運行の開始でデンバー地区への経済波及効果の新規増大を年間2500万ドルから1億4200万ドルと見込んでいるとの式典でのHickenlooper市長のコメントが発表されています。

こうした事に呼応してか、ユナイテット航空と中国のAirChinaではコードシェアー運行を始めることを発表し今年の10月31日から実施される事になっています。
現在、中国とアメリカ大陸間にはユナイテット航空が週に14便、AirChinaが毎週12便を飛ばしており、まずこれらが協同運行便となり、間もなくデンバー・北京間の直行便が開設されるのではないかと推定されています。


古代に湖底にあった堆積物が隆起し、その後雨風で浸食されこのような尖塔群
が出来たとされています。白いのは雪ではなく炭酸カルシュームです。

デンバー空港での航空機離陸時に引き起こす気流の乱れの測定を開始:

デンバー空港はユナイテット航空とフロンテイア航空のハブ空港となっているだけでなく多くの航空会社が乗り入れているので発着回数も非常に多く、各便の時間間隔の少ない離発着運行が行われているが、飛行機の離陸発着時に発生する気流の乱れに次の飛行機が巻き込まれると大事故につながりかねないと言う危険が伴います。

これは、かって同時多発テロの直後の2001年11月12日に二ユーヨークのケネデイ空港でアメリカン航空の587便が離陸に失敗して墜落した事故がその直前に離陸した航空機により発生した乱気流に巻き込まれたものとFAAでは認定しているもので、この教訓を活かして現在では各航空機の飛行間隔を機体のサイズに応じて2.5マイルから6マイルとっての運行が義務付けられているものです。

アメリカ運輸安全委員会では今回NASAおよびLockheed Martin社そして竜巻の検知に使われる赤外線ドプラー・レーザーでお馴染みのデンバーの北のLouisvilleにあるCLR Phtonics 社の協力を得てデンバー空港の滑走路一本を使って発生乱気流の精密測定を行っています。 これらの計測結果によって現在の飛行間隔の評価再検討が行なわれる事となっています。

この先のアメリカン航空の墜落事故は9・11の直後であっただけに又テロ攻撃か?と思われたが、その後定められたルールを正確に検証見直しして空港運営の効率と安全との境界を決める重要な実験となっています。

衛星かケーブルか?

デンバー地区は放送メデイアのアメリカに於ける言わば新市場の試験場の様な環境にあり、それぞれの放送メデイア間での視聴者獲得合戦が非常に盛んな地域となっています。
デンバー地区で早くから激しい視聴者獲得のデッドヒートを展開している衛星放送のエコースター(DishNetwrok)とケーブルのComcast,そして衛星放送のDirecTVの3者間での最近の視聴者獲得上でのサービス内容の状況を比較した一覧表が最近の地元新聞のトップ1ページを使って載っています。

項目別に; 通常の場合のサービス条件、受信装置の扱い、現在契約すると付いてくるサービス、プログラム内容範囲、最も安価なサービス条件、サービス内容上の特徴、 などの項目に付いての3者それぞれについての比較となっています。

ここ数年の状況は、ケーブルがデジタルサービスを可能とする為に必要なケーブル回線のグレードアップに対する多額な投資を行ってきており、その回収の為に視聴月額料金の値上げで凌いできているのに対して衛星放送では衛星打ち揚げ費用は必要なものの比較的軽量な投資を武器に視聴料金のケーブルとの差を訴えて視聴者数の獲得を計ってきている状況です。
全米に於ける視聴料金の平均月額はケーブルが49.62ドルであるのに対して衛星放送では48.93ドルとなっていて、TVを所有している全米所帯のケーブルの視聴所帯数比率は1999年が68%であったのが今年は60%に低下しており、一方の衛星放送では同じ時期での視聴所帯比率は8%であったのが17%と大幅に上昇して来ている現状です。
これは衛星放送のこれまでのケーブルに対する積極的な視聴者獲得作戦が功を奏していると言えるが、多額な投資金額の回収で市場戦略でのケーブル業界の消極的な対応が結果として出て来ていると指摘されています。

しかしながら、これからの状況に付いて見てみると、ケーブル業界の回線グレードアップ投資が一巡するとケーブルとしては電話サービス(一本のラインで通常の音声回線が4回線供給出来る。当然それをダイアルアップのインターネット利用も可能である。) やケーブルモデムによる高速インターネットサービス、と衛星では不可能なサービスが本来のTVプログラムサービスの他に可能となり、こうしたサービスのみでの収入で投資回収が可能となってくるので、もう暫らくするとケーブルの圧倒的に有利となる時期が遠うからずやって来るものと見られています。


乾ききっているようですが、よく見ると谷間には緑の木も生長しています。

エコースター社では業界で初めてDVRの100万台売り上げを達成したと発表:

テープの代わりにハードデイスクを使って通常のVCRで録画するのと同様に100時間に及ぶデジタル録画が行なえるDVR(Digital Video Recorder)の100万台の売り上げを達成し、この事は業界で初めての達成となる、とエコースター社では9月24日に発表しています。 併せて同社ではアメリカでの視聴者のTVの視聴環境が変って来ているのだ、と言っています。

エコースター社では衛星放送での競争相手のDirecTVでやっているTiVo のシステムによるサービスに対抗する為に1999年に類似のDVR初号機をサービスに導入しました。 しかし今まではたったの6時間の録画きり出来ませんでした。
今年の8月からエコースターでは新規視聴者の獲得の為に同社のDVR−510 型の小売価格にして349ドルと言われる100時間の録画可能な新型DVRを準備して新規に一年以上の加入契約した人には無償で提供する、と言う戦略を展開し始めています。

エコースター社では更に今年の年末にはその新型モデルでHDTV番組が録画出来るDVRを準備して8月から始まっている同社のHDTVサービスに対応するとしています。
一方、TiVo のサービスの方は現在のところ約80万軒の視聴者を有しており、今年の第2四半期では約9万軒の視聴者の増加を見たが、その内の56000軒がDirecTV を通してのものである、としており、今年の年末商戦期間中には100万軒の大台を越えるものと予測しています。

この様に今まではDVR(PVR)は限られたマニアの人達だけの利用が主体で市場としても小さかったが、ここへ来てこうした視聴者獲得の武器として使用されるようになって急速にその普及拡大が始まっている、と言えます。
それにしてもエコースターの無償で提供する、と言う戦略は無謀とも感じられるものでは有るが業界の分析者は固定視聴者数の拡大が業績確保の上で最も必要な条件であり、今後は衛星放送とケーブルとの競合上での有効な武器として活用されて行くのでエコースター社にとっては短期的にはきつい投資であっても、長期的には有効に働くだろうと見ています。

かってゲーム機戦争が激しく行われた時にはゲームシステム会社の各社では自らのシステムの占有率の拡大が第一目標であり、稼ぎはゲーム機ではなくてそのソフトウエアで上げる、と言う基本方針から、ゲーム機のハードウエアに関しては赤字で出荷した、いった事が行われました。 今回の一連の競争を見ているとこうしたものの再現で放送メデイア版である、という感じがさせられます。

それにしても、こうしたまだまだ高価なDVRを無償で提供しても視聴者数の獲得に執念を燃やすエコースター社の戦略には他の各放送メデイアも困惑しているであろうが、実に一発逆転に賭ける賭博師Charlie Ergen 会長の面目躍如たるところと言えます。

エコースター社の第2四半期の決算:

衛星放送のエコースター社では6月30日で締めた第2四半期の決算を発表して、売上高・利益金額ともに同社が1996年に株式上場して以来最高の14億1000万ドルの売上げ、そして1億2880万ドルの利益となった、と報告しています。
今回の好成績の理由として積極的に進めて来た視聴者獲得作戦の効果が出て、この第2四半期のみで27万軒の視聴者を獲得し6月末に於ける同社の総視聴者数は880万軒となり18%の増加となっていて、これで視聴者一人当たりの同社の支出金額は441ドルと低下して来ているとしています。(ちなみに競争相手のDirecTV 社は同じ期間で7.5%の増加で1160万軒となっている。)

こうした視聴者数の獲得は主として市場競争でケーブルの視聴者を衛星へ切り替えさせる事に成功している成果であると言えます。
また、更に別の利益への貢献要因としてエコースター社がアトランタ地方裁判所へ提訴して審議されていた、視聴者が住んでいない都市のネットワーク系のローカル地上波TV番組をエコースター社のシステムを通して視聴することは視聴者の自由選択である、とする事に勝訴してこれにより同社のセットトップボックスへのマイアミ地区での改造費用総額で視聴者獲得費用として3440万ドルの節約が出来た事が上げられている。 もし、この費用節約が駄目だった時には当初投資家筋で期待していた利益金額よりも数値的に少なくなっていたので、非常に良好な決算結果を発表したにもかかわらず同社の株価は今回上昇しませんでした。

もう一つの心配要因として同社でも認めている高速インターネット・サービスに対応する為、先に地方電話会社のSBCと提携して電話回線を使う新規プログラムを視聴者にオファーしているがうまく成果につながっていない事がありケーブルとの競合上で今後の大きな課題となっています。

エコースター社のCharlie Ergen 会長はコメントして「第1四半期の決算を報告した時に比べてアメリカの景気はユックリでは有るが回復に向い始めている様に感じる。 そうした面で消費者達の衛星放送への視聴関心度が高まって来ているのだと思う。」としています。
エコースター社のアトランタ訴求裁判所での勝訴の内容に付いては、これで衛星放送が送信しているABC、CBS、NBC、FOXなどの全米ネットワーク・チャンネル放送を行っている地方局の電波をその土地に住んでいない人でも受信出来る事となり、セットトップボックスにそのサービス地域毎に受信制限をする必要がなくなり、併せて例えばデンバーに住んでいる人がロサンゼルスのローカル二ユースを視聴する、といった衛星放送ならではの用途拡大が期待出来る事になります。 現在、エコースターでは70の主要都市のローカルチャンネルを送信しています。

また、エコースター社は現在54億ドル程の長期負債を抱えており、流動資金額は30億ドル程で運営しているが、今回の好決算を機会に負債の金利負担分を減らす為に10億ドル程を買い取り返済する事に決めた、としています。 体質の改善を計って更に次の顧客獲得競争に強力な一手を打つ準備をしようと言う作戦か?

神様が暇つぶしに、何処まで崩れずに岩を積み上げられるか試したようです。

エコースター社の高速インターネット・サービスを目指す9番目の衛星打ち揚げ:

去る9月4日の夜にエコースター社では赤道直下の太平洋上に浮かぶ浮上型ロケット発射台から同社では9番目の衛星となるEchoStar IX を打ち揚げました。
赤道上空22300マイル(35680m)に静止衛星として運用される事になっています。

この衛星は同社がかねてより懸案の衛星による双方向高速インターネット利用を目的としたもので、通常直接衛星放送で使われているKuバンドよりも低い帯域のKaバンドでの双方向通信を可能とするものとなっています。 ( XM-Radioや Siriusの衛星ラジオ放送では更に低周波のSバンドを霧や雨での影響を避ける為に使用している。) 衛星でのKaバンドの利用はアメリカではこの衛星が最初の使用となります。
打ち揚げから45日後までにこの衛星の高速インターネットとしての利用の可能性が確認されて、同社としてのサービスの進め方が公表される予定となっています。

もともと衛星放送では視聴者側から運用局へのルートとしては電話回線を利用しており、プレミアチャンネルのプログラム選択や番組表の検索、そして月額料金請求書の発行などこのラインを利用しているので、エコースター社では高速インターネット・サービスの方策として地方電話会社の持つADSLサービスとの提携を行なっておりSBCやQwest社と提携してのサービスを展開しているが、うまく成果に結びついていません。
また、従来のTVプログラム用の衛星での双方向サービスを行おうとすると使用バンド幅からの制限で利用チャンネル数が制約されてインターネットサービスとしては適していません。 今度の衛星では利用周波数帯も変えて専用で運用しようと言う事なのでうまく機能する事になるかもしれない、とされています。

現在ケーブル業界では衛星放送への視聴者の移行が目立ち始めたので急遽一時停滞していた回線のグレードアップ拡張投資を再開加速させてHDTVプログラムを含むデジタルTVサービスの拡大による視聴者の再獲得とケーブルモデムや音声電話ユーザーの新規獲得に乗出し始めています。

高速インターネットだけに付いて言えば主要ケーブル会社の現在のブロードバンド・ユーザー数は総計で1320万軒で主要電話会社のDSLサービスのユーザー数は総計で740万軒となっています。
衛星放送2社のDirecTV,EchoStar ともに衛星による双方向高速インターネットのオファーを行って来ているが、現在までのユーザー数はこれらにはるかに及ばない結果となっています。

ケーブルの衛星に対する有利点としては、一本のケーブルで従来のアナログTV,デジタルTVそしてHDTV、電話4回線、ケーブルモデム、そうして究極のビデオ・オンデマンドの各サービスが可能と言う点に有り、ブロードバンドはケーブルだ、と言う事が出来るが、ケーブルの多額な回線グレードアップ投資が完了する前に衛星がどこまでユーザー数を獲得し固定出来るかに掛っているといえる様です。

雑誌フォーブス毎年恒例のアメリカの億万長者トップ400人:

( Forbes 400: A List of Americaユs Wealthiest )
毎年恒例でアメリカの資産億万長者のトップ400名のリストを公表する雑誌Forbes が9月25日に刊行されました。 それによるとコロラド州におけるトップの資産家はエコースター社のCharlie Ergen 会長が 昨年に引き続いてリストされ一番の元気さです。 全米では20位となっています。

かってコロラド州での首位を保っていた地方電話会社のQwest社の大株主であるPhilip Anshutz 氏は全米では32位、コロラドでは2位となっており、放送通信関係の株式保有会社のLiberty社の会長のJohn Malone氏も全米では104位、コロラドで3位となっています。

何れもそれぞれの人が保有している株式の株価による資産評価価値によって大きく順位が入れ替わる訳であるが、比較的高値で推移してきているEchoStar と大きく低迷しているQwestの株価との差がコロラドでの首位と2位との差を大きく着けている、と言えます。
全米ではMicrosoft のBill Gates の首位、そしてPaul Allen の3位と毎度の順位であるが、今や全米一のスーパーマーケット・チェーンとなったWalMart ファミリーが4位から8位までを今回占めたのは圧巻と言えます。

かって首位になった事も有るOracle社の Larry Ellison の9位、Dell Computer のMichael Dell の10位は毎度ながら固いところとなっています。
この様に自分が働いている事業の会社の株価でその所有株式資産額として評価してこうした番付けを発表することは、自分の事業が好成績であれば個人資産の順位も上がる、事業が不調となれば順位も容赦無く下がる、と言う事で資本主義の典型を示しているように感じます。

こうした順位付けを日本で行なったとするとトップはソフトバンクの孫さんなのだろうか?
ここ2年継続して400名の資産総計額は低下して来ていたが、今年は約10%上昇して総額9550億ドルとなった。 そして、今年のトップ400でリストを切る為には個人資産総額を6億ドルで切らなくてはならなかったが、昨年の場合は5.5億ドルであった、としています。 ますます「富める者は富む」といった環境となって来ていると言う事だろうか?


奇観としか言いようがない地形ですが、昼間でも迷い込んだらGPSを持っていても脱出は難しそうです。

デンバー地区でのケーブルTVのComcast 社によるHDTVサービスがいよいよ開始:

コロラドでの主要ケーブルTVサービス会社であるComcast社は9月15日よりデンバー地区とボールダー地区でのケーブルTVによるHDTVプログラムのサービスの開始を発表しました。
現在、同社ではこの両地区で110万所帯にケーブルTVの放送サービスを行っているが、ケーブルの品質からその80%が今回のHDTVサービスの受信が可能となる。 これまでにComcast社のコロラドでの前身であるAT&T Broadband社が2億ドルの回線グレードアップに投入して来ているが年末までにケーブルのグレードアップを完了して100%の所帯へのサービスを可能とする。 そして同社では当初83万所帯からスタートして今年の年末までに100万所帯へのサービスを目標としている。 併せて、この回線グレードアップによって高速ケーブルモデムサービスのサービス地域も拡大する事となるとしています。

また、来年にはコロラドの同社がサービスを行っている他の地域、Ft.Collins,Greely,Pueblo などの地域へもこのHDTVサービスを拡大する予定である。 Comcast社では町のBestBuy店やSoundTrack店などでの顧客の申込受付を行なう事にしているとしています。

このHDTVサービスを受ける為には新しいセットトップボックスを設置する事が必要で、視聴者は設置料として現在Comcastのサービスを受けている人は15.99ドル、現在受けていないがケーブルが来ている人では27.99ドル、ケーブルが来ていない人では43.99ドルを支払って、更に月額5ドルのレンタル料を必要とすることになっています。
この視聴料金は通常のケーブルプログラムを混ぜて月額45ドルから69.99ドルまでのパッケージサービスとなるが、それにはHBOやShowtime のプレミアム・チャンネルは別料金となります。

HDTVのチャンネルは7チャンネルでスタートする事となり、HBO、Showtimeの映画、ESPN-HDのスポーツ、IN-HD,IN-HD2,そしてローカル・ネットワーク・チャンネルではNBC系のKUSA第9チャンネルとPBS系のKRMA第6チャンネルが含まれており、Fox系の第31チャンネルのKDVRのみについてはSDTVベースのEnhanced Wide Screen Digital Programing で送る事になるとしています。

これでコロラドでのHDTVサービスが本格的に始動する事となるが、今回のComcastのこのサービスは衛星放送との視聴者獲得競争に不可決と判断しての実行となったもので、メデイア間の激しい自由競争がもたらしたものと言えます。

ところでコロラドでのHDTV放送の他のメデイアでの現状は:
[ 地上波] 全米での30大都市でWTCを失ったNewYork と新たな放送アンテナの設置で揉めていた デンバーの2個所のみがまだHDTV放送のサービスが行われていない地域となっています。
今年7月にKCNC Channel 4 (CBS),KMGH Channel 7 (ABC),KUSA Channel 9 (NBC),KTVD Channel 20 (UPN)のローカルTV4社がデンバー地区に最も見通しの利くLookout Moutain への735フィート(220m)の高さの専用アンテナの合同建設をして来年からのHDTV放送の開始の許可をJefferson 郡から得ており建設が始まっています。
[ 衛星放送] EchoStar 社は9月始めからHDTVプログラムのサービスを開始しており、ESPN-HD,Discovery HD Theater,HDNet,HDNet Movies の各プログラムのサービスを始めています。
視聴料金は月額9.99ドル又は年額109.89ドルの追加料金で、視聴者は専用受信ボックスを399ドルで購入して更に99ドルの設置料金が必要です。 又、同社では現在の50チャンネルの容量をを利用してチャンネル数の拡大に努めており、HDTV受像機を含むHomeTheater Package のオファーを1499ドルで始めています。
DirecTV 社も今年夏からHDTVプログラムのサービスを月額10.99ドルで始めており、専用受信ボックスの購入は400ドルから500ドル必要となっています。

パソコン・メーカーのGateway 社のデンバーのショールーム大幅衣替え:

アメリカのパソコンメーカーの商品ラインアップが家電メーカーの領域に大きく入り始めて来ています。 HP社が業界のイニシアテイブをとって始めているMCPC( Media Center PC)の流れがその端的なものとなっています。

パソコンメーカーGateway 社の年末商戦へ向けての新商品カタログを眺めるとまるでAVメーカーの物ではないかと目を疑うほどの物で以前から同社が進めている大型フラットパネル・プラズマ・デイスプレーのTVセット16機種を始めとしてデジタルカメラ製品群、MP3プレーヤーなど主体であるべきパソコンの陰が薄くなるほどの内容となっています。
このパソコン業界の流れは上記2社に限らず大手のDell Computer社でも同様となっています。

こうしたGateway社の方向を裏付ける様に、今回デンバーの南に接しているCentenial市に在る同社のショールーム兼販売拠点がその内容を大きく改装して、ちょうどコーヒーのスターバックスが行っているのと同様なリビングルームやオフィス風の間取りとしてそこに各新商品群を陳列しお客がそこで実際に使って見られる、と言った形式となって新装再オープンしました。
Gateway 社はもともとサウスダコタ州の農業・牧畜の中心地であるSiouxFallの町から始まったベンチャー企業でパソコン業界の発展とともにその業容を拡大したが、現在の同社のパソコンのカートンケースの外装に牛のホルスタイン模様を使っているのもそうした理由です。

1997年同社は突然本社をカリフォルニア州のSanDiegoの近くのPowayへ移転し、併せて全米各地へ直営のパソコンショップ兼ショールームを開設して一時はその総数400店となったが、当時4.3%の市場占有率であったのが現在では1.5%と低下し、ショールームの数も半数が閉鎖されて190店となっています。 デンバーのショールームも当時に開設されたもので全米のショールーム中でも5位以内に入る売上げ業績を続けて来ています。
デンバー店の社長のWilliam Parker氏の説明によると、今回の改装は全米の4店で行なったうちの一つであるが今後同社では残りの190店にも展開する予定との事で、「我々の市場調査結果に基ずいて家庭での商品の使われ方を実践してもらえるショールームとする事にしたもので、事業としては実験を実践に移したものだ。 顧客にパソコンと家電商品をどうコンバインして使ってもらうかを実際に試してもらう為のものでコロラド内のFt. Collins,Arvada,Colorado Springs に在る3店も年末商戦期までに改装を行なう。 」と言っています。

Gateway 社の2000年の売上げは96億ドルで利益5億1100万ドルを上げていたが、昨年2002年には売上げは41億ドルに低下し利益も一変して赤字の5億1100万ドルを計上しています。
こうした同社の動きに対して業界の分析者達は次のように分析しており:
* パソコンが一般商品化して来てしまって差別化が計りずらくなってきており、オンラインでの販売が 増えるなど専門ショールームを設ける必然性が無くなってきている現状から何かしなくてはならない と言う Gatewayの選択では有るが、パソコン業界の流れとも言える。

* Gateway では昨年からこうした家電商品分野に参入したが、当時42インチのプラズマTVの価格の 2999ドルは競合する他社のものに比べて2000ドルも安かった。今日ではパイオニアやソニーに伍してプラズマTVではトップブランドとなっている。

* Gateway 社ではコスト削減は進めているとは言うもののこうしたプラズマTVでは40%のマージンが稼げるのにパソコンでは10%確保がやっととなっているので魅力の分野である。

* 極く最近Gateway社では525万画素の高級デジタルカメラを発売し価格も399ドルと意欲的となっている。 競合相手の商品では500ドルから1000ドルの間の価格であるから今後同社の売上げ面で大きく寄与するものと思われる。

* GatewayだけでなくDell Computer も液晶デイスプレイTVのオンラインでの販売を始めており、HPではMCPCを核としていろいろなAV商品を準備している。 そしてHPは最近マイクロソフト社 と協同でBestBuy店の中にリビングルーム型の体験ショールームを開設し始めている。

* Gateway はそうした意味では早くから家電商品への参入を果たしてきたし、今後のパソコン業界の流れとも言えるが、彼等本来のパソコンビジネスを忘れてしまったら、ただの町のRadioShack店となってしまう。
いよいよPC業界のAVを中心とする家電業界への攻勢が本格的となってきている。 AV専門メーカーはこれを向い打つ戦略は実行されつつあるのだろうか?


今年の「杉の会」の会合が予定通り52名もの出席者のもと開催されたとの連絡を幹事の方から頂きました。 皆さん大変お元気でかなり盛り上がった会合となったものと推察致しております。
やはり、幹事の方から皆さん揃っての記念撮影した写真を送付頂き、大変懐かしく見させて頂きました。

私は残念ながら今回出席出来ませんでしたが、来年の日程を9月25日(土)と伺っていますので、今度はマークしておいて是非出席させて頂き、皆さんの元気なお顔にお会いしたいと思っています。

日本でもこれから一年で最も良い季節に入ると思いますが、皆さんの元気なご活躍を秋冷のコロラドより祈念しております。


[以上]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2003, Vic Goh)
 
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