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コロラド便り(その10)

2003年8月1日
萩原 正喜/コロラド
註:このコロラド便り(その10)には、引き続き郷 勝哉氏より氏が撮影されたコロラド州周辺の州の写真ならびにコメントをご寄稿いただきましたので、萩原さんの便りとのコラボレーションで編集させていただきました。

日本ではカッと照り付ける夏の強い陽射しで気温も急上昇、と言った天候に変り、夏の甲子園球場での高校野球を目指して各地で予選が展開中、といった様子を思い描きながらこの「コロラド便り」をお届けします。

コロラドでは、先のレポートで紹介したコロラド州の北に接しているワイオミング州のシャイアンの町で毎年開催されるCheyenne Frontier Day の催しが開かれている期間は毎年最も暑い時期、とコロラドの人達は思っていますが、今年も7月13日から気温が急激に上昇を始めて華氏で100度に迫る日が続いた後、遂に7月16日(水)にはデンバーで日中の公式気温が華氏101度(摂氏38.3 度)を記録し過去の記録1997年の98度を越えて新記録を更新しました。

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コロラド州の北東はネブラスカ州、そのまた北にサウスダコタ州があります。
コロラド便り(その4)には、サウスダコタのマウント ラシュモアにある4人の大統領の顔が彫られている岩山の写真が1枚ありましたが、今回はその周辺を含めてもう少し詳しくご紹介します。

この日の私の住むデンバーの隣町のオローラ市では公式記録華氏105度(摂氏 40.5 度)でやはり新記録でした。 翌日の地元新聞の見出しでは「午後1時27分に最高温度を記録したが、その時貴方は何処にいましたか?」 と記述していました。
お陰で屋根の上に取り付けているSwamp Coolerは終日運転しっぱなしで、とうとう3年前に新品と交換したばかりの水を吸い上げる小型ポンプが動かなくなり、あわててHomeDepotの店へ行って新品を購入して炎天下屋根に登って取り替え作業を行なう羽目となりました。 気温100度と言うと我々摂氏に慣れているものにとっては水も沸騰する感覚ですが、華氏に慣れているアメリカ人であってもそれは暑いデンバーの一週間でした。

7月18日(金)の夜半には雷鳴とともに大量の雨が降ってホットさせられましたが、散水制限で際どい状態の庭の芝生が全面枯れてしまう寸前でした。
日本で言えば熱波襲来というところでしょうが、こちらでは乾燥しているので蒸し暑いと言う事はなくて、やたらと陽射しが強く感じられ天気予報で紫外線警報が知らされるのですが、この週は出っ放しとなりました。

ヒッケンルーパー・デンバー新市長誕生:

7月21日にデンバー市庁舎で就任宣誓式が行われて3期12年務めたWellington Webb氏より新たに選出されたJohn Hickenlooper市長が誕生しました。
地元新聞の見出しには大きな写真が載って、先に報告したCheyenne Frontier Dayへの見物客をシャイアンへ輸送する客車がデンバーのユニオンステーシヨンを発車するところで新市長が車掌に代わって「オーラボード」(全員乗車)の発車の合図を送っているシーンが掲載されました。 新たなデンバー市政のスタートと言う事ですが、なかなかヒョウキンな市長の様です。

議員出身でバスケットボールファン、そして日常リンカーンのタウンカーに乗っている前市長に対して新市長は政治の素人のビジネスマンで野球ファン、日常的にイタリア製のVespaのスクーターで町中を何処へでも行く、と言った事など新旧市長のコントラストが大きいのが愉快と言えます。
今後のヒッケンルーパー市長の活躍が市民の期待するところとなっています。

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左は ジョージ ワシントン の顔ですが、普通の彫像と違って、瞳がはっきりしているのが解ります。この瞳の部分が黒く見えるのは窪みになっているからですが、更によく見ると、生きている人間の様に瞳の中央が光っています。
その秘密は次の写真で。

デンバー環状道路の工事進行:

デンバーの町周辺の主要幹線道路について示しているのが添付の図です。
コロラド州を南北に縦断しているInter States Highway 25号線、東西に横断している70号線が最も主要な幹線道路で、以前の「コロラド便り」で報告している通り、早くからこれらの主要道路を結ぶデンバー地区の環状道路470号線の計画が立てられ、建設が進んで来ています。



現在その全コースの3/4が完成して残り1/4の内の国道25号線と36号線とを結ぶ区間9.5マイル(15.2km)の工事が現在進行しており、最近の当局の発表ではこの区間も今年の11月中には完成する見込である、としています。
この完成に依ってボールダー市の人達はデンバー空港への直通ハイウエイが出来る事となり、到着までにかなりの時間短縮が計れる事となります。

一方、デンバーを通過するトレーラーなどの陸路輸送にとっては市内の混雑を避けて通過する事が出来る、と言う事でデンバー市内での25号線や70号線の混雑緩和にも寄与するものと期待されているわけです。
現在、470号線の東側半分は有料道路となっていて、今年11月に完成する部分についても1.75ドルの有料となる予定です。
アメリカの主要各都市では決まってこうした環状道路が設けられているのが常であり、デンバーも主要都市としての仲間入りするには環状道路は一つのステイタスであるとも言えるものの様です。

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展示してあった工事中の写真ですが、瞳の中央に角柱が突き出ているのが解ります。その平らな先端が外光を強く反射するので、遠方からみると瞳が光って見える訳です。顔の表面の模様は削岩機で穴を開け、ダイナマイトで岩を吹き飛ばした跡ですが、遠くからはこの「あばた」は見えません。ワシントンの他の3人は誰かについては、コロラド便り(その4)をご覧下さい。

さて問題の残りの36号線から70号線までの部分については大変問題含みで、昔のウラニューム精製工場跡地が現在でもプルトニューム残さの貯蔵所となっており、未だに多量の放射性危険物が貯蔵されている地域が近接している事や、更にこの地域の住民達による環状ハイウエイ通過に依って町へ混雑や騒音をもたらす事となると言う事での反対運動が展開されている場所でもあります。

プルトニューム残さの処理に関しては、南のニューメキシコ州にある放射性物質処理施設まで大型の特殊容器に詰めて大型トレーラーで延々と陸路輸送する計画となっていて、既に第一回目の輸送が行なわれましたが、途中での事故防止やテロ攻撃等への対応など厳重警戒体制下での輸送で全て取り除かれる迄にはまだまだ相当時間を要しそうな状況です。
そんな事からこの環状道路の残り部分はスムースな直線コースでなく、これらの問題地域を避けたジグザグなルートとなる可能性が大きいと推定されています。

シャイアン・フロンテイア・デイ:

前回の「コロラド便り」でお伝えしたコロラド州とワイオミング州の州境に近いCheyenneの町で西部開拓時代を再現するシャイアン・フロンテイア・デイの催しは予定通り7月18日から27日にかけて開催されました。

期間中に開催されるいろいろな催し物が有りましたが、アメリカ空軍のアクロバット飛行チームの「サンダーバード」による曲芸飛行のエアーショーが期間中に行われています。
サンダーバード・チームは結成されてから今年で50周年になると言う事での記念飛行なのだと言う事です。 こうした近代的な演出は今回が始めてでフロンテイア・デイに相応しくない気もしますが、アクロバット飛行チームの草分けでありフロンテイアでも有る訳で航空ショーの好きなアメリカ人達にとっては格好の客寄せイベントとなったと言えます。
TV放送でもその様子が放送され周辺のコロラド州、ワイオミング州、サウスダコタ州などからの大勢の観衆を集めて今年もこの一大イベントが終了しています。

今年のコロラドに於ける森林火災の状況:

昨年は極度の乾燥状態からコロラド州内の各地で森林火災が発生して大きく拡大した事から州の一大事となりましたが、今年は冬季のロッキー山脈への降雪量が多かった事や5月に入ってから比較的降雨量が多かった事が幸いして森林火災の発生は今まで限られていたが、ここへ来て連日の高温環境から再び各地で森林火災の二ユースが伝えられてきています。

今年はそれでも森林警備隊の活躍で大きく広がらないで済んではいるものの、7月20日現在でコロラド州内の8個所で森林火災が発生しており、コロラド州の南西の端に在るアメリカインデイアンの居住遺跡で有名なMesa Verde国立公園は昨年も大きな火災に見舞われたが、今年もまた発生して管理職員達も退去し、観光客の立ち入りが禁止となりました。

こうした火災の原因は殆どが落雷による発火が原因となっているわけですが、山岳地帯を多く抱えるコロラド州の森林警備隊では初期消火の重要性から今年は各地区へ散水航空機の配備を分散して備えていますが空からの消化活動部隊が大忙しのこの季節となっています。

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マウント ラシュモアの近くの、キーストンという町に向かっている観光用SL列車です。

コロラド州のQuality of Lifeランキング:

アメリカの各州の生活環境の各項目についてのランキングの調査報告Morgan Quitno's State Rankings 2002 によるとコロラド州の全米での項目別ランキングは次のようになっています。

* パソコンの所有所帯数では全米第2位。
* 納税者に優しい州では全米第4位。
* 一年で晴れの日数の多い州では全米第6位。
* 人口一人当たりの収入金額では全米第7位。
* 人口一人当たりの高学歴への支出金額では全米第7位 など、となっています。

JVCジャズフェステイバルの開催案内広告と紹介記事:

ロッキー山脈中のリゾートタウンWinter Parkで毎年開かれてきたJVCジャズフェステイバルが今年も7月19日(土)、20日(日)の2日間開催されました。 それまで事前の案内広告や紹介新聞記事等が見当たらなかったので、今年はどうしちゃったのだろうと心配していましたが、前日の7月18日(金)の地元新聞に広告と紹介記事が掲載されました。 バンドやプレーヤーのリストや演奏スタイルなどの解説も有って何故かホット一安心しましたが、無事予定通り終了しました。

「一粒で2度美味しい」のはハリウッド製作の映画だけでは有りません:

ハリウッドのスタジオで製作された映画は航空機内での上映に始まって映画館、VHS,DVD、TV放送、と何度もメデイアを変えて繰り返し商品として使われますが、最近はDVDの出現と普及によってTV番組の制作会社に於いてもその作品番組が人気が有ればTVで放送した後、今度はDVDでもう一度発売する、と言う事がポピュラーとなって来つつあります。

特にDVDではそのプロデユーサーのコメントや解説、そして放送番組では現われなかったシーンなどの挿入を始め、シリーズもので日替わりで放送された番組を一連組み合わせてDVDとする例などいろいろと工夫がされていますが、TV番組制作会社では従来一旦放送されてしまうともうシンジケートへ渡す(いわゆるお蔵入り)きり無かったのが、一変して作品の再利用が可能と言う事で歓迎されており、今後も継続して多くのTV放送作品がDVDで出てくる事となりそうです。

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お客を乗せ線路とほぼ平行する道路を走り、汽車を追いかけたり追い越して待ちかまえたりする観光用クラシックカーです。料金が高いのかこの時はお客がつかず暇そうでした。

エコースターやDirecTVに新たな競合会社出現?

全米ではそれ程の規模ではないがニューヨーク地区では最大のケーブルTV会社のCablevisionが去る7月17日に放送衛星を打揚げて10月1日から全国規模でそのサービスのオファーを始めると発表しています。
フロリダのケープカナベラル基地からロッキード・マーチン社のAtlas V ロケットを使って同社の放送衛星を打揚げたもので、今回の打揚げは成功している。
この衛星はRainbow 1 と名付けられているロッキード・マーチン社で製作したもので、この衛星TV放送事業にはCablevision社と同社はジョイントベンチャー会社を構成しています。

Cablevision社によるとこのジョイントベンチャー会社は今年末までに同社からスピンオフして独立し新たにRainbow DBS 社として発足する予定である、としています。
この新衛星放送ではCablevision社が権利を有するAmerican Movie ClassicsチャンネルやFOX Regional Sports チャンネルの衛星からの再販が主体となると考えられていますが、この時期にドウシテ?と言った疑問から業界の分析者の中にはいずれCablevision 社ではこの Rainbow DBS 社を何処かへ売却する事を前提としているのではないか、との憶測も出ています。
それにしても、マンハッタンの高層ビル群の各窓から沢山のパラボラアンテナが覗いている光景はあまり頂けない気がします。

米空軍の衛星配備計画の打揚げロケットは一転してロッキード・マーチン社が獲得:

アメリカ空軍が計画している偵察・通信衛星7器の打揚げについてはその衛星本体、打揚げロケットの10億ドル以上の受注を巡って厳しい受注獲得競争が展開されて来ていたが、7月24日に空軍本部より発表があり、ロッキード・マーチン社のAtlas V 型が使われる事になりました。
当初、Atlas Vはそのメインブースターを外国のロシア製に依存している事から純国産のボーイング社のDelta IV が有望とされていましたが、今回の選択に当たってはボーイング社がかって1998年の競争入札時にロッキード社の25000ページにわたる文書を盗用し不正に使用した事が発覚しており、その制裁処置を空軍として今回取ったものと見られています。

更にこれに追加してアメリカ空軍ではロケットの打揚げ基地を現在のフロリダのケープカナベラルからカリフォルニア州に在る現在のVandenberg 空軍基地でも行なうための新たな打揚げサイトの建設を2億ドルでロッキード・マーチン社に発注しており、もともとこのVandenberg空軍基地の打揚げサイトはボーイング社が建設運用していたものですが、ここでもロッキード社とボーイング社とは競合する事となります。

この宇宙ロケット打揚げ基地の場所変更はテロ攻撃に対する警備がフロリダよりもし易い事に起因しているものと見られています。
とんだ事で大きなご褒美が飛び込んだデンバーの南西のJefferson郡にあるロッキード・マーチン社ではこの空軍へのAtlas V での受注獲得は同社の今後の打揚げロケットのコスト力増強につながり商用衛星の打ち揚げ事業の獲得拡大にも大変有利となる、と喜んでいます。

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記念撮影は万国共通の様です。これで列車は終点のキーストン駅に停車中なのですが、ホームなどなくお客は地べたから乗ります。

アメリカの水素エネルギー開発計画推進に警鐘:

地球温暖化の恒久対策として炭酸ガスの排出量を規制しようと言う世界条約、いわゆる「京都議定書」に対するアメリカ政府及び議会はその批准を拒否してきている訳ですが、その見返り、と言う訳ではないだろうが、イラク戦争と時期を同じくしてブッシュ政権は水素燃料電池の積極開発促進を方針として取り上げ、ブッシュ大統領も国民へのTVを通しての特別な演説を行なっています。

これを受けてアメリカ議会では、これからの5年間に総額30億ドルの研究開発費としての予算を投入する計画となっており、2020年には水素電池を積んだ電気自動車がポピュラーとなる事を目指す事になっています。 また、産業界はそれ以上の投資を行なって水素燃料電池の開発を推進する事を指導して行く方針です。
こうした突如のアメリカ政府の方針に対して、その急激な促進に対する危惧が発表されています。

California Institute of Technology(カリフォルニア工科大学)の研究者達は最近の科学雑誌の「 Science」に論文の発表を行なって、フロンガスの時と同様に水素の燃料としての利用が商用化されて多用される様になると、生成された5%から10%はその輸送パイプラインからや貯蔵施設、処理工場、各自動車の燃料電池などからの漏れ量として空中に放出され、水素が軽質量な事から容易に成層圏へ達する。
こうして上層に蓄積された水素はそのもともと自然界に存在する水素分子と結合してH2からH3 分子に変わって成層圏で酸化が進行して水蒸気となる。 これによって酸素が消費される事からオゾン層が破壊され特に北極圏や南極圏での進行を早める事となる、としています。

過去20年間程の南北極圏でのオゾン層の計測記録は行われてきており、折角フロンガスによる破壊を世界的に食い止める事が政策的に出来たにもかかわらず、再び同じ過ちをする事になると言うものであります。
まだ、実際にこうした状態に入るには水素燃料電池の普及も含めて10年以上はかかるであろうが、いずれにしても文明化のもたらす過ちを事前に察知して食い止める事は大変重要な事と言えそうです。
フォードが最初の自動車の量産に成功してからまだ100年きり経っていないし、ライト兄弟が最初のエンジン付き飛行機での飛行に成功してからも100年きり経っていないのですから。

フロンガスによるオゾン層破壊の時もこうした使用各機器や設備からの漏れによるものが原因となっていました。 フロンガスの時はリークしても発火性が無いのでまだ良かったが、水素だと何とも危ない感じがするのでこうした各機器や水素製造工程などでのリークは自然と非常に少なくなるとは思われるが、使用頻度が増大すると総リーク量も増大するのは自然の理屈であるので 大変良いところを指摘した研究報告と感じます。
それにしても、燃料の水素を製造するのに昔、理科で習った水の電気分解で造るとしたら、その電気はアメリカでは石炭を燃やして発電する事になるのではないのかな? などと考えてしまうのですが。

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キーストンの夜景です。道路の両側にまるで西部劇のセットのような建物がずらりと並んでいます。

水素エネルギー自動車の開発:

先にブッシュ大統領の全米に向っての演説が有って以来にわかに話題として賑やかとなってきた水素エネルギー自動車についてですが、雑誌の読者欄で「水素を入れる容器を各車が積んでいるなんて危険じゃないか?」と言う事への反論が行き交っています。 こちらの人達にとってみれば古い話にはなりますが ドイツの飛行船のヒンデンブルグ号の爆発炎上事故がアメリカで起こっただけに大変気になるところです。 日本のタクシーの殆どがプロパン・ガスのタンクを積んで町中を沢山走っている日本とは違った感覚かもしれない気がします。

これとは別に、同じ水素でも通常のガソリンに精製工場で水素を混入させてガソリンに含まれる硫化水素分を取り除いて自動車で燃焼後の硫化物排出を抑えようと言ういわゆる「クリーン・ガソリン」については大分以前から発売されてきましたがそのコスト高から現在では陰を消しています。

しかしながら、現在「 New Environmental Protection Agency Rule」と言う法律が議会で審議されていて、これが成立するとこの低硫黄分含有の「クリーン・ガソリン」が再び脚光を浴びるのではないかと見られています。
水素エネルギー自動車の事に関しては最近の雑誌Timeでも特別に取り上げて載せていますが、水素エネルギー電池の開発者でDr.Hydrogen と業界では呼ばれているRoger Billings 氏の活躍の様子等が紹介されています。

安価になったバックアップ電源:

日本の東京電力と違って頻繁に瞬時停電が発生するアメリカの電力供給下では、コンピューターの電源も安全を確保する為に瞬時応答のバックアップ電源の使用が不可欠に近い状況です。 私自身はそうした意味で現在ラップトップ・パソコンで作業しているので今までにも何回と無く救われている場面を経験して来ています。

デスクトップ・パソコン用で500VA位の供給能力を有するバックアップ電源はこちらではかなりポピュラーでパソコン売り場には必ずパソコンと一緒に展示されていますが、早くからこの製品で業績を上げてきているAPC社の製品は当初その価格も高く個人用としては購入にやや躊躇するものであったが、最近の広告では60ドルと手軽に購入出来る価格となって来ています。
パソコンに限らず通常の人が使用する電気製品に付いてはこの瞬時停電に対応する事がアメリカでは必須条件となっていますが、日本では考えられない環境と言えそうです。

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前の写真の中央のレストラン内部で、昔は踊り子がいるキャバレーだったとか。

コロラドに住むアジア系の人達の様子:

2001年5月に実施された全米国勢調査の結果がその統計分析を終えて順次国勢調査局から発表されてきています。
最近公表されたものとして、コロラド州に住んでいるアジア系の住民に関する動態報告が有ります。
中国系、日系、朝鮮系、ベトナム系とそれぞれコロラドやアメリカでの過去の歴史も含めてその事情を説明している物となっています。

* アメリカで生まれた人の比率は日系が断然多く75%となっており、日本からの移民の人達はその殆どが1940年代の第2次世界対戦中に日系人の強制収容所の一つがコロラドに設けられたことからコロラドへ来て、戦争終了後にそのまま住み着いてしまった人達が大勢を占めており、早くからコロラドに定着して2世、3世、4世とコロラドでの子孫の比率が多くなってきている事を示しています。

一方、中国系の人達はコロラドではそれより早くからアメリカ大陸の東から伸びてきた鉄道工事の進展とともに大勢が入植していたのですが、鉄道が更にロッキー山脈を越えて西へと伸びるのに伴って移動して最終的にカリフォルニア州へと移ってしまった事から、コロラドでは比較的近年になっての移住者が多いのが特徴となっています。
ベトナム系の人達は完全にベトナム戦争の末期以降の難民としての移住者達で、まだ世代が新しい事も有ってアメリカで生れた人の比率は高くなっていません。

* 教育レベルについては、日系の人達は農業に従事している人達が多く、若い世代が農家を引き継ぐ、といった時代に入っていることから、高校の卒業比率が高く大学への進学している人の比率が低くなっている、と言うことで、かってはマイノリテイへの偏見と戦うために親たちが苦労しても子供たちに高い教育水準を付けさせたいと努力してきたのであるが、既にその時代は終っていると言えます。
一方中国系の人達はハイテク関係の技術者として最近になって移ってきた移住者が多いため大学卒業者の比率が高くなっています。

* アジア系の人達の間での離婚率は3%で、州の平均が11%であるのでかなり低い離婚率といえます。
従って、アジア系の子供たちの家族構成で両親が揃っていると言う比率は何れも80%以上と高くなっていて、父親だけが働いていて母親は専業主婦と言う家庭の比率もアジア系では40%と言う数字でコロラドの平均としてはかなり高くなっています。

* ここのところ急速に人口比率が増えて来ているのが韓国系の人達で、主としてカリホルニア州等からの移住なのですが、最近ではロサンゼルスでの「韓国マフィア」と言われるギャング達のコロラドへの移住も認められており、最近では目に余る犯罪が頻発してきたことから、極く最近デンバー警察とCBIとによる合同の一斉検挙劇が展開されたばかりです。
韓国からの移住者達にはキリスト教信者が多く結束が固い事が特徴で、多くのデンバー地区の教会ではその建物を日時を区切って借用して集合するケースが多く、各教会にハングルで記された看板を多く見掛ける様になっています。

* ベトナム移民の人達は親たちがやっとコロラドでの安定した職業と定着した生活を始めた、という段階であり子供たちの社会的な地位の確保に教育が重要と言うことで熱心となっている親たちが多く、丁度、現在の高校・大学世代の子供たちが優等生、と言ったケースが多く見かけられるようになっています。

* 中国系の人達はコロラドではあまり目立たない存在で、ハイテク関係の業種に働いている台湾系の人達か、または中華レストラン、そして最近こちらで多くなった、持ち帰り(Take Out)または出前の中華料理の店などで働く人達です。 こうした最近出店している中華の店の人達に聞くと何故か福建省からの人が多い事から、日本などでのボートピープルも福建省からの人達が多いと聞いているので、貧しい土地からアメリカへの出稼ぎを行なう事を斡旋するルートが存在するのではないか、と想像させられます。

* 日系の人達は既にコロラドに完全に溶け込んだ状態と言えますが、大農場の坂田ファームの創始者で上院議員を務めた坂田氏やコロラド議会の議長を務め先の知事選挙では現職のOwens知事と争った松中氏、そして長く地元新聞Denver Postの論説委員を務めたビル細川氏など、地元での公職やビジネス界で活躍している人達も多く輩出しており、既に5世の時代にかかっており完全にコロラド州の一部となっている、と言えます。

雑誌フォーチューンの主催する「Brainstorm 2003」がコロラドのアスペンで開催:

毎年、世界各国から各方面の指導者達を集めて開催される雑誌Fortune が主催して世界的な問題点について討議検討する会合「 Brainstorm 2003」が今年はコロラド州のロッキー山中の高級リゾート地アスペンのAspen Institute の会議場とSt. Regisホテルの会場とを使って7月28日から30日にかけて行われました。

この会合の出席者はそのキーメンバーは2年前から指名されていますが、その他の参加者もフォーチューン誌から指名された世界各国からの人達で、今年はクリントン前大統領、オルブライト前国務長官、連邦最高裁判所裁判官のブレヤー氏、チェッコ共和国やルワンダからの政府代表、前テキサス州知事のアン・リチャード氏、巨額倒産で話題を呼んだEnron 破綻の切っ掛けを付けたSheron Watkins 氏 などが出席しました。
この会合は非公開でありその内容については秋に刊行される雑誌Fortune の特別号を読むと分かる、と言う仕組みとなっています。

たまたま2001年のこの会合では国際テロリズムについての議論が大きく為されましたが、それからたったの5週間後にあの9月11日の 同時多発テロの惨劇が起こっています。
参加者全員には事前に「これから世界は良くなるか?悪くなるか?」と言った質問や「2013年に於いてどんな国が世界をリードしているか?」などの質問が出されており、会場で回答しなくてはならない事となっていて、それらを起点としてのブレンストーミングとなる会合です。以上、7月のコロラドでの出来事を中心に「コロラド便り」をお送りしました。

9月には毎年恒例の「杉の会」の会合が開かれるものと思いますが、出席して皆さんの元気なお顔に接したいなあ、と思っていますが、日本へその時に丁度行けるかどうか心配です。
皆様方に置かれましては、暑さ益々厳しくなる季節柄、健康に充分注意されて健康第一でお過ごし頂きますよう祈っております。

[以上]

 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
Photographs copyrighted (2003, Vic Goh)
 
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