Title
   

 

コロラド便り(その57)

2007年7月3日(火)
萩原 正喜/コロラド

7月4日はアメリカの独立記念日です。この日をアメリカでは特別に「July 4th」または「4th of July」と呼んでいて、 国民の祝日となっていますが、昼間の爆竹や夜に入ると花火の打ち揚げを行って賑やかにアメリカの独立を祝う風習となっていますが、 それらによる火災が頻発するので消防署にとっては気が抜けない警戒日ともなっています。 この時期には空気が乾燥している上に気温が上昇し連日日中の最高気温が華氏100度(摂氏38度)前後となりますので、 規模が大きい場合は山火事が発生し易く、街中では芝生や雑木林などでの花火からの引火などが原因となって大きな火災となる事が有ります。 一方5月末のメモリアルデイと同様、多くの人々が観光やリクリエーシヨンの目的で遠出のドライブやキャンプに出かけますので、 各観光地が最も賑わう日となっています。コロラドのロッキーマウンテイン国立公園では年間300万人の観光客が訪れますが、 その内の70万人が7月の観光客数となっており、年間で最も多くの訪問者を迎えて最も混み合う月となっています。 当然の事ながらロッキー山脈のキャンプ場やキャンピングカーの停泊地の予約は7月一杯は満員となっており、今年の傾向として 1個所で長く利用する人が増えており、あちこちを宿泊しながら移動する人が減っている、と言う事です。 今年は自動車の燃料のガソリンが高騰していますので、どうなるかと思っていますが、AAA(American Automobile Association)の 今年の調査結果に基ずく予測によると全米では4110万人の人達が出かけることになると言う事で、ガソリンの価格は昨年同時期に 比べて全米的に平均で12%は高くなっており、更に値上がり傾向にあるのでこの夏には全米平均で1ガロン当たり3.50ドルとなる予測で、 もしかすると4ドルを越す可能性もあるとしています。全米的に見ると、ホテルなどの宿泊施設の費用は昨年同時期に比べて5%高くなっており、 一方、航空運賃の方は12%下がっていて、レンタカーの料金はデンバー地区では18%上昇しています。 今年は7月4日が水曜日ですので、木、金曜と休暇をとって土曜、日曜と5連休として観光に出かける人が多いと言う事です。 日本でのゴールデンウイーク時やお盆の季節などの混雑も大変ですが、こうした皆が出歩く時期には家で静かにしていて、皆が働いている時に 休暇をとって遠方へ出かけると言うのが優雅な過ごし方であるのはアメリカでも同様です。

中国からの輸入商品での問題発生頻発:

現在、アメリカ市場に出回っているコンスーマー商品の非常に多くが「Made in China」(中国製)となっていることが大変顕著となっています。 中国での労働力が安く潤沢に確保出来る事から各アメリカ企業はそれぞれの商品のコストを低減する為の最も効果的な方法として中国の製造工程 への依存が高まっている現状です。日本の企業が中国への製造に移転する時はその商品の品質の低下を招かないように製造工程全般に付いて 品質管理の教育から始まってその実践を最重要点として展開してきました。しかしながら、アメリカでは中国の日本メーカーの管理下に無い 独立企業からの輸入商品が多くを占めてきており、通常の商品では「安かろう、悪かろう」という一般消費者の認識でコストが安いのだから 多少品質が悪いのはやむを得ない、と言った認識で扱われている現状です。そうした中国商品が市場に満ち溢れて来ても人命や健康に影響を 与えない商品に留まっているうちは良かったのですが、最近になって、犬猫用のカンズメ入りのソフトフードでその内容物に色素やプラスチック 製品でお馴染みのメラミンの混入したものが大量に見つかり、大問題となって大量な市場回収に発展しました。 我が家でも飼っている2匹の犬用としてカンズメ入りのソフトフードをCostcoからまとめ買いしていまいしたが、Costcoから緊急回収の案内が 来て慌てて返品しています。これらの事件は市場でのこの餌を与えた犬猫の16匹の死亡クレームを受けて公式には FDA(Food and Drug Administration)(医薬・食品管理局)の調査結果で判明していますが、全米では6000万個の缶詰が市場回収の対象となっています。 その後動物の飼料たけかと思っていましたら、塗料に鉛を含有している物を使用している子供用の玩具の汽車150万セット、 ジエチレングリコール入りの歯磨きペースト、そして使用中にタイヤの溝が分離して破損する自動社用のタイヤ45万本などが見つかり、 何れも人命に直接関わる物だけに大問題となっています。更に6月末には中国から輸入している魚介類でいわゆる養殖物の中に有害な薬品を 含んでいるいるものが発見され、現在FDAでは輸入総量の5%程しか検査出来ていないので更に大問題となっています。 養殖で与えている餌に有害な化学物質を含むものを与えているのが原因と予想されていますが、ちなみに現在中国からの輸入量は魚介類としては 第3位となっていてFDAもお手上げの状態ですが、もともとあまり魚介類を食さないアメリカ人の日常の食生活ですが、日本の寿司や刺し身が 健康に良いと言う事で魚介類の需要が増えてきている時にとんだ事となっています。 どうして最近になって中国からの商品にこうした危険物が出て来る様になったのだろうか?と言う疑問が生じますが、もともとこうした安全面での 管理は中国では出来ていないのが、ここへ来てその中国からの輸入量が急増している事から表面化してきていると見るのが順当の様に感じます。 今や中国は世界の生産工場と言える程のコンスーマー商品供給基地となっていますが、特にアメリカでの中国からの輸入量は2001年から急激に 上昇を続けており、2003年以降アメリカからの中国との貿易では2倍を越える輸入超過となっており、昨年2006年の実績では、 アメリカから中国への輸出金額が552億ドルであったのに対して中国からアメリカへの輸出金額は2039億ドルと4倍近くの差となってしまっています。 何か抜本的な管理策を中国政府として打たないと消費者の「Made in China」の買い控えが自然に起きてその輸出量が制限されてしまうことに成りそうです。 「中国はアメリカ人をその輸出品で殺す気か?」といった過激な時事マンガも現われている事で今後の成り行きが心配されます。 ところで、中国との距離でも貿易面でもより近密な日本ではこうした中国からの輸入商品の安全面での受入管理は大丈夫なのでしょうか? 厚生労働省がアメリカのFDAと近密に連絡をとってしっかり検査しているから大丈夫、という事は言えないと思われます。 ちなみに2006年の中国から日本への輸出金額は917億ドルでアメリカの場合に比べて2.5分の1ですが、香港などを経由して入ってくる商品や、 特に魚介類なども考えると何とも心配な近況です。

中国のサッカー・ナシヨナルチームがデンバーで試合:

2008年北京オリンピックを目指して強化を計っている中国サッカーチームがそのアメリカ遠征試合でデンバーのプロサッカーチームの と6月10日(日)に今シーズンからオープンとなったデンバーの北東に在るDick’s Sporting Goods Parkのサッカー場で対戦しました。 事前に地元新聞に案内の新聞広告が載りましたが、漢字と英語の併記広告となっているのが大変興味が持たれました。サッカー=>足球ナシヨナルチーム =>国家隊コロラド=>科羅拉多ホームグラウンド=>地主球場インターナシヨナル・サッカー・マッチ=>国際激請賽などと中国では呼んでいるのが分かります。 コロラドラピッズは新設成ったサッカー専用のDick’s Sporting Goods Parkのグラウンドを今シーズンから本拠地としているプロサッカーチームで、 アメリカのナシヨナルチームへも数名の選手を送っています。MLS ( Major League Succer ) は全米13チームで構成されており、Rapids はその Western Conference 6チームで現在4位の成績となっています。有名な英国のベッカム選手が最近移籍したロサンゼルスGalaxyチームとColorado Rapids の試合が8月26日にこのDick’s Parkで予定されており、今まであまり盛んでなかったサッカーがコロラドでも徐々にその人気が高まって来ています。 それでもプロサッカーの試合のTV中継は4大ネットワークチャンネルではまだ放送される事無く、ケーブルや衛星放送のみでやっているスポーツ専門 チャンネルのESPNやESPN2でのみサッカー中継が行われています。また、地元のローカルチャンネルでは、ヒスパニック系の人々を対象としている スペイン語チャンネルのKTFD(Telefutura)Ch14及びKCEC(Univision)Ch50とがヒスパニック聴取者の増加を得てサッカー中継放送をやっていますが、 まだまだ主要番組とはなっていません。しかしながら、ヒスパニック系(特にメキシコ系)の若年層の人口が急速に増えていることからコロラドでも徐々に サッカーが主要なスポーツと成りつつある最近の情勢です。

ニューヨーク・ヤンキースを迎えての野球メジャーリーグ戦:

プロ野球のNew York Yankees をコロラドへ迎えての地元チームColorado Rokies との3連戦がデンバーのCoorsField スタジアムで6/19(火)、6/20(水)、 6/21(木)と行われました。ヤンキースはアメリカンリーグに所属しており、ロッキーズはナシヨナルリーグですので、コロラドでの対戦は実に5年ぶりの事で 地元のロッキーズファンも大変注目する3連戦でしたが、特にヤンキースの松井秀樹選手とロッキーズの松井稼頭央選手との対決と言う事もあって私も 大変興味を持って見ていた3試合となりました。戦績はホームゲームとなったロッキーズが2対1、6対1、4対3と3連勝でヤンキースを一蹴して 地元ファンはその溜飲を下げる事となりました。特にホームランを含む松井稼頭央選手の攻守にわたる大活躍が目立った3連戦でしたが、 松井秀樹選手も不調なヤンキースにあって2ランホームランなどを撃って活躍しました。特にヤンキースの2連敗を受けての第3戦にはヤンキースは 昨シーズン以来の負傷から復帰した往年の大投手クレメンス選手をたてての対戦となりましたが、ロッキーズの競り勝ちとなっています。 この3連戦に於けるCoors Field球場での総観客数は145,128名となり過去の最高記録に1402名足りませんでしたが久し振りの大入りとなっています。 コロラド・ロッキーズは現在ナシヨナルリーグの5チームでは4位の成績ですが、松井稼頭央選手がチームに復帰してきて以来連勝してきており、 先のサンフランシスコ・ジャイアンツとの3連戦に於いてもそのホームラン数で新記録に到達しようとしているバリー・ボンズ選手を良く抑えて勝利し、 今シーズン開幕以来最下位に低迷していたのを同チームを抜いて5位から4位へと浮上しています。日本での西武時代からそうでしたが、 松井稼頭央選手がプレーしている時には不思議とロッキーズは勝利が付いてまわっており、彼が相手チームをヒットや盗塁でかき回している間に リーグきっての強打者2人のHolliday外野手(3番)とHelton一塁手(4番)とがその強力打線を構成して好成績を残しています。 そうした意味では、松井稼頭央二塁手(2番)の今シーズンのラッキーボーイとしての活躍に大きな地元ファンの期待がかかっていますが、 今のところ彼のウイークポイントである腰痛も出ていないので、ロッキーズの試合のあった翌日の地元新聞のスポーツ欄を開くのが楽しみです。 7月2日現在の松井稼頭央選手の成績は2割9分6厘と3割を切ってしまいましたが、ヒット35本、ホームラン2本、盗塁15となっていて、 今後の活躍が期待されます。一方、ロッキーズは現在39勝43敗で負け越しておりヤンキースに3連勝したあと連敗が続いておりどうなるかと 地元ではヤキモキしている最近です。そうした中にあって7月のメジャーリーグのオールスター・ゲームの参加選手の発表があって、 日本選手ではマリナーズのイチロー外野手が先発メンバーで選ばれた他、ドジャースの斉藤投手が控えで選抜されていることは日本でも伝えられていると思いますが、 コロラド・ロッキーズからはMatt Holliday外野手(3番バッター)とBrian Fueutes投手の2名が昨年に続いて選ばれています。

デンバーのダウンタウンで独りでやっている日系人の理髪店:

地元新聞のRocky Mountain News紙にGary Massaroと言う記者が執筆しているデンバー地区での変った光景や人間模様を紹介している欄があって、 6月12日号ではデンバーのダウンタウンにある「桜スクエアー」の近くでやっている理髪店が紹介されています。店主はジョン米倉さんで今年74才になりますが、 48年前にこのLarimer 通りで開業して以来48年間継続して独りで理髪店を運営しています。毎週日曜日だけが休店で残りの6日間は毎日店を開いています。 散髪だけで10ドル、髭剃りで5ドル追加といった料金でズーとやって来ていますが、最近は髭剃りを希望するお客は大変少なくなった、と言っています。 彼は日本からの移民の両親のもとでカリフォルニア州のStocktonで生れましたが、家族で太平洋戦争が始まる直前に日本へ行きましたが、当時の日本では歓迎されず、 「お前は日本人ではない。アメリカ人だ。」とののしられて子供どうしでの喧嘩となる事も有ったとの事で、彼は「私は最も具合の悪い時期に日本へ行ってしまった。 その後6年半にわたって当局から拘束された。」と言っています。終戦後の1948年に彼と家族はアメリカへ戻ってきて、戦時中彼の父親はアーカンソウ州に 在った強制収容所に入っていましたが、戦後ネブラスカ州で家族が一緒に落合って住むことになりました。しかしながら、米倉さんはその時は既に20才の高校生 となっており、英語がほとんど話せないので苦戦しましたが、その後陸軍に入った後にデンバーへ移って、現在のダウンタウンに在った州立の理容師専門学校へ 通って友人と理髪店を開きました。米倉正富と言うのが日本の本名ですが、その時にもっとポピュラーな名前にした方が良いと言う事でジョンという名前を使い始めています。 その後現在の場所で店をもって、以来独りで48年間理髪店を営んで来ています。彼の店ではごく最小限度必要な理髪店の鏡と椅子や道具が有るだけで、 彼が14年間飼っている猫のスヌーピーが一匹片隅で昼寝をしているだけです。彼の趣味は特別これと言ったものは有りませんが、 日曜日に時々ロッキー山中にあるCentral CityやBlack Hawkのギャンブル場で遊ぶだけだ、としています。彼は引退する気は無く、身寄り家族は居ないので 「死ぬまで床屋を続ける積もりだ。私が死んだらこの場所から誰かが引き出して片付けてくれるだろう。」と言っています。何とも人生を達観した米倉さんの言葉ですが、 彼自身は至って明るく変に力んだところが無いのが印象的だった、と取材した記者のMassaro氏は記述しています。 今回のこの記事を読んで、「人それぞれの人生ですが、こんな人生も有るのだなあ、」と私は感じさせられました。

フラットパネルTVセットの価格低下:

以下は調査会社IDCのレポートからのアメリカでのフラットパネルTVセットの市場価格の状況です。 *昨年にはアメリカでの30インチから39インチのフラットパネルLCD・TVセットの市場価格は30%以上の低下を示して、平均約1477ドルとなっています。 *今年のアメリカ市場での40インチ以上のフラットパネルLCD・TVセットの平均市場価格は20%以上低下して、2853ドルから2195ドルとなるとしています。 *さらに、2010年までにはアメリカ市場での40インチ以上のTVセットの市場価格は2003年で平均9444ドルであったのが、平均1186ドルまで低下する、 としています。

4月のデンバー空港の利用客数:

夏の旅行シーズンを前に4月のデンバー空港の利用客数が発表となって、4月の記録としては始めて400万人を越えています。 昨年の4月は380万人でしたが、今年の4月はそれを5.4%上回る404万人となったとデンバー市の空港担当者から発表されています。

デンバー空港の駐車場の現状:

デンバー空港がオープンした1995年3月の時点での空港の自動車の駐車能力は17、000台でしたが、現在の駐車能力は34、000台と2倍となっています。 今年12月に完成する予定の屋根付の駐車場は1、700台分の能力を持つようになると空港当局では言っています。それでも慢性的に混雑しているデンバー空港の駐車場ですが、 賢い旅行者へのヒントとして次の事が言えるとしています。 *月曜日から水曜日ビジネス旅行客達で高額駐車料金の屋根付の駐車場の方が一杯となる。 *週末には観光客の車で安価な駐車料金の屋外駐車場の方が混雑する。これらを避けて駐車場所を決めるのが賢明です、としています。

リゾートタウン・アスペンの空港の滑走路改修工事:

ロッキー山脈の西側に在る高級別荘地Aspenの町はデンバー空港からですと自動車で4時間の距離ですが飛行機ですと35分で行けます。 アスペンの空港は州道82号線沿いの延長7000フィート(2134m)の滑走路一本のみで運用していますが、ユナイテット航空の子会社 ユナイテット・エクスプレス等の商用航空会社によるいわゆるRejonal Flightの小型機が乗り入れている他多くの自家用飛行機の離着陸で混雑している 山中の小空港です。その滑走路が1983年以来改修工事をおこなっていなかったので近年の離着陸便数の増加に対応するのに危険となってきていることから、 今回総費用1200万ドルをかけて2ヶ月間で全面改修工事を実施していますが、工事が終了してその間閉鎖されていた空港が今週再オープンしています。 アスペンの町は標高が高い上に山中に在ることから天候が変わり易く、特に12月から3月にかけての冬の期間はパイロット泣かせの空港で天候不順による 航空便のキャンセルが多く発生しています。今回の滑走路の改修でそうした事がかなり改善されるとしています。

アメリカでのRabbit Earsアンテナの利用家庭数:

アメリカの2000万軒近い数の家庭ではTV放送の受信にいわゆる屋内用のRabbit Ears(ウサギの耳)アンテナに頼っています。 ちなみに我が家でも食事をするテーブルの端のTVセットはそのアンテナを使って地上波放送を受信しています。TVセットはJVC製の13インチCRTのものですが、 近いうちにフラットパネルのTVセットに買い替えてアンテナも外部取り付けの本格的なものに新調しようかと考えています。

インターネット・ラジオの聴取者数:

電話回線やワイヤレスでのインターネットラインを経由してインターネット・プロトコルで音声放送を行っている、 いわゆるインターネット・ラジオのアメリカでの聴取者数は3年前では2000万軒であったのが、現在では2900万軒に増えています。

スペイン語で話す人達は英語の人よりも物事に固執する:

1501軒のスペイン語で日常会話をしているアメリカの家庭についての調査結果では、お店とその顧客という関係に於いて大変拘るという事が分かっています。 すなわち、調査結果ではスペイン語で日常話している人は英語で話す人に比べて商品やサービス上での問題に直面した時により不安を表わすだけでなくその代金の 返却や新品との無料交換などで怒りを和らげようとする傾向が強く、また、その悪い体験をした事を彼等の友達に言いふらす傾向が強い、としています。 アメリカ市場へ商品を供給している会社はヒスパニック人口が急増している環境にあって、そうした意味から顧客対応に注意が特別に必要、と言う事のようです。


いよいよ7月に入ってコロラドでも本格的な夏の季節となってきています。
ここ数週間は好天日が連続していて、日中の最高気温が華氏100度 (摂氏38度)前後を記録している日が続いています。
それでも、空気が乾燥しているので湿度の高い日本の夏で育った私にとっては過ごし易い環境なのですが、 家のスワンプ・クーラーのモーターは朝から晩まで回しっぱなしの毎日です。今週に入って我が家の電話システムがインターネット・プロトコルベースの電話に切り替わりました。

以前は電話会社のQwest社の伝統的な音声電話を使用していたのですが、パソコンでのインターネット検索やE-Mailのやり取りに専用回線を使っているとケーブルTVの当時 AT&T Broadband社のケーブルTVラインの低周波域を利用して一本で4回線分が通信可能な音声電話サービスの方が月額料金が割安であったので切り替えました。

その後、AT&T Broadband社がケーブルTV会社のComcast社に買収されましたが、我が家の電話の方は何も変わらず、ただ毎月の料金の支払先だけがComcast に替わっただけでしばらく推移していましたが、もともとComcast社では全米各地でのケーブルラインを利用する電話サービスにはインターネット・プロトコルベースの サービスを基本としてきており、買収したデンバー地区でもそうしたかったのですが、顧客数が余りにも大勢なのと設備の変更が大変と言う事で交換設備などをAT&T のもので継続して来ています。それでも同社では徐々に切り替えを計ってきました。

そうして遂に最近顧客宛てに連絡を出して「7月中旬で今までの「Digital Phone」の サービスは打ち切りとなるので今後「Digital Voice」に切り替えて下さい。」という事を通知しています。もちろん、「Digital Voice」の方はインターネット・プロトコル ベースの電話のことです。言わば最後通牒を電話の顧客に突きつけた形ですので、我が家でもどうしようかと考えました。

これを回避する方法としては電話会社の Qwest社のサービスに切り替える手がありますが、結局月額料金が最初の1年間は半額になると言う魅力に負けて「Digital Voice」に切り替えました。

どう切り替えるのだろうか?と興味を持って眺めていましたが、Comcastから切り替え作業員が独りでやって来て現在引き込んでいる同軸ケーブルの本線との接続部を はしごに登って切り替えていましたが、後は同軸ケーブルの我が家への引き込みボックスから線を引き出して弁当箱程のコンバーターボックスを壁に取り付け、 迂回接続を行って作業終了しました。

その間約1時間半の工程です。結果として使用している電話やパソコン接続には何の変わりも無く、おまけとして 「ボイス・メール」の利用が可能となりましたので今まで使っていた留守番電話機能が不要となっています。

我が家ではケーブルTVラインがその引き込みボックスまで 来ているので何時でもブロードバンドに切り替え可能なのですが、未だに私の使っているE-Mailは相変わらずのダイアルアップのままですが、 今回の我が家の電話システムの変更を通じて時代の変革をつくずく感じた次第です。
いよいよ蒸し暑い日本の夏に入って皆様大変でしょうが是非元気にお過ごし下さい。


 
 
 
 
Copyrighted to: Mike Hagiwara
 
inserted by FC2 system