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コロラド便り(その60)
2007年10月3日(水)
萩原 正喜/コロラド

コロラドでは9月17日には急速に気温が低下してロッキー山脈に初雪があり、各嶺峰が今シーズンの初冠雪となりました。事前の天気予報では山麓のデンバー地区でも降雪があるとしていましたが、幸い雪にならず終日寒い日となりました。
翌日には快晴となって暖かい日が戻って来ましたが、早くも朝晩は冷え込む晩秋の雰囲気です。

そうこうしているうちに9月24日にはデンバー地区では天候が大荒れで、小雪が舞ったり、みぞれ混じりとなったり、と気候変化の激しい大変寒い一日でしたが、翌日は打って変わって快晴の上天気となっています。
そろそろ芝生の手入れやスプリンクラーの水抜き、そして屋根の上に付けている夏場にフル活躍したスワンプクーラーの水抜きやズック地’の囲いなど冬支度の作業をしないといけない時期となっています。

今夏シーズンはロッキー山中での降雨量が多かったのでアスペンツリーが水分を多く含んでおり、その黄葉(紅葉ではありません。)の時期が例年の9月15日前後というのが遅れると言っています。
9月18日(金)にアスペンツリーの黄葉風景を見ようと我が家では私と家内、そして6才になるジャーマンシェパード(Ginger)と1才半のドーバーマン(Maggie)の2匹の犬を車に乗せて出かけましたが、国道ハイウエー70号線に入ったばかりのところで交通大渋滞に巻き込まれて、そうこうしているうちにMaggieが食べものを吐いてしまい、Gingerの方も苦しそうな雰囲気という事で遠出は諦めて家へ帰って来てしまいました。
9月25日(火)に改めて今度は犬2匹は家に残して、家内と2人だけのドライブで行く事にして、その代わりに遠出しないで、我が家より最も近距離のアスペンツリー黄葉見物ルートとして地元新聞のRocky Mountain News紙に紹介されていたGeorgetownの町からGuanella峠越えのルートへ出かけました。
今回のレポートはそのGuanella Pass Roadのドライブの様子を報告致します。



Aurora => Georgetown

ロッキー山脈越えのハイウエー70号線を西にジョージタウンの町までは急勾配の登り下りを繰り返す良く舗装されたインターステイトハイウエイで短いトンネルが2箇所程有りますが、まわりの山々を眺めながらのドライブです。
ジョージタウンの町は山間の小さな町ですが、かって鉄道が70号線沿いに走っていましたが、これより急勾配での登り、という事で駅の部分がスイッチバックの構成となっていて、さらに標高を稼ぐ為に川の上に架けられた鉄橋がループ式となっていました。
現在はもう鉄道は営業していませんが、観光用としてジョージタウンの町から次のSilver Prumeの町まで春から秋までの観光シーズンの間蒸気機関車に牽引された列車が往復しています。



ジョージタウンの町の入り口にある看板です。



町の入り口の道路の傍らに造られたばかりのビジターセンターです。
ビジターセンターでは町の案内や近傍の観光地そして、Guanella Pass Roadの案内などを観光客対象に行っており、地元のいろいろなお土産品などの販売もしています。



ビジターセンター内の様子。
ロッキー山脈の山岳地帯に野生している山羊の剥製が2頭飾られています。雄の山羊の年寄りになると角が巻いて来て渦巻き状になります。



最近、今まで使っていたシボレーBlazer(1999年型)をこのトヨタRAVー4(2007年型新車)に変えました。 今回がこの車の初遠出ドライブです。

Georgetown => Guanella Pass

ジョージタウンの町からは直ぐに急勾配のジグザグ道での登りとなります。 道は舗装してなくかなり荒れていますので早く走る事は出来ませんが、周りの風景の変化を楽しみながら上って行きます。
道路はFR381号線と言ってFRはForest Route(林道)の略です。 舗装はしてありませんが良く整備されており、所々が洗濯板の上を走っているようなブルトーザーのキャタピラーの跡のが多く着いており車のバイブレーシヨンテストをやっているようなところがかなり多く有ります。



登り道の中腹からの眼下に見下ろすジョージタウンの町の風景です。
山間の小さな町というより村ですが、City of Gorgetownとなっており、町中で美容院を経営している女性が市長となっていることでもコロラドでは有名です。
町の西はずれ(写真での前方)には比較的広い貯水池があって冬の期間は結氷しますのでスケートリンクになったり、ワカサギ釣りなどで楽しめます。



峠までの間はアスペンツリーが道沿いに連なっていますが、その規模はアスペンやベイルに比べて小さく全山黄葉と言う訳にはいきません。
また、時期がやや早かったのでまだ少し緑色が葉に残っています。



道を進むに従って標高が上がって来ると徐々にアスペンツリーの数が減って来てスプルスの樹林となります。



いよいよGuanella峠へ着きました。 
標高11665フィート(3555m)の峠より東側には写真のような光景が展開しており、既に樹木は周囲には無くて、荒涼とした風景が広がっています。
遠くに見える3つの峰は右からMount Bierstadt(14060フィート/4285m)そしてMount Evans(14264フィート/4348m),さらにMount Gray Wolf(13602フィート/4145m)の各嶺峰です。
中央のマウントエバンス山はその向こう側が完全舗装の自動車道路となっていて、標高4350mの頂上まで車で上る事が出来ます。

Guanella Pass => Grant

Guanella峠はロッキー山脈の分水嶺(Continental Divide)の一部を構成している峠で峠の西側にも多くの峰嶺が連なっています。
峠よりの今度は下り道です。 途中から再びアスペンツリーとスプルスの樹林帯の中を走ります。



やがて、完全舗装路の国道US285号線に合流するまでの一本道の下りです。
Grantという地名の場所ですが、家が数軒あるだけの村です。

Grant => Aurora

快適な山間を走るUS285号線をデンバーの町まで一気に下ります。
周囲が山林となっている道を少し走ると突然下の写真のようなホットドッグの形をした店が道端に現れます。



なんとも周囲の景色にそぐわない光景ですが、この店はその形の様にホットドッグを目玉にしているレストランで、コニーアイランドと言う名前の店で、昨年ここに建設されて営業を始めたばかりですが、人気があってドライブしている人が多く立ち寄っています。
私たちも車を停めて名物のホットドッグを注文しました。



店の裏側には写真の様に木製の大きな水車が回っていて、裏山の沢からの水で常に回り続けています。
何でホットドッグの形の建物と水車なのか理解に苦しむ風景ですが、アメリカ人の発想としか言えません。

オローラの我が家を午後1時半に出て、夕方の6時に無事帰って来ました。 総走行距離160マイル(257km)のドライブでしたが、比較的家から近距離で秋の山岳ドライブを楽しみました。



日本の元西武の松井稼頭央選手が活躍するメジャーリーグ野球の地元チームのコロラドロッキーズが9月16日 の試合以来13勝1敗でその間のチーム打率3割1分9厘という攻撃でシーズン最後の場面で 11連勝という記録をつくる追い上げをみせてとうとうアリゾナダイアモンドバックスとの3連戦を2勝1敗でしめくくって、West Division首位のサンデイエゴパドレスとの同勝ち数から1ゲームプレーオフを9月30日に地元のクアーズスタジアムで行い延長13回と言う死闘を繰り広げ、最終回に先攻のパドレスがホームランで2点を入れてもうだめかと思われた最後の最後で奇跡とも思えるロッキーズは3点を入れて9対8で試合を制してナシヨナルリーグの覇権をかけたワイルドカード試合を日本の井口選手が所属しているフィラデルフィアフィーリーズとの5ゲームを行う事となりました。

松井稼頭央選手は2塁手トップバッターで口火を切る2塁打の先頭を切る攻撃でホームを踏み、6回には犠牲フライで勝ち越しの1点をいれ、最終回の13回裏には2塁打で次の打者の更なる2塁打で1点を入れ逆転劇のきっかけを作るという活躍をしています。
1995年以来のロッキーズの劇的なリーグプレイオフ進出と言う事で地元ファンは大興奮となっています。
フィーリーズとのこれからの試合がどうなるか分かりませんが、シーズンが終了して松井稼頭央選手の今シーズンの成績は打率2割8分8厘、ヒット116本、ホームラン4本、盗塁32となっており、シーズン始めに心配された持病の腰痛を克服して健闘したと言えそうです。

今回の「コロラド便り」(その60)で最終回となることになりました。
文才の無い私のジャーナルですが、まるまる5年間の長期にわたって毎月ご覧頂き「杉の会」の皆さんには大変有り難うございました。
少しでもこのジャーナルを通じて皆さんがコロラド通に成られたのであれば幸いです。
月日の経つのは早いもので私が日本よりアメリカのコロラドへ移住してからこの9月30日で早くも満10年が経過しました。 台風や竜巻、地震などの天変地異が少なく乾燥した空気と標高4000m級の山々が連なるロッキー山脈に近いコロラドでの生活を満喫しています。
天高く馬肥ゆる、季節ですが、皆さんには健康に留意されて元気にお過ごし頂ける様コロラドより祈っております。
またの機会に皆さんとは元気にお会い出来る事を楽しみにしております。
                                 

 
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